個人宇宙のレビューコレクション
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KOKUTOU - 御伽倶楽部 -骨董品店の店主・黒十と、彼の店にいつも遊びにくる女学生・柚葉。彼らの周りで起こる「日常のささやかな謎」を黒十が解き明かしていく日常ミステリーシリーズ。こちらは第3作目になります。綺麗なイラストとミステリーという題材に惹かれ、最初のシリーズから順番にプレイしました(第1シリーズは全3エンド40分程度、第2シリーズは全2エンド30分程度で読了)。今作は全6エンド、1時間半程度で読了しました。 まずシリーズ全体を通しての感想になりますが、とにかく主役2人のボイスがこれ以上ないくらいマッチしており(他のキャラクターもすごくマッチしてます)、じっくりとボイスを堪能しながら物語を楽しむことができました。黒十の渋さがありつつも清涼感のある声と、柚葉の快活さが伝わってくる綺麗な声が、素晴らしい演技と相まって物語にメリハリをつけており、大きな没入感を与えてくれます。個人的には黒十さんの声がすごく好きです⋯⋯!日常を題材にしたミステリーは刺激的な要素が少ないジャンルですが、綺麗なイラストとゲームデザイン、そして魅力的なキャラクターたちのおかげで、全シリーズ最後まで夢中になって読みました! 今回の『御伽倶楽部』は、新キャラクターのアリスに加え、シリーズ1・2で出てきたキャラクターも再登場して、より豪華な内容になってます。柚葉の学校生活をメインにしており、主に学校内の場所を選択することで、いろんなエンドを見ることができます。謎解きも難しい内容ではなかったので、気軽に全てのエンドを見ることができました。黒十と柚葉の微笑ましいやり取りは相変わらずで、最初の方に触れられた過去の部分についても、すごく気になる内容でした。 黒十と柚葉の今後の関係とか、サブキャラクターの活躍なども期待しつつ、今後のシリーズも楽しみにしています!
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ANIMALPIAケモミミの神父ハロと少女ルノの短い物語。全3エンド、10分程度で読了しました。 可愛らしい絵柄の立ち絵と、おしゃれなデザインに惹かれてプレイしました。直接的な残酷描写はありませんが、世界観は割とダークです。登場人物たちのセリフを読む限り、なかなかシビアな背景を想像してしまいました。そんな中でのエンド2のルノは、厳しい世界でささやかな幸せを手に入れたような、素敵な笑顔をしているなと思いました。
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LAST.とある洋菓子店の店長が自殺をしてしまう。主人公のロボットはスイーツを作りながら、自身の過去を振り返っていくゲーム。全2エンド、20分程度で読了しました。間違い探しゲームの要素もありますが、ペナルティは一切ありませんので気軽にプレイできると思います。 先に『re.』をプレイして、その勢いのまま『LAST』も完走しました。『re.』同様、シンプルでおしゃれな演出と、真相が分かっていくにつれ、じわじわとプレイヤーの気持ちを落としていく(良い意味で)素晴らしい内容でした。主人公は店長に救われ、店長のために頑張ったからこそ、より終わりを切なくさせています。「よく みて えらんで」「まちがえては いけない」という単語も、プレイし終わった後は、余計に心に刺さるものがありました。
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re.とある仕事を任された主人公が、ロボットたちと会話をしながら入力をしていくゲーム。15分程度でトゥルーエンドを完走しました。入力する内容は、命令通りにやっていけば大丈夫です。 緩やかにじっくりと、プレイヤーの気持ちを(良い意味で)落としていく素晴らしい内容でした。ロボットたちと会話するにつれ判明していく世界観、シンプルでおしゃれな演出、そして何より「繰り返し入力する」という作業的な部分を逆手に取った表現は、とても秀逸だと思いました。トゥルーエンドで最後に出てくるロボットの諦観的な発言は非常に重たく、心に響くものがありました。 短いながらも、ずっしりと印象に残る魅力的なゲームでした。未プレイの方はやってみてはいかがでしょうか。
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みちのく怪奇譚 2話霊感のある大学生コンビ・義胤と景道は、とある怪奇現象が急増しているという噂をネットで聞き、秋田県にある街で現地調査を始めたことから始まる物語。選択肢はなく、30分弱で読了。『みちのく怪奇譚 1話』の続編になっています。 今回はこっくりさんをベースにした王道のホラーです。義胤と景道のコンビの良さは相変わらずで、妖しい魅力が満載のハルノさんもしっかりと登場します。今後さらに新しいキャラクターが出てくるのか、ハルノさんの正体について触れられるのか、いろいろと気になる部分はありつつも、続きの物語を楽しみにしています!
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みちのく怪奇譚 1話霊感のある大学生の主人公・義胤は、同じく霊感のある悪友・景道の提案により、自分たちの名を上げるために心霊相談所を作ることから始まる王道ホラーストーリー。選択肢はなく15分程度で読了しました。立ち絵はありますが、サウンドノベルの形式になっています。 キャラクターが魅力的な、まさに「王道!」と呼べるホラーでした。肝試しから始まるオープニング、序盤の日常描写、謎の赤いコートを着た美女、そして廃墟に入った後にじわりじわりと恐怖が迫ってくる展開──。大好きです(笑)。個人的にはハルノさんがすごく気になりますので、彼女の活躍も楽しみにしています!
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くまこい 〜くまの初恋大作戦!〜テディベアの『くまやん』が、持ち主の『のぞみちゃん』の初恋を叶えるため、彼女にアドバイスをしていく恋愛相談シュミレーションです。全4エンド、約1時間で完走しました。 くまやんは1日1回、のぞみちゃんに「自分の魅力を上げる」「初恋の先輩にアプローチをする」のどちらか1つを指示することができます(全10日間)。自分の場合はノーヒントでやってみたところ失敗に終わりましたので、素直に攻略サイトを見て、全てのエンドを読みました。なお、失敗してもすぐ初日に戻れる仕様になっています。 物語自体は『くまやん』と『のぞみちゃん』のやり取りを、最後まで楽しみながら読むことができました!くまやんは可愛いらしいポップな絵柄で描かれており、表情もすごく変化します。コミカルな表情は声を出して笑ってしまいました。のぞみちゃんも「憧れの先輩以外はモブにしか見れない」的な発言をするなど、まさに恋に夢中になっている感じがとても可愛かったです。 個人的に印象的だったのは、のぞみちゃんが凄まじい方向に変化するエンドです。先輩のことが好きなのは一貫してますが、発想がどんどん極端な方向に変わっていき、なかなか衝撃的な結末を迎えます。インパクト抜群のエンドでした!
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赤から青へ遠距離恋愛中の恋人から、別れを切り出された主人公の作品です。選択肢はなく5分程度で読了しました。1週目を読んだ後、付き合っていた時期のこと、遠距離恋愛になった後の過程など、いろいろと想像を巡らせながら2週目に入りました。 BGMも淡々とした雰囲気の物語にマッチしていました!
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隣の家の幼馴染に素直になれないのでラインする。主人公のショウくんが、幼馴染のトウヤちゃんにラインをすることから始まる短い物語。全4エンド、15分程度で完走しました。 『推理クイズ』を先にプレイして、2人がとても気になったので、勢いのままプレイしました。こちらでもショウくんのツンデレっぷりや、トウヤちゃんの可愛い部分を堪能させて頂きました。素直になれないから生じる絶妙な距離感が、個人的にたまりませんでした⋯⋯! 立ち絵・スチルは「可愛い!」の一言に尽きます。本家のLINEでは実装されていない、アイコンの表情が微妙に変化している部分も良かったです(笑)。
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Days of Noble高校生の主人公はある日、とある事情から同じクラスのお嬢様シルヴェーヌと一緒に生活をすることになる。そこから始まるラブコメ物語。選択肢はなく、おまけを含めて約1時間で読了しました。なお、主人公の名前は自由に入力することができます。 ギャグを積極的に挟みつつ、軽快なテンポで進んでいく構成が素晴らしかったです。あっという間の1時間でした。彩夏と主人公の姉も痛快と表現したいくらいの変態性を(良い意味で)出しており、とても魅力的なキャラクターでした⋯⋯!ギャグの部分も、バックログとか姉汁とか墨汁とか、たくさん声に出して笑ってしまいました。いらすとやの素材も、ギャグをよりシュールに引き立たせていたと思います。 軽快なテンポで進んでいく、最後まで笑いの絶えないコメディー物語でした。未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。