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富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション

  • サヨナラを八月に残して
    サヨナラを八月に残して
    とても正統派なマルチヒロインの青春恋愛アドベンチャーゲームでした。テーマ曲も素晴らしいですし、ほど良いファンタジー風味も味わえます。 冒頭、かつて組んでいたバンドを解散してひきこもる主人公というのがまず掴みとして良かったと思います。そこに突然現れる少女、変わらず世話を焼いてくれる幼馴染、距離を取る元メンバー。それぞれとの交流の中で主人公の心境が変化していく様子と、なぜ解散に至ったのか?という過去の真相が明らかになっていくのが配分良く進んでいったかと思います。 特徴的だと思ったのは主人公以外の視点で描かれるシーンが多いことで、シーンの中で他の登場人物がどのような心境でいるのかが良く分かりました。(視点が変わったことを示す表示がもう少し見過ごしにくい形ならなお良いと感じました) ボーカル曲が流れるあたりがむしろOPという感もあり、その後はヒロインたちとのマルチエンドが待ち受けているのですが、三者三様異なる展開でいずれもとても良かったです。 BGM自作というのは改めて確認して気付きました。タイトル画面からはシンプルにSTARTとLOADのみなので、せっかくなのでCGモード・回想モード・音楽鑑賞モードなどが欲しいと思いました!特に主題歌は好きな時に聴きたいところです!

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  • 猫ノ目のような世界で
    猫ノ目のような世界で
    不思議な世界観で描かれるストーリーでした。タイトル画面にも登場する羽ネコですが、ゲーム内では動きます。神秘的であり幻想的でした。 抽象的な感じでお話は進んでいきますが、もしかしてそういうことかな?と推測していたことがエンドロールで当たっていることが分かりました。その後もあとがきで丁寧に説明されていたのでこれは親切だと感じました。クジラの包容力に惚れそうになりましたが、なるほどそういうモチーフだったのですね。

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  • この番組は嘘つきの提供でお送りします
    この番組は嘘つきの提供でお送りします
    面白かったですし、プレイ後にジーンと心が温まりました。 皆さん書いていますが、ボーカル曲がひっじょ~にクオリティ高いです。みんなが好きな正統派な爽やかロック。読後感の良いエンディング+名曲のエンドロールで感動は約束されていますのでとてもおススメです。 まずプレイ冒頭の演出で「おおっ、このゲームメッチャ凝ってる」といきなり心を掴まれました。その後のOP動画からのスポンサー提供画面などもワクワクしました。愛すべき変人主人公、変人仲間、自称サンタ、毒舌Youtuberと次から次へと投入される奇人変人たちでしたが、主人公とヒカリのとにかく燃え滾るような情熱、メリーの子供たちを想う気持ちには随分と心を打たれました。 @ネタバレ開始 フミハルはもう少し可愛げのあるマイルド悪役(好きだからいじめちゃうの、ウフ)系かと思ったのですが、終盤に若干攻撃の手を緩める程度でほぼずっと極悪暴言サドでビックリしました。(正直冒頭の頃はヒロインかと思っていたほどです) ラストは完璧な百点満点の(万事全て解決して幸せ真っ盛りの)ハッピーエンドではありませんでしたが、これはむしろ先々への希望も感じさせるちょうど良い塩梅の着地点だと感じました。 @ネタバレ終了 作者さんの過去作の「GARAKTA ROCKERS」の超青春感が好きで続きを熱望しているので、ロックじゃないのか~とちょっぴり残念に思いながらプレイしたのですが、メッチャロックでした。しかもプレイ済だと嬉しいお楽しみ演出もあって良かったです。(過去作未プレイでも楽しめますよ!)

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  • 誰彼の町に眠る∞-メビウス-
    誰彼の町に眠る∞-メビウス-
    まずはグラフィックが綺麗すぎでした!どこからどう見ても綺麗な線画+塗りが非常に印象的です。出てくるキャラが男女ともに美形だらけでプレイ中はずっとうっとりとしました。 また、本作は設定が非常にしっかりしているのも印象的でした。1つ1つの設定が魅力的で、プレイ冒頭に用語集を見て予習し、ゲームを進めながら様々な要素が出てくる度になるほど!となりました。世界観設定がとても骨太でしっかりしているので、この世界を舞台に2章以降も様々なストーリーが繰り広げられることが期待されます。 ミステリーのタグがあったこともあり、本作のストーリーは犯人を予想しながらプレイしましたが、名探偵サカナはヒントとなる場面を見た瞬間に犯人と動機をズバリ的中させました!意外性はありませんが納得のいく王道のストーリーですし、ラストはとても切なかったです。 第2章以降も近々公開されそう(と勝手に期待している)なので、今後の展開もとても楽しみにしております。

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  • たかが恋のくせに
    たかが恋のくせに
    本作、とても面白かったです! まず今作も過去作同様にテーマ曲がとても好きです。艶やかな曲調に絶妙なセンスが光る歌詞が素晴らしいです。OPで曲が流れた瞬間に期待の気持ちがほとばしりました。 そして、もうなんですかこのめくるめく展開!プレイ時間は1時間ちょっとでしたが、何回も心の中で「えーっ!!」と叫び声を上げました。数々の名シーンとともに超濃厚な恋愛模様を味わうことができました。見せ場となるシーンがとても多かったので、実写ドラマ化しても面白そうだと思いました。 ただ近場でくっついちゃう男女だらけのシェアハウスはいくらでも実在しそうですが、こんなラブモンスターだらけが巣食ってるモンスターハウスは一般人入居お断りですよね。 @ネタバレ開始 ・あのももちゃん先輩ですら逃げ出すなんてよほどのことですよね!! (ここでの経験も糧にしてのももちゃん先輩だということなのかもしれません) ・恋の独白シーンの懺悔室のようなグラフィックが印象的でした。 ・終盤、やや蚊帳の外感があった舞奈は無事にモンスターたちの狂宴から逃れられたのでしょうか!? @ネタバレ終了 過去作プレイ済だとよりニヤリとできる演出もとても楽しめました。EDについてはやはり曲が流れる方が印象的かつお気に入りです!

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  • その夜は泥の中
    その夜は泥の中
    非常に文章が巧みで、登場人物の感情の動きがとても解像度高く描かれていると感じました。文章が綺麗かつ読みやすいからこそ、縦書きのレイアウトも非常に効果的だったと思います シーンに沿った背景や多くのイベント絵(これもお上手)を交えながら文学作品のような感覚で楽しめる、まさにこれこそ「ノベルゲーム」だと思いました。文章の綺麗なしっとりしたノベルゲームを遊びたい方にとてもお勧めです。

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  • 終末吸血鬼。
    終末吸血鬼。
    とっても面白かったです!! そもそも主人公のキャラクターと状況の設定がピカイチだと感じました。まず主人公ですが、凶暴かつ最強かつ魅力的と弱点が見当たりませんでした(あ、オツム・・・)。 造形も非常に可愛らしく、グラフィックもとても綺麗。分かりやすくキャッチ―なタイトル名も相まって、タイトル絵の段階でもう大勝利確定です。 設定はポストアポカリプス。シナリオの描き方も良ければMidjourney背景も非常に世界観の表現に寄与していたと思います。他の作品でも感じましたが、Midjourneyとポストアポカリプスの相性は抜群すぎるように感じます。見せ方についてもとても丁寧に作り込まれており、背景とキャラクター絵は違和感なく溶け込むように工夫されていますし、カメラワークを駆使した演出が多用されていたり、状況に合わせてキャラクターの配置位置が変化したりと飽きることなく楽しめました。それでいてプレイのテンポが損なわれないのも良かったです。イベントCGも豊富に用意されていてどれもとても綺麗です。 プレイ時間は全部で2時間ほどなのですが、全4話で構成されており区切りがしっかりしていて心地良いテンポでプレイできました。また、各エピソードともにそれだけで長編が出来上がるような骨太設定で、最後までのめり込みつつ楽しめました。登場キャラ通しの掛け合いが面白いのであっという間に感じた、というのもありそうです。 @ネタバレ開始 第1話で登場したアールオー、物凄く良いキャラだったので本作を通じて水先案内人的な立場になるに違いないと思ったのに1話限定キャラだなんてビックリしました! ゲームを通じてサブキャラの中では一番好きですが、2話以降も魅力的な出会いがあって非常に良かったです。 @ネタバレ終了 ちなみに結末もこれ以上ないほどドンピシャで素晴らしかったと思いました!

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  • Talk With You~おんなのことおはなしするゲーム~
    Talk With You~おんなのことおはなしするゲーム~
    何やら緊張感のある空気の中で小学生の女の子とお話しするゲームです。 冒頭の段階ではなんとなくの状況しか説明されないことで、プレイヤー側の想像力がとても刺激されました。どうしてこの子は今自分と話しているのか。周囲で何が起きたのか。など様々な想像が頭を巡りました。また、状況把握は漠然程度にしかできないのに会話の中身は非常にクリアで具体的で、その対比が印象的でした。 自力でのED回収が難しかったので途中から作者さんの攻略情報に頼りました。やはり攻略情報は嬉しいです。全てのEDを回収しましたが、TRUE ENDがあまり見ない展開だったのでこれはとても良かったと思います。 主人公ができることは女の子の会話の相手になるくらいなわけですが、その会話内容によって女の子の未来は大きく変わってきます。女の子ときちんと向き合ってくれる大人がそれまでいなかったであろうことや、それまでの経験もあってか投げかけられた言葉に対してとても繊細であるのかな、と感じました。

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  • 【短編・スチル20枚】平穏な?魔王の日常
    【短編・スチル20枚】平穏な?魔王の日常
    これ以上ないほどエモい設定の物語でとても面白かったです! 登場人物は主人公の魔王と少年エイル、アロウズ含めてみな背景もキャラ立ちもバッチリでした。両エンドと両おまけエンドまで含めて全てプレイ致しましたが、設定を存分に堪能できる展開の数々がとても良かったです。ストーリーだけでなく、イラストや演出もとても豪華で臨場感がありました。個人的には能力継承時のエフェクトが好きでした。 それにしても @ネタバレ開始 魔王の本質的な素養はあったにせよ、少年エイルは魔王の生き方を根元から変えてしまうんだから、作中の段階で普通の勇者以上に勇者だよなぁ、と思いました。ホント、人間の希望の星です。 @ネタバレ終了

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  • desire&emotion
    desire&emotion
    アンドロイドが登場する近未来を舞台にしたゲームです。バッジがたくさんもらえると聞きつけてプレイしましたが面白かったです。 かなり感情の起伏の乏しい天才科学者の主人公と、感情豊かで個性の異なるアンドロイド2体と分岐乙女ゲーとしても楽しめますし、アンドロイドが関連する一連の事件をめぐる近未来サスペンスとしても楽しめました。 当初は淡々とアンドロイドと接していた主人公の中に、様々なイベントを経て恋愛感情が生まれていくのが見どころでした。初めの無感情っぷりはどこへやら!?と思えるほど情熱的な主人公にドッキドキでした。ラブシーンは某シークレットがやはり強烈ですが、本編の時点で結構濃厚だったのでビックリしました。満腹です。 アンドロイドと感情をめぐる問題についても、もう半世紀もすれば現実に起きていそうな気がするものでとても興味深かったです。 プレイ時間は全部で1時間強くらいでしたが、イベントスチルが多数用意されており、攻略キャラが3人、分岐EDもおまけも盛りだくさんでとても満足です。あらすじで興味を持った方はまず楽しめると思う一作でした。

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