個人宇宙のレビューコレクション
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生きるその先に -岐尾森編-全てのルート・おまけ部分を含めて完走しました。何日かに分けてプレイしたので細かい時間は忘れてしまいましたが、たぶん完走まで7時間は超えていると思います。「生きる」というストレートなテーマが入ったシナリオはもちろん、各ヒロインも可愛くて個性的、かつ様々な事情を抱えており、最後までとても楽しい時間を過ごすことができました。 個人的に好きなキャラは、メインヒロインの鬼晶です。いきなり死神として登場してきた彼女に対し、最初は「なんだ、なんだ」と思いながら読んでいきましたが、夏生たちとの生活・各ヒロインのエピソードを読んでいくうちに好きになりました。バックグラウンドを含め、可愛らしさとか格好良さとか、読み進めていくうちに彼女の魅力をどんどん感じるようになりました。 あと、個人的に秋生も好きです(笑)。可愛いエプロン姿でたまに腹黒いことを言ってしまう部分とか、メインヒロインたちに負けないくらいのヒロイン力を感じました(笑)。インスタ映え間違いなし。 @ネタバレ開始 鬼晶、結、水輝の順番で読みましたが、ここはあえて結から行きます。桜の幹をガリガリしている部分は特に印象的な場面でした。普通じゃ考えられない密かな狂気を感じましたし、その後に明かされる理由にも納得しました。鬼晶ルートを先に読んだので「もう会えないパターンかな」と思いましたが、最後の最後で登場してくれて安心しました。 水輝ルートは個人的に「生きる」というテーマを特に大きく感じるストーリーでした。お兄ちゃんは本当に格好良かったですね。美しい兄妹愛を感じましたが、その後のおまけストーリーの彼の本性に笑ってしまいました(笑)。 そして鬼晶ルート。序盤の段階で「絶対に死神じゃないよな」と感じながら読んでいきましたが、その後のお姉ちゃんを含んだ彼女の正体を知ってから、クリックする手が止まらなくなりました。エンディングも切なかったです。全3部作だとは事前に分かっていたので、「2部はこのルートの続きなのかな」と最初は思いました。しかし、完走後に予告を見て「異なった世界線」だと分かったので、少なくともこの世界線での物語はこれで完結だと判明したので、ますます切ない気持ちになりました。最も印象に残るルートでしたね。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。
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ORDER攻略記事を参考にしつつ、無事にコンプリートできました。「どんな国家に変わっていくんだろう」と思いながら、気軽に選択できる大変面白いシュミレーションノベルでした。シナリオは硬派な感じで進んでいきますが、狂言回し役のジョーがとても可愛くて、時々コーヒーを頼みながら楽しく周回できました。 @ネタバレ開始 印象的かつ個人的に好きなエンドは1ですね。国民の感情をコントロールする技術はまさにディストピア感があって、それから徐々に破滅の道に転がっていく描写は特に面白かったです。建物が綺麗なのに人間が誰もいなくなった、という世界観も想像しただけでテンションが上がりました(笑)。最後の一枚絵のインパクトも強かったですね。他にも無事に任期を満了できたエンド2も達成感がありました。
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ウソからはじまる物語物語の面白さはもちろん、洗練された上手な文章ってこういう事なんだろうなと読みながら強く思いました。それだけではなく文字の大きさや適切に改行されている部分など、ノベルゲームとして「読ませる」ことを徹底的に配慮した画面構成も素晴らしかったです。完走まで1時間ほどでしたが、体感的にはあっという間でした。 @ネタバレ開始 春というシチュエーションにも後押しされ、どのシナリオも気持ちが温かくなるような感触で読み終えることができました。3つの物語が微妙に繋がっている構成も良かったです。上から順番に読んでいきましたが、「あっ、これはもしかして」というシーンが多くあり、その部分でも楽しむことができました。どのシナリオも素晴らしかったですが、強いて言うなら「真っ赤なウソ」「ウソから出た誠」が好きです。 最後にどうでも良い事ですが、タイトル画面の「ウソ」が赤く塗られているので、読む前は血生臭い要素があるのかなと考えていました(笑)。その後、あとがきで「当初は大きな事件を入れる予定だった」と書いてあり、ひっそりと納得しました(笑)。 @ネタバレ終了 充実した読書時間を過ごすことができました。素敵な作品をありがとうございました。
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みどりの魔女と金の枷とても面白いファンタジー作品でした。4つのエンドはそれぞれ味付けの異なる内容でありながら、どれも違和感なく分岐されていて面白かったです。攻略サイトのおかげで快適にエンドを回収することができ、自分は1時間半ほどで無事に完走できました。 @ネタバレ開始 エンドは4、3、2、1の順番で読みました。全体を通して、異なった価値観を持つカタリナとクオンの愛憎劇が素晴らしかったです。特にエンド1と2のカタリナの苦悩と葛藤の部分は、大きく没入して読みました。 個人的に好きなエンドは2です。クオンによって受けた愛情と憎しみを、絶妙に行動で表現していると感じました。一思いにやった方が気持ち良いのかもしれませんが、なかなか難しい部分もあり、このルートのカタリナには特に共感できました。もちろん、あらゆる愛憎を認めつつ、新しい道を歩み始めたエンド1も好きです。最後に見て良かったと、ひっそり安心しています(笑)。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。
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こっくりさんのお告げこっくりさんを題材にした、ホラー・ミステリー要素の入った大変面白い作品でした。自分は1時間強で無事に完走できました。 ストーリーが進むごとに小さな謎が生まれていき、グイグイと物語に引っ張られるような感じで真相に辿り着くことができました。10円玉が激しく動く演出は臨場感があって、すごく良かったです。 @ネタバレ開始 登場キャラクターも立ち絵とセリフの色を統一させているので、すんなりと覚えることができました。4人とも個性がはっきりと出ていて、たまに疑ってしまう場面もあったけれど(自分も終盤まではそれぞれが犯人なんだろうな、と考えてました)最後は一緒に文化祭を楽しんだり、仲良く遊びに行った部分にホッコリとすることができました。 真犯人が判明した終盤以降の展開も好きです。どんでん返しで一気に伏線を回収していく部分はまさにミステリー的でしたし、真犯人の狂気もしっかり感じることができました。
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シラユキ探偵とクロネコ助手 アイドルオーディション殺人事件ライトさと骨太さを両立させた、面白い短編ミステリーでした。難しすぎない難易度で(自分は一発クリアでした)推理させるようにしながら、最後にはしっかりどんでん返しも入っていて、個人的に大満足の内容でした。 @ネタバレ開始 寧子ちゃんは濃い属性と個性を持っていてインパクト抜群でしたね。今回のシナリオについては、やはりどんでん返しの部分が良かったです。今回の視点役の彼女が想像以上にドロドロした感じになっていて、一連の経緯を想像するだけで重たい余韻が残りました。この感触はまさにミステリー作品だからこそ味わえるモノですね(笑)。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。
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私の最期の言葉はパソコン画面を操作することで謎解き・物語を読み進めていくというコンセプトが非常に面白い掌編でした。10分ほどで無事に完走できました。 @ネタバレ開始 履歴や日記から物語の全体像を想像できる構成は素晴らしかったですし、その真実に胸が苦しくなりました。2つ目の重要ファイルを開いた後のオチも好きです。 最後は「ありがとう」と入力しました(蛇足になってしまいますが、プレイ後に他の方の感想を覗いてみたら、同じ言葉を入力した方が結構いて「やはり考えることは同じか!」と笑ってしまいました)。
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反動のクラウドレイジ FREE BATTLEせっかくなので本編のACT1を完走(4時間ほど)してから、こちらのフリーバトルに挑みました。なので、本編の内容を含めた感想を記させて頂きます。 コマンドバトルはもちろんシナリオも非常に面白かったです。王道の少年漫画にゲームシステムを加えたような内容で、スタイリッシュな絵柄や各キャラのカットインの演出はどれも格好良かったです。 世界観も個人的に好きです。レインダストという未知の敵はもちろん、それらに対抗する人間側にも様々な思惑が絡んでいるようで、主人公にとって重要な人物が絡んできた最後の引きも含めて、続きがとても気になる内容でした。 コマンドバトルもルールが分かってからは、夢中になってプレイしました。フリーバトルで個人的に使ったのは、吉良さんと都倉さんです。全体的に敵の火力が高めなので、3ターン防御可能な吉良さんにはだいぶ助けられました。都倉さんはアタッカーとサポーターを兼ねた万能キャラで、いざという時のランチャーには大変お世話になりました(笑)。シナリオ部分での活躍を含めて、都倉さんは本作で一番好きなキャラクターですね。 @ネタバレ開始 本編をクリアしてからフリーバトルに挑みまして、あらゆる部分でバトル演出が強化されていることに驚きました。 最後にどうでもいいことですが、シナリオを読んだ後だと伊戸村さんと古賀ちゃんが出ているだけで「ああ〜!!」という気持ちになりました(笑)。 @ネタバレ終了 楽しい時間を過ごすことができました。ゲームシステム部分も含めて、大変な部分もあるかと思いますが、続きも楽しみにしています!
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化け猫センリは愛を知らないLive2Dで軽快に動くキャラクター演出に惹き込まれつつ、個性的な化け猫たちとのストーリーを堪能させていただきました。おまけを含め、自分は全てのルートを1時間程度で完走することができました。 キャラクターの細かい表情はもちろん、バトル中の軽快な動きや、ネコ化している時の可愛さなど、とにかくLive2Dでの表現が素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 シナリオはタキ、クロ、シロの順番で読みました。タキは土壇場で大人の姿になった展開が特にテンションが上がりました。クロは普段は真面目な感じを出していましたが、土壇場で愛の告白をした部分に大きなギャップを感じて印象に残りました。 個人的にはシロのルートが一番好きです。明らかに敵側の戦闘狂なので、最初は彼のルートは無いと勝手に思ってました(笑)。しかし、己の境遇と重ねていった主人公が、彼と一緒に人間界で共にすることを決めたラストシーンは「すごく良いな」と感じました。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。
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絶望の螺旋4画面(重要なシーンは5画面)で物語が進行するという構造が、とにかく斬新な作品でした。物語の主人公は右下の画面にいる「睦月」と「夕美」のコンビで、残りの3画面は事件に関わる3人の登場人物の視点になっています。自分は2時間程度で完走することができました。 基本的に独立して物語は読めますが、重要な場面は関連するキャラとの場所・時間軸を合わせないと進められないというギミックもありまして、無事にそれを発見できた時の達成感は大きかったです。動画や演出も非常に凝っていて、全体を通して制作者様の技術力を大きく感じる内容でした。 @ネタバレ開始 シナリオに関しては、千草ちゃんが体育倉庫で2人の行為を撮影した後の展開が特に印象に残りました。こうなったら最後までズルズルと堕ちていくしかないよなと、ある種の絶望感がありました。めぐみ先生と樫山くんが互いにループしている部分もストーリーにしっかりリンクしており、作品のコンセプトとシナリオが繋がっている構成も面白かったです。前述と重なりますが、だからこそループを脱出できた時の爽快感も大きかったです。 他にも睦月さんのバトルを夢中になって読んでいたら、一定の箇所で進められなくなり「あれっ?」と思っていたら、別の画面で夕美ちゃんの視点がスタートすることを発見し、その瞬間は思わず「なるほど!」と手を叩きました。この感覚はとても新鮮でした。 @ネタバレ終了 斬新なコンセプトとシナリオが上手にリンクした、とても面白い内容でした。素敵な作品をありがとうございました。