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個人宇宙のレビューコレクション

  • 高対称のi
    高対称のi
    攻略対象は○、△、□。数学の要素を絡めつつ、主人公と彼らの学園生活を描いた乙女ゲームです。40分ほどで全員のエンドを完走できました。 いろんなフリーゲームをプレイしてきましたが、攻略対象が図形だったのは初めてなので、序盤はとにかく衝撃の連続でした(笑)。様々な数学知識を絡めた言い回しも非常に面白く、この作品でしか味わえないモノがありました。丸、三角、四角はどれも綺麗に整えられた図形なので、彼らが人間化したら絶対にイケメンだろうなと考えてしまいました(笑)。 @ネタバレ開始 一番好きなのは〇先輩です。一見すると綺麗で完璧な形に見える丸にも、実は不完全な部分がある。この辺りのエピソードは特に印象に残りました。主人公の正体については、中盤辺りでタイトルを思い出し「もしかして」と考えていましたが、想像以上にすごい立ち位置でしたね・・・! しかし、どのルートでも数学知識を上手に絡めていったエンドになったので、改めて数学の世界のすごさを垣間見たような気がしました。 @ネタバレ終了 ビジュアル・テーマの独特さはもちろん、キャラクターの個性もしっかりと出ている、とても面白い内容でした。素敵な作品をありがとうございました!

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  • 儚き魔術師は虚無に棲む
    儚き魔術師は虚無に棲む
    数学が魔術の基礎となっている世界の物語です。数学はどちらかと言うと苦手な方で(高校の数学Cがとにかくチンプンカンプンで、その辺りから苦手意識を持ってしまった人間です)、攻略ページを参照しつつ、途中のレッスン時間を含めて40分ほどで完走することができました。 レッスンは序盤で基礎を復習しつつ、後半以降は新鮮で気持ちで受講することができました。素人目ですが、どんな概念も一つの式として組み立てていこうとする、そんな数学の美しさを感じるようなレッスンでした。 @ネタバレ開始 シナリオについては、やはりトゥルーエンドが特に印象に残りましたね。レッスンパートを含めて、猫さんの数学に対する並々ならぬ愛情を感じました。数学が苦手な方の自分でも、最後まで楽しく読むことができました。素敵な作品をありがとうございました!

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  • お姉ちゃんの定理
    お姉ちゃんの定理
    数学の研究に打ち込んでいるお姉ちゃんと、その弟の物語です。20分程度で完走することができました。 とても面白かったです!数学を題材にしているので、それに関する説明も入っていますが、分かりやすい文章で書かれているので、最後まで楽しく読むことができました。お姉ちゃんと弟のキャラクターも魅力的でした。「弟も絶対に数学の天才だよな」という部分を、お姉ちゃんとはまた違ったアプローチで描写しているのが個人的に秀逸だと感じました。 @ネタバレ開始 エンドはアルファが好きです。まさか友人も数学ガチ勢だったとは・・・! 序盤で「絶対にお姉ちゃん狙いだよな」と思っていたので、この展開には驚きましたし、これからの未来も絶対に良くなるだろうと感じさせる終わり方だったので、短編としてこれ以上のないエンドだと思いました。面白かったです。素敵な作品をありがとうございました!

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  • 鬼桜
    鬼桜
    完走まで約6時間半。最後のトゥルーエンドを読み終わった時、「とんでもない作品に出会ってしまった・・・!」と感嘆の息が漏れました。 重厚なテーマ・シナリオの面白さ・魅力的なキャラクターはもちろん、桁違いのグラフィック量(もちろん、どれも綺麗です)にも圧倒されました。後書きで立ち絵1000枚、スチル200枚、背景70枚超えの数字を見た瞬間、プレイヤー側の自分ですら(ゲーム制作している身なので尚更)導き出される作業量に気が遠くなり、「バグかな?」と思ってしまいました(笑)。 ジャンルは和風(平安風)ダークファンタジー。髪が白いという理由で「鬼」の扱いをされていた少女・白兎が、とある事情で都から逃げなければいけなくなり、外れにある山の集落で焔緋・藍砥と呼ばれる者たちと出会ったことから始まります。中盤は登場キャラたちの緩やかな日常シーンが多いですが、後半以降からはアクション満載の展開が多くなります。ダークファンタジーという名にふさわしく、ルートによっては主要キャラも続々と脱落しますが、どのルートも非常に読み応えのある物語でした。 @ネタバレ開始 主要キャラクターはみんな好きですが、強いて言うなら白兎と藍砥と遠州です。白兎はとにかく可愛くて美しくて、壮絶な境遇ゆえに弱い部分もたくさん出ていましたが、優しさと芯の強さも感じる魅力的な女の子でした。「哀惜の唄」のエンドは大半が脱落し非常に哀しい結末でしたが、ラストの桜の前で唄う彼女の姿は胸が苦しくなりつつも、大きく惹き込まれるモノがありました(個人的にはこのエンドとトゥルーが好きです)。 藍砥は可愛いのはもちろん、いざという時は頼りになる感じが好きです。自分も1秒で眠れるスキルを手に入れたい(笑)。 遠州は渋くて格好良くて、いろいろと考えさせられるキャラクターでした。トゥルーエンドで蘇芳との最終決戦は本当に素晴らしかったです。自分のことしか愛せなくなった者の成れの果てが鬼だったのか──。遠州の剣が届いたのも、最後の最後で心の中の鬼を自覚することが出来たからなのかなと考えてしまいました。蘇芳は物語の立場では敵側でしたが、彼なりの哲学も強く感じられまして、彼にも大きな魅力を感じました。 これ以上の語りは長くなってしまうので省略しますが、コミカルなシーンも日常シーンもすごく良かったです。トゥルーエンドの後、白兎の側には焔緋と橡がいるし、乙女ゲーム的なアレも考えられるよなと思わず妄想してしまいましたが、これ以上は止めておきます(笑)。 @ネタバレ終了 長くなりました。いつまでも自分の頭に残り続けるだろう、制作者様の膨大な熱量を感じるハイクオリティな作品でした。 ガッツリとした物語を読みたい方はプレイを強くお勧めします。とても楽しい時間を過ごすことができました。素敵な作品をありがとうございました!

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  • デスゲームは始まらない
    デスゲームは始まらない
    目が覚めた主人公は奇妙な施設に閉じ込められていた。人間の業と本性が詰まった極限のデスゲームが今まさに始まろうと──しませんでした!! そんなハイテンションコメディーです。1時間ほどで完走しました。 前作『わたしの素敵なおうじさま』はジェットコースター型のサスペンスでしたが、こちらはリニア級の超スピードで駆け抜けていくハイテンションコメディーでした。いやあ、たくさん笑ってしまいました(笑)。 特にすごいと感じたのは画面デザインと全体の演出でした。制作者様のオシャレなセンスをひしひしと感じるデザインはとにかく格好良かったですし、何よりコミカルな部分をより加速させる動的演出も素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 最初のエンドは9でした。「デスゲだ。デスゲをさせろ!」と己の血が騒いだので、そちらを選んでしまいました(笑)。 メインヒロインの伊代も魅力的なキャラクターでした。デスゲ運営を速攻で一網打尽にする武力があり、さらに家事も得意なのに、どこか天然な部分があるのが本当に可愛かったです。「永久就職」という選択肢は己の本能に従って、2秒以内に選ばせて頂きました(笑)。 主人公も謎な部分が多過ぎて面白かったです。能力も財力も明らかに平凡じゃないし、終いには手刀や爆破もお手の物。もし、伊代と主人公がガチでデスゲの運営側に回ってしまったら、冗談抜きで最強なんじゃないかと考えてしまいました(IFルートではその片鱗を見せてくれましたね)。 ピクトグラムやおまけの部分など、細かい部分まで作り込まれていて、最後の最後まで楽しむことができました。素敵な作品をありがとうございました! ラストは大きな感謝を込めて、この言葉で締めさせていただきます。 「爆破オチなんてサイテ──!!」

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  • RiddleRoom
    RiddleRoom
    主人公の純は目を覚ますと、奇妙な白い部屋に閉じ込められていた。部屋にはムノーと呼ばれるロボットの女の子がいて、問題を解くことで脱出ができると言われた。そんなシナリオ要素の入った水平思考ゲームです。30分ほどで無事に2つのバッジをコンプリートすることができました。 面白かったです!ウミガメのスープは齧る程度しかやったことありませんが、そんな初心者でも気軽に挑戦できる難易度でした。 @ネタバレ開始 何といっても素晴らしかったのは、これらの問題をシナリオに上手に結びつけた構成です。最初は全く関係ないと思っていた内容が後半になってどんどん繋がっていくので、主人公の結末を含めて「どうなるんだろう」と思いながら最終問題に挑戦しました。 ムノーちゃんもすごく可愛かったです。スリッパで殴ってくる部分は特に好きですね(笑)。通常エンドは切ない気持ちになりましたが、最終エンドでは素敵なムノーちゃんを拝めることができて嬉しかったです。何となく終末的な雰囲気を感じる世界観だったので、綺麗な月と共に出てくるムノーちゃんは、ただただ美しかったです。 @ネタバレ終了 水平思考ゲームとシナリオが上手にミックスされた、大変面白い内容でした。素敵な作品をありがとうございました!

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  • 迷子のアレスくん
    迷子のアレスくん
    主人公のお姉さんが迷子の美少年・アレスくんと出会い、その道案内をすることから始まる物語です。おまけを含め20分程度で完走しました。 本編は終始、お姉さんのテンションに笑いが止まりませんでした。最初から最後までずっとアレスくんを礼讃し続けていて、そのボキャブラリーの豊富さがとにかく面白かったです(笑)。お姉さん、いろいろ極めてますね。立ち絵はアレスくんはもちろん、他のキャラもすごく綺麗で惹き込まれました。 @ネタバレ開始 おまけ部分については、本作が別作品のスピンオフ的な立ち位置のためか、いろいろと重厚な世界観を感じる内容でした。ノイズリデルさんが様々な葛藤を超えて、アレスくんに寄り添っていこうと決めたエピソードは良かったです。本編では過保護な言動があったので「ちょっと主人公と同じような匂いを感じるかも?」と思ってしまいスイマセンでした(笑)。

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  • 暗がりビオトープ
    暗がりビオトープ
    1990年代、とあるきっかけでゲームセンターに通うようになった主人公の小学生・ユーキと、そこで働く大人たち・遊ぶ者たちとの交流を描いた物語です。1時間弱で完走することができました。 とても面白かったです!自分は90年代のゲームセンターを体験したことのない人間ですが、作品全体から郷愁的なものが伝わってきて、どこか懐かしい感覚になりながら最後まで読むことができました。TIPSを使って用語を補完をしているので、馴染みのない単語もすぐ理解することができました。 画面全体のデザインやフキダシを使った演出も素晴らしかったですが、個人的には文章も特に素晴らしいと感じました。とにかく読みやすい。癖が強い・装飾の多い文章を読んでいますと「んっ?」と一瞬ノイズが入るみたいに理解に多少の時間が掛かりますが、こちらの作品はそういったノイズが一切ありませんでした。こういった文章はそう簡単に書けないと思います。リーダビリティが強いので、大きな没入感で最後まで読み切ることができました。 @ネタバレ開始 キャラクターもみんな魅力的でした。ユーキについては境遇を考えたらラックという居場所やサクラバたちに大きく感情移入してしまうのは仕方ないと思いましたし、それを乗り越えた先の結末も一種の安堵感がありました。 サクラバやヒジキ(ここはあえてヒジキ)も良かったです。2人ともすごく良い大人。サクラバはある意味で実の父親より、父親をしていたんじゃないかと思います。最後の手紙でより一層、彼の優しさを感じました。ヒジキは頼れるイケオジ感が半端なかったです(笑)。 @ネタバレ終了 長々と書きましたが、大満足のゲームセンターストーリーでした。素敵な作品をありがとうございました!

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  • エソラノコト
    エソラノコト
    主人公の僕が誰もいない旧校舎の屋上で、不思議な少女と出会ったことから始まる夏の終わりの物語です。20分程度で完走することができました。 何よりすごいと思ったのは、画面全体のグラフィックとデザインです。2人が交わした言葉の数は決して多くありませんが、画面全体の絵で語ってくる部分が多く、エソラちゃんの可愛らしさはもちろんのこと、夏の鮮やかさや一種の物悲しさも伝わってくる素晴らしい内容でした。 @ネタバレ開始 あまり多くを語らなかった内容だからこそ、バッジの名前に関する部分もいろいろと考えてしまいました。「絵空事」は言葉自体の意味も含めて、この作品全体を象徴するような的確な言葉だと思いました。2つ目と3つ目のバッジも「おまじない」と「呪い」を掛けていたり、3つ目の意味深な言葉から一体何があったんだろうと想像を巡らせてしまいました。 @ネタバレ終了 短い時間ながら、鮮やかな余韻を残す夏の物語でした。素敵な作品をありがとうございました!

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  • シロノキロクーアイカと夏の7日間ー
    シロノキロクーアイカと夏の7日間ー
    不老不死が実現した世界。とある都市で暮らす主人公アイカは、「シロノハカセ」という噂を耳にして、夏休みの自由研究として調べていこうと決めたことから始まる夏のSFストーリーです。40分ほどで全てのバッジをコンプリートすることができました。 面白かったです!子供が主人公なので、当初は「ひと夏の冒険」みたいな感覚で読み始めましたが、次第に不老不死という特殊な世界だからこそのテーマが前面に出てきて、SFの要素が濃くなっていきます。個人的にはSFも好きなので、後半以降の展開も楽しく読めました。あまり重たい気分にならずに読めたのは、柔らかいタッチで描かれたアイカちゃんの可愛いイラストもすごく大きかったと思います。 @ネタバレ開始 シロ博士の境遇についても、いろいろと考えてしまいました。きっと誰よりも優しくて、誰よりも賢かったからこその壮絶な苦悩だったことが想像できました。「永遠の命を選んだエンド」「本来の姿に戻ったエンド」どちらの結末でも、アイカちゃんはそれを選択したことを後悔しないような生き方を貫いている部分も大変良かったです。 @ネタバレ終了 とても楽しい時間を過ごせました。素敵な作品をありがとうございました!

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