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天凱彼岸花(テンガイ ヒガンバナ)のレビューコレクション

  • チャットSMD 2
    チャットSMD 2
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 前作と違い安心安全で楽しめる仕様にバージョンアップされたという事でいざプレイ! @ネタバレ開始 したのは良かったですが、やはりというかそんな生易しいオチではなかったのは想像できていましたとも…はい。 今作は前作と違い、各話のタイトルが表記された事や解説がついたという点で遊びやすさや考察を楽しみたい人が答え合わせをする点でも良アプデがされたと思いましたね。 前回と同じく、話を読みながら考察をしつつ答え合わせができるようになった点からより楽しむ事ができました。 中には想定した物と違う物語の全貌だった物もあり、そういう事か!?と驚く場面も。 そして、いざ終わろうと思ったらやってきたある意味想定はしていたけど今度はどんなオチを用意されているのか、という部分。 確かにアプリをプレイした時点でプレゼントの受け取りが強制になると表記はありましたが、こんな嬉しくない贈り物があってたまるか! という外れる事を願いたくなるような締め方でしたね。 @ネタバレ終了 説明文にある「近頃大型アップデートの予定もありますので」というのが続編フラグかな?と毎回痛い想いをしつつも、ついつい期待してしまいます…。 また新作が出た際には是非遊ばせていただきたいなと〆させていただきつつ。 面白い作品をありがとうございました。

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  • チャットSMD
    チャットSMD
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 意味が分かると怖い話に近い形式という事で推理をしながら読み進めていきました。 @ネタバレ開始 最終的に、自分の推理が正解なのか解説や解答という物がなかった為真相はAIのみぞ知る…となりましたがサクッと怖い話を楽しみたいという需要にはぴったりな構成だったと思います。 そしてそれ以上に怖い話というべき部分。 言われてみればやけに高速でプレイ前のよくある注意事項みたいな部分が流れていったな?と思いましたが… そんな所に伏線というかちゃんと明記してます。というのはもはや詐欺の契約書だよね!?という衝撃がありました。 しかし、噂には尾ひれがついて正しく伝達されなくなっていく…という現実でも起きる現象を思えばこういう想定外の事故のように思わぬ結果に遭遇するというのは否定ができないというか、ある意味現実味がありましたね。 何にしても、注意事項はちゃんと把握しないと痛い目に遭う…恐ろしい教訓として受け取ろうと思います。 @ネタバレ終了 それぞれの話は短いながらも考察タイム等を含めると程よいボリュームとして楽しめました。 怖い話をサクッと聞きたい、考察もしてじっくり遊びたい。 どちらの需要にもぴったりという意味でよかったと思います。 面白い作品をありがとうございました。

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  • なぜ少女は我が子の恋人を殺すのか?
    なぜ少女は我が子の恋人を殺すのか?
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 前作とは異なり、質問回数に制限がついた分難易度は上がっており何を質問するべきなのかまず頭の中で整理する必要がありましたね。 @ネタバレ開始 一見問題文だけを見ると疑問はあれど、ここを質問で解き明かす…。 しかし、質問回数に制限がある分総当たりができない事からどこが重要な情報となるかを先にある程度絞る必要性が出てきた。 この点で前作より難易度が上がったのもですが、ゲームの難易度としてはこれ位の方がやりがいとしてちょうど良く感じました。 途中、とある情報から『少女が我が子の恋人を殺す』という部分以外でも犯罪臭な事案なのでは?と思いましたが、ここも別の情報が増える事でそれなら別におかしな事ではないと納得をしたり。 最後の答え合わせ部分で、特定の回答に繋がる質問をしていないと気づきこれまでの情報から勘で1箇所乗り切る事にはなりましたが初見で正解はできました。 確かにタイトルの通り、マナミの行動は犯罪行為ではありますがサイコパス要素そのものが当社比薄くなっているとされていたのは納得しました。 ロボット三原則に対する実験、と言われたらまぁ確かに…とは。 そして、前作と違いストーリー部分でもこのマナミの将来起こす犯罪を抑止力として止めるやり取りが何を意味するのか。 犯罪を抑止すると同時に、夢がなくなっていく…という部分を見ると何とも言い難い感情がありましたね。 @ネタバレ終了 今回位の難易度でまた新作が出たら遊んでみたいですという感想で〆つつ。 面白い作品をありがとうございました。

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  • なぜ少女は村人を殺すのか?
    なぜ少女は村人を殺すのか?
    感想が遅くなりましたが、ウミガメのスープと聞いてプレイさせていただきました。 タイトルの通り、少女が村人を殺す理由をウミガメのスープ形式で質問し推理するというシンプルな内容でしたので暇な時間にサクッと楽しめました。 質問回数に制限もなくじっくり情報収集ができた為、無事真相に到達する事ができました。 肝心の少女の動機については…倫理的な問題はさておき、確かにある意味合理的だなぁとは。 面白い作品をありがとうございました。

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  • MonstrousPark
    MonstrousPark
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 怪物が出るという噂のある夜の遊園地…そのミステリアスな雰囲気だけでこれは面白そうだなぁとDLさせていただきましたが、結論を先置きさせていただくとその期待を大幅に上回る作品でした。 @ネタバレ開始 まず、プロローグとばかりに問題しかない遊園地&スタッフという部分を見せられ「これは…」となりつつ観覧車で登場する謎の人物クラウンとの会話。 プレイ前からこの遊園地には怪物が出るというのが噂といえ判明しているので純粋に犠牲者を出さない為に警告をしにきたのかな?と思っていたのですが…これも後々「そういう意味!?」となる要素であり…。 云わばプロローグ的な話=ただのチュートリアルという先入観を持っていると後々推理的な意味で言われてみれば!?等悔しいというか、納得しかない構成でした。 そこから順番が逆だよ!?とツッコミどころのある新人研修、作中でも出てきた「この遊園地には怪物が出る」というワード。 これはアンちゃんが何者かに襲われる展開が…?と思ったらそのアンちゃんが…というまさかの展開は予想外としか言いようがなく。 今後もちょいちょい選択肢に混入される「逃げる」が本当に見えている罠すぎるなぁ…と思いつつ回避もしつつ、一週目は素直に自分が正解と思う選択肢を選んでいったのですがバッドエンドでした。 以前に選んだ選択肢が好感度三段階でいうどれだったかがわかる為、周回をすれば絶対に情報が集まる分クリアができる点は親切だなぁと思いつつノーマルエンド→トゥルーエンドと回収。 不穏な要素しかない遊園地だとは思いましたが、まさかの人間の部品を集めては人体実験しているという闇しかない事実が明らかになった際には「特に疑問もなく受け入れていたけど人外のパーツがついたキャスト(総務部)がいる時点で疑える要素はあったかもしれない…」と冷静になりました。 そして、バッドの際に全滅後に言われる「頭だけかえて再利用する」というもはや手馴れているとしか思えない発言で今までどれだけのキャストがn度目の生を受けたのか…。 トゥルーもトゥルーでノーマルから恐らく総務部はどちらも無事では済まないまでは想定はできました。 しかし、そこで挟まれる牛鬼の話…そういえばエンジェルさんは牛の部品を…そして、人造人間のキャストは基本妖怪になる。 からの容赦のない結末にどうして…どうして…となるしかなく。 表ルートに関しては、アンちゃんとエンジェルさんの関係性…憧れの対象といつかそれと並び対等でありたい気持ち。 最初は内向的だったアンちゃんが自分の意思をはっきり出していく所は応援したくなりましたし、ほんとにただの良い子だなぁ…と成長を見守りたい近所のおばちゃんのようになり。 エンジェルさんの頼られる立場だからこその悩み等もわかる事から、二人には無事対等な関係として良い友人になって欲しかったという気持ちとなり。 ムーシュちゃんの他者との距離が近かったりハイテンションギャルなノリはあれど、むしろそれが癒しでもあり雪子さんとは正反対の気質だけどむしろこれ位ぐいぐいといける友人が必要だろうなぁと思えたり。 選択肢の内容を把握するという攻略の関係上、一部の選択肢を選ぶ際に「ムーシュちゃんはそんな事言わない!!やらない!!」と勝手に解釈違いを起こす程度には好感の持てる子です。 グレムくんも最初こそ頼りない所はあれど、ちゃんと成長しゲストにより良いサービスを提供する為にガルーさんと衝突する場面等、彼に関しては裏ルートでもかなり描写がしっかりされているのでそちらでも触れたいので一旦ここで切ります。 そして、一見すると新人の部下を他部署に丸投げしているガルーさんも実はちゃんと事情があり以前の事があったからこそグレムくんの提案を即却下するしかなかった事。 人嫌い・他人とのコミュニケーションを避けているとプロフで明言されていますが、何だかんだちゃんと相手に必要な物を判断して研修先に配属する目は持っているし何だかんだ面倒見は良く思えるので近づくとつい世話を焼いてしまう部分があるからあえて避けているのかな?とも解釈ができ。 それと別に、本当に人嫌いなら過去の部下4人の事は謎はあれどここまで固執する必要がない辺り「やっぱりお前はそういう奴だよ…」と。 カムくんが何故ガルーさんにやたら絡みたがるかも謎でしたが、トゥルーで全てが判明した際に全てが繋がった際の衝撃といったら……。 結果的に、彼の過去の部下はちゃんと形を変えて戻ってきたけどカムくんだけが戻る事ができなかった。 それでも「今の部下に向き合って」と言い続け、そこに過去の同僚はいても自分は含まれてないし心臓の記憶なのかガルーさんに構って欲しいという気持ちは全面的に出ており関係性としてなんとも切なかったです。 後から考えれば、チャプター7でガルーさんの代わりに接客を引き受けた際も「カムくんは過去にガルーさんが優秀と認めたあの部下なんだよなぁ」と記憶は残っていないとしても、任せられるしできると言い切れるのも納得した部分があります。 そして、トゥルーエンドでクラウンから意味深な台詞を回収した所で今度は裏ルートと言えるエクストラへ…。 表ではあまり触れられなかったシアター運営部や技術管理部を中心としたお話という事で、表でこういうやりとりがあった際一方その頃こういう事も…と補完される形でこちらもまずは自分の正解と思う選択肢を選んだのですが、やはりというべきか初見バッドエンドでした。 表ルートが比較的わかりやすい流れだったのに対し、補完や真相に迫る分バッドエンドだった事を除いても「一体何が起きてこうなったんだ…」と怒涛の展開を理解できぬまま2周目へ。 もうすでに、この遊園地がどんな場所であり総務部がどんな目的で動いていたのかがわかっている分場面によっては心の中で声にならない悲鳴をあげる場面もありました。 特に共感ができたのは苦労人のおかん状態だったナランダさんですね。 ただ、何故技術管理部が重要な部門なのにどうしてこんな少人数で回しているのか? ガスコンロを直してもらいたいけど、ガス担当が不在…というやりとりで不穏さを煽りつつ、後半で河太さんから明かされる事実やノーマル以上の時に見られる妖怪覚醒の原因を見ると43歳水道担当のおじさんからしか得られない栄養素があるというか、そうなってしまう事が理解や共感できてしまい辛い…となるしかなく頼むから対立しないでくれと心が叫びました。 正直、喫煙者でありナランダさんが煙草を嫌がる描写もただのこの二名の不仲を描くだけでなく「自分だけが喫煙者だから助かった」という予想外の伏線回収に繋がるなんて想像ができませんでしたし。 そして、結果的にナランダさんは先にクラウンの正体を知っていたけどそれを隠す必要があったのでバッドの際はあの結果になってしまいましたが河太さん視点からすればあの勘違いと結末は想定できたかなぁ…と悲しみが。 以前別の場でも語らせていただいたのですが、裏ルートにおいてこれを語らないのが嘘と言える物と言えば 粋としか言えないプレゼントの演出と劇中歌の存在ですね。 最初はグレムくんのやった手品をアルカーさんもやる天丼かな?と思いきや実はそれは視線を本命からそらす為の物であり… 雪子さんがプレゼントを確認した瞬間、解除される『素敵なプレゼント』の実績。 これはDL可能であるサイトがノベコレという部分を活かしたギミックであり、作中では純粋に雪子さんがプレゼントとして招待状をもらうサプライズでありながらプレイヤーにもバッジの獲得という想定外のサプライズをするという発想が神かな? といえる演出すぎました。初見の際は思わず興奮のあまりテンションがおかしくなったと記憶しております。 そして、支配人からアルカーさんに渡されたテープ…劇中歌である『柘榴』が収録されたカセットですね。 このゲームに劇中歌があるという事は事前に知っていたのですが、実際に作中で該当場面を見た際は素敵な歌に聞き入ってしまいました。 配信でプレイを進めるという性質上、劇中歌を聞いてからトゥルーエンドを回収する前にyoutubeで公開されているフルバージョンを聞いたのですが曲調や歌詞といいなぁと純粋に思いました。 しかし、ある意味この劇中歌の真価と言えるのはナランダさんが久々に舞台に立つという演出であり 同時にトゥルー最終、実績の名前にもなっている…フルで聞かないと知る事がなかった歌詞『この世に生きた不条理を歌え』の部分。 誰にとってもこの世に生を受け生きるというのは不条理であろう…位に元々は解釈していたのですが、このゲームに出てくるキャストこそがまさしく本人に罪はないのに人造人間として何度目かもわからない生を受けこの遊園地の秘密が公になれば生きていく事もできない。 不条理としか言いようのない状況である事。 しかし、それを歌い飛ばして生きていくしかないという事を現したある種の人間賛歌であると理解した時「この歌は本当にこのゲームの為の物であり、これ以上となく相応しい存在である」と思い知る事となりました。 話をキャストやストーリーの部分に戻しまして。 まず、シアター運営部に研修にきた事で成長していくグレムくんや彼と友人関係になっていくプラタくんやミルラちゃんとの関係性がほっこりとします。 新人を舞台に立たせる(手品で物理的に)という突然の洗礼に驚きつつも冗談を真に受けてプラタくんと漫才をしつつ、ちゃんと喋りについて改善されていったグレムくんは素直に凄いと思いますし普通の人はまず舞台で誰かに芸を披露する事がない為とても緊張するのが当然でしょう。 そして、それを理解した上で初めてにしてはよくやったと褒めてくれるナランダさんは本当にわかってらっしゃるなぁと。 プラタくんは自由過ぎてKYなのでは?と思わせる部分はありますが、何だかんだ存在する事で場を明るくさせる面があると思っております。 記念公演の打ち上げでグレムくんを励ます場面でもそうですが、基本は自由でもちゃんと必要な場面では適切な行動を取れるというか。 何だかんだ、友人にいたら振り回されるのは承知だけど楽しい奴って感じなんだろうなぁと思いました。 そして、打ち上げの日に月を見上げる場面も表ルートでは観覧車でガルーさんとカムくんが同じく見ていると思うとそれぞれ理由があって衝突はすれど、同じ空の下で同じ月を見上げている…その状況に得も言わぬ感情を持ちます。 最初はひたすら無口でダンス以外に関心も協調性もないと思われたカトリーナちゃんも、雪子さんとの関りから少しずつ表情が豊かになり終盤ではこんなに素敵な笑顔もできる子なんだなぁと。 何でしょう、カトリーナちゃんの魅力をもっと大々的にアピールする為にもダンスの時もゲストに向けて笑顔見せて!と配信をしつつ思わず熱くなった記憶があります。 問題だらけの新人が2人も一気に増えて大変だ!と最初は思える流れでしたがストーリーが進む程それぞれの持つ良い面や魅力が出てくるのでそれぞれに対し好感を持ち応援したくなる、そんな魅力を感じました。 そして、シアター運営部において忘れてはいけない部長なのに突拍子のない事をやりだすアルカーさん。 チャプター0ではこの人って入場の時にいた人では…?と突然のD劇場を観ていましたが、エクストラ0で本当にリハーサルにない事をやり出した故の物だったと知った時には笑うしかありませんでした。 ゲーム本編とは別段関りはない事ですが、誕生日が4月1日というまさに嘘のような…ある意味デタラメな事ができる存在にぴったりだなぁというのが気に入っています。 良くも悪くも面白真面目な人であり女好きというキャラというだけでも好きだなぁと思いましたが、前述しているプレゼントの件や雪子さんとのやり取りがとても印象的です。 作中の描写を見るに、支配人と直接対談できる数少ない立ち位置の人物という点も気になりましたが某選択肢までに全問正解するか否かで色々見方というか、言葉の意味がここまで大きく変わるとは…と思えるのも凄かったですね。 何も知らずトゥルーエンドに到達しただけでは支配人サイド寄りと思いきや実は利用されていた側であり、記念公演の招待状もシアター運営部の部長だから権限として使えるようにしようと言ってるのだな…と思ったのですが…。 まさかの次期支配人候補!? つまり、彼の言う権限というのはシアター運営部の部長権限でなく支配人権限の方だった!? という雪子さんの言う「職権乱用」の意味が全く変わるという盛大などんでん返しでした。 結果として、表ルートにおけるトゥルーエンドと繋がっている以上総務部の2人は蘇生こそすれど記憶を失いこれからどうするのか課題が残るまま終わる…という形でしたが だからこそもう一度初めましてから関係をやり直そうとするアンちゃんとエンジェルさんのやり取りは感動しましたし、ラピさんにも打ち上げ飲み会仲間であるプラタくんがもう一回覚えて仲良くなればいいやというノリで接してくれる事が救いでした。 元の立場や殺人等の行いが全て許される訳ではないとしても、この遊園地に残されたキャストは等しくこの遊園地がなくなっては生きていけない存在である事に違いはなく。 再スタートをするには一度忘れた方がいい事もあるのかなぁと。 “この世に生きた不条理” 確かに、すでに自分の素体になった人物が誰なのか?何度もパーツを交換しているならそれすらもわからず、キャスト達は皆望んで人造人間として生まれた訳でない。 個を、その人をその人と定義する物とは何なのか?を突き詰めようとすると頭の痛い結論に行きつきそうな気すらあり。 その点で言えば不条理という言葉は適切なのだと思います。 そして、今後被害を広げない為にはあそこで支配人を拘束し何かしらの罪状で告発するのが正解だったと多数を守る為には思えるのかもしれません。 だけどその結果この遊園地のキャスト達がどうなるかを考えた際、見逃すという選択肢を選んだ事を誰が責められるのだろうか? 彼らには何の罪もなく、ただ生きていただけなのに。 このゲームはキャラクターの魅力やそれぞれの視点から構成される物語も魅力的と思いますが、こういった観点の哲学や思考実験のような話からも深みを感じられる事。 それが特に強い魅力的であると私は思います。 何にしても、彼らキャスト達にはこれから先大変な事も沢山あるとは思いますが少しでも平穏で穏やかな日があって欲しいと思います。 @ネタバレ終了 感想が長くなってしまった事と、乱文となってしまいましたが 素敵な作品をありがとうございました。 続編が出るという事なので、そちらも首を長くしてお待ちしております。

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  • 短編ミステリー 闇の館の殺人
    短編ミステリー 闇の館の殺人
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 もうすっかり作者様の制作するゲームの中毒になっておりましたが、今回は短編ミステリーという事で真面目に頭を働かせて犯人を推理するぞ!と意気込みプレイ。 タグにある「コメディ」は…まぁ、むしろ作者様なら分量はわからないけど入ってる方が当たり前では?としか思わなかったのであまり気にする事はなく。 @ネタバレ開始 珍しく今回は主人公に明確な設定がなく、主人公はあなた(プレイヤー)でしょう?と言われ戸惑いましたが「だったらお前の名前は天凱彼岸花で、性別は女な?」と雑に適応しつつ進行。 鍾乳洞の最奥に存在する闇に囲まれた館…そして、タイトルからここで何かしら殺人事件が起きるという緊張感。 こんな場所に住居を構えている主人であれば持ち物検査で光を発する物を没収されるのも仕方ないのかな…とは思うも、これは何か起きた時にヒントを得るチャンスがなくなりそうという点では不利な状況だろう等考えながら。 途中、まさかの主人公はあなただ!つまり私の場合は女だ!なのにメイドへ唐突な「結構しましょう」発言。 さらにメイドの「なるほど。ありですね」で同性婚が許される国に行くしかない!?という意図せぬトラブルもありつつ。 マップ構造や登場人物がどの時間に何をしていたか?絶対に後程重要な情報になるに違いないと思いつつ読み進め…館の主人が不在というのがすでに何か起きる前兆にしか思えなかった事もありドキドキしつつ読み進めました。 しかし、思わぬ形で事件が発生してしまい…ここまでの情報で実は犯人が特定できると言われ困惑しかない!! ◇気になる情報を整理していき ・黒コーデの関西人で真っ黒な名刺に『闇』とだけ書かれた者。 ・意味深な台詞をメイドに言った、いかにも怪しげな自称TVプロデューサー。 ・正体不明の人影?が5人。現在の登場人物より人数が多い事含め謎の要素。 ・最後の訪問者である不気味な仮面を被った見知らぬ人物。 ・何度も出てくる、館の四方は闇に囲まれています。というここが光の届かない空間であると強調する文面。 ・マップ構造として主人の部屋から逃げるには廊下を通るか仮面の人物の部屋を通る必要がある事。 ・死体発見時に表記された「館の闇は今取り払われたのです」という一文。 主人の姿が闇に紛れて見えなかったのがようやく姿を、死体という形でありながら発見された事で闇が取り払われた? ここも文章の選びとして雰囲気はわかるけど、よく考えれば他に意味がありそうな部分でしたね。 解答を見る前に気づけなかったのが悔しいです。 間取りと事件後に開いていた窓や正体不明という点であれば仮面の人物は怪しいでしょう。 しかし、恐らく仮面の人物の名刺にあった『名探偵』という文字から、いつものあの人がゲスト出演している?とメタ読みから犯人から除外。 来訪理由もお約束と言えるあの巨匠の建造物で事件が起きるかの調査という事含め犯人ではないだろうなと。 本来なら場所の条件としてメイドの悲鳴を聞いた際に、関西弁の男が順番上最初に来ていないというのも引っかかり。 メイドが廊下を見ていたというけど、誰かと共犯であるならその証言も信用はできない。 まず、主人公が主人の部屋に行った際も闇しかない無人の部屋だったと考えれば死体は別の場所…隣であるメイドの部屋に隠していたと考えるのは合理的にも思え。 しかし、誰が犯人にしても死因が原因不明の窒息死というのがわからない。 私の頭では頭からビニール袋を被せたか?位しか手段は思いつきませんでした。 まだ、道具として館の中で用意できそうでもあるし…でもそんな安直とも思えず伏線もない。 周囲の状況観察の場面だと、TVプロデューサーの反応が怪しいけれど動機はありそうだが証拠をあげられない。 ……本当に、ここまでの内容で推理が可能なの??? 犯人が明確に存在すると言われているのにわからないまま「真相が分かった!」の選択肢はいけないよね…と「諦めよう」を選択。 普通にそのままエンドになってしまいどうしたものか…と思いつつ、自分なりに推理をした後に真偽は別として「真相が分かった!」を選択。 ここから自分で犯人を指名とか、根拠を選ぶとなったら厳しいなぁと思えば主人公が後はどうにかしてくれてほっとしました。 そして、挙げられる推理の根拠は確かに今までの情報を加味すれば成立する事であり。 メイドからも裏が取れた事で事件は解決、その上結婚もするならハッピーエンドか……と思わせてからの 仮面の怪人物、仮面の怪人によるターンの開始。 『闇』と名乗る人間までは想定ができても、館(建造物)の東西南北に配置されている…まではまだわかる。 しかし、主人の名字が館であり、館(人名)を闇(人間)がマイムマイムしているは常識に囚われていてはわかりませんでした。 そして、ここでタグのコメディの意味を理解しましたが…でも頭を柔らかくすれば出ない範囲でないからマイムマイムしてる構図はコメディでも推理が可能なミステリーである、何とも不思議な感覚です。 仮面の怪人の話を聞いてやっと理解しましたが、このゲームは推理物として分類するなら「信用できない語り手」を用いたのですね…。 過去作のように主人公があらかじめ犯人と言われてる場合でないので、主人公は巻き込まれた一般人であり偶然真相を理解したとしか思っていませんでした。 しかし、全てが主人公の主観や都合の良い情報に選ばれた表現が使用されているなら? ここを、仮面の怪人の話ではっきりさせにきたというのがシビれました。 さすが名探偵である仮面の怪人というべきか…。 そして、ラストの展開。 館の闇は取り払われ、朝日は主人公の発した言葉の通り闇から…主人である父親(館)からも解放された。 闇がなくなる事で朝日の光が戻り、それを直視できない主人公は目をそらす。 しかし、その先には…窓の外には無数の闇があなたを覗いていた。 上記のようにラストの展開を比喩を用いた内容として見立てる場合にメイドの名前が何故、朝日だったのか納得がいった事。 もし廊下で先程の会話をメイドが聞いていたなら、父親を見殺しにした主人公に殺意を向け…眼光も鋭く輝く瞳となっているであろう事。 館の主人が死んだ以上、次に闇が従う主人は娘である朝日であり…窓の外にいる無数の闇(人間)はただの傍観者でもあり、新たな主人の指示(恐らく主人公の殺害)を待っている存在とも取れる事。 ここはただのホラーっぽいオチというよりは文章的な美しさを求める比喩と現実として主人公に待ち受ける結末を臭わせるオチ、という演出として評価しました。 こういう表現が好物なのでその意味でも満足です。 そして、全てのからくりがわかるとタイトルも闇の館(場所)の殺人(起きる事件の名前)であり それと同時に、闇(人間)の館(人名)(から娘を解放する為)の殺人というタイトルが実はオチだったという壮大な伏線回収…。 @ネタバレ終了 物語としては短編の部類でしょうが、その中に詰め込まれている要素だけで言えば短編なのに中身がぎっしりな為充分な満足感がありました。 コメディ要素はあれど、割とシリアス傾向な事等変化球だった事やこれまで様々なバカゲーという括りとしても毎作違うトリックや推理物のジャンルを描かれているにも関わらずまだ引き出しがあるのか…!? といった点も含めほんっとに底が知れないなぁと(誉め言葉) 今作も、楽しい時間をありがとうございました。

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  • えっ!俺以外みんな犯人!? ~半人館の殺人~
    えっ!俺以外みんな犯人!? ~半人館の殺人~
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 思えば、この作品をきっかけに作者様の過去作をいくつも遊ばせていただきましたがある意味‟入門編”としても良い塩梅の作品だったなぁと個人的には思います。 まず、タイトルからすでにオチがついていると言ってもいいギャグな状況。 からの概要文にある「100人分の犯人を描くのは無理だったので、島に入れる犯人は両手で数えられるレベルまで減らしています」 という、ですよねー!?と思いながらもこのノリで本編を制作させているなら推理物としても割と気軽に楽しめるのではないか?という部分。 しかし、実際プレイしてみればギャグ要素はあれどしっかり推理物でありミステリーをしている…!?という衝撃。 @ネタバレ開始 開始から早い段階で、概要欄にもネタバレがされていたし自分以外が犯人という絶望的状況の把握。 一応、バッドエンドも見たいのであえてそういった選択肢も選びつつ大真面目にここから生還するにはどうすればいいのかという目下の課題。 以前見かけたウミガメのスープのネタで「探偵以外が全員犯人なので、探偵はあえてその場では事件を迷宮入りさせるしかなかった」という物があったなぁ…という事も思い出し。 無難に振る舞うならあえてまだわからないという演技しかないのは仕方がない事か…からの第二の事件発生!?というまさかの展開。 確かに、第一の事件で終わるならジャンルとしてもミステリーよりは生還が目的という点で脱出ゲームの方がカテゴリーも近いよね?と納得はしましたが。 しかし、主人公以外が全員犯人である以上何故共犯者を犯人達は殺したのか?ここから発生したミステリー要素とどんどん増える犠牲者という怒涛の展開に謎は深まっていくばかり。 各バッドエンドを見る事で、推理に役立つそのエンドでしかわからない情報が得られるという事で最後の選択肢の手前では情報を収集したり真面目に推理をしたりと頭を悩ませましたが見事に外しました。 二択を外した以上、残る選択肢を選んでから明かされる真相。 言われたら確かにそうだと言いたい点が線で繋がっていく感覚。 狂気としか言いようのない黒幕の思惑。 でも、これで事件も解決した以上後はもうエピローグかな?と思ったところでの……。 確かに伏線というか、注視すれば気づける要素であったからこそ気づけなかったのが悔しいです。 @ネタバレ終了 今改めてシナリオ内に出てきた要素を見ると、過去作を遊んでいるとにやりとできる要素があったり「もしや…?」と思う部分もありましたね。 (※ここから作者様の過去作についてのネタバレも含む為、未プレイの方は下記部分を開かないようご注意を!) @ネタバレ開始 当時は変装内容が違う事に対しての意味だけと思ってましたが、仮面の怪人といえばお約束のあの人の通称であり。 偽名といえば、江戸川という部分も確かにある意味定番であれど…実は作者様のシリーズに前例があり。 何より、半人館と言えば江戸川さん(黒タイツ)が色々あって爆破させたあの…!?となり。 そうなると、最後の選択肢で間違えた際に出てくるヘリに乗った警部も恐らくあの警部かなぁという妄想も…。 そして、もし過去作と設定が繋がった部分があるとすれば 八木島(偽名)は未来で半人館を舞台に犯人となる行動を起こすというのが確定。 眼鏡は変装道具であり本来は裸眼、今回は純粋に巻き込まれ役であるが後の事件を起こす事を想定した下調べに来ており「殺されても仕方ない人はいる」と明確に復讐対象もいる。 (江戸川さんはタイツの上から眼鏡をしてないので恐らく裸眼、かつ明確に復讐対象もいるし性格的に八木島と同一と言われてもわかる部分がある) つまり、このゲームはまだ館がある事を含め時系列として「えっ、いや・・・俺は犯人じゃないです!!」より過去であり… 八木島は江戸川さんと同一人物なのではないか…?となった瞬間「ああああああああ…!?」とまさかレビューを書く段階に至って実はあったかもしれない可能性に気づくという事態に陥りました。 @ネタバレ終了 何というか、この作品単体を遊んだ時もギャグのような前提から本格ミステリーが展開されるという面白さに衝撃を受けました。 が、結果として過去作もプレイした事でより味わいが深くなるという部分を含め、普段の‟バカゲーなのに推理要素視点でも遊べるゲーム”というジャンルだけでなく‟ギャグのような前振りから本格ミステリーをお出しされる”まで本当に作者様のミステリーや推理物を本当に好きであり理解しているからこそできる技量に感服するばかりでした。 また、バカゲー路線の新作も恋しいですがこういった本格ミステリー路線の新作…どちらも遊びたいという欲が出てしまう名作です。 楽しい時間をありがとうございました。

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  • トンネル31
    トンネル31
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 ゲームタイトルに入っている通り31の結末とそこに至るまでの道筋を探すのが楽しめるゲームでした。 制作サイドとして31個あるエンドに対しトゥルーやバッドがないという事で、プレイヤーの中でどのエンドをどう位置付けるか?という所含め結構好みが出そうという観点も面白いです。 以下は私がプレイしてどのエンドをどう位置付けたか?含めての感想となります。 @ネタバレ開始 ◆個人的に正規エンドと思う物とそれと別で1つお気に入りを挙げるなら 個人的に、正規エンドとして扱いたいのは「4.猫」 エンドにより設定は変わる物の、恐らく本筋であるマコトのお姉さん探しの結末として考えた時に一番しっくりきて、悲しさはあるけど新しい家族を迎え出発点にもなるこのエンドが実質トゥルーというかハッピーエンドじゃないかなと思いました。 お姉さんがゾンビのようになって餌にされるというのも『すでに身近な餌にできる人間がいなくなったから』と考えたら久々に連絡が来た設定にも納得ができ。 神隠しにあっていて再会できても帰還できなかったのはやっぱ神ってロクでもないな!?の定番ながらやはり手堅く入れるべきラインナップだと思います。 実は行方不明だったのはお姉さんでなく…というのもそっち!?と驚きがあり、エンド数が多いだけあってホラー的オチとしては好きですがやはりトゥルーは希望が残っていて欲しいという願望から。 狂気として好きなのは「22.殺人犯」 エンドリストからクリックで見られる文章含め、この心境に至る人間の思考や価値観を見せるのがとても好きです…。 エンドに到達する前までは、エンド分岐に関わる選択肢直前まで特にそういう兆候もなかった事含め(先に別選択肢の結果を見ていた為) 別にこっちの選択肢における気持ちもわからなくはないかな?程度で選んでみた結果… 「ここで人を殺しましたか?」 からの想定外すぎた展開。 ただ…気持ちというか、将来に何も希望が抱けない…つまり、生きていく気力も何もない人が見出した光の意味する大きさは理解ができてしまって。 最初の見ているだけで生きていけるという気持ちも嘘ではなかったろう、けどそれが誰かの物である事に心を痛めてしまう。 それをわかりやすい言葉にすれば主人公の言う「痴情のもつれ」という表現になるのでしょう。 これが対芸能人へのような絶対に手が届かない前提の相手ならまた違ったでしょうが、なまじその気になれば手を伸ばせてしまう距離にいる…それがある意味一番の不幸だったのかなと。 もちろん、行為として肯定できる要素は何一つないけれど光を握りつぶすに至った主人公の気持ちは想像がついただけに何とも辛い…。 そして、マコトに姉の面影を重ね『今この瞬間のこれは、僕だけに向けられた感情だ』 から続く部分で理解できるからこそ…好きだからこそ抱いてしまう物なんだと共感した瞬間にトドメを刺されました。 『あの光を消し去ったのは、僕です。誰でもない僕です。うらやましいですよね?』 ここへ繋げるのが、あまりにも…巧すぎた。 ◆選択に応じて変わる世界観や人物 話の本筋そのものは、マコトの姉を探しにトンネルへ行く。 シンプルにこれだけのはずですが、ここからよく隠しエンド抜きで29個の結末を考えられたなと…まずはそこに感服いたします。 基本マコトとの二人旅ならぬ二人探索だと思い、実際最初は神隠し関連の選択肢から潰していった為そういう印象がついてからの第三者の出現。 ジャーナリストだったり、配信者だったり、強面な姉の恋人だったりと個性豊かでそれぞれのルートで起きる展開含め違う味わいがありホラーという大枠の中でもこれだけバリエーションが出せるのかという点でも良かったです。 このタイプのゲームの場合、マコトの素性がルートによって変わるのまでは想定の範囲でした。 しかし、プレイヤーにとって最初はただの自分の選択肢に応じて進行をしてくれるはずの主人公が、実は信用できない語り手である事を利用した幽霊オチや殺人鬼といったそれまであったはずの前提が一気に覆されるというのも含まれている所が収拾するエンド数が多いからこそ飽きさせない変わり種としてとても映えたと思います。 ◆隠しエンドに対して メタ視点エンドとも言うべき隠しエンド2つも大変好みです。 解放条件となっているエンドがなかなか探せず苦戦はしましたが、その後やってきた新展開にまず興奮。 『それでさ、お前、もう何回俺とトンネルに入ってくれた?』 そんなの数えていないしセーブ&ロードも使用しているので入る所からとなると余計厳密に数えるのも前提として難しい…。 それでも、ここまですでに29の終わりを見て結末に応じてマコトの素性や立ち位置は変わっても何だかんだ長い時間を共にした相手です。 愛着だってあるし、もしルートが存在するなら姉弟+主人公で帰宅する平和な終わりだって迎えたかった。 だから、後から冷静になればエンド回収順としては2を先に選ぶべきだったか?と思いましたが何の迷いもなく1を選択。 時にはこっちを餌にしようとしたり殺害しようとしたり…逆にこっちもやったり犠牲にしたり色々あったけど、マコトは間違いなく私にとって友達だった。 そして選択後に出てくる台詞を見て、また会いにくる為にゲームを起動しようと思わせられる締めくくり。 次にエンド回収の為今度は2を選択。 主人公はマコトの友達だけど、今話しかけられているのがプレイヤーなら主人公≠プレイヤーなので友達ではないというのも間違いではないのかな? 正直、選ぶしかないとはいえ冷たい返しだなとは思いつつ選びましたが…それでもマコトの返しは充分に優しかった。 確かに友達だとも思っていない相手に29個の結末(内、帰還不可能や死亡エンド含む)分付き合うのはある意味優しいのかもしれないけど、そういってくれるんだな…と。 ここからは一人で行くと言われた際、友達じゃないと言ってしまったけど「待って欲しい」と言いたくなる気持ち。 ゲーム上、マコト一人でトンネルへ行った世界は存在しない。 だからこの後の彼がどうなるかは観測をしない以上確定もしない未来でしかない。 もしかしたら、その先だってそもそも存在しないのだろうとさえ思う。 それでも、もし今会話をしているマコトが駄目になって次のプレイをした際に会えるマコト(次の俺)がいて助けを求めるのなら…。 からの、エンドリストで「30.マコト」を選んだ際…自分の中の色んな感情が溢れ出して声にならない悲鳴のような、叫びのような何かをあげながらただただ感傷に耽るしかできなかった。 確かにゲームを起動してまた遊べばいつでも会えるけど、だけどさ…!? 自分の中で、ただの同行者であり主人公の友達という設定だったマコトが思った以上に自分の中で大きな存在になっていた。 それを突きつけられたのだと思います。 @ネタバレ終了 攻略難易度としては、隠しも条件さえ満たせばすぐに発見できる事とどの選択肢を選んだのかメモを取るなり覚えておけばコンプそのものは可能という意味でよかったと思います。 (最悪どれを試してないか忘れても総当たりで回収が可能という意味で、途中苦戦はしましたが無事最後までプレイできました) 友人の姉を探しにトンネルを探索する。 舞台は全てそのトンネルの中で完結しているにも関わらず様々な味のある31の結末があった事。 ホラーという大枠の中でも種類があるので心霊から人怖等色んな種類が豊富な事。 その中から、プレイヤーにとってお気に入りの結末を探しに行く。 とても楽しい時間を過ごせる作品でした。

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  • 鈴の隠音
    鈴の隠音
    配信にて遊ばせていただきました! 美しいタイトル画面、神隠しに鈴の音色が鍵となる…これだけなら美しくも恐ろしいジャパニーズホラーかな? と軽い気持ちで挑んだのですが予想を良い意味で裏切られるトラウマに片足を突っ込む程度のエグさを感じました(褒め言葉) @ネタバレ開始 初日にバイトへの道中、主人公が初めて視線を感じる場面でもしやここから神隠し本編が始まるのか!?と構えましたが特に何事もなく美香ちゃんの登場でバイトも最終日まで何事もなく終わり…。 バイトの取説に小文字で書かれていた鈴の音が聞こえたら神主に報告という重要そうな情報があえてわかりにくそうに記されていた事。 美香から聞いた鈴の音に関する話。 神主さんが伝え忘れていた説明をしようとした際、何故か反応のおかしいおばさん…。 バイト最終日の白い顔をした様子のおかしい美香(でも顔を覗き込んだら通常) 不穏要素はありつつも、とりあえず序盤に拾った汚れたお守りは絶対何かキーアイテムになるのでは?とずっと疑いつつ、意図せずにbad1→記憶間違いでbad3を回収して配信のパート1は終わり。 先にエンドリストに隙間がある事から取りこぼしがあると見てbad2を回収後、唯ちゃんと協力して探索のターンになった際は協力者のいる事がこれほども力強いとは…と思いました。 唯ちゃんとしても、神社の関係者である以上もしかしたら美香ちゃんの異変に気付けたから知れず主人公も神隠しの対象になってしまっているという状況に心を痛めている事でしょう。 両親としては娘である唯ちゃんが無事ならそれでいいという気持ちはわかるのですが、それを絶賛目の前で鈴の音による発作で苦しんでいる主人公を前に言うのは「気持ちはわかるけどそれは口に出してはいけない…」と白い目で見た記憶があります(そして、後の情報判明で猶更に…) だからこそ、主人公の目線に立って「もしさゆりさんが助からなかったら両親の事を一生恨んでやる」と啖呵を切ってくれた時は良く言ってくれた!と思うと同時に、この子は人の痛みがわかる良い子なんだなぁ…と。 しかし、やっと調べもののターンに入るもどの選択肢も情報収集という面では正解に思え…順番によっては初手では意味なく終わった場所も特定の場所を探索後ならフラグが建つ(その逆もまたしかり)と思うとなかなか迷いました。 そして予定調和というか、bad4とノーマルエンドを回収する事に…。 ここでパート2が終わり、リスナーさんからクトゥルフなら図書館が定石という助言をいただきパート3では初手に図書館を選択。 今まで2回目に選んだ事はありましたが、1回目の場合は調べる内容が変わった事で進展だ!!(これ、クトゥルフじゃないけど!!) と、なんやかんやグッドエンドに到達。 「え、ノーマルじゃなくてグッドエンド?」と到達できた事や唯ちゃんの頑張りもあって主人公が生存した事は嬉しかったのですがハッピーエンド以外は全てノーマルエンド扱いと誤解していた為、まさかこそが実質ハッピーエンドでは?と慌てて攻略サイト(ヒントのみ版)を確認し、正規エンドにも種類がある事を確認。 正規エンドの残りがハッピーエンドと???エンドという表記だったので、最後にハッピーエンドを見るのが正解だろうと判断し残りのbadを回収しつつ先に???エンドを見る事に決定しパート4に挑みました。 情報収集の探索パートで、確かにもう1つ選択肢を出せそうな隙間がある事は気になっていましたが新しい選択肢が増えているのを見た際はとてもテンションがあがりました。 増えたら選びたくなるよね!と選んだ結果、平和なお茶会の流れになったのはほっこりしつつ2回目の行動選択についてはインターネットで呪いに関して気にしているというのが気になっていたのでこっそり調べもの→唯ちゃんに怒られつつ。 初手図書館でしるしについての情報を持った状態で美香ちゃんの家であのずっと気になっていたお守りを発見し「やっぱ関係あった!?」と思いつつも、この時点でグッドエンドによりしるし=鈴という情報は知っていたのであんなに気になっていたのにミスリードだったか…と思いながらbad5も回収。 @ネタバレ終了 ここまでにbad5個回収と正規エンド2を見つけるまで4.5パート分の時間はかかりましたが、少しずつ真相に近づいている事や某エンドに到達していた為、後はまだ謎のままになっている部分のピースを求めるように残るエンドを回収すべく進めていきました。 @ネタバレ開始 という事で今度は2回目に家で待機をして???こと「」エンドへ直行。 グッドエンドの際は主人公一人で最後の追いかけっこだった為、唯ちゃんがいる事が新鮮であり確かに武器は多い方がいいにしても前日購入したハンドミキサーやバーナーを持っていこうと提案するのに「あの選択肢だとこうなるのかw」と微笑ましくなりつつ。 無限ループしながら途中で荷物を捨てたり等同じ部分は同じでしたが、突如知らない森の中へ…残る正規エンドを調べた際に見えた記載をヒントにそれらしき道へ。 そして、神社に到着?今度は荷物もある?だけど…中は無人? と思いきやおばさん登場でまだ神隠しにあっていない!?からの…… 正直、これがただの神(他にも妖怪や自然現象等、人の手には負えない物)だけの仕業ならどれだけ良かった事か…と、とてもどす黒い感情に満ちるのを感じました。 昔の映像を見る場面も、てっきりまた全て女の子視点かと思いきやしるしの始まりは何だったのか、それだけは…人として越えてはいけない一線だ…。 そして、どうして唯ちゃんが最後あぁならなければならなかったのか。 正直、ホラーやグロに関する耐性そのものはある方だと自負している為美香ちゃんを背負って逃げる際何かにあった「凍った足を動かそうとすると、皮膚がはがれるようだ」といった表現は痛いと思うも状況を表現するにおいて上手い比喩と感心する場面が多かったです。 それでも、このエンドは正直どんな文章から説明される痛さの想起よりも精神に一番ダメージが入る終わりだった…と思いました。 神に選ばれる事への不満は、皆同じはずだったのに生贄を任意で選べるようにしてしまった事。 自分とその家族さえ助かればいいのか?美香ちゃんだけでなく主人公の家にまで鈴を仕掛けた夫妻の行い…。 そして、そうまでして守りたかっただろう娘の死、音のしなくなった鈴。 @ネタバレ終了 ここまでがパート4終了時点まで。 「鈴の音を聞いたら神隠しにあう」という事やその間に遭遇する怪奇現象の内容等情報も増えて残すエンドもbad6とハッピーエンドのみとなりました。 でも、結局この元凶とも言える神様についての情報はわかっていないのではないか?と疑問もありました。 ですが、パート4の配信中にいただいたコメントやそれを元に自らした考察でこれではないか?と思う答えは出ました。 以下はそれについて述べさせていただきます。 @ネタバレ開始 まず、リスナーさん曰く神様の正体は「猿神」ではないか? 猿神と思う根拠や特徴に弱点等をコメントにていただきました。 そして、私もパート4の配信後に猿神やその関連情報について調べたところ今回の元凶となっている神への類似点が多い事に気づきました。 ・白羽の矢が立つとは、猿神退治やその類話に出る「生贄のしるし」の事 ・猿神は年に1度女性の生け贄を求める ・旅人(猟師や僧侶)が介入する事で解決する、解決するのは部外者しかできない ・犬(白いとされる)が猿神を退治するが、その犬は死ぬ事になる そして、美香ちゃんの家を最初に調べた際に主人公が唯ちゃんに対し 「一瞬、唯に犬の耳としっぽが見えた気がした」 という表現を使っていた事。 最終日の悪夢に出てくる偽唯は白いワンピース姿であった事。 グッドエンドの偽唯は前日と同じ格好でそれは白い服装であった事。 唯ちゃんの容姿に対する情報は確かにあれど、服装に関して明確に描写があった際…彼女は猿神を退治する「白い犬」と同じ条件を満たしている。 「」エンドは唯の自殺とおまけで明言されていますが、まず猿神に限らず神社の始まりは神と巫女の間に生まれた子供が神社を継いでいく事を考えれば唯ちゃんも薄くなっていても猿神の血を引いていて、同時に白い犬の役割も担うのなら彼女の死こそ猿神を退治する唯一の方法だったのではないか? そして、唯ちゃんの握っていた鈴から音がしないのはもうしるしと結びつきのある猿神が退治されたからと思えば? …ここまで線で繋がった瞬間、悲鳴をあげそうになりました。 いくら唯ちゃんに、事前に呪いを移す方法について知識があったとしてもそれだけで成功するとも限らず自殺がトリガーになっているという辺り…これが濃厚ではないかなと。 そして、パート5にてbad6を回収した際に主人公を嗤っていたのは唯ちゃんの姿をした猿神(特徴として、人間に成りすます事や人の不幸を見るのが好きであり悪意を理解している)で、血の繋がっている唯ちゃんの目を通して今までの主人公の足掻きを見ていたとしたら…? どのみち、神にとって唯ちゃんは元から手を出す事のできない存在(白い犬と自滅のトリガー両面を持ち合わせている)だったのではないか。 こんなところで結論が出ました。 @ネタバレ終了 パート5に関してはbad6を回収後はうっかり選択肢ミスをする場面もありましたが、最終的にはハッピーエンドに到達しようやく戻ってきた平和な日常に心から安堵しました。 全てが以前の通りとはいかなくとも、傷跡といえるような物があったとしても生きているからこそこれからがあり何だかんだこの3人は仲良くやっていくんだろうなぁと。 @ネタバレ開始 まさかの初手遊ぶから入手したバーナーが重要アイテムなのは予想外でしたが、確かに炎といえば浄化の意味を持つので対処法としても納得し。 唯ちゃんは優秀な協力者ではあれど、結局最後に決着をつけたのは部外者である旅人と同じ立ち位置の主人公だった。 ここまで含め、完璧な回収だったと感服しております。 @ネタバレ終了 中編ゲームという事もあり、プレイ時間がかかる分途中考察をしたりとより物語にのめり込める要素があった事等含めとても楽しめました。 @ネタバレ開始 結局、神の正体…何の神だったか?は不明だった為、猿神が正体という推理も当たっているのはか不明ですがあえて明言されない事でプレイヤーへ考察の幅を持たせる事もできるのでそれもよきかなと。 (もし、設定としてあればそれはそれで聞きたいですが) @ネタバレ終了 今もどこかで、あの3人が楽しそうに勉強をしたり女子会をしたりしていれば…そんな日常があればいいなと。 あまりにも陰惨な事件の後だからこそ、幸せを願わずにはいられません。 素敵なゲームをありがとうございました!!

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  • 初蘭町へようこそ!
    初蘭町へようこそ!
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 リアルタイムでプレイが終わった際も、数日心が奪われたままでいるような…初蘭町の人々が好きなのに、説明文でも明記されているように「一泊以上の滞在はあまりオススメいたしません」というのが全てなのかもしれないけれど…それでも、もっと関りを持ちたいこの気持ちはどうすればいいのか? 明確にこの「好き」の気持ちを言語化すべく、配信時のプレイとは違う宿泊先を選んた場合を確認がてら再プレイをした上で書かせていただきます。 @ネタバレ開始 初見:旅館→亜門くんと一緒に観光 二週目:ホテル→飛鳥さんと一緒に観光 と確かに一週目の流れを考えれば想定はできたのですが、本来多忙なはずの飛鳥さんを連れまわして案内をする翼ちゃんは強いなぁ…と和みながら。 結局、もう片方の宿泊先にいって喧嘩をする流れは同じく。 やっている事は喧嘩なのに互いの長所しか言わないのが、仲は悪いけど互いに同じ地元の同業者としてリスペクト精神を持っているのが丸わかりなのでツッコミどころではあるけど見ていて楽しい場面です。 初見は、田舎の温泉街にしては少々異質というか…大きなホテルのオーナーをしている金持ちという事もあって飛鳥さんはテンプレな嫌味系お金持ちキャラかな?と警戒をしましたがこの件で「あ、これいい人だ!?」とこの町いい人ばかりだな?と感じた記憶があります。 その後のろまん堂でご飯をいただく流れも思わず涎が出そうになりつつ、店主の壇さんも気のいい料理人という事で気持ちよく観光気分を味わいながら。 元気まっしぐらな翼ちゃんのちょっと意外な一面で可愛いと思いながら実は繊細なのかなぁと距離が近くなる感覚を…からの突然のエンド? 初見では疑問に思いましたが、長期滞在が非推奨されていると考えるとこの選択肢の先…滞在を続けるという事は何かしら覚悟が必要になる事。 …そして、マルチエンドでありながらハッピーエンドと呼べる物がないという事は噂で聞いていたので腹を括り「滞在を続ける」を選択。 ここで性別を選択?と思うも自分の名前を入れていたので「女性」を選び。 温泉スチルにサービスショットかな?とウキウキしながら、健康的な日焼け跡というのはわかってらっしゃるなぁ…と思いました。 真面目に初蘭町に移住する事を考える主人公と同じく、プレイしている私の目線からもこんなに良い町なら確かにわかるなぁ~とほんわかしていれば恐らくこのゲーム最大の変人枠であろう小瀬先生とのエンカウント。 壇さんと先生が幼馴染というのは意外に思うも、確かに壇さんは面倒見のいい性格に見えるのでこの後振り回されるんだろうなぁというところ含めセットで想像しこういうのもよくある光景の一つだな~なんて謎の日常感がありました。 そして夜に歩編さんとあわや…!?という場面で助けてくれる飛鳥さんに「この人間違いなく常識人だ!!何なら苦労人気質もあるだろ!?」と好感度が上がった記憶があります。 実際、初見の際も当然の結果というかこのゲームで一番好きな住人は飛鳥さんで落ち着きました。 両方のルートを比較すると、スマホが保管されていた連絡を聞く場面についてはホテルルートの方が自然かな?という印象は受けます。 しかし、初見の旅館ルートの際は別の宿に宿泊している旅行者の為に…なんて親切な人なんだろう。 と、自然と受け入れていたのでそれまでの段階で違和感を覚えない位田舎の情報網がある前提や飛鳥さんならそういう事を気にしてくれてもおかしくないだろうと思わせる土台ができていたのだろうなぁというのはありますね。 そして何故か勤務日程を把握されている飛鳥さんに笑いながら、翌日同行してくれる辺り何だかんだ付き合いがいいなぁ…これが田舎情緒か、と癒されつつ。 恐らく、初めて不穏と言える要素がきたのはこのタイミングだったのでしょうね。 ラジオから聞こえる殺人事件に関するニュース。 さすがに、ここで流れるという事は全く無関係で終わるとは思えないので…。 しかし、これがどういう方向で絡んでくるか?まではこの時点では推測できなかったので、無関係で終わる訳がないけどできるだけ平和な展開は続いて欲しいと祈り。 待ち時間の間に探索をするパートではより住人に親しみを持てる情報が加わり「やっぱこの町に住みたいな~~~…」とますます初蘭町という町やそこに住む人々を好きになっていきました。 個人的に、ヒグマ殺しの伊蔵についてもっと詳しく聞きたかったです。 あの父上なら…確かにできそうだという謎の信頼?もあったので多分これ本当にあった話ではないかな…と。 @ネタバレ終了 どのエンドに行きついても共通して言える重要な事なのですが、結末がどうあれ強く感情移入ができるのはそれまでにどれ程登場人物を上手く描写できているか? 最初に共通で迎えるエンドの時点ですでに初蘭町という町やそこに住む住人(主に最初に声をかけてくれた翼ちゃんを筆頭)に対して「田舎情緒のある素敵な町」や「個性的だけど温かい住人」という印象を持っていたので推奨されていないとは承知の上で「もっとお近づきになりたい、ここにいたい」と思わせるには充分すぎました。 実際、滞在を続行すればさらにそこから増える個性的な登場人物との出会いや住人の人柄がわかる事で親しみのわくエピソードが展開されるのでますます強く好きになっていきます。 @ネタバレ開始 この作りの巧さを例えるなら「大切に思うよう触れ合いをさせ最後に自分で殺し、調理して食べる事により命の大事さを知る為、家畜を育てる」事が近いのでないかと思いました。 舞台や人物に対して情や好感度を持たせる。 この点がほんっとうに!ほんっっっとうに巧すぎるからこそ避けられない結末たちを迎えた結果、最初に記したように「プレイ後も魂を奪われたままになる」それだけの衝撃を与えてくれました…。 エンドコンプをして諸々が解禁された状態から再プレイをしようとゲームを起動した結果、タイトル画面ですでにあの時の気持ちを思い出して辛いと思える程に…。 …実際、この後女主人公ルートで迎えるエンドはどうあがいても翼ちゃんが死亡確定している事を想えば「私が女だから、いけなかったの…?」という気持ちになり。 しかし、そちらの回収が終わった後に男主人公ルートで迎えるエンドを確認すると一部例外を除き「この村でこんな事が行われているなんて知りたくなかった…」とどのみち救いがないと悟るしかなく。 怪談をする流れで「チカイナサマ」が聞いたらきちゃう系で飛鳥さん悲鳴→「廃集落の夢」でまさかの天丼から飛鳥さん悲鳴→「(どう考えても)内藤アパートの話」でそちらを知っていた者としては思わずニヤリとする要素でしたが飛鳥さんが案の定悲鳴からのお開きになる流れ自体はとてもほっこりして好きでした。 @ネタバレ終了 順番が前後しましたが、滞在を続行した場合における感想の続きを書かせていただきます。 長くなりそうなので、主に到達したエンドの順に感想を書かせていただきます。 @ネタバレ開始 ◇殺人鬼の棲む町 こんなに嫌な意味での「地元が一番だ」が果たしてあっただろうか…!? 翼ちゃんやときちゃんが亡くなった後だしこれ以上犠牲者が出ない事を…と親切心の結果からの犯人はお前だったのかルート。 刺された壇さんの弱っていく様子が結構生々しく、主人公も次にこうなる事を思わせつつ生命の終わりへ向かう描写という点ではとても良い描かれ方をされていると思いました。 ◇まぼろしの町 真相を知った際、亜門くんの話していた「廃集落の夢」を連想しました。 罪をなすりつけられた主人公は確かに可哀そうではあれど、だけど幸せでいる第三者を殺していい理由にはならず。 永遠に苦しみ続けるのは仕方ないとしても…自分達を殺した張本人と一緒にその事を思い出せずずっとあの日を繰り返している住民達に救いはなかったのか。 ◇悪神の町 「在る」と認識された瞬間、その存在は本物になるのです。 このチカイナサマを成り立たせている定義がまず私の中ではドストライクな表現でした。 心霊的だったり妖怪のようなものであれ、名前と存在を認識され人の記憶に存在するならばそれは成り立ってしまうと思っていたので。 そして、チカイナサマと遭遇した際も一時的な対処法はあっても根本的な解決法ではない物を教えられた事からこれは逃げられない、人の力が及ばない存在だと悟り。 飛鳥さんの首吊り死体も、文章から想像できる情報から察するに一枚絵はマイルドに抑えられてはいる方なんだろうなぁ…と。 最後に消えたときちゃんは果たしてときちゃん本人だったのか?謎を残しつつも約束された最期へ…。 ここで、女主人公で選べる選択肢及び回収できるエンドが終わったので今度は男主人公ルートへ。 当然、性別が変われば一緒に温泉に入る対象も変わるという事でこちらもこちらで温泉スチルを堪能させていただきました。 どや顔をして頭にタオルを乗せている小瀬先生が好きです。 (そして、ここで実は先生が月1で東京に遊びに行っているという情報からこれは最近あった殺人事件もあちらの世界線ではやはり…?となりながら) 怪談話が終わった後、翼ちゃんが生存したまま話が進行し川遊びになった際には「助かった!運命に勝った!?」と喜んだ記憶があります。 結果としては全く運命には抗えない事や、このゲームにハッピーエンドと呼べるものがない事を知っていても今目の前で翼ちゃんが生きている。 それだけで良かったと思えた辺り、それだけ彼女の存在は大きかったのだと思います。 ◇人喰いの町 他のエンドも全て見てからみんなのひみつを見ると、壇さんはこのエンドでもこうなったら逃げられないとは言っても儀式そのものに乗り気だったのか?と問われるとそうでもないように思え。 初蘭町に住む以上、彼も従うしかない立場なのかもしれないけど比較的(一般的にいう)常識人だったのかなぁと窺がえる面がありましたね。 お酒の名前が「かみささげ」という時点で若干嫌な予感はあれど、まぁこういうルートもあるかな…と洗礼を受け。 ◇因習の町 男性主人公ルートにおいて壇さんが明確に常識人だと思われるエンドですね。 避けられない事態である事を知りながら主人公を逃がしてくれようとした結果、彼がこの後指を対価として失う事も辛く。 でも、それ以上に悲しいのはまだ15歳の少女でありながら巫女として器の役割を全うしなければならない翼ちゃんかもしれない…。 儀式の内容って…所謂そういう行為(が終わったら父上に主人公の頭が割られる事)だよね?と考えれば確かに主人公も大概酷い目には遭っているけれど、これから何十年もこの儀式をしなければならない翼ちゃんを思うとあんまりで…。 やっぱり因習村系エンドあったんじゃないですかー!やだー!! とエンド名が見えた時のわかっていたけど…となりつつ崩れ落ちたくなる気持ち。 ◇壊されゆく町 歩編さんの過去話を聞きながら、確かに彼女の過去って謎だったなぁと思いながら初蘭町に来てからの事を聞くとやはり私もここに移住したいなぁと数々のエンドを踏みぬいてきた今ですら改めて思い。 これは良い雰囲気だなぁ…からの、場に不釣り合いな効果音。 どうしてだ…どうしてお前はそうなってしまうのだ。 確かに女主人公ルートでも殺人鬼(すでに死亡済み)のエンドはあったけど、今度はお前もなのか?と。 このルートに限っては、翼ちゃんもお祭りまでに生存をしていてお祭りの内容も至って普通の物だったのに。 初蘭町で唯一、幸せな世界があったかもしれない世界線だったのに。 それを主人公が壊してしまうんだ、という事への果てしない絶望。 でも、川遊びの時の会話から若干フラグがあったのかなぁ…と思うとどのみち回避はできなかったのかな、と。 みんなのひみつから主人公の設定を見ると、本来の目的が共通して精神を病んでおり「自殺場所を探す為」であった事から不謹慎は承知で快楽殺人鬼ルートの主人公については頼むから人喰いの町エンドや因習の町エンドで出されている届けのようにうっかり事故死していた方が良かったのになぁ…となってしまうのが切ない。 @ネタバレ終了 全ての結末を見届け、知らない方がいいことすらもう認識してしまった。 それでも私は初蘭町という場所やそこに住む住民達が好きです。 確かに、ルートによって素性はとんでもない奴になる場合もあるでしょうがそれでもこの町の一員として移住して暮らす…そんな世界が欲しかった。 だからこそ、最後に回収したエンドはそんな感情に満ちていた自分にとどめを刺すにはあまりにも強すぎる衝撃でした。 どのエンドも、違ったホラーの種類なので飽きる事はなく。 一度手を出してしまえば全てを終えた後ですら心を奪われ、初蘭町へと旅立ってしまう。 好きなのに、関わらない事がお互いに一番幸せなのかもしれないというジレンマに悩まされつつもそこまで感情移入のできる素晴らしい作品を本当にありがとうございました。

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