個人宇宙のレビューコレクション
-
陰の盗人主人公の波羅石ちゃんが、気になったマスコットを盗み見るために奮闘するショート探索物語です。15分程度で完走できました。 前作の『天性の盗人』と同様、細かい部分までグラフィックが作り込まれており、エンディングのNGマンガも非常に面白かったです。 @ネタバレ開始 夢の中のバニー写真は、いろいろと破壊力がありそうだと考えてしまいました(笑)。あと、前作の次皿ちゃんも好きだったので、彼女の活躍がまた見られて嬉しかったです。素敵な作品をありがとうございました!
-
さよならをセカイに主人公の夏樹が、転校先の小学校で隣の席となった加奈と出会ったことから始まる青春ストーリーです。30分ほどで完走できました。 甘酸っぱさと切なさとリアリティが絶妙に合わさった、とても面白い青春ストーリーでした。小学生時代で夏樹が咄嗟に嘘をついてしまった部分とか、些細なことがきっかけで疎遠になってしまった部分など、この辺りは特にリアリティを感じました。 @ネタバレ開始 青春の切ない部分だけでなく、甘酸っぱい部分もしっかり書いてあるところも良かったです。夜のプールから更衣室までの展開は、まさにフィクション的な甘酸っぱい流れで特に惹き込まれました。しかし、それはまさに一瞬の夢のような出来事で、最後はビターな余韻を感じながら読み終えました。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました!
-
彼女は彼女の糸を切る主人公の向日くんとひよりさんのささやかな交流を描いた物語です。30分弱で完走することができました。 特に惹き込まれたのは画面の構成です。まさに小説を読んでいるような構成にしつつ、随所に動く立ち絵を出している演出はすごく新鮮でした。 @ネタバレ開始 シナリオに関しても、2人の絶妙な距離感が良かったです。向日くんのボイスに関しても、彼の性格や作品の雰囲気にマッチしていて、聞いていてとても心地が良かったです。タイトルについても、最初は「どういうことだろう?」と思いましたが、ラストはその意味に納得しつつ、晴れやかな気持ちで読み終えることができました。映画のフィルムのような感じで流れていくエンドロールも良かったです。
-
堕ちた恒星、朽ちた嶺岸文化祭でピエロと化した嶺岸の公演を見ることになる、主人公・鈴木の物語です。15分ほどで完走することができました。 読み終わった後、(良い意味で)ずっしりとした感触の残る作品でした。自分も趣味の範疇ですが表現している側なので、鈴木や嶺岸に対し、決して他人事ではない感情を抱いてしまいました。創作活動をする際、自分は必ずと言っていいほど心の奥底で「痛い自意識」的なモノが出てしまいます。普段は表に出さないようにしていますが、その部分を突かれたような感触がありました。 文章も非常に独特な言い回しで書かれていて、この文体だからこそよりテーマが出ていると感じました。何だか要領を得ない感想になってしまいましたが、一般的なエンタメ作品では味わえない体験をすることができました。
-
天使になった彼らのお話亡くなってしまった主人公のユウリが、天使として正式に配属されるまでの天界の生活を描いた物語です。40分程度で完走することができました。 とても優しく、そして力強いメッセージを感じる物語でした。仲間のオスカーやリュカもすごく個性的なキャラクターで、日常パートも楽しく読むことができました(一番好きなキャラはリュカです)。イラストも非常に綺麗で、配属先が決まった時の彼らの姿が特に格好良かったです! @ネタバレ開始 シナリオはチャプター3が個人的にハイライトでした。おばさんに寄り添った場面が特にグッと来ました。ユウリの死やおばさんに関するエピソードは辛い内容でしたが、それを乗り越えた先のメッセージはより力強いモノを感じることができました。最後のオマケに関しても、本編とは違ったユウリが見られて良かったです(笑)。食べ物は粗末にしちゃダメ、絶対に・・・! @ネタバレ終了 面白かったです。素敵な作品をありがとうございました!
-
ダイナマイト彼C髪が導火線となってるダイナマイトな彼氏。マッチの火が燃え移ったら爆死するので、それを全力で止めに行く主人公の物語です。──えっ。何でダイナマイトなのかって? そこは考えちゃいけない。10分ほどで完走できました。 シュールなギャグもあり、ちょっと良い話も入ってるけど、やっぱり頭の中の大半が「なんで!?」と突っ込みたくなる独特な怪作でした(笑)。
-
AMN(N)ESIA精神潜行(サイコダイビング)で意識不明となった少女の精神世界に入り、彼女を救うために奔走する本格脱出ゲームです。 情けないことに自分は頭の固い人間で(間違いなく推理小説では探偵の足手まといになるタイプのキャラですね)、3割くらいの謎解きには手が詰まってしまい、そこは攻略ページを頼りにしながら進めました。完全クリアまで2時間以上は掛かったかなと思います。 自分のことはさておき、内容自体は非常に面白い脱出ゲームでした。オシャレなグラフィックのおかげで雰囲気も抜群でしたし、醍醐味である自力で正解できた時の達成感は本当に大きかったです。 問題もバリエーション豊富。隅々まで観察、探索をしないと進めない部分も結構ありますので、「じっくり頭を使ってゲームがしたい!」という方は強くお勧めできる作品です。充実した時間を過ごすことができました。ありがとうございました!
-
がんばれ!ヤマトくんストップモーションアニメで繰り広げられる文房具たちの掌編物語です。10分も経たずに完走することができました。 とても面白かったです!文房具たちの個性的なキャラクターはもちろん、アニメーションもすごく丁寧に作られており、ボールペンキャノンが完成した瞬間は思わずテンションが上がってしまいました。消しゴムの長老感も納得してしまいました。なかなか全部は使えませんよね、消しゴムって。オチも素晴らしく、シナリオも綺麗にまとまっていて面白かったです。 大人も子供、どんな人でも楽しめる非常に完成度の高い掌編作品でした。
-
すいれん睡蓮が咲く洋館の池を舞台にした、少年と少女の物語です。10分も経たずに完走することができました。 読み終わった後、一抹の切なさを感じつつも温かい気持ちになれる素晴らしい作品でした。立ち絵キャラクターの綺麗さはもちろん、丁寧に彩られた手書きの背景が作品の優しさをより引き出していると感じました。 これをきっかけに睡蓮の花言葉も調べてみましたが、意味深な内容も入っており、あえて「ニンファエア」と説明文に表記している部分も含めて、いろいろと考えてしまいました。
-
こたつでごろごろ。こたつのある家に住んでる彼と彼女の掌編物語です。10分程度で完走することができました。 最初はのんびりとしたストーリーを考えていましたが、会話のあちこちに「おやっ?」と思わせる箇所があり、やがて明かされる真実に(良い意味で)驚きました。いろんなバックグラウンドを想像してしまう、印象的な掌編ファンタジーでした。素敵な作品をありがとうございました!