SHIAのレビューコレクション
-
瓶の中の声耳が聞こえないと相手と意思疎通を図ることは耳が聞こえる人と同じようにはいかないですが、耳が聞こえないことそれを理由に排除しようとする人もいれば、ありのままを受け入れようとする人もいる……耳の聞こえない主人公が転校先で出会った不思議な少女やとても気のいい友人たちと過ごすうちに、少しずつ本来の自分を取り戻していく心温まる物語でした。 友人になる一馬さんたち、ふみ先生やまりさんなどあたたかな人たちとの出逢いと交流によって主人公が再起する姿に、最後まで穏やかな気持ちで読み終えることができました。 本編が始まる前に冒頭にあった通り「静寂の物語」でしたが、その静けさが逆に主人公の境遇などを引き立たせていました。 @ネタバレ開始 トゥルーエンドにあたる全員で記念撮影していたスチルで晴喜くんが笑顔で写っていて、本当によかったです。 立ち絵が基本的に眉が下がっている自信なさげな困っているような顔が多かったので、最後のスチルの笑顔にほっこりしました。 @ネタバレ終了 静寂の物語と銘打たれた通りとても静かな物語でしたが、その静けさの中だからこそ見えてくるものがある素敵な物語でした。 ありがとうございました!
-
ちがうひとどのルートもワクワクハッピーという感じではなく、どちらかと言うと重たいお話が続くものでしたが、全ルート楽しませていただきました。 亜人と人間ということなる種族が共存することで起きる諍いや偏見、言ってしまえばヘイトやヘイトクライムなど、現代の問題にも通じそうな題材が丁寧に描かれていて、自分の価値観などからも深く感じ入るものがありました。 @ネタバレ開始 モトさんルートから攻略したので、いきなりの壮絶展開に半ばポカーン……となりながら、とてもとても重たい話を見守っていました。一生続くと言われる心の傷を主人公が負ってしまったことに悲しい気持ちになりながら、モトさんと少しでも穏やかな毎日が送れるといいなと思いました。 モトさんルートからルーさんルートに入ったので、モトさんルートでの印象が先行して「ガルルル!!(最大限の警戒)」という気持ちでルートをプレイし始め……途中で「このツンデレマンめ~!」となっていました……なぜ……これがルーさんの魅力でしょうか。 ルーさんはぐちゃぐちゃな内面が事細かに書かれていたのもあり、幸せになってほしいと思うキャラでした。 何気になんだかんだ言ってルーさんには主人公がいないといけない感じで最後は締めくくられたのが、ほっこりしました。 テオンさんルートは、主人公の感情が一際強く出ていたような気がして、主人公の内面を深くまで知ることができました。 絶対に手に入らない実の家族との幸せな生活、実の母から注がれる愛情など……主人公が自分にも本来与えられるべきだったもの、本来あってほしかったものに対して心乱される様子が見ていて切なくなりました。 テオンさんの最後は本当に難しすぎる問題で、読んでいてちょっと頭と心がきちんと並走して追いついていかなかった部分でもありました。 人としての尊厳を保ったままで死ぬとは……ということを、考えました。 @ネタバレ終了 三者三様、ガラリと変わる物語でしたが、根っこにある自分とは違う人たちと生きるということがどういうことなのかをとても深く考えさせられる物語でした。 皆違って皆いいと誰もが認め合えればいいのですが、人間は二人いたら争い合う生き物などと言われる通り、多種多様な人がいればいがみ合い、罵り合い、憎み合う……そんな世の中で主人公にはどうか幸せになってほしいと願わずにはいられない物語です。 素敵な作品をありがとうございました!
-
空があるとは限らない目が覚めたら自分が何者なのかも分からないまま迷宮にいた。「あなたは誰?」を答えるために迷宮を進むことになるのですが……初回プレイ時には誰とも合わず「???」となったままでしたが、周回プレイで会えたことで突破口が見つかり、クリアできました。 クリアした後だと「ああ、なるほど!」と納得できて脳がスッキリしました。 素敵な作品をありがとうございました!
-
貴方が肺を満たす理由ある意味で自分がいかに鈍感……あるいは度を越えるにも程があるポジティブチキンであるか、まだここには至っていないということに気づけたゲームでした。 私は全編を通して自分のことではなく「なるほど、こう感じる方もいるのか」という視点で見ていたので、謎解き要素は面白く、また核となるストーリーは言ってしまえば「まだ他人事」状態で……色々と深く考えさせられる物語でした。 クリエイターなら誰もが通過するその心ヘシ折れるような葛藤や壁を、自分はまだ体験したことがない……という点で、自分はまだまだだなと思いました。 そういう意味では気づきとなり、また多くの方が悩んでおられるであろうものに気づいたり、考え思いを馳せることができて本当に良かったです。 キャラクターはもちろん、背景などに至るまですべてのグラフィックが細部までこだわり抜かれていて、作者様の絵を描くことに対する「好き」という気持ちを感じるとともに、ストーリーのとおり息ができないほどの葛藤や苦しみを作者様も感じてきたのだろう……と感慨深いものがありました。 絵に限らず、0から1を創るすべての人が、幸せになれるといいなと思いました。 本当に素敵な作品をありがとうございました!
-
【公開終了】ULTRA VIOLENCE -Anti:HAPPINESS.-全方向総ヴァイオレンス・まともな人ZEROな全方向狂総ハッピーエンドゲームでした。サイコヤンデレなど狂っている人が大好きな人にはドストライクな作品だと思います。 コッペリアさんのドクターラブに圧倒され、ドクターのアニータさんラブに圧倒され……と圧倒されまくりのどこを見渡しても360度ヴァイオレンスな物語でどのエンドも楽しく回収させていただきました。 エンドリストがあったので、いくつエンドがあるのか把握できるのが本当に嬉しかったです。 @ネタバレ開始 個人的に葬儀屋さんがストライクでした。 彼の照れている御顔がヒットしました。 一番お気に入りのスチルも葬儀屋さんの夜空を眺めるスチルです! それにしてもドクターのアニータさんラブっぷりが凄まじかったです。 確かに、人間の女よりドールの方がよいというのも頷けますが、エンドによってはコッペリアさんがアニータさんのポジションに収まりドクターから愛される場合もあったので、コッペリアさん的にはこれがトゥルーなハッピーエンドなのかな?と思いつつ……コッペリアさんが壊されたり廃棄されるエンドはちょっと悲しかったです。 コッペリアさん、一途でかわいいのに…! @ネタバレ終了 心臓に響くハイテンポな音楽とともに繰り広げられるウルトラヴァイオレンスな物語、堪能させていただきました! 素敵な作品をありがとうございました!
-
meidoどのメイドさんもとっってもカッコイイ&かわいくて、100年の疲労も一瞬で吹き飛んじゃいそう!と思いながらニコニコしつつプレイさせていただきました。 個人的にサービス精神旺盛なメイさんがドストライクでした。 @ネタバレ開始 イルクさんはちょっとビタースイートな感じで、ドールさんは不意打ちドキリでしたが、メイさんは本当にストレートでドキドキしました。 まさかあんな至近距離で2ndチェキしてくださるとは…!! 「近い近い近いです!」と画面前で近い近いコールする不審者になりました(通報) イルクさんとのうっかり間接キスもドールさんとの手にぎにぎもどちらもドキリとしました。 ドールさんは特に小悪魔なところがあって、主人公さんが「え?え?」とかなり振り回され気味だったのがツボでした。 実は一番したたかな気がするドールさんでした。 あんな素敵なメイドさんたちがお迎えしてくれるのなら毎日でも通ってしまいそうです! @ネタバレ終了 メイドさんたちとの触れ合いの一時に癒されました。 素敵な作品をありがとうございました!
-
Comme des Macarons色鉛筆で描かれたようなかわいいふんわりとした絵柄に「猟奇ホラーと書いてあるけれどきっとスイート・キュート・ファンシーな物語に違いない☆」と軽い気持ちでプレイし始めたところ……かわいいだけではない、ちょっぴり怖い要素もある物語でした。 マカロンちゃんが出会ったばかりの主人公のことを「何でも知ってる」と言う時点で「これは可愛いだけではない予感」と第六感が働きました。 マカロンちゃんがしきりに「私を食べて」と勧めてくれつつも、可愛いので食べられない…!とひたすら食べないを選んでいたのですが、それだとエンディングがコンプリートできないので食べることに……。 @ネタバレ開始 ああああああああ猟奇ホラーだあああああ!!!!!(気絶) なんですかこの日に日に体の一部がどんどんなくなっていくグロッシーな画面はっ…! 待って待って待って、血ではないと分かっていてもこれがこれから数日間も続くの? ああああああああ猟奇ホラーだあああああ!!!!!(気絶) 顔面ガブリってアン○ンマンじゃないんだからそれはどうなの主人公なんでそこを選んだの片目で大丈夫とか聞いてる場合じゃないよそれならまだ両脚とか両腕にしておこうよ顔面は駄目でしょ顔面は!!とノーブレスで叫ぶくらいの衝撃でした……。 それならまだ四肢と下半身とかにしておいたほうがよかったのでは(どっちもどっちだよ!) 5回話した状態でスキップする機能がとても親切でした。 そしてそんな親切機能を使っても自力でエンドコンプできなかったので、攻略記事があって助かりました。ありがとうございました。 エンド4があって本当に良かったです…! @ネタバレ終了 かわいい絵からは想像できない、確かに猟奇ホラーもある楽しい物語をありがとうございました!
-
パラダイム・シフト-雑踏-最後まで読了すると、人間の脳みそはどこまでいっても面白い・研究し甲斐があると思わずにはいられない仕掛けが施されていました。 ピクトさんかわいいねと眺めていましたが、ピクトさんであることもすべてが伏線という非常に面白い仕掛けでした。 ある種の防衛本能なのか、それとも脳の一部に生じた修復不能なバグのようなものなのか……仕掛けが個人的に本当にツボでしたので、もう少し彼の世界をこのまま見ていたいなぁと思いました。 @ネタバレ開始 2周+2周ですべての真相が繋がり、とても面白い体験でした。 ピクトさんになっていた友人や女性がまだピクトさんでなかった頃の真実の部分で主人公がどう行動したのか、そしてそれによる自己防衛がどう働いているのかが非常に面白かったです。 「俺は、悪くない。」と繰り返す主人公が、自分の放った言葉やあの時に取った態度を心のどこかでは「俺がもし、あの時ああ言わなければ、ああしていれば」と後悔する心があることも伝わってきました。 罪悪感の大きさに比例しての「俺は、悪くない」の繰り返しだったのかなと。 @ネタバレ終了 これからプレイされる方には、是非とも何周かしていただき、作品を骨の髄まで楽しんでいただきたい素敵な作品です。 ありがとうございました!
-
電波に乗せた不思議な出逢いつい~とアプリのとある男性フォロワーと仲が良かった主人公は、日に日にそのフォロワーさんのことが気になりついに生活にも影響が出るように……SNSにはまる主人公がどうなっていくのか、ちょっぴりハラハラしつつ見守りました。 読了後、リアルはもちろんSNSも人との出逢いは良くも悪くも偶然の賜物なので、良い出会いに関しては大切にしないとなと思いました。 ソウルメイトやエンジェルナンバーなど、自分の普段の生活では見ないものを見られて面白かったです。 シンプルながら味のあるイラストもすごくいいなと思いました。 素敵な作品をありがとうございました!
-
名探偵(じゃないから何の役にも)タタンどこかで見たことがある気がする……いやないけれど、うっ、頭が……!なビジュアルの人たちが出てくる、名探偵が殺人事件を解決するはずの物語―――いや、違う、これは何かが違う! @ネタバレ開始 まぐれ警部っ……あなたの仇は私がとる!と勢いづいて犯人探しをして、見事に犯人を当てましたが、最後の終わり方がっ…!! 確かに天下の毛井さんならブラック持っていそうですが、これからはそのカードを使って推し活をするのですね! 月に100万も推しへの愛を注ぐなら、確かに良いバイト先だと思いました。 最後のエンドロールで毛井さんの首が掴まれている図がシュールで面白かったです。 全体通して腹筋が持っていかれました(笑) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!