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富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション

  • 花枕(第一章~第二章)
    花枕(第一章~第二章)
    作者さんの力量がなければ成立しえない一風変わった作品だと感じました。 ややもするとトリッキーなのですが、とても個性を感じられる面白さです。 一癖あるキャラクターたちの掛け合いがとても印象的でした。 王道展開なんだけど敢えて少しずつ外すような感じが心地よかったです。 前作の盛り込み方はそういうのもあるのか!とちょっと感動しましたし、 オープニング動画がしれっと流れて序盤から心を鷲掴みにされました。 ストーリーの導入はノベルゲームでは割と珍しいパターンだと感じましたし、 なんといってもラスト直前ですね。なんか感想を語り合いたい類のゲームです。 タイトル画面の使い方、戻り方はこれ以上のキレの作品をちょっと思い出せないくらいです。 続編があるのであれば同じ語り口を期待せざると得ないと思いました! 面白かったです。

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  • ヤ〇〇ン民族の大移動と史家タキトゥス
    ヤ〇〇ン民族の大移動と史家タキトゥス
    歴史を記録することに絶対的な使命感を持っている主人公タキトゥスの異文化交流を描いた作品です。いや、やっぱり注意喚起?のために言っておくと歴史改竄系ぶっとび官能ゲームでした。 異文化交流の相手も内容も三者三様、魅力的だったのも良かったですが、 超テンション高い系エロマンガのようなセリフ運びがとても面白かったです。 付いて来れないやつは置いていくぞと言わんばかりのパワーワードの連発が痺れます。 歴史モノだけに某NHK的なロゴもピッタリでしたし、 テンポを損なわないスピード展開も良かったです。 おまけも充実しまくっていて私のような余韻に浸りたい変態も大満足です! ここまで振り切れた作品はやっぱり気持ちイイ!! 前作と同じ方が作ったというのがミステリーですが、とても面白かったです!

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  • 雨音と自動人形 結(むすび)
    雨音と自動人形 結(むすび)
    非常に何をとってもクオリティが高く、素晴らしい作品でした。 効果音、音楽、ボイス、グラフィック、そしてボーカル曲とムービーまで全てが高レベルです。 まず起動した瞬間に「うわ、これは相当気合が入っているぞ」と分かる演出が素晴らしいです。開始1秒で掴みに成功です。OP曲、そして動画のクオリティも尋常じゃないです。グラフィックも綺麗。特にプレイ体験の終盤の方のCGはどれも本当に息をのんでしまう美しさでした。また、ED曲も最高でした。 でもその中でもやっぱり自分が一番好きなのはシナリオです。ストーリーの構成や構造がとても完成されていました。様々な伏線、象徴的なアイテムやちょっとした違和感がシナリオが進むと効果を発揮しまくっており、何度も驚きと感動を与えられました。ストーリー終盤からエンディングまでも描写・表現の無駄が一切感じられず、振り返ってみると短編巧者の作者さんらしいなと感じました。 @ネタバレ開始 感動的な作品だと大体終盤からボロボロ泣いてしまう自分ですが、今作では非常に珍しいことにED曲が流れ終わり、エピローグから涙がこぼれ始めました。で、タイトル画面に戻ってしばらくダラダラと泣き続ける、という。博士と雪村の想いを胸にアヤは人間のために封じ屋を続ける、という部分が一番刺さったということなのかもしれません。そう言うプレイヤーもいた、という情報提供ということで。 CGモードや回想モードなどを入れなかったのは様々なシーンをきちんと記憶に留めて欲しいからなのかな、なんて思ってもみたのですが、でもやっぱり物凄く気に入ったクリア後のタイトル画面が戻ってしまうのだけは頂けない!となんとも図々しい感情があります。 @ネタバレ終了 本作は非常におススメです。プレイして後悔することはまずないかと!

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  • Rose Magic
    Rose Magic
    ゲームはシンプルなクリック連打ゲーなのですが、ワンアイデアを膨らませてゲームとしてとても面白い仕上がりになっていました。 真相を見てなるほど!と思えるちゃんとしたストーリーに、咲かせるバラの色が連打力(魔法力)で決まるというアイデア、ルート分岐による周回プレイ、おまけ要素、そしてもちろん愛らしいドット世界観でプレイ後はほっこりとした達成感と満足感が得られました。 かなり調整されたという難易度はちょうど良いです!初回は様子見のつもりでレディーポジションでクリック連打して43回だったのでドヤ顔報告までしたのですが、その後検証のために何度か頑張りましたが、最高48回で50回に達することはありませんでした!何度やっても40台。しかもやればやるほど疲れて記録が落ちるという有様でした。なお、回数が荒稼ぎできると思っていた子ども時代の必殺技、人差し指ピン立ての痙攣系連打はなんと記録21回でした!フッ、連打が速すぎてパソコンでは認識できなかったようですな。イメージ的には超速いつもりかもしれないけど実はそれショボいぞ!と子ども時代の自分に言い聞かせたくなりました(笑) 愛らしい雰囲気の遊んで楽しいドットゲーです!

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  • 彼と彼女の怖い話
    彼と彼女の怖い話
    とっても面白かったです!間違えた!とても怖かったです! 芸達者な作者さんのゲームらしく、様々な凝った画面演出が楽しめます。 開始早々に前作を彷彿とさせる全裸芸に懐かしみを禁じ得ませんでした! ゲーム中は色んな豆知識や懐かし怪談話が散りばめられていて楽しかったです。 つくばいという単語は初めて知りました。く~、人生勉強あるのみです! コンセプトの元となったアイデアは存じ上げていたので、例のシーンで直ぐにピンときました。確かにまぎれもない正真正銘のホラーで怖かったです!プレイ後のあとがきを読んでやっぱり!と納得しました。 選曲や演出、グラフィック、結末など、どこをとっても楽しい掌編ゲームでした!

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  • パラダイム・シフト-雑踏-
    パラダイム・シフト-雑踏-
    冒頭からピクトグラムでの表現がとてもオシャレなゲームです。 ストーリーはなんだかポップなビジュアルとは合わないような不穏な空気をはらんで進んでいくのですが・・・。 ビジュアルとテキストがまさにマッチ・融合した作品でした。 まさにゲームでしか味わえないミステリー短編、といった趣です。 そうくるか!という新鮮な驚きもあり面白かったです!

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  • 雨の袂
    雨の袂
    とても素敵な作品でした。 以前から感じているのですが、作者さんの描く文章は本当に魅力的だなと改めて感じました。人間や人間関係を繊細に捉えているので、ふとした動作や会話にまで感情が乗っていることが感じられるんだろうなぁ、と思います。日常の何気ない描写が本当に素晴らしいです。 また、表現には一切余分な贅肉がなく、テンポが素晴らしいです。句読点の置き方も含めて、ノベルゲームであることを意識した文章なのだな、とも改めて感じました。 今作の画面レイアウトはちょっとだけ変わっていますが、それも良かったです。きちんとレイアウトを踏まえて画像や文章を配置しているのが良く分かりました。背景や効果音もこれまでの作品と同じく丁寧に選択・配置されております。驚いたのは今作では音楽も自作であるということです。エンドロールで気付いて驚きました。どの曲もシーンにピッタリだったのは選択の妙ではなく作者さんが作られたからだったのか、と。EDのボーカル曲もとても良い曲で、映像と相まって読後感をかなり良くしてくれたと思いました。 とても素敵な作品でした。

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  • これってモテ期ですか!?
    これってモテ期ですか!?
    そしせかのコンビがちょっとエッチなギャルゲーだって!?と期待一杯だった本作。 個人的には非常に期待通りな感じで、満足度が高い面白いゲームでした!! まずテキストの地の文がとても面白かったです。彼女とのデートでの初々しい感覚も、浮気心とスケベ心で揺れてしまう葛藤も共感度MAXでした。気持ちが分かってしまうのはどの女の子もそれぞれ非常に魅力的なグラフィックの力もとても大きいと感じました!イベント絵も多く、クリア後のおまけ追加分も最高でした! ゲーム全体の構成も個人的に特に大好きなヤツなのですが、アイキャッチの格言やイラストシルエットの使い方、エンドロール演出などが特にお気に入りです。これらのこだわりによって結末の納得感や印象が爆上がりだったかと思います。 ちなみに、終盤のセリフで @ネタバレ開始 なかったことにはなりませんよ @ネタバレ終了 とあったのですが、無茶苦茶ドキッとなりました。(やましいことはないですよ!) なんだか人生に対する深い教訓まで頂いて心に残るゲームとなりました!

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  • 天使の飼い殺し
    天使の飼い殺し
    ノベコレ界最高峰の圧倒的な技術力に裏打ちされた凄まじい表現作品でした。 タイトル画面からもうどう動いているのか全く分からず、ただただしばらくマウスを動かして楽しんでしまいました。これ絶対みんな夢中になっちゃうヤツ!本編スタート後もストーリーの進展と同じくらい次はどんな仕掛けが楽しめるのかと心が弾みました。ギミックがあるところではただただスゲー!スゲー!となりました。表示されるテキストもゲームもグラフィック的に表現されているのも凄いと思いました。 なお、グラフィックだけでなくストーリーも短い中で構成が見事で、そういうことだったのか!と納得の読後感が得られました。 こんな作品まで作れるのか、と感嘆せずにはいられない貴重な体験ができました。

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  • さよならをセカイに
    さよならをセカイに
    非常に心を揺さぶれる素晴らしい作品でした。心を鷲掴みにされるような切なさを味わいました。 まず、3Dの人物と背景はノベルゲームとしてはかなり珍しいと思いますが、粗を感じることもなく独特の雰囲気を醸し出していました。シーンにピッタリな背景だらけでとても良かったですし、女の子2人はどちらも可愛すぎです。 文章も非常に洗練されていたと感じました。地の文は結構不思議な雰囲気で、かなり文字数が控えめです。行間というか文と次の文の間の余白で想像力を煽られるような感じがして、文字数当たりのシーン描写というか情景の想起させる密度というかが非常に高いと思いました。特徴・個性が感じられて私は凄く好きでした。自分は文章がいつも冗長気味になってしまいこういう文章は書けないので、余計にいいなと思ったのかもしれません。 ふとしたきっかけで関係が遠ざかってしまうことは大人になっても良くあると思いますが、子どものうちは経験不足でなかなか関係の修復することができないんですよね。本作の主人公はそもそも自分の気持ちにも少し気付くのに時間が掛かったようですし。ゲームの中では幸せを掴むことのなかったキャラクターたちのその後の幸せを願わずにはいられません。 @ネタバレ開始 「思い出すだけになる」という文章は本当に秀逸でした。この言葉だけで涙が溢れるくらい。 誰しもが学生時代のちょっとした後悔、そして人生のifを考えてしまうような、そんな作品だと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品を有難う御座います。

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