heart

search

個人宇宙のレビューコレクション

  • ヘクソカズラ
    ヘクソカズラ
    両親の死をきっかけに、母親の故郷である壇蛇羅集落という田舎に行くことになった主人公の美華ちゃんと、集落に住んでいる少年少女たちの交流を描いた約1ヶ月間の物語です。11月くらいにダウンロードして、じっくりと壇蛇羅の生活を堪能させて頂きました。総プレイ時間はよく覚えていませんが、8時間は超えていると思います。 個人的な意見になりますが、フリーゲームは製作者様の「これを表現したい」という気持ちが前面に出ているジャンルだと思っています。『ヘクソカズラ』はまさにその極致とも言える内容で、凄まじく濃厚な世界観にずっと圧倒されっぱなしでした。長大なシナリオの細かい部分まで情報が詰め込まれており(『子供』についての考証とか、壇蛇羅が成立するまでの考証とか)、登場するキャラクターの複雑な境遇や心理描写も、卓越した文章で徹底的に掘り下げられています。背景は昭和を感じる内容に統一されており、アコギをメインとした美しい音楽とマッチしています。じわりじわりと、壇蛇羅の世界に引きずり込まれるような感覚がありました。 ストーリー自体、劇的な展開や過激な要素はそんなにありません。基本的には美華と壇蛇羅に住んでいる少年少女たちの交流を、1ヶ月間──1日も欠かさずにじっくりと描いています。田舎の生活をリアルで体験しているかのような、ゆったりとした速度で進みます。ただし、閉鎖的な田舎世界にある特有の窮屈さや、壇蛇羅にある独自の不気味さが作中に散りばめられているので、穏やかでありつつ、どこか仄暗い感じも抱きながら読み続けました。 登場キャラクターは「みんな好き!」と声を大にして言いたいですが、強いて言うなら英くん、宗雪くん、尊くんが好きです。みんな複雑な境遇で生きてきた故、捻くれた部分はあるんですが、根っこは真っ直ぐなんだろうなぁと思いました。 プレイ時間はノベコレでも特に長い部類に入りますが、この作品でしか味わえないモノが確かにありました。未プレイの方は、ぜひ圧倒的な壇蛇羅の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

    レビューページを表示

  • 先輩、私の背中を押してください
    先輩、私の背中を押してください
    主人公の先輩と、自殺しようとする後輩の物語です。選択肢はなく、10分程度で読了しました。 短いですが、自殺や死をテーマにした非常に重たい作品です。主人公は厭世的な考えを持っており、言動も淡々としてますが、だからこそテーマが引き立っているとも感じました。「生きて」という単純明快な言葉が、ずっしりと重たくのしかかる内容でした。

    レビューページを表示

  • (短縮版)忘れられない歌 ~light side~
    (短縮版)忘れられない歌 ~light side~
    大学生の主人公の秀太は、幼馴染の彩未と一緒にバンドを組むためにメンバーを集める物語。2020年1月3日の時点で、1章まで公開されています。選択肢はなく40分程度で読了しました。 個人的にロックバンドが大好きなので、飛びつくように読みました。ギターの子がとても可愛く、過去について気になってしまいました。個性的なメンバーが揃いましたので、今後の章でバンドとしてどう動いていくのか気になりつつ、続きも楽しみにしています!

    レビューページを表示

  • Royal & Blood
    Royal & Blood
    主人公の高校生と、お嬢様のシルヴェーヌ・吸血鬼の京花のラブコメ物語です。2人のルート、おまけを入れて30分程度で読了しました。 『Days of Noble』を先に読み、テンポの良いギャグとおまけで出てきた京花がすごく気になったので、勢いのままプレイしました。冒頭のシルヴェーヌのヘリコプター登校で妙な安心感を抱き、京花のルートでは吸血鬼であることを全く隠してないギャグに笑いつつ、ラブコメを堪能させて頂きました。モブで出演していた彩夏も、変態性をさりげなく出していた部分が良かったです(笑)。

    レビューページを表示

  • エクストリーム・スパイ!ソラとピヨちゃん
    エクストリーム・スパイ!ソラとピヨちゃん
    警察のスパイである主人公のソラちゃんは、マフィアのボスの娘になりすまして潜入捜査を行うことになる。マフィアたちに怪しまれないよう、ソラちゃんのセリフを選んでいくゲームです。10分程度で無事にミッションを達成しました。 選択肢は多いですが、ボスの娘に関する資料はいつでも見れる仕様になっていますので、難易度は高くありません。可愛い絵柄とは裏腹にソラちゃんの口がとても悪く(演技ではありますが)、そのギャップの部分も面白かったです。終盤のピヨちゃんのセリフは個人的に響くものがありました。 マフィアや潜入捜査といった不穏な単語が出てきますが、可愛いらしい絵柄とそれにマッチしたポップなデザインになっていますので、とても気軽に楽しむことができました!

    レビューページを表示

  • ルームメイト ~うさぎ系ヘタレ男子~
    ルームメイト ~うさぎ系ヘタレ男子~
    引きこもりのヘタレ主人公・エリオットくんが、ルームメイトの美女ロザさんと出会ったことにより始まる物語。全4エンド、20分弱で読了しました。 『ペンフレンド』を先に読み、ロザさんにまた会えると歓喜しながらプレイしました。こちらでもロザさんはサディスティックっぷりを遺憾なく発揮しており、エリオットくんはひたすら翻弄され続けます。こういう感じの主人公はどんどん悪い方向に向かっていくんですが、トゥルーエンドは「終わりよければ全て良し」(?)という前向きな感じでした。『ルームメイト』でも、ロザさんの格好良さと美しさを堪能させて頂きました!

    レビューページを表示

  • ユーグレナは夢の中
    ユーグレナは夢の中
    病室で主人公が目覚めた時、そこには主人公を先生と言う自称『ミドリムシ』の男がいたところから始まる短い物語、選択肢はなく、10分程度で読了しました。 登場人物たちの意思の強さを感じる作品でした。2人とも可能性のある限り最後までやっていこうとする意思を感じたので、説明文の通り「ミドリムシは強い」と思いました(笑)。途中で出てくる夜の背景も、とても美しく綺麗でした!

    レビューページを表示

  • 電脳天使心中
    電脳天使心中
    半ひきこもりの主人公『まーくん』は、過疎状態になっている仮想現実の世界でアマツカさんという存在に出会うことから始まる物語。選択肢はなく、30分程度で読了しました。 他人に興味が持てず、自身の環境に大きな閉塞感を抱いている『まーくん』に大きな共感を抱きながら、アマツカさんとの微笑ましいやり取りを読むことができました。Live2Dで動くアマツカさんはとても可愛らしく、特に頬を赤らめている表情が良かったです⋯⋯!最初に読んだ時アマツカさんも現実世界に生きる人かなと思いましたが、後半の展開を読んだ限り、仮想現実に存在するAI的な存在なのかなと、ちょっと気になりました。 個人的には、彼岸花に包まれた仮想現実の世界がとても美しいと感じました。彼岸花に含まれるネガティブな部分とポジティブな部分が、まーくんとアマツカさんだけの世界をより良く引き立てています。エンドは切ない感じですが、美しい彼岸花のおかげもあってか、どうか幸せであってほしいと願いたいくらいの余韻が残りました。

    レビューページを表示

  • 改元
    改元
    「平成」に様々な変化をかけて、新しい元号を作っていくというコンセプトゲームです。選択肢によって、様々な内容に変化していきます。作られた元号は結晶化されますが、それが30個ほどありますので、コレクションゲームとしての要素もあります。自分の場合は20分ほどで全ての結晶をコンプリートすることができました。 改元という題材を使ったのが、とても斬新でした! 選択肢によって予想外の内容に変わったり、演出が派手に行われているので、最後まで楽しく収集することができました。ジッキーくんも積極的に動いていて、とても可愛かったです。個人的には「ねーわ」や、「衛生」の部分は笑ってしまいました。

    レビューページを表示

  • ペンションおしぼり
    ペンションおしぼり
    グルメ雑誌の取材のため、北海道の串露という街にやってきたスシ・スケ・ツトアの3人。取材の最中、すごく美味い醤油に出会い、その秘密を探っていく旅行記風ゲーム。1時間ほどで最初のエンディングを見ましたが、他のエンドも見たくて追加で1時間ほどゲーム内を散策しました。 手書きの背景・独特の言い回し・シュールさを含んだ物語展開など、ゲーム全体が一種のアートに包まれた世界観で、最後まで圧倒されながらプレイしました。この製作者様でしか作れない世界が完成されています。それと同時に、どこか懐かしいような寂しいような郷愁的な部分も感じました。 後半の醤油の秘密を探る部分については、多少の不気味さがありつつも、とても面白かったです。個人的には「献血ってレベルじゃねーぞ!?」というツトアのセリフに笑ってしまいました(笑)。 選択肢は非常に多く、バッドを含めたらエンド数も結構あります。しかし、ゲーム全体のシステムが丁寧に作られており、新しい発見もありますので、楽しく周回することができました。未プレイの方は、ぜひ独特な雰囲気に包まれた取材旅行に行ってみてはいかがでしょうか。

    レビューページを表示