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個人宇宙のレビューコレクション

  • 怒ると死にます。
    怒ると死にます。
    怒ると死ぬ——。そんな奇病にかかってしまった幼馴染の美喜。主人公は怒らせない選択肢を選びつつ、彼女を救うために奮闘するラブコメゲームです。最初は易しいモードで挑戦して30分程度で完走しましたが、他のモードをクリアするとCGが解放されるので、さらに20分ほど使って全モードをクリアしました。難しいモードは予想を超えた選択肢の選び方になっており、初見で思わず爆笑してしまいました(笑)。 全体のプレイ時間は短いですが、グラフィック・演出・ボイスなど、とにかく細かい部分まで凝った作りになっており、コミカルな内容に笑いつつ「すごい⋯⋯」と圧倒されながらプレイしました。エンドロール部分の歌やドットのクオリティも高く、クリア後も何度も観てしまいました。 登場キャラクターはフルボイスで、特に医者のボイスは反則級ですね。あれは笑うしかありませんでした(笑)。でも、重要な言葉もさりげなく言っており、単なるコメディリリーフに収まらないキャラクターが良かったです。ヒロインの声や演技もすごく好きです。 ストーリーも、とても面白かったです。基本的にはコミカルに進んでいきますが、序盤は尖っていた感じの主人公がどんどん美喜に寄り添っていき、最後はとても温かい気持ちで読み終えることができました。クリア後に出てくる画面を見て、「ありがとう!」と叫びたくなりました(笑)。 長くなりましたが、とにかく完成度の高い素晴らしいゲームでした!短い時間でコンプリートできますので、未プレイの方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

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  • メモリ - 学校の怪談 -
    メモリ - 学校の怪談 -
    ある日、美術部に所属している女子高生の百合子と顧問の先生は、準備室にビデオカメラが置いてあることに気付く。中には夜の学校を何者かが徘徊している映像が残されていた。そこから始まる日常ミステリーです。前作『メモリ-迷い犬-』の続編で、3部作のうちの第2部になります。選択肢はなく、1時間程度で読了しました。 前作と同様、モノクロをベースにしたグラフィックがとてもおしゃれでした!特に序盤に出てきた撮影映像は良かったです。「なんだ、なんだ?」とすごく惹き込まれてしまいました。今作では個性的なキャラクターも続々と入ってきて、人間関係を主軸とした内容でストーリーは進んでいきます。個人的には、松村くんの捻くれた部分がすごく好きです。 @ネタバレ開始 松村くんは今回の騒動を遠隔で操っているので、なかなかエゲつないことをするなあと思いましたが、どうも一筋縄ではいかない部分があり、その辺りに大きな魅力を感じました。最終回でも特に目が離せない存在になりそうです⋯⋯。ストーリー最後の「暴けば暴くほど、白とも黒ともつかないのを知る」「いつも想像の余地がある」という言葉は、すごく印象に残りました(作品の世界観を考えれば考えるほど、すごく大きな意味があるように思ってしまいます)。ストーリーにつきましては3部作の中盤ということで、いろんな伏線を残しながら終了します。作中で唯一色が変わった部分など、いろいろ気になる部分がありつつ、最終回も楽しみにしています!

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  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    主人公の原田はある日、差出人不明の手紙を受け取る。その主はかつての友人の山中で、内容は10年前に渡そうとした遺書だった。そこから始まる探索ゲームです。全4エンド、最終ルート分を含めて20分程度で完走することができました。 何よりすごいと思ったのは、洗練されたグラフィックです。探索ゲームなので一つの画面に集中する時間も長くなりますが、モノクロで構成された画面がとにかく素敵で、探索しながら無機質でおしゃれなグラフィックを楽しみました。UI等も世界観を壊さない素敵な造りでした。 物語については「嘘」を入れることで、ED毎に意味が微妙に変わっていく構成が良かったです。最終ルートはモノクロの世界が一気に鮮やかになるような光景に、大きなカタルシスを感じました。短い時間ながらも、満足感の高い面白いゲームでした。ありがとうございました!

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  • セリカ・リドル
    セリカ・リドル
    1万年前、大魔術師セリカが記した『セリカ・リドル』。その魔術書を読み解いていきながら、セリカが実際に行ったことを確かめていく物語です。謎解きなどの要素がありますが、難易度は高くありませんので、誰でも気軽にプレイできる内容になっています。30分程度で読了しました。 プロローグから壮大な感じの物語を想像しましたが、実際のセリカは結構コミカルに動いていくので、そのギャップがとにかく面白かったです!リドルを出したみなさんもすごく優しい(笑)。3つ目のリドル以降からの、セリカの進歩が見られた部分も良かったです。他にもアトランティスの都市や、終盤に『とある存在』が出現する箇所の背景なども凝っていて、「おおっ!」と目が釘付けになってしまいました。短い時間ながらも、独特でコミカルなファンタジー作品でした。楽しい時間をありがとうございました!

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  • 空の果てからこんにちは
    空の果てからこんにちは
    リンゴ農家の一人息子の主人公・ヒロサキはある日、空からやってきたメイラという少女と出会ったことから始まるSFラブコメファンタジー物語です。2時間程度で最終エンドまで完走しました。 全体の雰囲気としてはコミカルなラブコメですが、設定や世界観がすごく独特で、その部分を含めてとても面白かったです!序盤のメイラの出現シーンは、かなり衝撃を受けました。逆さまの状態で進行していくヒロインは初めて見たと思います(笑)。世界観のコンセプトについては、個人的に映画の『アップサイドダウン』を思い出しました(世界の成立過程は全然違いますが)。世界観や真実に至るまでの過程が丁寧に考証されており、その辺りはまさにSFだと感じました。 登場した2人のヒロインは、読み終わった時にはどちらも好きになっていました。ヒロサキと幼馴染・リコとのやり取りはとにかく楽しかったですし(多数のメタ発言で笑ってしまいました)、メイラはとにかく健気ですごく可愛くて、最終エンドのシーンはすごく晴れやかな気持ちになりました。タイトルの意味もしっかり回収した、素晴らしいラストでした! 作品全般のイラストもすごく良かったです。ポップでキュートな絵柄は、作品の雰囲気にすごくマッチしていたと思います。個人的にはメイラの髪がふわっと広がる立ち絵が好きですね。 重力に逆らっていく作品コンセプトそのままに、とにかく軽快なやり取りが心地よいラブコメファンタジーでした。楽しい時間をありがとうございました!

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  • どうか夜よ明けないで
    どうか夜よ明けないで
    満月の夜、海岸沿いにあるベンチで、顔が瓜二つの少年ノーチェとアルバが語り合う物語です。全3エンド、15分程度で読了しました。 とにかく心地よい雰囲気に包まれた、幻想的なストーリーでした。優しいオルゴールの音楽とグラフィックがとにかくマッチしており、ゆったりとした気持ちで読むことができました。全てのエンドを読み終わった後、物語の最初に出てきた「幸福であることを信じている」という言葉が、何とも絶妙な使い方だと思いました。ノーチェはどういった存在なのか、個人的にいろいろと考えてしまいました。少し気持ちが疲れた日の夜にこのゲームをプレイしましたが、我ながら良いタイミングで出来たと満足しています(笑)。素敵な作品をありがとうございました!

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  • 死ぬよりもつらいこと
    死ぬよりもつらいこと
    身近な人が自殺をして、残された者たちが集まることから始まる物語です。自死遺族・自殺で残された者たちを主題にしていますので、内容はとても重たいです。しかし、大きく心が揺さぶられる素晴らしい内容でした。何日かに分けて読もうと思いスタートボタンを押しましたが、気付いたら最後まで完走していました。作品から溢れてくる熱量に圧倒され、大きな余韻を残しながら、衝動的に長い感想を書いてしまうことをご容赦ください。選択肢はなく、1時間程度で読了しました。 いきなりの蛇足になりますが、自分は「どうしてフリーのノベルゲームをしてるんだろう?」と疑問に思う瞬間が何度かあります。高いクオリティの作品を楽しみたい・欲望を満たしたいのなら、プロが丹精込めた作品をプレイすればいいです。しかし、この作品を読み終わった瞬間、プロの分野では絶対に味わえない体験があるからこそ、フリーのノベルゲームをやっているんだと改めて実感することができました。制作者様の剥き出しの思想・熱量(俗な言葉も加えるなら性癖)に大きく触れられるのは、フリーのノベルゲームならではです。それが分かっただけでも「この作品と出会えてよかった」と心から思っています。 先述の通り、内容は非常に重たいです。身近な人が自殺をしてしまった者たちが集まり、彼らの過去を順番に聞いていく感じでストーリーは進行します。この手のジャンルは心理描写が過多になってしまいがちで、下手したら重たい文章をずっと読まされ続けるデメリットがありますが、この作品の文章はシンプルかつストレートに書いてあるので、テンポ良く話が進んでいくのが良かったです。60分という長さは、ちょうど良い塩梅だと思いました。立ち絵につきましては、これは個人的な意見になりますが、この作風にマッチしている内容だと感じました。もし、綺麗な立ち絵だったら、間違いなくミスマッチを起こしていたと思います。 自分も自殺問題については、下手なことは言えませんが、いろいろ考えてしまう時があります。人が自殺に向かうまでの心の動きは千差万別で、きっと全ての人間に共通する有効なアドバイスなんて存在しないだろうと思ってます。結局、最後に出てきてしまうのは「もし相手が自殺をしたら、自分はどう思うのか」という、自分を主体にした部分になります。この作品の最後に言っていた「悲しくなる」という部分は、その一つの答えなのかなと思いました。最終的には前向きなエンドになりますので、読後感はとても良かったです。 最後になりますが、制作者様の熱い気持ちの一端が伝わってくるような、フリーのノベルゲームならではの作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました!

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  • イオエルと左利きのキア
    イオエルと左利きのキア
    家出をした王女のイオエルは、広大な森に入る。そこでキアと名乗る少年に助けられたことから始まるファンタジー物語です。おまけを含め、30分程度で読了しました。 とても面白いファンタジー短編でした。UIや背景、豊富にあるスチルなど、グラフィックがとても綺麗に作られており、すごく没入しながら読むことができました。ストーリーに関しても伏線をしっかり回収しつつ、ハラハラしたり、意外な展開が待っていたりして、気づいたらあっという間に完走してしまいました。終盤やおまけのストーリーでは、その後の展開も語られており、時間が経ったからこその余韻に浸ることができました。クリア後に出てくる画面はまさにそれを象徴しているようで、何とも言えない切なさと彼女らしい力強さを感じることができました。短い時間でコンパクトにまとめつつも、すごく満足感のある素敵なファンタジー作品でした!

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  • おるばり! BN
    おるばり! BN
    主人公の庵は、半ば強引に先輩が率いるバンドのボーカルを学園祭で行うことになる。すぐに辞めるつもりだったが、バンドのファンだと言うミィがやってきたことから始まる青春バンドストーリーです。選択肢はありますがエンディングは1つで、約4時間半で読了しました。 とても面白かったです!「絆」を絡めた熱い展開に、クリックする手が止まりませんでした。個人的にすごく良いなと思ったのは、リアリティを感じさせる音楽パートの部分でした。自分は音楽についての専門的な知識はありませんが(ずっと昔から聞き専です)、編曲方法とかスタジオ練習に関する部分を細かく描写をしており、その辺りにしっかりとしたリアリティを感じました。地に足がついているからこそ、バンドを絡めた部分がより輝いていたと思います。 もちろん音楽以外にも登場キャラみんな個性的で、彼らのやり取りも楽しく読むことができました。「みんな好き!」と断言しますが、強いて言うなら岡崎先生が一番好きです。ギャグ部分は強烈なインパクトを残してくれますが、終盤の熱い展開はグッと来るものがありました。「みんなでぶつかり合いながらも、目標に向かっていく青春っていいよなぁ」と、作品全体を読みながら思いました。 長々と書いてしまいましたが、大きな青春を感じさせる熱いバンドストーリーでした。4時間以上の長い作品ですが、最後まで全くダレることなく、楽しく読むことができました。ありがとうございました!

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  • ありすすいーぱー
    ありすすいーぱー
    マインスイーパーをベースにして、そこに可愛いキャラクター・ボイス・華やかな演出などが加わった作品になります。ティラノでマインスイーパーを作れることにも驚きましたが、そこに初心者向けのお助けアレンジを加えているので、初めての人でも気軽に楽しめると思います。 自分自身、今までマインスイーパーは1回もやったことがありませんでした。しかし、この機会にやってみようと思い、プレイしたらあっという間に2時間が経ってしまいました。マインスイーパー以外にもストーリーモードがありますが、そこに出てくるありすちゃんもすごく可愛くて、ボイスを含めて、とても楽しくプレイすることができました! マインスイーパー自体、最初はどう攻略すればいいのか分からず、あっという間にゲームオーバーになってしまいました。でも、失敗してもアリスちゃんのおかげで、不思議と嬉しい気分になってしまいました(笑)。ネットで簡単な攻略法を見て、お助け機能を使いつつ、無事に完走することができました。頭は疲れましたが、上級をクリアした瞬間の高揚感は大きかったです。途中で上級完全クリアを試みようとしましたが、運ゲーになってしまい、あえなくゲームオーバーになってしまいました。いつか完全クリアを目指したいですね。楽しく熱中できる作品をありがとうございました!

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