富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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東京オディエットアモ 代沢ロミオ編シリーズ3作一気にプレイしました!面白かったです!グラフィックは美しくスチル多め、シナリオもほど良いボリュームで綺麗にまとまっており、演出も華やかでした! さて、1作目のロミオ編ですが、超上級国民で完璧な顔面を持つ年下の俺様系ということで、グイグイ×オラオラの数々によりジェットコースターのような恋愛模様が楽しめました。ロミオ氏、ムーブがメチャクチャ振り切れてて凄かったですが、意外と可愛いところもあるのが憎いです。 自分にとって乙女ゲーの魅力の大きな要素の1つは多くの場合で主人公(女)が魅力的だからなのですが、今作のジュリは一般常識があり、言い寄られても安易になびかず、包容力があり、美術品のような顔面とイイ女が服着て歩いてる状態でした。こんなんロミオの境遇的に惚れてまうやろ!! 題材がロミオとジュリエットということで、どんな結末になるのかドキドキしましたが、なるほど、あの題材をこう料理するのか!という両エンドがいずれも楽しめました。
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ウブな二人の恋愛事情想像以上にウブで初々しいカップルの微笑ましい関係性が楽しめました。今どき小6のカップルでもこんなにウブじゃないだろうに高3でこれは驚きです。まさに奇跡!そもそもクラスの雰囲気などを見ていると主人公カップル以外もとてもピュアです。 クラスメイトのジェシカがとても良い味を出していました。オネェはこうでないと!という世話焼きっぷりと頼りがいでした。ヒロインの声は声質がピッタリでしたが、ジェシカも役柄にぴったりだったと思いました。 エンディングは2つ。最後の選択肢はどちらが正解か悩みましたが、先にハッピーエンドを迎えることができました!これしかない!というラストシーンで良かったです。そこに至るまでの展開の数々は面白かったですし、エピローグでは心温まりました。 その後バッドエンドも回収しないと!と思って見てみたところ、ハッピーの微笑ましい感じではなく本格的に間の悪い展開の数々、そしてラストはとても衝撃的でした。順番的にもうこのラストの印象しか残っていないくらいの破壊力を感じました。 以下、少しだけネタバレ感想です。 @ネタバレ開始 ・遊園地の絶叫マシンのシーン。立ち絵が回転するのは斬新でツッコミどころがあって好きです。 ・サンタコスの自撮りを送るシーン。是非ここにはCGが欲しかったです。 ・BADエンドのヒロイン。道中の主人公がかなりアレなのは間違いないのですが、最後の最後のウブでもなんでもない姿がショッキングでした。 いやもうこっちが素だろ!としか思えないくらいの破壊力です。 正論とは言え驚くほど口が悪い!! @ネタバレ終了
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サヨナラを八月に残してとても正統派なマルチヒロインの青春恋愛アドベンチャーゲームでした。テーマ曲も素晴らしいですし、ほど良いファンタジー風味も味わえます。 冒頭、かつて組んでいたバンドを解散してひきこもる主人公というのがまず掴みとして良かったと思います。そこに突然現れる少女、変わらず世話を焼いてくれる幼馴染、距離を取る元メンバー。それぞれとの交流の中で主人公の心境が変化していく様子と、なぜ解散に至ったのか?という過去の真相が明らかになっていくのが配分良く進んでいったかと思います。 特徴的だと思ったのは主人公以外の視点で描かれるシーンが多いことで、シーンの中で他の登場人物がどのような心境でいるのかが良く分かりました。(視点が変わったことを示す表示がもう少し見過ごしにくい形ならなお良いと感じました) ボーカル曲が流れるあたりがむしろOPという感もあり、その後はヒロインたちとのマルチエンドが待ち受けているのですが、三者三様異なる展開でいずれもとても良かったです。 BGM自作というのは改めて確認して気付きました。タイトル画面からはシンプルにSTARTとLOADのみなので、せっかくなのでCGモード・回想モード・音楽鑑賞モードなどが欲しいと思いました!特に主題歌は好きな時に聴きたいところです!
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猫ノ目のような世界で不思議な世界観で描かれるストーリーでした。タイトル画面にも登場する羽ネコですが、ゲーム内では動きます。神秘的であり幻想的でした。 抽象的な感じでお話は進んでいきますが、もしかしてそういうことかな?と推測していたことがエンドロールで当たっていることが分かりました。その後もあとがきで丁寧に説明されていたのでこれは親切だと感じました。クジラの包容力に惚れそうになりましたが、なるほどそういうモチーフだったのですね。
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この番組は嘘つきの提供でお送りします面白かったですし、プレイ後にジーンと心が温まりました。 皆さん書いていますが、ボーカル曲がひっじょ~にクオリティ高いです。みんなが好きな正統派な爽やかロック。読後感の良いエンディング+名曲のエンドロールで感動は約束されていますのでとてもおススメです。 まずプレイ冒頭の演出で「おおっ、このゲームメッチャ凝ってる」といきなり心を掴まれました。その後のOP動画からのスポンサー提供画面などもワクワクしました。愛すべき変人主人公、変人仲間、自称サンタ、毒舌Youtuberと次から次へと投入される奇人変人たちでしたが、主人公とヒカリのとにかく燃え滾るような情熱、メリーの子供たちを想う気持ちには随分と心を打たれました。 @ネタバレ開始 フミハルはもう少し可愛げのあるマイルド悪役(好きだからいじめちゃうの、ウフ)系かと思ったのですが、終盤に若干攻撃の手を緩める程度でほぼずっと極悪暴言サドでビックリしました。(正直冒頭の頃はヒロインかと思っていたほどです) ラストは完璧な百点満点の(万事全て解決して幸せ真っ盛りの)ハッピーエンドではありませんでしたが、これはむしろ先々への希望も感じさせるちょうど良い塩梅の着地点だと感じました。 @ネタバレ終了 作者さんの過去作の「GARAKTA ROCKERS」の超青春感が好きで続きを熱望しているので、ロックじゃないのか~とちょっぴり残念に思いながらプレイしたのですが、メッチャロックでした。しかもプレイ済だと嬉しいお楽しみ演出もあって良かったです。(過去作未プレイでも楽しめますよ!)
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誰彼の町に眠る∞-メビウス-まずはグラフィックが綺麗すぎでした!どこからどう見ても綺麗な線画+塗りが非常に印象的です。出てくるキャラが男女ともに美形だらけでプレイ中はずっとうっとりとしました。 また、本作は設定が非常にしっかりしているのも印象的でした。1つ1つの設定が魅力的で、プレイ冒頭に用語集を見て予習し、ゲームを進めながら様々な要素が出てくる度になるほど!となりました。世界観設定がとても骨太でしっかりしているので、この世界を舞台に2章以降も様々なストーリーが繰り広げられることが期待されます。 ミステリーのタグがあったこともあり、本作のストーリーは犯人を予想しながらプレイしましたが、名探偵サカナはヒントとなる場面を見た瞬間に犯人と動機をズバリ的中させました!意外性はありませんが納得のいく王道のストーリーですし、ラストはとても切なかったです。 第2章以降も近々公開されそう(と勝手に期待している)なので、今後の展開もとても楽しみにしております。
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たかが恋のくせに本作、とても面白かったです! まず今作も過去作同様にテーマ曲がとても好きです。艶やかな曲調に絶妙なセンスが光る歌詞が素晴らしいです。OPで曲が流れた瞬間に期待の気持ちがほとばしりました。 そして、もうなんですかこのめくるめく展開!プレイ時間は1時間ちょっとでしたが、何回も心の中で「えーっ!!」と叫び声を上げました。数々の名シーンとともに超濃厚な恋愛模様を味わうことができました。見せ場となるシーンがとても多かったので、実写ドラマ化しても面白そうだと思いました。 ただ近場でくっついちゃう男女だらけのシェアハウスはいくらでも実在しそうですが、こんなラブモンスターだらけが巣食ってるモンスターハウスは一般人入居お断りですよね。 @ネタバレ開始 ・あのももちゃん先輩ですら逃げ出すなんてよほどのことですよね!! (ここでの経験も糧にしてのももちゃん先輩だということなのかもしれません) ・恋の独白シーンの懺悔室のようなグラフィックが印象的でした。 ・終盤、やや蚊帳の外感があった舞奈は無事にモンスターたちの狂宴から逃れられたのでしょうか!? @ネタバレ終了 過去作プレイ済だとよりニヤリとできる演出もとても楽しめました。EDについてはやはり曲が流れる方が印象的かつお気に入りです!
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その夜は泥の中非常に文章が巧みで、登場人物の感情の動きがとても解像度高く描かれていると感じました。文章が綺麗かつ読みやすいからこそ、縦書きのレイアウトも非常に効果的だったと思います シーンに沿った背景や多くのイベント絵(これもお上手)を交えながら文学作品のような感覚で楽しめる、まさにこれこそ「ノベルゲーム」だと思いました。文章の綺麗なしっとりしたノベルゲームを遊びたい方にとてもお勧めです。
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終末吸血鬼。とっても面白かったです!! そもそも主人公のキャラクターと状況の設定がピカイチだと感じました。まず主人公ですが、凶暴かつ最強かつ魅力的と弱点が見当たりませんでした(あ、オツム・・・)。 造形も非常に可愛らしく、グラフィックもとても綺麗。分かりやすくキャッチ―なタイトル名も相まって、タイトル絵の段階でもう大勝利確定です。 設定はポストアポカリプス。シナリオの描き方も良ければMidjourney背景も非常に世界観の表現に寄与していたと思います。他の作品でも感じましたが、Midjourneyとポストアポカリプスの相性は抜群すぎるように感じます。見せ方についてもとても丁寧に作り込まれており、背景とキャラクター絵は違和感なく溶け込むように工夫されていますし、カメラワークを駆使した演出が多用されていたり、状況に合わせてキャラクターの配置位置が変化したりと飽きることなく楽しめました。それでいてプレイのテンポが損なわれないのも良かったです。イベントCGも豊富に用意されていてどれもとても綺麗です。 プレイ時間は全部で2時間ほどなのですが、全4話で構成されており区切りがしっかりしていて心地良いテンポでプレイできました。また、各エピソードともにそれだけで長編が出来上がるような骨太設定で、最後までのめり込みつつ楽しめました。登場キャラ通しの掛け合いが面白いのであっという間に感じた、というのもありそうです。 @ネタバレ開始 第1話で登場したアールオー、物凄く良いキャラだったので本作を通じて水先案内人的な立場になるに違いないと思ったのに1話限定キャラだなんてビックリしました! ゲームを通じてサブキャラの中では一番好きですが、2話以降も魅力的な出会いがあって非常に良かったです。 @ネタバレ終了 ちなみに結末もこれ以上ないほどドンピシャで素晴らしかったと思いました!
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Talk With You~おんなのことおはなしするゲーム~何やら緊張感のある空気の中で小学生の女の子とお話しするゲームです。 冒頭の段階ではなんとなくの状況しか説明されないことで、プレイヤー側の想像力がとても刺激されました。どうしてこの子は今自分と話しているのか。周囲で何が起きたのか。など様々な想像が頭を巡りました。また、状況把握は漠然程度にしかできないのに会話の中身は非常にクリアで具体的で、その対比が印象的でした。 自力でのED回収が難しかったので途中から作者さんの攻略情報に頼りました。やはり攻略情報は嬉しいです。全てのEDを回収しましたが、TRUE ENDがあまり見ない展開だったのでこれはとても良かったと思います。 主人公ができることは女の子の会話の相手になるくらいなわけですが、その会話内容によって女の子の未来は大きく変わってきます。女の子ときちんと向き合ってくれる大人がそれまでいなかったであろうことや、それまでの経験もあってか投げかけられた言葉に対してとても繊細であるのかな、と感じました。