富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
-
DELFLORIA大好きな全画面文字表示タイプのサウンドノベル! 微ディストピアの世界観設定も大好物のヤツ! ということで制作段階から公開後までずっと興味津々でしたが、 晴れてようやくニンフェルートをクリアさせて頂きました! プロローグでの冒頭のシーンや、様々な設定をうまく提示する最序盤、 パートナーシップ制度により伴侶となる女性と会いに行くところなど、 興味を惹かれる内容で序盤の段階でこの世界へしっかりと没入させられました。 また、終盤のバトルシーンは画面演出がド迫力でとても良かったです。 @ネタバレ開始 クリア後一番印象に残っているのは夕暮れの屋上シーンです。 そしてお気に入りのキャラは希空です! 突然堂々と彼女を募集し始めるエンドロールも楽しくて良かったです。 @ネタバレ終了 今後の活動もぜひぜひ頑張ってください!
-
けもみみユーフォリア~complete!!~話題になっていたケモミミ世界での乙女ゲ―をプレイしましたが、 ひっじょーに良質なラブストーリーが楽しめる素晴らしいゲームでした! 恋愛モノが苦手でなければ老若男女問わず問わずおススメできます! まず、独自のファンタジー世界観がとても良かったです。 特定の精神状態によってケモノ化する設定だったり、 肉食獣も草食獣も個性はありつつ共存しているところだったり。 絵柄も世界観に合っていてとても可愛らしいタッチでした。 本作がとても楽しめた一番の要因は激カワ主人公の存在が大きかった気がします。 主人公はヒツジなので完全にか弱い系の草食ですが、 イメージ通り優しくておっとりしているところもありつつ、 意外と戦闘力が高かったりここぞというときは揺るぎない意志を持っていたり。 ルートや選択肢によってキャラの範囲内で心持ちが変化するのも良かったです。 キャラクター毎にベストからバッドまでグラデーションのようにEDが用意されており、 それぞれ細かく結末が分岐し、イベントCGも多数用意されていてとても豪華な作りです。 ゲームの紹介動画に始まり、キャラ紹介に回想&CGにおまけもとても充実しています。 EDリストのおかげできちんと漏らさずにコンプできました! 細かいことを言うと既読スキップをかけていても選択肢の少し前で止まる仕様で感動しました。 親切な作りが細部にまで宿っているなぁという印象を受けました。 ある程度プレイしたら是非アンケートに回答しましょう! アンケートに回答すると設定資料のグラフィックやら没EDやら、 これまたいろんなおまけ要素を見ることができますよ!! 残念ながらゲームにサカナは出てきませんがワニが出てきたので満足です! (あ、クマに狩られるシャケは出てきました!)
-
玉虫色のIMPRESSIONサスペンス仕立てのストーリーで大好きな全画面ノベルでした。 照真と明里の運命は一体どうなってしまうのか?と手に汗握る展開でした。 明里をなんとか助けたい一心で読み進めていましたが、 星野が主人公を追い詰めてくるのを見て何度も諦めそうな感覚になりました。 緊迫とともに進んでいく中で最後に明かされる真犯人とその本性や動機は驚きです。 見事な筆致で、個人的にはそういうことかとまんまと騙されました。 玉虫色のIMPRESSIONというタイトルもなるほどそういうことかと腑に落ちました。 (以降のネタバレ欄はプレイ前は絶対に厳禁でお願いします) @ネタバレ開始 と思ったらなんだって~! タイトルの意味合い、玉虫色どころじゃない気もしますがそういうことなのね!と。 アイデア系作品は「大体俺も(少し~大体)思い付いてたやつ~」となることが多いのですが、 今作の趣向については今まで一ミリも思い付く気配すらなかったのでビックリしました! ゲームの概要欄に記載されているプレイ時間の謎はそういうことだったのか! もちろん私が初めにプレイしたのは消えた昨日の犯人でした。 感想欄で遊んでみましたが、作者様、プレイ済の方々、いかがだったでしょうか? ここから他の作品の感想です。 ■はらからの恋 タン塩ともみじ饅頭が好きな照真くんをへへっと笑っていたら、 途中から視点変更が入って明里の悲惨な境遇が描かれ始めてこれも意表を突く展開。 自分ならあの試されているシーンでガバっといって即BADENDだなぁと凹んでいたら、 明里が滅茶苦茶タン塩ともみじ饅頭をいじってくれてなぜか報われた気分になりました。 あれで好感度上がっちゃうんだからなかなかです。天然には叶いません。 照真の境遇などの意外性を見せながらラストは読後感も良く面白かったです。 ■雨上がりの邂逅 コンセプトをきっちり実現するためでしょうが振れ幅がとても大きなギャグ作品。 私も世代なのでシルエットギャグは大好物で大いに楽しませてもらいました。 シルエットありきでテキストをひねり出す作業は作っていても面白そうです。 個人的に一番好きだったのは「フンだり蹴ったり」ですが、オチもメチャクチャ綺麗でした。 初めにこのシナリオが当たった人はどんな印象になったのかと思うと興味深いです。 @ネタバレ終了 とても面白かったですし、まだまだノベルゲームの可能性はあるんだなぁと感動しました。
-
舌上の動物園丁寧に話を追っていく中で、必殺総当たりなども駆使してなんとか全EDを拝見しました! 設定や構成や表現の完成度がとても高い作品で驚きました。 最後に真相が完全に明らかになるので、是非そこまでは到達してほしいです。 キャラクターをすべて動物で表現しているところや、 それぞれのキャラクターデザインなどの表現がとても良かったですし、 重層構造になっているゲームシステムも他では見られないほど凝ったものでした。 ストーリーの分岐点も意表をつくものでしたし、気付くと嬉しいパターンでした。 @ネタバレ開始 ちなみに1つわがままを言うと、周回プレイを何度もすることになる仕様ですので、 タイトル画面の演出は簡素なものにするか飛ばせるようにしてほしかったです! また、EDリストや各キャラのプロフィールなどのおまけが欲しいタイプのゲームでした! (各キャラの相関や真相がかなり込み入っていると感じたため) @ネタバレ終了 証言を聞くモード、推理モード、人名入力モードなど、 ミステリ好きにはたまらない趣向の作品でした!
-
非公開中超おどろおどろしいタイトル画面を見て嫌な予感がしたのですが、 道中様々な修羅場やホラー的表現がありつつも最後はウルトラCで感動の着地を見せました。 感動して泣いたというコメントを見て???となりましたが、 確かにそれも頷けるくらい色んな感情を揺さぶるシーンの数々でした。 本編3分半のおまけが30分って何言ってんだろうと思いましたがプレイして納得です。 本編は序章のような内容で、プレイすると嫌な予感はマシマシになります。 おまけの方では少女の正体に関する真相が見られるとともに、新たな事件の詳細が描かれます。 ももかちゃん大迫力のシーンと、すっぴんももかちゃんのシーンが印象的でした。 グラフィックを印象的に用いた表現力が凄くて、ぐいぐいと読ませるテキストも魅力です。 タイトル画面でビビっときた人は直感を信じて遊ぶが吉と思いました!
-
【第1弾】劇団ほしえび「この世は間違っているのだ.vdo」一度見たら忘れないビビッドな色使いとデザインのタイトル絵と、 サムネで見られる面白そうなゲーム画面に惹かれてプレイしました! プレイするとグラフィックと8bit風音源やドット風文字との相性が抜群で、 他では味わえないような世界観を構築されていたかと思います。 ただのADVではなくとても凝ったゲームパートが楽しめますが、 例によって言葉では全く説明できないタイプのヤツなので遊んでご確認ください!
-
狐ノ嫁入ル庭こわ~い和風の絵本を読んでいるような印象を受けた作品でしたが、 選択肢分岐が非常に多く、ルートの分岐が簡単に分からない奥深さがありました。 立ち絵・背景・イベント絵などのグラフィックが非常に綺麗で、 登場する多くのあやかしたちのデザインもそれぞれとても魅力的でした。 音楽のクオリティもこれまでの作品同様にメチャクチャ高いです。 全9種のEDがあるとのことでしたが、 何度かに分けてプレイしたこととうっかりメモを取り忘れてしまった失敗により、 全EDをちゃんとコンプできたかは微妙なところです。できたっぽいかも。 このような状況もあってチャートや攻略やEDリストが欲しくなってしまいますが、 主人公のように迷子になっちゃう現在の仕様のほうが雰囲気がピッタリだとも感じました。 和風なあやかしたちがお好きな方には特にとてもお勧めできる逸品でした。
-
私の名前を呼びなさい!やべぇヤツに監禁されてしまうノベルゲームは数あれど、 実際に脱出をシミュレートするゲームはわりとレアめだと思います。 監禁者の目を盗んでの移動・探索・脱出のゲームシステムはしっかりしており、 見つかってしまうとかなりキツいお仕置きが待っているので手に汗握りました。 難易度はそこまで高くないので自力でなんとか脱出エンドを迎えることができました! その後、DL版に同梱のヒントを見ながら別のエンドを回収しました。 CGや回想のモードが完備されているのがとても良かったです。 1つ個人的にちょっと大変だったのは凌辱描写が結構エゲつなかったことです。 ドM体質の身には痛々しい主人公の姿を見るのは結構悲しい気持ちになりました。 逆を言えば描写がバッチリなので愛好者の方は大満足かと思いました。
-
ORDER自身が大統領として国家運営を決めていくという、シミュレーション寄りのゲームでした。 骨太な設定のためスタートから大統領になるまでのストーリーはドラマチックですし、 様々な政策を決定していく中で自身の運命も様々に変化していく様はまさにノベルゲームでした。 なかなか見ないタイプのオリジナリティの高いゲームでとても面白かったです!! 政策決定後は即応性があり、ストーリーパートもテンポ良く進行するのも嬉しいポイントです。 国から悪を一掃して立派な大統領になったり、闇落ちして自身が巨悪となったりと思いのまま! EDは全8種と結末もそれぞれ多岐に亘り、とてもエモいエンディングがたくさんありました。 作者さんの攻略サイトのヒントまでを参照した上で自力で全ED拝見できました! ゲーム中に流れるBGMやピクトグラムを多用する政策コマンド関連のセンスも抜群でしたし、 何と言っても秘書である自身が開発したAIロボのジョーが非常に良い味を出してました。 ジョーのおかげでエンディング毎の境遇の対比がより鮮明になっておりました。 ディストピア大好きなのを差し引いてもとても面白かったです!
-
鬼語「結局一番怖いのは人間」を地で行くおどろおどろしいお話でした。 閉鎖的なムラ社会の因習やら人間と人外との交流やら設定からして興味深いのですが、 テキストが非常に素晴らしくてプレイして間もなくグイグイと引き込まれました。 ヒロイン?である『ざくろ』が両性具有と言う設定を上手く活かし、 主人公が男にも女にもどちらにでも終始解釈できるのもテクニック的にお上手だな、と。 終盤の選択肢で結末が分岐しますがどのエンドもなかなか味があって良かったです。 特に最後に到達できるようになるエンドはざくろの本心が垣間見えて感慨深かったです! テキスト以外にも雰囲気のあるグラフィック、 BGM表示や二週目以降のプレイを快適にするシステム、 非常にゲームにぴったりな素晴らしいエンディング曲など、完成度の高い作品でした。 あとがきを拝見して、このような形でのゲーム制作も夢があって良いなぁとしみじみしました!