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かおりのレビューコレクション

  • あの時、君の先生でした
    あの時、君の先生でした
    明るいサムネイル画像からは想像もできない、バリエーション豊かな修羅場の数々を味わえる作品でした。とても面白かったです! @ネタバレ開始 たくさんのバッドエンドをかいくぐって幸せな結末に辿り着く誠司さんルートは、マルチエンドならではの面白味溢れる展開。一方、何度もやり直し結末を変えようと足掻いてもどうにもならないどころか、より深い闇に落ちていってしまう由香さんルート。 どちらも献身的な男性、女王気質の女性という組み合わせの二人なのに、歯車がかみ合うか合わないかでこうも違う展開になるのか…と、対照的な二つのカップルの結末が印象的でした。 個人的にループものでは最後に幸せな結末に辿り着くお話が好きなので、全ての記憶を最大限に活かして幸せを掴んだ誠司さんのTRUEエンド3が特に好きでした。(それと諦めるを選択した際の演出も面白かったです。凛さんの心の声、最高) ただ由香さんルートのTRUEエンドも、由香さんの逆襲成功という感じで面白かったです。あんなにサイコパス化しても由香さんには敵わないという藍川くんの報われなさ、もう体質ですね?どこまでの気の毒な姿に改めてご愁傷さまと言わざるを得ませんでした…。 藍川くんという点では、由香さんルートIF3の結末が非常に好みです!成り替わってでもそばにいたいという気持ちに恐ろしく深~い闇を感じました。…好き。 @ネタバレ終了 また立ち絵の差分が豊富な上に、スチル数やスチルの表情差分も多く豪華!特にスチルは、シーンの変化が少ない場面でも何枚もあったりして非常に臨場感がありましたし、どれも丁寧な描写がなされていて美しく、お話に花を添えていました。また、作者さまが今作を作るきっかけとなったという挿入歌も、いずれも素晴らしかったです!聞き惚れてしまいました。 ヤンデレが好きな方なら間違いなく刺さる!と思われる病みと闇が詰まった作品です。とても面白く夢中になって読ませていただきました。ありがとうございました!

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  • Another OS
    Another OS
    まさに「意味がわかると怖い話」でした! 最初は順番通りに読み、真相がわかってから改めて読み返してみると、色々不可解だった部分がするするとほどけていくような感覚がして面白かったです。物語の構成、見せ方がお上手だなと思いました。 また内容は本当にシリアスで、色々考えさせられる部分も多かったです。 @ネタバレ開始 確かに有事の際に問われるのは人間の心ですし、悪いほうへ向かうこともありますよね。ただその解決策として心を無くしてしまおうというのは怖い考えだと思いました。 でもだからこそ、新しい命の誕生に「死んだ」というタイトル付けが素晴らしい…!秀逸なセンスを感じました。 @ネタバレ終了 近未来SF的なお話ですが、怖いだけでなく警鐘を鳴らす意味合いも感じる興味深い内容でした。面白かったです。ありがとうございました!

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  • 永遠(とわ)の幸せを、キミに委ねて。
    永遠(とわ)の幸せを、キミに委ねて。
    ボス戦の醍醐味を短い時間で味わえる、面白い試みの作品でした! @ネタバレ開始 正しい選択肢を選んでも好転せず、繰り返しやり直すことで道を切り開いていく…というループものならではの設定が活かされた展開、面白かったです。 また、ひとりの力で何とかしようとしたり、パートナーに声をかけなかったりすると失敗してしまうというところに、信頼することの大切さや思いを言葉で伝えることの大切さなどが表現されている気がしました。 それに神様がただチャンスを与えるだけで、過干渉しないところもいいですね。人間の可能性を信じてのことなのかな?と感じ、素敵だなと思います。 力を合わせ危機を乗り越えた二人の明るい未来が感じられる結末も良かったです。清々しい気持ちになれました。 @ネタバレ終了 緊張感のある戦いが表情や演出などでリアルに表現され迫力がありましたし、王道ながらメッセージ性の感じられるストーリーも良かったです。ありがとうございました!

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  • ミアウオトコ
    ミアウオトコ
    前作「春生の花」のカーネーション編を読んだ際、とても印象に残った我孫子顕子さんが主役と聞き、楽しみに読ませていただきました。 出番が短かった過去作ですらひときわインパクトの強かった我孫子顕子さんなので、主役となった今作では更に際立つ存在感!宇宙人を拾うという非日常な出来事にも全く動じないところなど、肝の座り方にさすが!と感嘆しました。やっぱり男前でカッコイイです。 @ネタバレ開始 そんな顕子さんでも息子さんのことには心を砕いているんだな、と。母親として悩みを抱える一面を垣間見て、自分とは違う雲の上の存在のように感じていた顕子さんに親近感を抱きました。 個人的に晴孝さんには翔子さんを推したいんですが…未成年はダメと言われてしまいましたね(笑)あと数年したらぜひ顕子さんにも推奨したいです。 結末としては、錠くんの心模様を知ることができる寿司エンドが好きでした。錠くんの恋はライバルがライバルなだけに前途多難な感じですが…。またその後の3人のことも、いつか知ることができたら嬉しく思います。 @ネタバレ終了 未知との遭遇という導入からは想像もできないほど、明るく楽しい会話劇でした。宇宙人のキャラも愛嬌があってとても可愛らしかったですし、顕子さんとの相性もバッチリで、ツーカーなやり取りに和ませていただきました。 また、過去作のキャラクターが登場するのもご褒美のようで嬉しかったです。楽しい作品をありがとうございました!

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  • ねぇ、どうして
    ねぇ、どうして
    「ねぇ、どうして」という色々な感情が読み取れる言葉をテーマにしたホラーノベル、思っていた以上に怖くて面白かったです。 登場人物やそのキャラクター自体は変わらないのですが、「ねえ、どうして」の言葉に込められた怒りや哀しみが多様に展開していくので、オムニバスに近いものを感じました。短編ながらエンド自体6つもありますし、選んだ選択肢によって印象がかなり違う結末に至るところも面白かったです。 またここぞという時に入る音と、実写を加工した不気味さ溢れる映像での演出が秀でていて臨場感たっぷり。特にED1はホラー演出が強くとても怖かったです。 が、何といってもED1~5を見た後に解放される真の結末であろうED6がシナリオ・演出共に特別感のあるものでしたし、ある意味一番恐ろしく、そして格段に面白いものでした。 @ネタバレ開始 ED6ルートに入った時、毛色の違う展開にこれはハッピーエンドもあるのか?と思ったのですが…。主人公はとにかく最後の最後まで清々しいほどの最低男でしたね。ED1の女性の「あんただけ幸せになるなんて許さない」というセリフに共感する方が多数だと思います。主人公が救われない結末ばかりだった(ED4の世界線以外)のも因果応報だと思いますし、彼の末路が気の毒な女性たちの救いになったならいいなと思ったりもしました。 @ネタバレ終了 システム面について特徴的だったのが、オートセーブ仕様で好きなタイミングにセーブできないことです。最初はエンド攻略のネックになるかと思いましたが、物語の序盤で分岐し、すぐにそれぞれのルートに入れるようになっていたので、分岐でセーブできなくても苦にはなりませんでした。周回必須の作品だからこその工夫を感じましたし、プレイヤーへの配慮がなされている構成でとても良かったと思います。 作者さまの前作「ニュースありませんか」より更に物語性が増し、とても面白く読ませていただきました。ありがとうございました!

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  • L L
    L L
    流れるような文章で美しくも切ない別れを描いた繊細なお話、とても好みでした! お互い嫌いになったわけではないのにすれ違っていく様や、失ってから気付く感情や喪失感など心の機微が丁寧に描かれていて、非常に感情移入してしまいました。好きなだけじゃ乗り越えられない部分ってありますよね。そのもどかしい関係性がとてもリアルで、どうにかしてあげたい!と強く感じました。 @ネタバレ開始 なので、漫画から手紙が見つかった後の展開には衝撃! もしかして時を経た今なら再び歩み寄ることができる?などと期待していたのですが、全く予想外の結末でした…。ただ彼女の未来のためにも、最期に本当の意味できちんとお別れできたのは良かったのかなとも思います。 読み終えた今、亡くした恋人へ贈る最後のラブレターにはどんなことが書かれるのだろう?と思いを馳せています。そして書き終えた彼女の心に去来するのはどんな感情なのだろうか、とも。とても余韻の残る終わり方で色々と想像を巡らせてしまいました。 またタイトルも、読者の受け取り方次第で様々な解釈ができそうですね。とても印象的ですし素敵なタイトルだなと思います。 @ネタバレ終了 全体的に漂う静謐さとBGMとの融合も見事で抜群の雰囲気がありましたし、何より読後もじんわり広がる余韻に浸れる結末が最高でした。 とても好みな作品に出会えて嬉しかったです!ありがとうございました!

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  • 運と推理と幼なじみと。
    運と推理と幼なじみと。
    とても楽しい推理パズルでした! 4種類の絵柄がどこに当てはまるかを当てるゲームですが、推理力だけでは解けず運もかなり重要なので、引きの悪い私はなかなかに苦戦。そして意外にも?5回以内より、5回以上10回以内にクリアするよう調整するのに手こずりました…! ただパズルゲームがあまり得意でない私でも、上手くいかないもどかしさがイライラに変わらないうちに解ける絶妙な難易度だったので、最後まで楽しく遊ぶことができました。 (パズルの絵柄が過去作に関連しているところもエモかったです…!) そして何より、主役二人の可愛らしさが作品の最大の魅力だったのではないかと思います。ひたすらに可愛い二人の表情変化と、仲睦まじいやり取りにほっこり。終始笑顔でプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 それに、ちぃちゃんが恋い慕っているようでいて、何気にめぐちゃんも相当ちぃちゃんを意識しているんだなと最後に窺い知れたのがツボすぎました!二人の関係性が可愛らしくてニコニコしちゃいますね。 ただちぃちゃんは全く気づいていなさそうなので、めぐちゃんの恋路は前途多難かも…ですが(笑)その後の二人がとても気になるので、スピンオフ作品もぜひ今後拝読させていただきたいと思います。 @ネタバレ終了 パズル自体の面白さや会話の可愛さはもちろん、クリア後のスチルなどご褒美要素もありとても楽しかったです。ありがとうございました!

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  • 足音と雨音
    足音と雨音
    雨天時のまとわりつくような湿度を思わせる、非常にじっとりとした怖さを味わえる作品でした。 @ネタバレ開始 夜道で人の気配がするだけでも怖いのに、ついてくる足音で更に恐ろしさは高まり、ついに現れた傘を差した得体のしれない女性。なんという恐怖のコンボ!耳元でささやかれた時には怖さの頂点まで達しました。夢に見そうな怖さです。 加えて、正体がわからないまま終わり「あれはなんだったのだろう?」という考察の余地を残しているところが、謎めいていていいなと思いました。 @ネタバレ終了 いわゆる日常ホラーといった内容ながら、見せ方や演出の上手さで非常に良質でゾクゾクする真正ホラーに仕上がっているのが凄いと思います。更に、味わいのあるグラフィックやBGMなどの相乗効果で雰囲気も抜群でした! 面白かったですし、とても好みな世界観でした。ありがとうございました!

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  • かご ~KAGO~
    かご ~KAGO~
    かごを見たら入りたくなる人間がいる…という驚きの導入から始まる、かごに魅せられた主人公の苦悩を描いたゲームです。とにかく「かご」一色の生活が面白すぎました。 それに「かご」へダイブする様が非常にツボ!あまりに幸せそうな表情が面白くて「入る」を選び続けたくなってしまいましたが、主人公同様ジレンマに耐え抜いてトゥルーエンドまで辿り着けました。 @ネタバレ開始 トゥルーではかご美を救えて嬉しかったのですが、かご美とのいきさつ?を知ってからの別離は正直ちょっと寂しかったです…!でもラストのスチルでは修理したかごの中で幸せそうにしていたので、結果的にはよかったのかな?だけど修理後のかごは、かご美のように喋ったりするんだろうか…? などと真剣に色々考えてしまいました(笑) @ネタバレ終了 実は子供の頃、カートのかごには乗ってみたいと思っていたので私もその気があるのかもしれません。かごに入ってみたらもしかして?なんて思ったりしました。 非常に独特のセンスが光る作品で、とても楽しかったです。ありがとうございました!

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  • DIE OR SWING
    DIE OR SWING
    なくした記憶を取り戻していくゲームですが、掌編ながらとても面白かったです! ゲーム内でストーリーの説明はほとんどなく、何が起きているのか想像しながら進めたのですが、全く予想外の展開で驚きました。ストーリーに関しては作品概要欄に記載されていますが、こちらを先に読んでいたとしても全容を把握することはできなかっただろうと思うので、上手く騙された!という気持ちでいっぱいです。 @ネタバレ開始 プレイ後は、記憶がないのは頭を損傷したからなのか~とか、二人に分裂していたのももしかして頭が二つに割れたからなのかな、などと哀しい想像が捗りました。 復讐が叶ったことだけが救いでしょうか。最後の彼女の笑顔、とても印象的でした。 @ネタバレ終了 絵柄のポップさと内容とのギャップも面白く、また演出での見せ方も凝っていて惹き込まれました。 ホラーだけれど、最後はスカッともする内容で面白かったです。ありがとうございました。

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