富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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白い世界でキミが願うモノ少女が目を覚ます白い世界はどんな世界で、現実世界に戻ることはできるのか?というお話。非常にインパクトの強いお話でした。想像力をかきたてるテキストはもちろんですが、BGMの使い方や白と黒の色彩の用い方が非常に効果的で印象を強めていました。 それほど注意喚起がされていませんが、相当にショッキングなシーンがあるので人によっては要注意かもです。なにはともあれリコちゃんに幸あれと心から思えました。
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Snow Girl短編ながら、いや短編だからこそとてもインパクトとキレのある作品でした。 主人公の男性が拾ってきたアンドロイドのユキとともに生活するお話。出会ったその瞬間から愛しあうふたり。 @ネタバレ開始 のはずだったのになぜか雪だるまのように少しずつ溶けていく「アンドロイド」。序盤から存在する違和感が急速に大きくなってきますが、スーパーの店主とのやりとりを通じて主人公の精神状態に対する疑念が確信に変わります。警察が踏み込むと止められた冷蔵庫の中で異臭を放つ「アンドロイド」。無線で事実が明らかになりますが、せめて主人公は拾ってきただけだと信じたいところです。歪んだ認知の表現が秀逸でした。 @ネタバレ終了 なるほどそういうことだったのかというラストの着地も鮮やかでした。多くを語りすぎない表現も素晴らしく、このくらいのさじ加減にはとても憧れます。
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白雪とネクロマンス耽美で退廃的!これがダークファンタジーってやつか!と思える一作でした。過度とも思えるほどの暴力的なシーンが痛々しいのですが、これもまた愛の形なのね。運命と愛に翻弄されて苛立つ様がよく伝わってきました。 絵柄がとても特徴的で雰囲気が満点でした。また、随所に挿入されるアニメーションのおかげで臨場感が素晴らしいのと、動画付きのゲームにピッタリなEDも印象的でした。
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くろがねと姫戦乱の中世ファンタジー的な世界を舞台にした非常に壮大なストーリーでした。若き姫と従者である騎士の関係性が非常に尊く感動的です。回想シーンや敵とのやり取りを含めて1つ1つのセリフが重い。淡々としたテキストが却って読み手の心を熱くします。シーンシーンに合ったイラストも表示されつつ、短いプレイ時間に反して超濃厚な満足感が得られました。よき物語でした。
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メルティ・エレベーター作者さんのゆるふわな絵柄と相まってとてつもないインパクトがありました。過去の作品はいずれもほのぼの系だった記憶しかないこともあって、頭の中でえー!えー!と叫びながらプレイしました。これはもう夢に出そうなほどの強烈さです。 かなり短時間でコンパクトにまとまった作品ですがその分印象も強く感じられました。色んなパターンのEDが見られてとっても満足です。ありふれた日常を噛み締めて生きていきたいと思いました!
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バグだらけ研究室発想ももちろんですが、ゲームシステムがとても良くできていてとても面白かったです! 特にゲームを制作する方にとってはバグは切っても切れない腐れ縁のような存在。ゲーム中に登場するバグは自分にとっては馴染みのあるものばかりで、なんだか全く他人事に感じられませんでした。いつもはムキー!となるバグを次から次へと見つけて嬉しく感じるようになるといういっぷう変わった体験ができました。 ADVに親しみのある方ならみな楽しめるかと思います!バグの種類が多種多様ですし、バグを活かしたルート分岐なんかもあったりしてやり応えもハンパなかったです。
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僕は運動が出来ない! それでも…スポンサー賞受賞作とのことで飛んできました! 運動が苦手で友達も少ない主人公が素朴なやりがいを求めてバスケの練習に励むお話。主人公がひたむきかつ純粋なので、ぼっちですがかなり好感度が高いです。この時分はスカして斜に構えるのが普通なお年頃だと思うのですが、球技大会に向けて努力する&校内清掃を真面目に行うなんてとっても天晴れなヤツです。練習の内容は地味でレベルもかなり低いのですが、応援の気持ちからか丁寧な描写に心を掴まれました。まったく期待していなかった恋愛関係の面でも非常に楽しめました。 個人的にはお隣さんが非常に好きなキャラでした。超キャラ立ってました。アイキャッチの謎のプチ情報や学食シーンなど、真面目なストーリーにコミカルな要素がほどよく散りばめられていて最後まで面白かったです。 ちなみにエンディングは一番好きなパターンかもしれません。全員のその後ともに首が千切れるほど頷きながら拝見しましたが、お隣さんのターンも地味にリアリティがあって良いですよね。 @ネタバレ開始 女子の喧嘩で顔面パンチで流血騒ぎとか聞いたことない展開過ぎて衝撃でした。嵐花が女子ボクシングと出会ったシーンを見て、「あ、今から世界を獲る話が始まるのかな?」と思いましたw @ネタバレ終了
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夢魔さんと死にたがりさんセクシーすぎる夢魔さんと死にたがり主人公が最後の思い出に1日だけデートしまくるお話。 死にたがりで基本無気力なのに、しっかり突っ込んだりちゃんと思春期の健康男子だったりする主人公が面白かったです。まぁでもどこにデートに行っても夢魔さんが寄り添ってくれる感じでしかもエロ可愛いのでそりゃ男ならそうなるっす。それにしてもデート場所によっては塩対応されるかと思ったのに、どこに連れて行っても喜んで楽しそうにしてくれる夢魔さんが素晴らしすぎる。悪魔なのにマジ天使です。 EDは2+1ですが、+1の隠しエンドもなんなく到達できたので嬉しかったです。個人的にはそのEDが一番好きです!
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三美姫物語以前から気になっていましたがフェスの部門賞受賞の報を見てプレイしました!とにかく印象的だったのはグラフィックがとっても美麗だった点です。特に明るく艶やかな色彩が印象的で、三美姫の華やかさの説得力を裏付けていたと思います。グラフィックは枚数も多く、というよりもアニメのように毎シーン異なる構図で背景まで描かれていてビビりました。個人的には少し懐かしい感じのする絵柄と塗りで、古風なお話との相性もピッタリだったと感じました。 ストーリーはものすんごい波乱万丈でした。原作があるようですが、読みやすく、かつスピード感も現代風にアレンジされていものと推測しました。展開が早いうえ、異常とも言える美麗グラフィックの数々で飽きる暇なく冒頭からラストまでのめり込むようにプレイしました。 次回作も制作予定があるようなので楽しみです!
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ハシゴ町の忘れ物レトロチックな雰囲気のグラフィックとホラーテイストな探索が楽しめるゲームです。スタート直後から興味をそそる展開で不穏な空気がビンビンでとても緊張感がありました。特に何度か遭遇するシーンは見た目も音楽もスリルMAXでした。 初めは謎だらけの町ですが、中盤から終盤にかけて因習モノ的な背景が明らかになってきます。和風ホラー・オカルトが好きな方は垂涎の展開だと思います。全体的なボリュームがほど良く、またラストが非常に綺麗だったと感じました。