個人宇宙のレビューコレクション
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高崎くんと7つの魔法いつも身の回りで不思議なことが起こっている高崎くんと、いつもテンションが高い主人公・宮城さんの青春コメディ短編。1週目は普通に読んで、2週目は右側のスマホコメンタリーを読みながらプレイしました。選択肢はなく、30分弱で全て読了しました。 スマホコメンタリーという見たことない機能に惹かれてダウンロードしましたが、その名の通り、「こんなことができるんだ!」と驚きました。本編・コメンタリー共に微笑ましい内容で、雨が止んだ後のような気持ちの良い感じで読み終わることができました。
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ジャンケンするだけタイトルの通り、主人公がヒロインとジャンケンするだけの作品です。約5分程度で3エンドをコンプリートしました。余談ですが、自分は5回目でようやく勝ちました(笑)。 本当にシンプルな内容なんですが、ヒロインのテスト子ちゃんの表情が豊富で楽しく遊ぶことができ、勝利した後のスチルでほっこりさせて頂きました。
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横行する饅頭、独白する人鳥。モラルの崩壊した退廃的な街・生命町で運び屋の仕事をしている「曼殊沙華」と、その後輩の「アルビフロラ」のやり取りを、「曼殊沙華」と共にいるペンギンの視点で描かれた物語。バッドを含め全5ルート。2時間半程度で読了しました。 徹底して倒錯的で、アンダーグラウンドな世界観。匂いまで伝わってきそうな生命町の雰囲気に、ただただ圧倒されました。舞台設定は2061年ですが、近未来的な要素はありません。 この世界に登場する人物は大体インモラルな行為を平然と行ってくるので、間違いなく人を選ぶ部分はありますが、自分は最後まで夢中になって読むことができました。たぶん、それはポップな立ち絵だったり、狂言回し役のペンギンやアルビフロラが魅力的だったり、曼殊沙華の感情が徐々に開いていく展開など、キャッチーな要素も沢山入っているからだと思いました。 曼殊沙華の取り巻く環境は、まさに「生き地獄」の一言です。辛い描写もたくさんありますが、だからこそアルビフロラとの交流で徐々に良い方向に変わっていく曼殊沙華を見ていると、「どうにかならないのか」という気持ちが出てしまいました。トゥルー・ハッピーエンドは客観的に見ると決して気持ちが爽快になるようなタイプではありませんが、「生き地獄」にふさわしい生命町の環境の中から見つけ出した曼殊沙華のせめてもの決断だと考えると、必然なのかもしれないと考えました。未プレイの方は、ぜひ退廃的で魅力のある物語を読んでみてはいかがでしょうか。
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僕と君は、希う。夏の夜、主人公のマサトと親友のツバサは一緒に寂れた神社に行くことによって始まる物語。全2ルート、20分程度で読了しました。物語の大部分は文章のみで構成されています。 タイトルにもある希(こいねが)う。強く望むこと──。 物語の前半は夏の風物詩であるイベントを挟みながら、2人の微笑ましいやり取りが続きます。この描写を丁寧に書いたからこそだと思います。とあるエンドを見た後、2人の関係性やタイトルの意味をじっくりと吟味してしまう余韻がありました。サウンドノベルの特性を上手に使った構成も見事でした。シンプルながらも、インパクトのある作品でした。未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。
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ハロー、神様Workerシナリオ・演出・アニメーション・ボイスなど全てが手の込んだ作りをしており、製作者様の大きなこだわりを感じる長編ストーリーでした。選択肢はなく、6時間ほどで読了しました。また、登場する女性キャラクターはフルボイスと豪華です。 ネタバレにならない程度に、内容も説明します。 パチンコ、タバコ、風俗など、自分の欲望に忠実な生き方をしている主人公・春人のもとに、ある日いきなり勧誘のメールが届きます。それがきっかけで春人は「ゴッドアシスタント」という役目を任命されます。「ゴッドアシスタント」とは、滅びゆく運命にある異世界に赴き、その原因を取り除く仕事です。春人は天使エミルと共に、その異世界(現代日本とそんなに変わらない世界)へ行き、原因を取り除くカギとなっている少女・陽美花と従者・佳永に出会います。 最初こそは敵意を剥き出しにしていた陽美花と佳永ですが、徐々に協力的な態度に変わっていきます。物語の中盤は陽美花と佳永が抱える問題と向き合っていく内容になりますが、その過程が丁寧に描かれており、終盤の2人の前向きな変化には痺れてしまいました。違和感なくキャラクターの成長が感じ取れた部分は秀逸だと思いました。 主人公の春人も、魅力的なキャラクターでした。彼は間違いなくどうしようもない人間であり、セクハラジョークもかなり多いです(毎回ヒロイン達からちゃんと制裁を受けますが)。この部分は人によって好き嫌いが分かれるかもしれません。しかし、陽美花と佳永が抱える心の問題の本質を的確に突いたり、やたら器用な所があったりと、一筋縄ではいかない部分が魅力に感じました。 個人的に好きなキャラクターはエミルです。基本は真面目な性格なんですが、時折子供みたいにはしゃいだり、春人に対しヤンキーみたいなツッコミをする部分が本当に可愛かったです⋯⋯! 長編ながら、最後まで飽きることなく楽しめました。声も素晴らしかったです⋯⋯! 未プレイの方は、ぜひ熱量の入った作品をやってみてはいかがでしょうか。
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私と兄いじめが原因で引きこもってしまった妹。しかし、兄の助けによって立ち直った妹は「外に出ようと」決意して、兄と会話をすることから始まる物語。選択肢はありますが、結末は1つで10分程度で読了しました。 とても心が温まる物語でした。当初は妹の決意に兄が反対してましたので、どうなるんだろうと心配しましたが、最終的には心地よい気分で読み終わることができました。相手の意見をちゃんと受け入れてくれる兄の人格があったからこそ、妹は立ち直ることができたんだと個人的に思いました。短い時間で終わりますので、未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。
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輝け!不毛プリンスハゲしく笑いました。面白すぎて、髪の毛が10本くらい抜けました。イケメンハゲがみんな格好良すぎて、プレイしている自分まで毛抜き──失礼、骨抜きにされてしまいました。全4ルート、約3時間半。最初から最後まで、不毛どころじゃない豊潤なHAGEストーリーを堪能しました。頭皮に沁み渡る傑作です。 ネタバレにならない程度に内容を説明していきます。 三度の飯よりハゲが大好きな主人公の女の子キラリ。彼女は全国から有数のイケメンハゲが集う上無学園に入り、そこのイケメンハゲたちと出会っていくギャグ恋愛作品です。序盤の選択肢によって、各キャラクターのルートに分岐します。基本的には1発バッドの選択肢を選ばない限り、読むだけでクリアすることができます。また、メイン3人のエンドを見ると、隠しとして4人目のルートが開放されます。隠しルートの終盤はちょっとしたゲーム要素が入っていますが、難易度はそんなに高くないので、簡単にクリアできると思います。 全編を通して、ハゲをベースにした勢いのあるギャグが読み手の腹筋を崩壊させます。SE演出の使い方が丁寧かつ見事で、物語の勢いを上手に加速させています。 有名人・時事・アニメ等からのパロディネタも多く、どこかで聞いたことあるような名言を全てハゲに絡ませて、何度も抱腹絶倒してしまいました。個人的に爆笑した部分は本当にキリがないですが、AKK-0とトヨの登場シーンとか、電柱とか、募金活動中に髪の毛を引き抜いた所とか、キラリの覚醒とか、柔道着の雑すぎるコラージュとか、たぶん未プレイの方はこの部分だけ読んでも「ハゲッ?」と首を傾げると思いますが、とにかく自分はハゲしく笑ってしまいました。 さらに、この作品の真骨頂はギャグだけではありません。ストーリーの骨組みもしっかりと整えられており、それがあったからこそ、キラリと輝く作品になったんだと思います。 ツルヒコ、ヒカル、ジュウゾウなど、各キャラクターの掘り下げがしっかりとされており、どのルートも読み終わった後の満足感は高かったです。ツルヒコの母親に対する気持ちを出した部分は素直に良いと思いましたし、ジュウゾウルートのメリハリある構成は素晴らしかったです。隠しルートも、ちょっと懐かしい傑作少年漫画を読んでいるような熱い展開でした。「頭皮は不毛でも、人生には豊かさが必要だ」という言葉は、毛根に刻んでおくべき名言だと思います。 ⋯⋯長くなりましたが、爆笑しながらも最後まで楽しく読めた作品でした。未プレイの方は、ぜひ魅力的なイケメンハゲたちと出会って、光輝くハゲ生活を味わってみてください!
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Eat meとある地下世界にある施設で働くことになった主人公は、NFSという独特な生物の調査を命じられたことにより始まる物語。全4エンド、30分弱で読了しました。 BGM・SEは一切なし。立ち絵や背景は全てシンプルな線で構成されており、登場するNFSたちはみんな可愛らしい姿をしています。紹介画像だけだと緩やかな世界観にも見えますが、ストーリー自体は硬派なSF小説を読んでいるような感じでした。汚染された地上世界。不可解なNFSたちの言動。主人公の所属している組織。具体的な答えが明示されることはありませんが、意味深なタイトルを考えると、自分はどうしても不穏なことしか想像できませんでした。未プレイの方は、ぜひ見た目と大きくギャップのあるSFストーリーを味わってみてはいかがでしょうか。
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お師匠さまと弟子くん『お師匠さまは弟子くんと』をプレイしたので、勢いでこちらの方もプレイしました。全3エンド、約30分程度で読了しました。 こちらの作品でも、お師匠さまと弟子くんのやり取りに終始ニヤニヤさせて頂きました⋯⋯! なお、『お師匠さまは弟子くんと』に比べまして、さらに刺激的な内容になっています。スチルも豊富にあり、最後まで楽しく読むことができました。
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お師匠さまは弟子くんとちょっと強引なお師匠さま(女性)と、ちょっと謙虚な弟子くん(男性)のラブコメ物語。エンドは2つで、約20分程度で読了しました。 お師匠さまと弟子くんの微笑ましいやり取りに、終始ニヤニヤしてしまう内容でした⋯⋯!お師匠さまは弟子くんに対してグイグイと迫りますが、弟子くんの機嫌が悪くなってしまったと思ったら、急にオロオロした感じになるのが本当に可愛かったです。 短い時間ですが、セクシーなスチルも豊富に入っています。その部分が大丈夫という方は、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。