富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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セシル=テイラーと謎の秘宝セシル、ローランだけでなく、魔王やおばあちゃん!など登場人物は全員例外なくキャラ立ちが半端ない面白探索ゲーでした。トレジャーハンターが屋敷で宝を探索する先に待ち受けるエンディングは計3つですが、この分岐条件の構成も綺麗で、シナリオをきちんと読めばちゃんと全ED回収できるのも嬉しかったです。 そして、「さーて、3つのED見られて良かったな」と思ったところが体感的に折り返し地点くらいのイメージで、そこから充実の前日談、後日談、ラブコメ劇場と共同制作のいいところ出まくりの充実のおまけラッシュが楽しめました。本作のスピンオフ的に?BLギャグパロディまであるらしいので、お好きな方は忘れずに概要欄をチェックです! サムネのような美麗なグラフィックもたくさん拝めますし、低音イケボっぷりには(男ながら)感動しました。 -
Feed me Now !飼い主の感情を完全に把握してるネコちゃん、魅力にメロメロにされてネコちゃんに夢中すぎる飼い主、ゴキゲンでノリノリのBGMのシンプルな3要素で構成される短編作ですが、同作者さんの「Only Dance!」同様にプレイすると脳内麻薬でも分泌されるのか中毒性が凄いです! @ネタバレ開始 いたずら連発で荒れていく部屋を前にしてもフル許容な飼い主の目が完全にイっちゃってて好きです。 @ネタバレ終了 -
『プラリ』白黒のビジュアルとシンプルなBGMながら非常に感情を刺激するエモい作品でした。何を書いてもネタバレになりそうなので、できれば未プレイの方に色々紹介したいのですが伏字にします。 @ネタバレ開始 現実を認めたくなくて『プラリ』と呼んで君とは別の存在と捉えること、 どちらの選択肢を選んでも最後の文章が同じなのがとても印象的でした。 君とのどんな思い出を思い出しても、行き着く先はやっぱり大好きだったんだな、と。 @ネタバレ終了 ショッキングな作品にしか見えないかもしれませんが、そういうのが苦手な方にも是非遊んで欲しい、と思いました。 -
Newton's cradle-ニュートンの揺りかご-変幻自在すぎる作者の世界観に魅了されました。起動直後から不穏で不気味なグラフィックとBGMに心はざわざわしましたし、ゲーム内のグラフィックは全編通じて差分量がとてつもなく、こんな表現があるのか、と思いました。印象に残るシーンだらけではありますが敢えていくつかに絞ると、 @ネタバレ開始 本編の社畜リーマンの物語の鬱シーンの演出と終盤のボイス表現、 あれれ?こっちも本編?と思えるおまけのオリンピックシーンとラストの急なお仲間登場、 絶対これが本編じゃん!となったおまけのおまけのそうだったのか!な双子から見た世界の真実と内閣府HPのムーンショット計画、そしてエンディング曲 @ネタバレ終了 といったところでしょうか。感想を書こうと思い出すだけでも本当にインパクトが炸裂しているゲームだったなぁ、と。個性が最大限発揮された、フリーゲームの醍醐味が味わえるゲームでした! -
天使がヒモになりましたとてもキャッチーなタイトルに惹かれてプレイしましたがとても面白かったです。グラフィックはサムネをご覧の通り非常に綺麗ですし、エンディングは複数に分岐しますがどのエンディングもこの物語の結末としてとてもしっくりくるものでした。プレイ時間も1時間弱くらいで遊びやすい!個人的にはプレーヤーに対して情報を開示するタイミングや順番がとても秀逸だと感じました。 なお、ある程度プレイが進んだところで、タイトルのセンスが改めて素晴らしいな、と思いました。また、 @ネタバレ開始 概要欄の天使度の部分がにくいです。 @ネタバレ終了 全EDを拝見しましたが、やっぱり一番の好みは大団円エンドです。素敵! -
My spatial world柔らかくて温かいタッチの絵とストーリーが魅力の作者さんの作品です。今作も雰囲気は同様ですが、考察・探索ゲームということで過去作と全く異なる遊び心地でした。喫茶店から退出するにはクイズに何問か正解する必要があるのですが、このクイズは喫茶店を隅々まで調べなければ分からないかなり難し目のものです。が、マスターラビットとの会話を重ねながらしっかり調べているうちに、色々な要素に気付かされていました。簡単難易度だと気付かずに進めていってしまったように思うので絶妙なゲームバランスだったと思います。 ちなみにですが、本作をプレイする際は過去作を先にプレイすることが個人的にはおすすめです! -
反動のクラウドレイジ-ACT2面白いのは既に知っている大作ノベルRPGの第2章ということでプレイ前から楽しみにしていました。前作を遊んでから少し時間が空いてしまい人数も多いのでキャラクターを覚えているか不安でしたが、個性的な面々に再会したら直ぐに思い出して問題なく本作の世界観に舞い戻れました。 まず相変わらずグラフィックはとても綺麗で、通常時でうっま!となりますが、躍動感のある出撃シーンのポーズとバトルシーンのカットイン演出が痺れます。今作を遊んでいて何度も感じたのですが、BGMの選曲と効果音の選定・タイミングも完璧で、戦闘時や緊急事態の緊迫感をひしひしと感じました。そしてやはりバトル要素です。ゲームバランスは最適かつ抜群で、考えてプレイすれば初見はやられても2戦目では強敵も撃破できるくらいの難易度でしたし、やはり何よりこれだけ多くのキャラがきちんと役割とキャラクターに見合った性能・能力値なのが素晴らしいな!と改めて感じました。 体感はあっという間でしたがボリュームもあって、新たな展開は序盤から盛り上がりっぱなしでした。次回はいよいよ最終章でしょうか。絶対に最後まで見届けたいので、体調に気を付けて走り切って頂きたい! -
人狼の館 ーepisode0ー美麗なグラフィックとパートボイスが豪華な作品でした!本作はエピソードゼロの副題の通りに導入のような内容となっています。デスゲームが終わった後の館に潜入するという一風変わった設定で、残された証拠を分類することで手がかりが得られます。この証拠をどう取り扱うかの選択肢はかなり難しかったのですが、セーブ&ロードで根性を出してクリアしました。完全にへっぽこ探偵でしたが、解放されていくシナリオに読み応えがあったので脳筋探偵っぷりに目覚めて無事最後までプレイできました。続編で明かされる真相が気になります! -
劇愛ユーサネイジア攻略対象としてのキャラクターが同一人物であってもプレイヤー目線の主人公の立場が変わると、関係性が変わってキャラクターの見え方も大きく変わる!ということが実感できるアイデア抜群なゲームでした。設定・序盤の段階で一粒で二度美味しく、多くのゲームを遊んでおりますがこれは一つの発明ではないかと感じました。 本作、グラフィックもテキストも非常にクオリティが高く、濃密な情念と関係性をこれでもかと感じました。状況から当然ではあるのですが、背徳感を表すようなタッチが全編に溢れていました。スチル数も多くとにかく濃度が濃い世界を堪能させて頂きました。まさにタグで書かれている通り「大正浪漫風昼ドラ」でした。 -
泣き虫扁桃体のあやし方面白いうえにためになるノベルゲームということで興味深く遊ばせて頂きました!正体不明の幽霊が怖くても科学的に解明できれば恐怖が落ち着くように、心のメカニズムも理由が分かって自覚できれば大抵はやり過ごせるのではないかと遊んでいて思いました。そういう意味で本作は心のメカニズムの理解に繋がる社会福祉のようなゲームですね! 自分自身は鈍感の極み&ストレス解消しまくって過ごしているのでメンタル不調は自分事としてはよく分からないのですが、メンタル不調の仕組みが言語化されたので何かあっても落ち着いて対処できそうだと思いました。本作でまずは興味を持ってからだと色んな文献の理解も深まりそうです。 ためになるというコメントばかりになってしまいましたが、明確なキャラデザ、綺麗なグラフィックや様々な解説図などもあり、擬人化ゲームとしても面白かったです!
