かおりのレビューコレクション
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夜、気紛れ、明け方深夜バイトする主人公のとある一日がしっとりとした文章で描かれ、とても雰囲気のある作品でした。 特別な事件が起きるわけではなく、あくまで普段通りの一夜。 が、変わり映えしないようでいて、心もちや状況は少しずつ動いていたりする…常連客たちとの会話からそんなわずかな変化を感じ取れる、繊細な描写が印象的でした。また、何気ないと思っている「変わらない日常」の大切さをも教えてくれる素敵なお話だったように思います。 日常を切り取った作品は大きく物語が動かない分、私などは退屈に感じてしまうことも無きにしも非ず…なのですが、今作は巧みな文章に引き込まれ最後まであっという間に感じるほどでした。 素敵な時間をありがとうございました。
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泣けない兎 完全版 第一部一週間の間、どっぷりと「なけうさ」の世界に浸らせていただきました。 エンド数が豊富にあるため攻略がとても難しかったのですが、先人の知恵を拝借したりしながらなんとかコンプリート!到達できた時は達成感が半端なかったです。エンド数に関しては @ネタバレ開始 第一章 ED1~17、15.5、2話への19種類 第二章 ED18~26、3話への9種類 第三章 ED27、4話への2種類 第四章 ED29~31、完の4種類 キャラ別エンド10種類 @ネタバレ終了 と、ナンバリングされているものに加え、キャラ別エンドと次の章へ進むエンドも含めると44種類あり、攻略にはメモ必須かと思います。更に個別エンドの分岐はかなり難しく、私はシーラ様・白夜くんに手こずりました…! が、ぜひとも続きが知りたいと思える面白さが挫折を阻止してくれましたし、攻略のために全分岐を辿ることでよりキャラクターやストーリーへの理解が深まる仕様だったので、エンド回収が苦にならない!エンド数の分お話が掘り下げられていく、見せ方の素晴らしさを感じました。 そして何よりの魅力は、無垢な心の主人公と神々・精霊たちが織り成す涙、涙のストーリー!感動でした。 また本編のストーリーもとても泣けるのですが、その涙を倍増させるのがキャラ別のエンド。どのエンドも非常に胸に迫る内容で涙腺が刺激されまくりました。中でも @ネタバレ開始 セージさんと白夜くんのエンドが特に心に刺さりました。 普段の言動とは裏腹に大切なものが増えたとさらっと言ってのけるセージさんにはツンデレか!と盛大にツッコミつつ号泣し、腹をくくった白夜くんには9歳にして何という覚悟を迫られたのだろうと涙があふれて止まらなかったです。 でも何より、全てのキャラが自分のために動いているように見えて、その実「仲間の幸せを願う自分が救われたい」という「仲間愛ゆえのエゴ」なところがなんともエモく、非常に感銘を受けました。みんな最高か…! @ネタバレ終了 重厚なストーリーを読み終え、今も余韻で心が震えています。 濃密な時間を過ごさせていただき、ありがとうございました!今後の展開も楽しみにお待ちしています。
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カナタの夏初月 ~石垣島編~石垣島をはじめとした沖縄を満喫する二人の、幸せな時間を見守らせていただきました。実に甘美な時間でした! こういった恋愛モノは普段あまり読まないほうなのですが、何の気なしに読始めたら止まらなかった…! テンポよく繰り広げられる二人のやり取りが面白く、グッと引き込まれました。それに甘々デートではあるんですが、二人が比較的サッパリとしているキャラクターだからか、甘ったるすぎないところも良いですね。その絶妙な距離感が心地よく、終始好感が持てるキャラだったからこそ最後まで楽しめた気がしています。 そして何といっても美しい風景写真の数々!テンションが上がりました。見知った風景もありましたが、テレビなどでは見たことのない景色も沢山あり、次はどんな写真が見られるだろう?とワクワク。家に居ながらにして、まだ見ぬ沖縄の地を疑似体験できてとても嬉しかったです。 美しい沖縄の景色と爽やかな恋愛模様を楽しめる素敵な体験となりました。ありがとうございました!
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樹海の怪死を追いかけて樹海へ辿り着いた主人公が、不思議な少年と出会い…というミステリアスなお話でした。 何といっても謎めいた少年が @ネタバレ開始 可愛らしい見た目とは裏腹に、時折ぞっとするような怖さをのぞかせるところがとても怖かったです!おともだちをバックに無邪気に微笑む姿には特に恐怖を感じました。 これは絶対に連れていかれる…!と思い込んでいたため、結末は意外な展開でビックリ。もしかしたらあの少年は、門番のように「来る覚悟ができている人」とそうでない人を選別しているのかな?なんて思ったりもしました。 最後の「またね」が気がかりではありますが、憑き物が落ちて世界に色を取り戻した主人公がもう死の誘惑に誘われないことを祈るばかりです。 @ネタバレ終了 味わいのある絵柄に魅かれてプレイさせていただきましたが、ストーリーにも怖さと不思議さが同居していてとても面白かったです。 また、スチルだけでなく立ち絵や背景、UIまでもが自作グラフィックで統一されているのが素敵ですね。演出も凝っていて凄かったです! 独特の雰囲気が素敵な作品でした。ありがとうございました!
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◻︎◻︎マ◻︎推理もの大好きなので意気揚々と挑み、あえなく撃沈しました! 三番目にマの入る言葉を探さねばならないのに、頭に浮かぶのはマから始まる言葉ばかり。ヒントを見ても全然ピンとこなくて、泣く泣く答えをみることに…自力で解けず残念です。 答えがわかればなるほど!なのですが、これはピンとこなければ一生解けない問題だろうなと思います。また現時点では一般的な言葉…とまで広まっていない気もするので、ご存知でないと更に迷宮入りしてしまいそうですね。 ただ、謎めいた構成に求心力があって引き込まれましたし、非常に面白い試みの作品だなとも思いました。 頭を悩ませる時間もとても有意義で楽しかったです。ありがとうございました!
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筋筋肉肉勢い溢れる青春ラブコメでした! その一方で筋肉の名称についてもたくさん学べる学習系ゲームでもありますね。上腕二頭筋や表情筋などごく一般的な筋肉くらいしか知らなかったので、その筋肉はそんな名前なんだ!の連続でした。 でもやっぱり真骨頂は @ネタバレ開始 二人の顔と逞しい肉体とのギャップ、そして筋肉での感情表現! 体から出ているのはオーラですか…!主人公、感情が筋肉に現れすぎ!いやむしろ筋肉で相手の思考を読めちゃうカスミさんが凄すぎるのか?どんだけ?! などツッコミどころ満載。面白すぎました。 でも、約束をきっかけに10年も鍛え続けてきたなんて、どれほどお互い相手を思いやっているのかがうかがえて、最高にエモいなと思います。 このまま鍛錬を続けた先に、ボディビル大会をアベック優勝で総なめにする二人の未来が見えるようでした。 @ネタバレ終了 笑えるだけでなく、ドラマも感じられる爽やかなラブストーリーでした。ありがとうございました!
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宇宙人の憂鬱マーダーミステリー未経験ですが、とても楽しく遊ぶことができました。 犯人当てや真相当ても難しすぎず、また外してしまってもヒントがもらえたりとプレイしやすさへの配慮も随所に感じられ、推理とストーリーとのバランスが上手くとれた作品だなと思いました。 @ネタバレ開始 また真相に辿り着くことでタイトル回収される構成も見事でした!そういうことか!と思う一方で、辿り着いた結末のやるせなさに切なくなってしまいましたが…。 @ネタバレ終了 マダミスは興味があるものの一人プレイができないというハードルの高さから断念していたので、このようなゲームを作っていただけて嬉しく思います。 素敵な機会をありがとうございました!
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つくもと空の屋台とても楽しいなぞなぞゲームでした。 私は頭が固くてなぞなぞが苦手なのですが、そんな私でも解ける難易度でスッキリでき、爽快なアハ体験となりました。 でも何より面白かったのは @ネタバレ開始 持ち主さんの話に出てくる神様のお姿です。 本物と違い過ぎる!! 記憶の中のモヒカンやお婆さんなどの姿…からの美形な本物登場。そのギャップが最高に面白くて毎回笑ってしまいました。 @ネタバレ終了 また、正解後のイラストもどれもとても可愛らしくほっこり癒されました。 問題数が6問しかなかったことだけが残念です。もっともっとプレイしたかった…。いつか続編があれば嬉しいな、と密かに期待しています。 楽しい時間をありがとうございました!
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FirstMagic ~はじまりの魔法~教え子のルミナさんに慕われ、究極の選択を迫られるお話でした。 短編ながらも選択肢による分岐で結末?も複数あり、画面にはルミナさんしか登場しないものの沢山の立ち絵差分で感情が豊かに表現されていました。更には演技力の高いボイス付き!という贅沢仕様。耳が幸せでした。 @ネタバレ開始 4つの魔法をかけた際はどれもヤンデレな感じでしたが、特に雷魔法の展開は病みが強かったですね。あんな先生になってしまってもいいのか…とちょっと切なく感じちゃいました。 個人的には氷魔法をかけた時が一番好きです。いつ壊れるか、そして壊してしまうかわからない「氷像」が、病と愛が同居したルミナさんの心を表しているように感じられていいなぁと思いました。 あと火系で退化した先生を可愛がるルミナさんも良かったです。 でもやっぱり最後の、本当の魔法に辿り着けた時の結末が一番素敵ですね。可愛さ溢れるデレにギャップ萌えしました!これから先生と仲良く歩んでいってほしいです。 @ネタバレ終了 短い時間で恋愛模様を楽しめる作品、ありがとうございました!
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すがれる4月とても素敵な物語でした。 亡くした彼女を忘れられない主人公に訪れる出会いと、それによってもたらされる心の変化が描かれているのですが、劇的な変化ではなく悩みながら一進一退する様が非常にリアル。切なげな表情で葛藤する主人公の姿に何度も胸を打たれました。 グラフィックや音楽などのセンスも良く、詩的な表現で心の機微を描いた繊細なシナリオとの融合も素晴らしかったです。抑えたトーンで描かれる絵がひたすらに美しい。 そして演出面もとても凝っていて、 @ネタバレ開始 それぞれのEND後のタイトル画面変化にはドキッとさせられました。特にEND1…! シナリオ面でも、TRUEエンドですら主人公の「彼女への思い」は変わらないという展開には驚きでした。ただ、痛みを抱えながらその日を待つという生き様は非常に主人公らしいというか、納得の選択だなと。 それに自分の思いを吐露できたことこそが、様々な出会いによって起きた確かな変化だと感じられる前向きな結末で良かったです。とても爽やかな気持ちで読み終えることができました。 が、何よりの驚きはタイトルの意味! 縋るの変形なのだろうか?などとお恥ずかしながら思っていたのですが、「すがれる」という言葉があるのですね。しかもダブルミーニングにもなっている?(おそらく)と気づいた時には膝を打ってしまいました。主人公が花屋であるという設定がここに活きてくるとは。 @ネタバレ終了 細部にまで仕掛けのある細やかな作りに感動しました。 またシナリオを読み進めるだけでなく、探索パートやお客様のために花を選ぶ謎解き推理に近い部分など、ゲーム性の高い部分もあり楽しかったです。 総じて完成度の高い作品でした。処女作でこのクオリティとは…本当に驚きです。次回作もあればぜひプレイさせていただきたいです。