個人宇宙のレビューコレクション
-
兄さんとラブホに入った俺!「兄さん!俺を抱け──っ!!」と思わず声に出して言いたくなるような、TGF2021最強のパワーワード(個人の主観)を見つけてしまったのでプレイしました。選択肢はなく、20分ほどで完走できました。
面白かったです!前半の謎のテンションで繰り広げられる兄弟のやり取りは楽しかったですし、名前欄にさりげなく動作を入れることで説明描写を省き、テンポ良く物語を進める部分は特に秀逸だと感じました。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】 -
市にて~とあるお江戸の一日~江戸の町で人ではない存在が見える者の視点から始まる『市にて~ある夏の一日~』の続編です。おまけを含めて30分程度で完走しました。
シリーズは最初から順番に追っていますが、今までとは異なる時代で始まったので「おおっ?」と思いながら読み始めました。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】 -
インビジブル完走まで約10時間。記憶を失った状態で喫茶店で目覚めた主人公・つぐみ。そして「インビジブル」と呼ばれる異能力を持った少年少女たち。それらの異能者を組織する「アンノウン」に所属する者たち。一つの街を舞台にした、彼らの織りなす長編物語です。
とても面白かったです!長大なシナリオ・個性的なキャラクター・ミステリーパート・異能バトル・ボイス・オープニングの格好良い動画など、とんでもない熱量が入ったクオリティの高い作品でした。
個人的に良かったと感じる部分はたくさんありましたが、真っ先に挙げるなら初花市という舞台にマッチしたスタイリッシュなグラフィックです。「まさに現代都市」と感じさせる格好良いデザインでした。
シナリオに関してはメインキャラクター1人1人の後悔や心の傷を丁寧に描きながら、ミステリー・異能バトル・日常など様々な要素を取り入れており、最後まで飽きることなく読むことができました。
そして何より素晴らしかった部分は、魅力的なキャラクターたちです。長編なので多くのキャラが登場しますが、男女みんな個性的で多彩な属性を持っています。人によって好きなキャラクターは、だいぶ分かれてしまうんじゃないでしょうか。以下、キャラクターに関する感想は、若干のネタバレが入りますので、ここで伏せさせていただきます。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】
長々と書いてしまいました。最後のエンディングまで、とても楽しい10時間を過ごすことができました。制作本当にお疲れ様でした。そして素敵な作品をありがとうございました! -
ひまわりの泪 -You Are a Part of Me.-主人公のアキラは6年ぶりに幼馴染のリラと再会する。ちょうどその頃、街では不審者が出没する事件が起きていた。アキラはリラたちを守るため、双子の妹のヒカリと共に動き出すことから始まる物語です。日常シーンも多くありますが、ホラー要素・ダークファンタジー的な設定・血生臭い描写・バトルもそれなりにあります。自分は4時間半程度で完走しました。
とても面白かったです!長めの作品ですが、あっという間に感じられるくらいの濃密な内容でした。キャラクターはみんな可愛くて魅力的でしたし、日常シーンと血生臭いシーンの緩急も絶妙で、途中から次の展開が気になって、とにかくクリックする手が止まりませんでした。
特に好きなキャラクターは、ヒカリとキリサキです。ヒカリの可愛さは言わずもがな、アキラとのやり取りも非常に面白く、日常シーンを楽しく読めたのは彼女の存在は非常に大きかったと思います。そしてキリサキ──。カッコ良くてポップな見た目はストライクでしたし、清濁を持った部分、飄々とした掴みどころのない部分なども個人的にストライクでした(笑)。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】
面白くてあっという間の4時間半でした。シナリオ・キャラクター・世界観どれも魅力的な物語でした。素敵な作品をありがとうございました! -
リリスの泪2人の双子天使が、天使でも悪魔でもない存在の女性と出会ったことから始まる物語です。5分程度で読むことができます。
独立した作品として読むこともできますが、同じ制作者様の長編作『ひまわりの泪』に大きく関連する内容になっており、長編に挑戦するなら、まずこちらを先に読んでおいた方が良いかなと思います。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】
『ひまわりの泪』のテーマにも大きく関わっているので、それを思いながらじっくりと堪能させていただきました。ファンタジックなイラストは、どれも綺麗で素晴らしかったです! -
METORY高校生の少年少女3人が通学のため電車に乗っていたところ、突然大きな揺れに見舞われ、気付いたら紅く染まった異界の真っ只中にいた。追憶列車メトリーを舞台に、彼らの過去を巡っていく物語です。1時間程度で無事にトゥルーエンドに辿り着くことができました。
面白かったです!特にグラフィックが細かいところまで作り込まれており、登場人物たちの多彩な立ち絵、不気味な異界の風景、1シーン毎に用意された大量の背景など、映像的な部分でも楽しめる内容でした。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】 -
死と月は寄りそって眠る生きる意味を常に探している「奴隷殺し」の主人公・モルスが、一人の奴隷の少女・ルナと出会ったことから始まるファンタジーです。おまけの部分を含めて、1時間程度で完走することができました。
とても面白かったです!「生きる意味」という普遍で哲学的な部分を主題にしていますが、おまけの世界観説明でモルスがどうしてそのような思考へと向かっていったのかも詳細に記されていますので、メインストーリーを完走した後もゲーム画面を探してみることをお勧めします。
ストーリー自体は独特な世界観をベースに、モルスとルナの交流を丁寧に描きながら進行していきます。個人的にすごいと感じたのは背景です。特にエンディングでは、このシナリオにマッチした楽曲と共に作品で最も重要な「アニマの樹」に関するその後が大量のイラストで表現されており、最後はちょっと切なくも心地よい気持ちで読み終えることができました。いろんなバッググラウンドを想像してしまう、大変上質なエンディングでした。
ルナが日記の一番最後に残した言葉が、この作品の核心となる内容だと個人的に思っています。とても素晴らしいファンタジーでした。素敵な作品をありがとうございました! -
母標妊娠をした女性の独白から始まる、ホラー要素の含んだ社会派の物語です。15分程度で完走しました。
とても面白かったです。序盤の女性の独白については、この世界のどこかで同じような経験をしてる人がいるかもしれないというリアリティがあり、最悪な方向へどんどん追い込まれる状況に、暗澹とした気持ちになりました。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】
ずっしりとした重みのある、とても素晴らしい短編でした。素敵な作品をありがとうございました! -
片付けられない女部屋のモノを捨てようとする女性の物語です。隠し要素を探す時間を含め(END5は回収しました)30分ほどプレイしました。
最初は「なんだ?なんだ?」と思いながらプレイしましたが、物語の全貌が分かっていくにつれ、やるせない気持ちになりました。
しかし、END4〜5では一転して力強いメッセージ性を感じる内容になっており、読後感はとても良かったです。
全体を通して暗めの雰囲気の作品ですが、時々出てくるアルパカが何ともシュールで可愛かったです(笑)。END3の感じを含め、ホラーの中にちょっとした清涼剤を混ぜているのが何とも絶妙で素晴らしかったです。 -
夢見た少女のニルヴァーナ完走するまで約12時間。立ち絵キャラフルボイス。オリジナルBGM。ダウンロードした瞬間に表示される「2G」の容量。フリーゲームの枠組を超えるような、圧倒的な熱量を持った大作でした。
シナリオに関してはフリー版に伴ってメインルートのみの内容となり、明かされない箇所(あずきに関する部分など)もありますが、メインシナリオは時間を忘れてしまうほどの面白さがあり、2日ほどで一気に駆け抜けてしまいました。
物語は平穏な生活を送っていた主人公の在志が、ある時期から奇妙なフラッシュバック現象に見舞われるようになり、その矢先に「夢見」という少女に出会うことから始まります。全6章の構成で、登場する美少女キャラとの他愛のないやり取りをベースにしながら、各キャラに焦点を当てたエピソード、夢見に関する謎、そしてラストは在志たちの最大の脅威となっている問題を解決するために奔走する流れになってます。
キャラクターの立ち絵・スチルはどれも可愛く、鮮やかな塗りにグッと惹き込まれてしまい、じっくりと見てしまう瞬間も多くありました。オリジナルのBGMは雰囲気にどれもマッチしてて、自分はオープニングの『夢見る少女の世界』がすごく好きです。ボイスも素晴らしく、下手したら退屈になってしまう日常シーンを全く飽きることなく読めたのは声の力もすごく大きかったと思います。印象的だったのは、あずきの世界最小ネタです。声のキレの良さもあって、あそこは何度も笑ってしまいました(笑)。あと、随所に制作者様の野球に対する愛が伝わってきて、その部分も良かったです(笑)。
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】
感想を書いている自分ですら、驚くぐらい長くなってしまいました(笑)。最初から最後まで、とても楽しい12時間を過ごすことができました。
シナリオ重視の美少女がたくさん出てくるゲームがお好きな方は、充実した時間を過ごせることを約束します。制作本当にお疲れ様でした。そして素敵な作品をありがとうございました!