富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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宝石の美学 ―鬼島 瑪瑙の場合―語り掛けられるようなテキストが非常に印象的で、短いながらもそれだけに強烈な印象を与える作品でした。説明的な部分を削ぎ落した作品なので人は選ぶかもしれませんが、雰囲気に特徴があるノベルゲームをプレイしたい!という方に特にオススメです。
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あなたの愛が剣ならばとても夢中になってプレイしました! 結論から言うと肝心のストーリーが非常に面白かったです!そもそもの筋書きが非常にアツいですし、王道を感じるキャラクター配置や展開の数々に、こんな物語体験がしたかったんだ!のめり込むようにプレイしました。確実にプレイ中はモニターに顔が近づいていたはず。シリアスとコミカルさのバランスも絶妙で、プレイを始めてからラストまでずっと面白かったです。テキストの切れ味が凄いです。また、エピソード毎にキリよくお話が区切られているので緩急も感じましたし、全く冗長さを感じさせることなく、かつ各シーンの描写の解像度も非常に高く感じました。個人的には世界観の広がりを感じるような、遠方に出陣するエピソードは特にワクワクしました。キャラクターはメインキャラの造形が素晴らしい(特にセリオ)のはもちろんですが、脇を固めるキャラクターたちも各々の行動原理がしっかりと感じられ、思わぬ活躍をすることもあり非常に楽しめました。(ここまで早口でお届けしました) AIの力を活用した背景はとても綺麗で、AIの活用なくしては成し得ないほどにシーンに合った大量のグラフィックがストーリーを彩っておりました。統一感もあったので、生成後にかなり修正されていたのではないかと推測します。超絵ウマ師の作者さんですので、時折垣間見ることができるイラストやグラフィックも素晴らしかったです。タイトル絵のこの瞬間はもう尊いが過ぎます。またBGMも非常に素晴らしく、シーンに合わせてかなり効果的に用いられていて、プレイ中は音楽の面でも心を揺さぶられました。 唯一不満があるとするならば、この物語をもっと堪能したい!続きが読みたい!くらいでしょうか。ファンタジー世界がお好きな方には特に非常におすすめです!!
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魔法女子大の地下別の作品のシナリオ・テキストが素晴らしかったのでこちらもプレイしてみましたが、非常に面白かったです!全画面ノベルもミステリ展開も可愛い女の子も好きなので俺得でしかないと思えるゲームでした。冒頭からラストまで終始引き込まれる展開で、プレイ時間あたりの満足度もメチャクチャ高かったです。 世界観設定は「魔法少女大学」とあるようにファンタジーなのですが、俗に言うローファンタジー気味の塩梅です。導入に無駄がなく、一切の説明っぽさがなく世界観に没入できました。掴みから徐々に真実に近づいていくところまで、手に汗握る緊迫した展開が続きます。個人的にはとても気に入ったのは分岐エンドです。重大な局面で選択を迫られるのですが、それぞれの選択に応じた結末は大きく異なりつつもいずれも印象深く納得感がありました。マルチエンドが可能なゲームではないと表現できないものだと感動しました。「全結末を見終えた後の読後感が無二」はまさにその通りだと思いました。 文字サイズやフォント、画面表示については非常に読みやすく感じましたので細かく調整されたのではないかと感じました。また、2周目以降にほぼ重複箇所がなくプレイできる点は非常にユーザーフレンドリーです。 絵はもう上手い!以外の感想が言えないのですが、グラフィックはとても可愛らしく画面には常に美少女が映し出されておりとても眼福でした。女子大が舞台で百合展開もあり、ここでしか得られない養分をたくさん摂取させて頂きました!
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偽証討論当方、推理モノもデスゲーム的設定も大好物なのでプレイ前から楽しみにしており、そしてプレイして非常に楽しめました! まず冒頭からの掴みが盤石です。よくある設定と言えばよくある設定ですが、それはみんなが好きだからだ!という証左です。ゲーム概要のあらすじ欄にキャッチーさしかないように、ゲーム起動直後からワクワクの状況がお出迎えです。その後は対話や捜査を元に誰が犯人なのかと気を引き締めながら進めていくわけですが、特殊設定ミステリの面白さが随所に満ち溢れていました。登場人物が持つ異能と世界観をベースに、印象が二転三転しながら真実が明らかになっていく様はシナリオの妙を感じました。 ゲームシステムもとても凝っていて、ポイントクリック式の探索、時には謎解き、そして白熱の討論シーンと大満足です。討論シーンはぶつける証拠に悩むことも多々でしたが、フリーゲームの福利厚生「作者さんの攻略情報」のおかげで無事にクリアすることができました。 異能設定を活かしきったシナリオはゲームシステムともうまく融合しており、非常に楽しめました!プレイ後に拝見したゲームCM動画も訴求点が分かりやすくまとまっていて良かったです。
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怪奇!開けてはいけない扉卍とっても面白かったです!プレイ前から非常に楽しみにしていた作品でしたが、起動直後の演出で更に期待が膨らみました。ちょっとした演出でもひと手間加えるとインパクトが抜群な好例と思いました。 ゲーム本編も非常に楽しませて頂きました(初回はNORMAL、二周目以降はヘタレ発動+じっくり探索のためにEASYでプレイ。HARDは未選択です)。年齢に似合わず超絶しっかり者&かしこな美少女と楽観的で心優しい若者の超ポジティブシンカーの2人が怪奇空間に飲み込まれるというかなり珍しい設定。明るいコミカル展開としっかりホラーな描写やエンディングを行ったり来たりするプレイ感覚はかなり新鮮で最後までとても楽しめました。テキストもとにかく2人の反応や掛け合いが面白く、ホラー部分はしっかり怖くで素晴らしかったです。周回プレイを前提としていることもあり、1つ1つのテキストが簡潔なのもユーザーフレンドリーだなぁ、と。 グラフィックはご覧の通り超可愛らしいのですが、良いのはキャラクターだけでなく、各シーンの背景や見取り図、ホラー演出から小物類のデザイン、フォントの選択に至るまで細かいところまで行き届いていました。ビジュアル全般がデザインセンスに溢れておりとても良かったです。 更に感動したのがゲームシステムと作り込みです。分岐条件はストーリーや状況を考えると妥当かつほど良く多岐にまとまっていますし、制限時間の中で探索していくゲーム性がとても高くヘタレでも十分に楽しめました。ヒントや入手データ、推理や対策などあらゆる情報が非常に分かりやすく整理されておりプレイヤーに優しすぎて感動です。周回プレイ時は既読スキップを活用していたのですが、行動順により主人公たちの言動に不整合がないよう、非常に細かく反応を調整されているのに驚きました。 プレイヤーに負担を感じさせないように&より楽しませられるようにという配慮が行き届いた、おもてなしに全振りしたような作り込みが素晴らしい傑作ホラー&コミカル探索ゲー!オススメです!
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金髪ピアスと美大志望。本作、非常に面白かったです。 まずグラフィックですが、タイトル絵を見れば一目瞭然の通りお上手です。プレイ時間30分程度の短編作品ですが、ここだ!というポイントで印象的なスチルが拝めて非常に眼福でした。挿入されるタイミングが抜群だと感じましたし、塗りが非常に印象的で綺麗だと感じました。 グラフィックは正直上手い!しか感想が出てこないのですが、シナリオも素晴らしかったです。まず、全体を30分程度の分量において起承転結がばっちりでした。引きのある冒頭、やり取りの中で生まれる悲喜こもごも、そしてラストと淀みのない展開・構成が終始素晴らしかったです。メインキャラ2人の心の距離の描き出し方や、主人公の心理描写や葛藤など地の文にも惹き込まれました。また、キャラクターの背後にある現在の人格形成に影響を与えた生い立ちや過去の経験、それが2人の邂逅によりどう変化していくか、という根幹の部分がとてもしっかりしており、一貫性や合理性があるからこそ話を進めていてすっと2人の物語が心に刺さりました。 短編でこれだけの満足感を出せる、ということにも感動しました。とても面白かったので他のフェス参加作もプレイさせて頂きます!
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でこれいと・でこれいしょんプレイ前からタイトル画面から面白そうな雰囲気を醸し出しまくる作品でしたが、プレイ満足度も非常に高かったです。 タイトル絵から素晴らしいドットですが、複数のイベントCGや背景も点数が多くて豪華です。中でも選択肢を選んだ際のドットアニメが最高でした。UIやフォント、BGMも合間って魅惑のドット世界が楽しめました。 また、1プレイあたりのプレイ時間が短めでとっつきやすく、一方で周回を繰り返して様々な結末を見ながら、徐々に真相が見えてくるという構成もお見事でした。選択肢とエンド分岐の関係性は作中ヒントを見て習うより慣れろ!の精神でそのうち理解できるようになりました。パラメータ変化に想像の余地を持たせるシステムも楽しめました。 パラメータに応じて発生する時間進行の合間に挟まれるイベントはテンポよく、ホーム画面でアイテムをクリックすると個別の反応があるのも良かったです。 TRUEで辿り着いた物語の結末は意外性とともに納得感があり、個人的にはとてもしっくりきました!
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みどりのうろことっても面白かったです!! プレイ時間はあとがきまで含めて30分くらいでした。短いプレイ時間の中で奥行きのあるストーリーとイハソン様と主人公の掛け合い、心理描写、麗しいグラフィックの数々が堪能でき、システム周りはスタイリッシュに洗練されておりと、非の打ち所がない作品でした。イハソン様は超人的なスペックをお持ちで、性格も個人的にはこれがベスト!と思えました。主人公の女中も地の分とセリフからその魅力が溢れんばかりに伝わってきて、そんな二人の相性が完璧すぎて良いふたりを見させて頂いた感がとても強いです。 本能に従ってクリア順はC、D、A、Bとなりました。 @ネタバレ開始 初手でベストエンド引いたぜ!と思ったのですが、Aエンドのやりとりと展開が非常に良かったです。というか良すぎ。やはり一途に想い合うカップルほど見ていて素敵なもんはないです。痺れました。 おまけストーリーもそれぞれ短い尺で満足度抜群でしたし、メタ的な面白さもなるほど感も強くてとても楽しめました。あとがきも興味深く拝見いたしました。改めてDL済未プレイの「うみをはむ」が楽しみになりました。フェス終わったら絶対遊ぼうと思いましたのでリマインダーに入れておきます! @ネタバレ終了
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東京オディエットアモ 尾瀬露春日編シリーズ最終作、ようやくプレイしました!今作もとても面白かったです!これまで同様グラフィックは美しくスチル多め、シナリオもほど良いボリュームで綺麗にまとまっており、演出も華やかでした! さて、ラストの春日編ですが、ひねくれにひねくれたバリバリCEOお兄ちゃん編。今作はオセローが原案とのことですが、ザックリした内容しか知らなかったので今回はプレイ後にググりました。シェイクスピアの生家を見学したことがあるのに申し訳ないこってす。そこでハンカチのエピソードを見て、な、なるほどー!!と時間差で気付くのでした。 今作は過去作と比べても演出が華やかかつ豪華だったのが印象的でした。やだ奥さん!背景の木々が風に揺らいでますよ!だったり、動画で感情を揺さぶってきたりと、シリーズの集大成みを感じました。別の世界線で添い遂げた?過去の男たちがちょこちょこ活躍しているのも、個人的には「ああ、フィナーレなんだな」と感慨を覚えました。個人的にはお兄ちゃんよりも団くん派ではあるのですが、今作で過去のエピソードを見てようやくお兄ちゃんにも感情移入できるようになりました。今回は恋愛模様がとってもアダルチーでセクシーなジュリが見られたので大満足でした。ちなみに幼少期ジュリもほっぺたふにふにで可愛らしかったです。 今作の結末も両エンドとも非常に印象的でした。特にSoireeエンドの方は終盤での驚きったらなかったですね。マジかー!となりましたのでぜひぜひ作者さんの親切攻略メモを見て結末を目撃してほしいところです。 ちなみに現代東京を舞台にしたゲームということで、各話ともにご当地観光ゲーとしても楽しめるのですが、今回は渋谷SKYに興味を持ちました!階段で上がれないのは非常に残念wなのですが、折を見て聖地巡礼に行ってきたいと思います!! シリーズ完結お疲れ様でした!大満足のシリーズでした!
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Don't Dream It's Overなんてエモい作品なのだろうか!特にラストが素晴らしく良かったです!! 簡潔な地の文と特殊な舞台設定と3Dグラフィックが特徴的な作者さんの作品ですが、今作も非常に楽しめました。プレイ序盤からもう「こんな子ども時代の思い出が欲しかった!」と思うようなリアルで鮮やかな青春描写に、思わず内心で「爆発しろー爆発しろー」と思いながらプレイしました。中盤から後半にかけては意外性のある展開の連続でラストはもはや @ネタバレ開始 茫然自失といえるくらいの切なさを味わいました。EDに向かう流れとED曲そのもの、そしてその後の真っ暗画面。これ以上ないラストだと思いました。 @ネタバレ終了 今作をプレイしていて、「話の設定や展開さえきちんとしていれば、文章そのものには過度な装飾はなくても良い」ということを改めて感じました。地の文は極力感情や形容を排除したようなものなのに、むしろ却ってプレイしていて感情を刺激された感があります。起動後の始まり方やシステム面において多少の不便を感じなくもなかったですが、ストーリーを考慮すればこれがベストなんだろうな、と思いました。