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あびのレビューコレクション

  • 冷たい夏の日
    冷たい夏の日
    冷えた夏の日に死んだ姉を想い続ける話。 累の立ち絵はカラーなのに草葉の立ち絵はモノクロなのが何となく過去に囚われ続けている感が出ているなあと。またピアノ音楽や蝉の声が雰囲気に合っていて良かったです。 死人には敵わないものですよね。どんどん思い出も美化されてしまいそうだ。 それと同時に五年六年は依存で毎日のように心を傾け続けても、唐突に十年目くらいで自分の足で歩けるようになることもあるので、これからどうなるかは本当に累の行動次第な気もしました。がんばれ生半可な気持ちじゃ通じないぞ。 どうにも自分本位な行動の目立ってしまう主人公ではありますが、本人認識による「大人」になってしまう前に、何かしらの転機が訪れることがあったらいいですね。きっと現在の本人にとってはよくないにも程があるのでしょうが。大衆意識による希望の押し付けだ。

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  • 僕の彼氏はキスをしない
    僕の彼氏はキスをしない
    子供な鯱と大人な獅子の歳の差カップルがキスを目標にデートをする話。 全く関係ないけど紳士然って獅子然と打ちそうになりますね。 特に昼間は選択肢が多めなのですが、ハッピーエンドを目指すというよりデートそのものを楽しむという目的の方がゲームとしては大きいように感じたので、全ての選択肢で思う存分バカップルのやりとりを楽しめました。 総プレイ時間としては三時間程でしょうか。ただクリアするだけなら時間はそこまで掛からないはず。 くるくると表情が変わる切須君が可愛らしいです。また切須君の軽快な言葉のおかげで様々な状況でも楽しく読めて、そして地の文章における比喩表現がとても美しい。読んでいて幻想的な空間にも溺れる作品でした。

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  • 主人公の一日を無事に終わらせてあげて。
    主人公の一日を無事に終わらせてあげて。
    妹や幼馴染やクラスメートや転校生に囲まれながら主人公に学校での一日を平和に過ごさせてあげるゲーム。 選択肢は二択で、あまり数も多くないので気軽にプレイできます。 ゲームオーバー画面を最初に見た時ここから覚醒するような展開が終盤にあったり……!?などと思ったり。笑 平和な選択肢の方は本当に平和ですが、その一方で酷い目に遭う選択肢の方は大したことない選択でありながらの結末なので主人公の今後の平穏が心配になってきますね。たまたま今日が運勢最悪の日だったのかとは思いますが。無事に生きろ。

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  • 不器用な糸に願いを込めて
    不器用な糸に願いを込めて
    幼馴染男女の高校生活最後の青春の一部始終の話。 不器用だったり素直になれなかったり、でも誰より隣に居続けたのだろう可愛らしい思春期の幼馴染同士の距離感が描かれた作品です。 メイン二人ではなく友達の子にSE的ボイスが偶に入っています。なぜそこ。 運動部の最後の試合。もっと上手く出来たんじゃないかと自分の未熟さが悔しくて申し訳なくて、けれど悲しすぎて泣けなくなったり無理をしたり見栄を張ってしまったり、けれどそんな目の前の「青春」に心から本気で打ち込める姿はとても良いものですよね。 あまりに当たり前のように近くにいる二人なので、これからも何か契機がある度にじわじわと想いを通じ合わせてのだろうなあ、とどこか穏やかな気持ちで最後は読ませていただきました。

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  • 博士の子 -eternal recurrence-
    博士の子 -eternal recurrence-
    アップデートがきて遊べるようになっていたようなのでプレイ。 いつか博士みたいな大人になる、けれど今は何も知らない「ぼく」の話。 柔らかな文体と淡い水彩で彩られた画面が優しくも切ない物語を演出しています。 未知の不安、未知の恐怖、未知の幸福。知らない物で溢れた世界は、それこそ多色の絵の具をぼかして描かれた水彩画のように境界が曖昧で、しかし次第に染み付いていく共通の概念を以て緩やかに形作られていきます。 まるで親子みたいだと言った、それでも本当の親子ではないことを知ってしまっているので嫌われることに恐怖してしまう「ぼく」の姿は、お互いの関係が分からない為に「絶対の関係」に縋ることが出来ない愛に臆病な子供そのもので、もっと真直に信じることが出来たらいいのになあ、などと思いながら。 タイトルの英文を読んでいなかったこともあり「彼」の始まりを見届けてから初めて物語のシステムに気付きました。 いつしかの彼は知りたいことを知ることが出来たのでしょうか。はたして鶏と卵はどちらが先で、いつまで世界は循環を繰り返すのでしょうか。 こちらのコメントを書きながら二周目を見届けて、おしまいとさせていただきます。

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  • 神様の助手
    神様の助手
    女子高生の神と男子大学生の敏郎が行方不明事件を解決する為に怪異に巻き込まれる話。 テキストとサウンド中心のホラー演出がとても上手いです。特に中盤のSE演出が怖かった。 それでも主人公の語り口調のおかげで怖さが軽減される箇所などもあり、ちょいちょいSEを誤魔化しながら読み進めていきました。 どうしようもなく怖くなった時には右下に癒されましょう。かわいいね。 (以下、若干ネタバレ込) 出所も分からない自信に満ちている無知な神様に、時に慎んでほしくて時に救われて、だけど自ら怪異に巻き込まれながら生きていけることは彼女の人生においては最大の救済なのかなとも読了後には思いました。 誰かを巻き込むことしか出来なかった少女がいつか誰かを救えるようになる物語。 おまけの主人公の話で笑ったのに最後の最後でアッとなる置き土産を残していきよって。

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  • ケモノロード
    ケモノロード
    「マヨイビト」として獣人達の世界に迷い込んでしまった主人公と彼等の話。 その世界で「マヨイビト」はそこまで珍しい物ではないようで、時に好意的に、時に邪険的に接されたりもしますが、あまり本格的に厳しい展開にはならないようなので安心して遊ぶことが出来ました。 エンディングによって多少差異はありますが1ルート自体は短めなので、全てのエンディングを見て約一時間という所でしょうか。 それぞれ攻略キャラによってタイトルの意味が変わってくるのが上手いなあと思いました。 ハピエンとしては自分はロウさんのルートが好きです、が、それはそれとしてニオ君の一途なさまも好きでした。

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  • 「永遠クレッセント」
    「永遠クレッセント」
    視力の欠けた少女と声の欠けた少年の幸福な話。 登場人物による台詞部分はフルボイス、ですが声として出されていない台詞には当然ボイスは付きません。そんな当たり前のことがフルボイスだからこそ「欠けたもの」として強く認識させられる演出でした。 第三者による御伽噺のような語り口調であったこともあって、現れた魔女に対して白雪姫だとか人魚姫だとか、そういった印象で最初は疑ってしまったのですが、いや人を疑うのは良くないネ。 例え他者と比べたら何かが欠けていたとしても大事な物はそれぞれにある。とても優しい物語でした。

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  • アリスと黒うさぎ
    アリスと黒うさぎ
    異世界に迷い込んだ先でアリスと呼ばれながら少女が二人のうさぎに案内されて元の世界に帰ろうとする話。 状況はアリスですが境遇はシンデレラ的な主人公のローラが、そんな生い立ちにも拘らず本当に純真で素直な性格で、その様がよく分かる某エンドでは非常に心強かったですね。 これは或いはメリバなのでは、とも微かに思ってしまったのですが本人達が幸せならベストエンドなのでしょう。 エンド1の最後のスチルが可愛くて好きです。 動作確認の為にブラウザ版とWindows版の両方でプレイ。それぞれセーブ時のクリックポイントが微妙に違って、ブラウザ版では画像が入る位置を、Windows版では文字の位置をクリックしないと上手くセーブできない印象でした。 また自分の環境だけかもしれませんがWindows版にてクッキーを食べた後の「……はじめてもらいました」という台詞の後にゲーム本体が固まって動かなくなる現象が通常時とスキップ時どちらの状況にも拘わらず連続で五回ほど発生。最初にプレイした際には問題なく進めたので自分の環境だけかな……。諦めてパソコンごと再起動して何度か試しましたが進めなそうだったのでブラウザ版に戻りました。

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  • がんばれコンプー太
    がんばれコンプー太
    ロボットのコンプー太と二週間を過ごすゲーム。 一周目プレイ後にヒント付きエンドリストが解放されます。そこまで育成選択肢も多くなくランダム要素も強くはないはずなので大凡のコツさえ把握できればパラメータ調整しやすい難易度かと。 ところでコンプ作業中ずっとコンプー太のコンプをコンプリートのコンプとばかり思ってたのですが普通に考えたらコンピュータですよね……。 なんやかんや自分はエンド2が好きでした。 ブラウザ版プレイ。自分の環境ではドールパーツ購入後にコンプー太の画像が表示されず姿を見ることが出来なかったのが残念でした。 またバグだと思うのですが14日目に充電が切れると迎えが来ないまま15日目以降に進んでしまいエンディングが見れなくなってしまう模様です。とりあえず一ヶ月ほど続けて遊んでみたけど逃避行先にいる気分になってしまった。

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