個人宇宙のレビューコレクション
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残り1分! 魔王城!魔王討伐後、崩れそうになる魔王城から脱出するために勇者たちが奔走する作品です。特定の選択肢を選んだら、エンディングが見れます。10分くらいで、全ての選択肢を読み終わりました。 @ネタバレ開始 選択肢の多さと勢いに爆笑しました(笑)。最初は「ズボンを脱ぐ」を選びました。コンプリートした後、どうして最初に「ズボンを脱ぐ」を選んだのだろうと考えました。もし、自分が極限状態になったら真っ先にズボンを脱いでしまうんだろうか⋯⋯(笑)。 他にもリリーちゃんが可愛かったり、「人生を振り返る」の唐突な終わり方に笑ってしまいました。楽しい作品をありがとうございました!
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木陰の幻想たちかつて竜や妖精などの幻想種が存在していた世界。王都に住む主人公の小説家はスランプに悩んでいた。気分転換に散歩に出たところ、不思議な出来事が起こるファンタジー物語です。選択肢はなく、おまけを含めて20分程度で完走しました。立ち絵はなく、メインは文章になります。 とても心地よい時間でした。とにかく文章が端正で美しく、作品の雰囲気そのままにスラスラと軽快に読むことができました。制作者様の文章力の高さを大きく感じました。 @ネタバレ開始 主人公の「俺が感じたワクワクを誰かに伝えたかった」というセリフが好きです。きっと人間だけじゃなく、世界から姿を消した妖精たちにも伝えたかったんだろうなと思いました。その根本的な気持ちを失わなかったからこそ、後世の幻想種たちにも語り継がれたんだろうなぁとも考えてしまいました。 @ネタバレ終了 大満足のファンタジー短編でした。ありがとうございました!
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嘘つきジョアンナと春の雪一年中「嘘の雪」が降っている世界にいる、内気な少年・スイトくんの物語です。選択肢はなく、20分ほどで完走しました。 心が温まる作品でした⋯⋯。めちゃくちゃ面白かったです!スイトくんの気持ちがダイレクトに伝わってくる読みやすい文章に加え、終盤に出てくる演出は圧巻の一言に尽きます。タイトルにも様々な意味が込められており、短い時間ながら大きな余韻が残る素晴らしい内容でした。 @ネタバレ開始 まきおくんとスイトくんが友達になるまでの過程とか、ケンカになってしまう過程に大きなリアリティを感じました(ケンカの場面はハラハラしましたが、仲直りできて本当に良かった⋯⋯!)。細かい部分になりますが、終盤のまきおくんのカットインで手がはみ出ている部分とか、エピローグからタイトル画面にすぐに切り替わる演出が個人的に好きです。素敵な作品をありがとうございました!
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THE MAGIC CRAFT エピソード2めちゃくちゃ面白かったです⋯⋯!3ヶ月くらい前にエピソード1をプレイしましたが、今回はグラフィックがカラーになり、住人たちの交流イベントは大幅に増え、演出・戦闘面が豪華になっていたりと、あらゆる面で進化していることに驚愕しました(作業量もすごかったんだろうな、と1人の制作者として考えてしまいました⋯⋯)。 エピソード1は敵を倒してレベルを上げていく王道のRPGシステムでしたが、今作はアイテムを収集して専用の道具(マジッククラフト)を作成して、ステータスを上げたりや新しいスキルを習得できるシステムに変わっています。最初はノーマルモードで挑戦しましたが戦闘に負け続けてしまったので、素直にイージーで始めたところ、最初からアイテムを入手している仕様になっており、ダンたちが超速で成長し続ける部分に「たーのしー!!」と猛烈な快感を抱きながらプレイしました(笑)。 自分の場合はレアアイテムを捕獲できるシステムを早めに作って、それでお金を稼ぎながらアイテムの購入・強化を続けました。最短距離を進んでいけば30分も経たずにクリアできると思いますが、サブイベントなどやり込み要素がとにかく多いので、自分は2時間ほどロールプレイングコミックの世界を楽しみました(それでも見逃してるイベントはたくさんある思うので、もう少し極めていきたいと思います)。スコアは12320点でした。 @ネタバレ開始 ゲームの部分も楽しかったですが、ストーリーも面白かったです。終盤のリックスとの共闘は特に燃えましたね⋯⋯。最初は嫌な感じで登場してきた分、ダンたちを助けた瞬間はカタルシスを感じました。 最後に余談になりますが、実はこのゲームをプレイする前、外伝の『キャラバンの冒険』を読了しました。エピソード1ではあまり出番の多くなかったテッドがものすごく活躍しており、一気に好きになりました(笑)。 @ネタバレ終了 魅力的なキャラクターが増えていき、今後の展開はどうなるんだろうなと期待しながら、一人のファンとして(作業もめちゃくちゃ大変だと思いますが)ひっそりと続きを楽しみにしています!!
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黒い森のリドルメア「黒い森」に住んでいる仲良しの兄妹シルヴとレーニャ。ある日、妹のレーニャは『まっくろ病』という病にかかってしまう。兄妹はリドルと呼ばれる存在と出会いながら、病気を治すために森の奥にあると言われる「白い国」を目指していくファンタジー物語です。全2エンド、1時間弱で完走しました。 @ネタバレ開始 面白かったです。終盤に提示される2つの選択肢が、まさに「究極の選択」にふさわしい内容になっており、2つのエンドが読み終わった後もいろんなことを考えてしまう余韻が残りました。「選択」をするための覚悟や心持ちをテーマにしていると個人的に感じました。一つの思想に固執し続けるリドルと、常に変化をしていく人間との対比も良かったです。 ⋯⋯と、考えさせる部分もありましたが、個性的なリドルたちや兄妹の軽妙な会話など、楽しい部分もたくさんありました。「黒い森」にふさわしいモノクロをベースにした暗めのグラフィックですが、立ち絵を含めてとてもおしゃれに出来ているので、そこまで重たい気分にならずに読むことができました。好きなキャラクターはレーニャとキングス(最も寓話的なものを感じました)です。 @ネタバレ終了 素敵なファンタジーでした。ありがとうございました!
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怠惰な天使は夢を見る天使たちがいる不思議な世界。他の天使とは少し異なる部分を持っている、主人公の物語です。全4エンド、30分程度で完走しました。 とにかく目を惹いたのは、おしゃれなグラフィックと色の使い方でした。一般的に天使は白をイメージされやすいですが、この作品は全体的に灰色っぽい感じが強く、まるで主人公の立ち位置や迷いを暗に表現しているような印象を受けました。イラストの美しさに加え、そこに詩的な文章を入れたことで、不思議な没入感を抱きながら物語を読み進めていきました。 @ネタバレ開始 どのエンドも印象的でしたが、自分はエンド4が特に好きです。「あいつらみーんな、悪魔の手下なんだ」という悪魔のセリフがグッときました。コインの裏表のように主人公の立場が明確に変わった瞬間と言いますか、それを悪魔自らが発言してしまう所が個人的に痺れました。悪魔のビジュアルを含め、悪魔に関するスチルだけ彩度が高くなっているのも、天使の世界と対比するような感じで良かったです。 @ネタバレ終了 不思議な世界観に加え、視覚的な部分でも読み手に様々な考えを巡らせてしまう独特な作品でした。素敵なゲームをありがとうございました!
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Seek a country ~彼の地を夢見て~とある国の魔術学校に通う主人公のゼノが、思わぬハプニングで見知らぬ土地に流されてしまう。たくさんの仲間・様々な国での出会い・多種多様なモンスターと戦いながら、故郷を目指していく王道の冒険ファンタジーです。選択肢はなく、3時間程度で無事に完走しました。 ものすごく力の入った作品でした。多くのスチル・モンスターが出てくるグラフィック、戦闘の演出・システムデザインなど細かい部分まで豪華に作られており、登場人物たちもフルボイスです。オープニングは特に「すごい!」と思いましたので必見です。ストーリーは非常に軽快なテンポで進んでいくので(時々あまりに軽快さに戸惑っちゃう場面はありましたが⋯⋯)、RPGをプレイしているような感覚で楽しく読みました。 @ネタバレ開始 メインキャラクターは個性的な面々が揃っていましたが、個人的にはサブキャラにも大きな魅力を感じました。終盤のアーノルド先生に関わる展開は、特に熱くて目が離せませんでした⋯⋯。あと、ひっそりとリコリスやスライムも好きです(笑)。リコリスたちの活躍をもうちょっと見てみたかったですが、「旅」がメインテーマの一つである以上、別れがあるのは仕方ないよね、と一方では思ってしまいました。 @ネタバレ終了 制作者様の熱いこだわりを感じる、楽しいファンタジーでした。素敵な作品をありがとうございました!
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崇高なテロリスト制作者様のセンスに終始圧倒されっぱなしの時間でした。とにかく作品全体のグラフィックが、とてもおしゃれに出来上がっています。 物語は、絵を描いている女の子が風刺のきいた絵を描いたことから始まります。多少の探索要素がありますが、20分程度で無事に完走できました。 SNS時代特有の風刺のきいた内容になっており、心がざわざわする部分も沢山ありますが、グラフィックのセンスが作品の鋭利な部分を絶妙に中和していると言いますか⋯⋯。下手な言葉で恐縮ですが、それくらい作品の世界観に没入してしまいました。探索パートも独特な世界を彷徨っているような、そんな不思議な感覚がありました。本当に、本当に素敵な作品でした。ありがとうございました!
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ぶれいんぼむ主人公の紺助は夢の中で黄魅と名乗る存在から突然、好きな女の子への「好意だけ」を忘れてしまう呪いをかけられる。呪いを解くためには、その日のうちにその女の子を見つけて告白しなければならない。そこから始まる物語です。20分程度で無事にトゥルーに辿り着きました。 とても面白かったです!1人1人のキャラクターが魅力的に描かれているので、彼女たちとの会話を楽しみながらプレイしました。制限時間のある選択肢がありますが、すぐに戻れる親切な設計をしているので、気軽に再スタートできました。シンプルでおしゃれなUIデザインも素敵でした。 @ネタバレ開始 「みんな好き!」と声を大にして言いたいですが、強いて言うなら祈赤が好きです。ちょっと不器用な感じで告白した部分が個人的に打ち抜かれました。主人公と共に末長く爆発してください(笑)。
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タイトル無しタイトル無し・画像なし・音なし。あるのは認識(文字)だけ。細かい概要は伏せますが、「何もない」ことを逆手に取ったユニークな作品でした。人間には刺激が必要とされていますが、ここまで徹底的に「無い」と勝手に不安な感情が芽生えてしまうんですね⋯⋯。ある意味、今までにない体験ができた印象的な作品でした!ありがとうございました! @ネタバレ開始 個人的に最もゾクっとしたのは、最初のゴミ箱を削除していく部分です。「削除する」「削除しない」の2択だったので後者を選んだら、次は「削除する」の選択しか残りませんでした。考えてみれば当然ですね⋯⋯。