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日向日影@文化系物書きVtuberのレビューコレクション

  • 『Human Rights,Human Like』 ヒューマンライツ・ヒューマンライク
    『Human Rights,Human Like』 ヒューマンライツ・ヒューマンライク
    前から気になっていましたが、ビジュアルノベルオンリーで拝見し遊ばせていただきました! ヒューマノイド型のロボットに飼われて過ごす一週間を描いた作品です。とにかく最初から映像・BGMがおしゃれでワクワクしますし、あのタイトルの出方が本当に好きなやつです…。 ちょっとずつ自分のいる状況がわかってくる、その順番もすごくよかったし、それを主人公がどう感じるかの表現も非常にグッとくるような言葉だったりと、すごく読み応えのあるSFでした!エンディングも @ネタバレ開始 「尊厳の味がする!!」とか「未来って、生きてて楽しいのかな」など、非常に印象的な言葉がたくさんあって、「もし自分がこの時代に行って同じように誰かに飼われたらなんて思うんだろう」などと考えたりしました。  探索がしたくてお見送りをしなかったら「探索がしたくてたまらないのでね?」のように出た時は「心が読まれている……?!」と驚きました。 サルビア先生に飼われたい……!という感じではないですが映画を楽しんだりロボットの姿にこだわるのはなんかいいですよね……。 すごく楽しめるSF作品でした!ありがとうございます。 @ネタバレ終了

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  • 妹侵蝕 - ソロリズム
    妹侵蝕 - ソロリズム
    妹と何度も会話をしながら間違いを指摘するというゲームシステム、そして妹浸蝕という意味深なタイトル、妹のかわいらしいけど何かちぐはぐな衣装…、最初から沸き上がる不安感。それが読み進め指摘を重なるごとにどんどん膨らみ、具現化していきます。そして「妹浸蝕」の意味を理解した瞬間、もう、なんか、すごかったです。各エンドも本当に「あ…」となるものばかりでした。  文章、絵、演出、全てが凝りに凝っていて、短いながらもとんでもない物語を味わうことができました。遊んでいる間感情が動きに動きました。 @ネタバレ開始 「妹ちゃんは妹ちゃんじゃないんだろうなぁ」とは思っていたのですがまさかそもそもお姉ちゃんが妹ちゃんだった、それどころかそもそもいなかったとは…。おばさんが「妹…?色々あるものね……」と言ったその「色々」の意味を理解した時、あのオーバーオール?に描かれた動物が主人公、そして画面ごしをこっちを見ていることに気づいてゾクッとしました。 「僕を知ってる人はどうせ僕に優しくないから」 というセリフが非常に胸に来たのですが、これもまほろの心が生んだものだとすれば、きっとおばさんや警察の人など、彼女の周りにいた人たちの優しさを受け取ることができないぐらい、それぐらい彼女は痛んでしまっていたんだろうなぁなんてことを考えたりしました。実際、あんなことが起きてしまったらどうなってしまうのか想像もつきません…。  プレイしている間、本当に胸が苦しくなりました。失った時間は戻らないけれど、せめてこの先の彼女に少しでも多くの平穏が訪れることを願うばかりです。 全てを見終わった後、概要欄の最初に、 「悪辣で悍ましい妹の秘密を暴こう」 と書いてあるのを見て戦慄しました。 あらゆる意味で本当にすごい作品でした。ありがとうございます。 @ネタバレ終了

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  • kara no utsuwa
    kara no utsuwa
    優しい絵柄の中で描かれる宇宙、漂流したそこで出会う人々、誰もが癖があり、でもどことなく愛おしい、そんな物語です。 やりとりはどこかちょっとずれながらも、でも人間ってそういうものだよね?と、本当に人間らしさを感じさせてくれますし、二人の何かが通じたような一枚絵を見た時は胸がきゅんとする嬉しさを覚えました。そこで生まれる優しさや嬉しさの「意味」も含めて、遊んでよかった作品です。あとメニュー画面めっちゃ好きです。 @ネタバレ開始 出会う人々が最初のメールで出てきた自分の弱点に近いな、と思っていたのですがメタファーではなく実際に自分との対話だったのは非常に印象的でした。私事ですが最近自分自身の心理と向き合うこともあり、他者以上に自分を抱きしめることの難しさを感じることが結構あり、私自身の現状に刺さったところもありました。物語が進むごとに自分のセリフがちょっとずつ増えてくるのが非常に印象的で、それが自分を受け入れる過程になっていて、私自身もいいものを持ち帰ることができたような気がします。 思い出深い作品をありがとうございます。 @ネタバレ終了

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  • 午前0時の私たち
    午前0時の私たち
    少女が深夜の学校で、少年と共に脱出を図ります。 物語を読み進める最初から感じる違和感が読み進める度に優しくほどけていき、あたたかな物語が繰り広げられます。 まるで学校の図書館に置かれる子ども向けの小説や、教育チャンネルで流れるドラマのようでもあって、子どもや家族で見ても非常に楽しいし、いいものを持ち帰られる物語でした。  アナログ作画の映像とSE、ストーリーが本当に調和していて、静かだけど大切なものがそこで繰り広げられているのをしっかり感じられます。あとボイスの演技が本当に素晴らしいのでそれも聞いてほしいです…! @ネタバレ開始 大鶴くんのことを透が知らないとか、なぜか担任の先生がいるなど、それが少しずつ、「あれ?これは透の心象風景なのかな?」と気づかされていくのがとても楽しかったですし、物語がじんわりと広がっていきようでした。 個人的に透の「自分のしたいようにしたい気持ちと自分はこうしなきゃならないという気持ちで板挟みになる感覚」は非常に共感できました。自分の心に従うというのは思った以上に簡単じゃなくて、だからこそ人にはこの一夜のような時間が必要なこともあるのでしょう。 本当に優しく、心に残る物語でした。 @ネタバレ終了

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  • PUPA
    PUPA
    様々な映像と音楽、そして言葉で人の心が描かれていき、それらが優しくほどけていくような、不思議で温かい作品です。 絵に使われる画材や素材が様々で、その手触りを味わいながら、そしてその絵の細かく大胆な書き込みをゆったりと見つつ読み進めていくのがとても面白かったです。 @ネタバレ開始 顔の周りでおさるさんが動いているアニメーションの入った絵が特に好きでした。全体に、絵に出てくる人や動物などにすごく「生きている」感じを覚えました。 @ネタバレ終了

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  • 穴
    「穴」というモチーフを舞台に、私が対話をしていくという形式で物語が進んでいきます。 穴を掘っていくSEと映像が綺麗にシンクロしていて、それが単純に穴を掘るというより、心の深い方へ沈み込んでいく感覚を受けて、物語の中に入り込んでいけました。 作品中に出てくる映像も多彩かつ、何とも言えず心に沈み込む きっと多くの人の中にあるような感覚を、それを優しく包み込んでもらえるような物語です。 @ネタバレ開始 作品を読ませてもらって、一貫して「自分の抱きしめ方」について考えさせられるなって思いました。 「穴」を私は「それまで自分が成し遂げてきたこと」と取りました。 自分がやってきたことが見えなくなるのは私もよくあることです。その時にこの物語のことをふと思い出せたらと思います。 @ネタバレ終了

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  • 燕に餞 -10 minutes to airplane fall-
    燕に餞 -10 minutes to airplane fall-
    もうすぐ飛行機が落ちる、という中で繰り広げられる不思議とゆったりとした会話を、たまたま隣席した女性と過ごしていきます。 その中で、今だからこそ言える本音が露わになったり、少しずつ「なぜこの飛行機は落ちるのか?」「この女性はなぜ飛行機に載っているか?」などがわかっていきます。 オープニングからBGMの使い方がすごく好きで、切り替わるたびに心が動きましたし、モノクロベースの映像も静かさと墜落という恐怖にすごくあっていてドキドキしました。  自分だったらこういう時どうするんでしょうと思いつつ、でも確かに隣で話しかけてくれる人がいたらいいかもなと思わされました。非常に楽しませてもらいました! @ネタバレ開始 「夫と来ているって言っていたのになぜ窓際の席で隣が空いているんだ」という言葉を見た時には「あっ!」となりました。謎解きとしても本当に楽しませてもらいました。  オープニングの空港のアナウンス、ハッピーバースデーなど、あらゆる場所でBGMの速度や音色がとても合っていて雰囲気たっぷりに遊ぶことができましたし、だからこそ主人公の物語に入っていくことができました。  END6で世界に色が取り戻される瞬間が本当に美しく、でもそこで起きていることは超自然的で「これ背景にすごい物語潜んでいるよな…どこかに過去作とか小説とか漫画とかあるのかな……」と非常に興味が湧きました。 素敵な体験をありがとうございました! @ネタバレ終了

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  • 超常野球伝 ウルトラサポーター
    超常野球伝 ウルトラサポーター
    野球が開幕したので実況しつつ遊ばせていただきました! 野球しかスポーツがないというぶっ飛んだ設定と、想像を絶する超常野球、随所に盛り込まれた野球などの小ネタを堪能させていただきました! @ネタバレ開始 洗脳のパンドラがほんとにあのパンドラだったり、野球クソゲーの代表格が出てきたりと本当に小ネタたっぷりで笑わせていただきました! 次はロブスターズが33-4で勝つのを楽しみにしています! @ネタバレ終了

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  • ギャルのショウブテ!
    ギャルのショウブテ!
    ギャルの裏の顔を知る作品です。こういうとあれですがいたって健全な作品です。 展開も文章も非常にきれいで読みやすい中、女性同士の友情がほんの少し揺れたり、彼女たちなりの青春があったり、非常に短いながらも様々な展開が地に足のついた中で楽しめるいい作品でした! @ネタバレ開始 最近ギャルに関する論文を読んだんですけど、そこでギャルが ・他人の目を気にせず自分らしさを大切にする ・他人より目立ちたい、一目置かれたい ・かわいいを追求し自分に自信を持つ ・友達を大事にする という特徴を持っているということでまさに麗にぴったりだなと思いましたし、こう考えるとギャルと将棋、引いては勝負の世界って実は自分らしさを大切にする、他人より目立つということで合っているのかな?なんてことを考えたりしました。  青春がここから走り始める、その瞬間を見るような作品で今後の展開も楽しみになりました! @ネタバレ終了

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  • X人目のあなた
    X人目のあなた
    最初は「どういう話なんだ…?」と思いながら、でも文章や小さな展開が本当に面白く、作者の文章力を感じなながら遊んでいました。 でも、その全てが回収された瞬間本当に素晴らしい物語が目の前に現れました。何もネタバレしたくないのでぜひみんなに遊んでもらいたいです。 @ネタバレ開始 最初は「メインストーリーが進まないまま日常エピソードが積み重なっていくな」と思っていました。でも、今作はまさにその日常の積み重ねこそが物語であっったのだと気づかされたのがラストの、主人公が最後の一日を過ごすあの展開でした。自らの人生とゆっくり向き合い、別れを告げ、あの写真をヒヤから受け取った時は泣きそうになりました。ヒヤはいいこだ…。そして作家となった新しい私がそれを残すのだという、それも本当に美しいラストでした。  きっと私の見えないところでボスもヒヤも医師もアオイも葛藤を重ねていたのでしょう。その上で、最後の時にあの姿を見せてくれたのだと思うと、本当に人間としても豊かで、私が生きたあの時間もそれだけ豊かだったのだろうと思えました。  主人公の物語は別に他のキャラの人生が進んでいるのをカウンセラーと立場から見守るというストーリーも本当によく、「自分が去った後も世界は続いていく」というその冷静な事実がむしろ優しい光のようでした。  実写を取り入れた映像が人生と向き合うというこの物語にぴったりで、あの川べりの道を自分も歩いてみたくなりました。 素晴らしい物語を、どうもありがとうございました。 @ネタバレ終了

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