SHIAのレビューコレクション
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あなたを助けに未来から来ました!ゲームのタイトルの通り、助けてくれる女の子が未来からやって来て、主人公に次から次に降りかかる様々な不幸からガードしてくれるほっこりする物語です。 ふくよかな体型にばかり目が行きそうですが、主人公へのやさしさと思いが伝わってくるかわいい福世さんに、もっと一緒にいたいなーと思いました。 @ネタバレ開始 福世さんが何者なのか分からないまま終わってしまった…という主人公さんにも安心な、クリア後のオマケまで楽しませていただきました。 花丸くんが学年トップではなく2位というところに、「あ、いる…そういう子、いる…! なんかそういう星の下に生まれてきたっぽい子…!」と妙なリアリティを感じました(笑) @ネタバレ終了 ふくよかな女の子が魅力的な、面白くほっこりニコニコできるゲームをありがとうございました!
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非公開中追加シナリオ込みでプレイすると、非常にメッセージ性の強い力強いゲームでした。追加シナリオを抜きにすると余韻のある微ホラーになります。 カラーが変わって見えるこの物語、とても面白いです。 メニューの「景色を見つめる」などそれぞれこだわりのある表示が素敵です。 @ネタバレ開始 いきはよいよい帰りは怖い~♪の通り、本編(?)最後の余韻は得体の知れなさからくる怖い気持ちが尾を引く終わり方でしたが、追加シナリオのメッセージ性に胸打たれました。 「何はさておき、とりあえず変質殺人者は秒で土に還ってくれるか!!」という気持ちでハラハラしながら見ていました。 変質殺人者にももかさんがようやく積年の恨みを果たした……ではないですが、犯人の欲望を満たすために理不尽に踏み躙られたももかさんの大切な命に対して犯人が受けるべきものが少しでも返った気がして、白骨化した遺体のくだりは見ていて「いいぞもっと怖がらせちゃえ!!口から心臓が飛び出てくるくらいに!!」の気持ちになりました。 「キモ!無理!!キモイキモイ!!無理無理!!」とももかちゃんたちも言っていましたが、本当に無理!!な変質者でした……。 物語の終盤、ももかさんからある意味で「命のバトン」を受け取り人生を再び歩む決意をした彼が「世の中学校に行かなかったくらいで終わるわけではないし、手段は色々あるし……」と悟り、やがては命のバトンを託す側になるという、世界を繋げて広げていくような紐解き方がなされていたのが秀逸で、この追加シナリオの終盤には生きることそのものの大切さや命の尊さが込められていて、思わずうるっときました。 無様でも、泥臭くてもいいから、生きていくことはそれだけで素晴らしいことだと感じました。 追加シナリオが公開された後にダウンロードしたのですが、追加された後にこのゲームに出会えてよかったです。 @ネタバレ終了 終わってみると、濃厚なヒューマンドラマだったのかと思う、追加シナリオをプレイすることで作品へのイメージがガラリと変わるゲームでした。 素敵な作品をありがとうございました!
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夏、君ニ出逢えた奇跡夏の日差しが照りつくある日、主人公は血を流している裸の少女を発見する。手当をした後で一度は別れるものの、翌日また出会った少女の正体は実は―――と、主人公もプレイヤーも驚く正体でした。 @ネタバレ開始 アイスを流氷というヒカリさん、とてもかわいいです! 目をキラキラ輝かせているスチルがかわいくて、ほっこりしました。 物語が途中からシリアスになっていき、主人公に降りかかる呪いが刻一刻と主人公の命を削り続けて、いよいよ歩行さえもままならなくなった時は選択肢を間違えてバッドエンドかと思いましたが、そこからの大逆転に胸が熱くなりました。 人魚姫の(お姉さんたちの)末裔でもあるヒカリさんが海の泡となって消えてしまわないかハラハラ見守っていましたが、無事に主人公と一緒に明日を歩いていけるハッピーエンドを迎えられて思わず拍手したくなりました。 一番最後に出てきたブルードレスのヒカリさんが最高にキュートでした。 @ネタバレ終了 出会いは偶然、惹かれあったのは必然、最大の苦難を乗り越えて明日へ繋げた2人の絆がとても魅力的なボーイ・ミーツ・ガール物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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私の最期の言葉は私の知らないどこかの誰かのパソコンの電源を入れて中身を拝見させていただく、少しだけ謎解きがある悲しいゲームでした。謎を解いた過程で「あれ?これはひょっとして自分ではなくて、娘さんのほうの……」という見方もできることに気づきました。 @ネタバレ開始 検索の履歴を見ることで分かる「何が起こったか」もミスリードを誘うような内容で、色々と考察したり想像する余地があってとても面白いなと感じました。 @ネタバレ終了 テキストに残されていた文章がリアリティがあって、実際に誰かのパソコンを見ているような気持ちになりました。 素敵な作品をありがとうございました!
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故郷からの便り4通のお手紙を読んだ後にもう一度二度読みたくなる巧みな仕掛けがなされている、シンプルながら面白いゲームでした。 @ネタバレ開始 最初にお手紙に目を通した時は「???」となるところが多かったのですが、家系図を見た後だとすべてが繋がり、思わずもう一度皆さんからのお手紙をすべて読みました。 マキシくんは二つの世界を行き来する、とても稀有な方だったのですね。 七夕のくだりや異世界のお誕生日の予定など、一度目は頭に疑問符が浮かんで整理が利かなかったところも、2度目は何を綴っているのかが頭の中にスッと入ってきて手紙の文字に色や景色がついたようでした。 @ネタバレ終了 2度読むことでそれぞれの方がマキシさんにあてた手紙の意味がじっくりと味わえて、面白いゲームでした。 素敵な作品をありがとうございました!
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大人な僕の一週間学校帰りの繁華街で出会ったお姉さんにゲームのことでちょっとしたウソを使って見栄を張ってしまったことから始まる、一風変わったボーイ・ミーツ・ガールなお話でした。 まだまだ子どもである「僕」の視点であるがゆえに察することができないもどかしさと、その無垢な純粋さに心を動かされている「お姉さん」の気持ちに思いを馳せながら読了しました。 お姉さんのメイクが~のくだりで、立ち絵を見て一瞬でピーン!ときたので、物語がどうなるのかと急に緊迫感が出ましたが、最後はお姉さんがしっかりと決断して良かったです。 @ネタバレ開始 6日目で「でも悪いことはしない」を選ぶとお姉さんの立ち絵が二重に出現し5日目のシナリオに戻るバグがあるようです。 そのバグを通過すると、お姉さんの立ち絵がずっと表示されたまま&二重に表示された状態になることがありました。 一応ご報告させていただきます。老婆心をお許しください。 @ネタバレ終了 「僕」がもう少し大人になり、世の中にある様々な物事を良い意味でも悪い意味でも知ったとき、「お姉さん」のことも思い出して色々なことを考えるのかなと思いました。 素敵な作品をありがとうございました!
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愛おしい君とエスケープ捕まった仲間を助けるべく家の中をあちこち探し、宝石などアイテムや合言葉をゲットしながらネコちゃんたちの可愛らしい会話を堪能できるゲームでした。 38作品目…!! 思わず自分の目の認識が間違っているのかと二度見しました……すごすぎます…!! 色々なところをぽちぽち探し、合言葉を集めながら宝石も集め……と限られた行動回数をどう使うか、結構頭を使って何度もやり直して一つずつ確実に集めて回りました。 宝石を見つけられたときは特に嬉しかったです…! 謎解き要素もありましたがとても親切なヒントがあったので、無事に進めることができました。 かわいいネコさんたちの会話に癒されつつ、まだまだコンプリートには遠いので頑張りたいと思います。 素敵な作品をありがとうございました!
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ボクとセカイの二人きりハンマーを持つ者は、道具であるハンマーの力を自分の力だと思い込む……というどこかの本で読んだ言葉を思い出しました。 清々しいまでの全方向救いのない物語ですが、最も救いのない存在が最後にそれ相応の終わり方を迎えるので、個人的には後読感は悪くありませんでした。 @ネタバレ開始 主人公が天晴なほどの暴走ぶりで、肥大化したエゴを抱えてこの世の地獄を地で行く様までを描いた内心の鬱々とした描写がリアルでした。 よくぞここまで拗らせることができたなと感心してしまうほど、主人公の鬱屈した心情描写が巧みで、ブレーキの利かないその性格もある意味で超能力並みの奇跡ではないかと思いました。 逆に言えば、それだけ主人公の心が抱えた闇と言いますか、自己肯定感の低さが顕著であったということなのかもしれませんが……。 はたして奪った命に見合うだけの懺悔が果たされるのかは分かりませんが、主人公には是非懺悔を続けてほしいなと思いました。大丈夫、いつかは終わる。君の自我が終わるのが先か、懺悔が終わるのが先かは分からないが。 そうそう、地球の意志とも呼ぶべき方が懺悔に入る前に最後に暗闇の中で一瞬笑ったところが個人的にとても好きでした。 これは救う気がないのでは……と思ってしまいましたが、私の心が汚れすぎでしょうか(汗) @ネタバレ終了 終末世界へと至るまでを追体験する過程で、人間の持つある種の愚かさの極致と人間の持つ複雑な善性を味わうことができる面白い物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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桜の森の魔界の下 第壱集物語の第一話に当たる部分ということで、起承転結の「起」の部分で幕を閉じますが、公開中の部分だけでも十分に楽しませていただきました。 作画量が恐ろしいことになっていて、漫画+アニメを融合した作品を見ているのかなと錯覚するほどの画面構成でした。 クリックするごとに絵が変わると言っても過言でないほど場面描写としてコロコロと変わるので、とても驚きました。 どれだけの時間をかければここまでのものが作れるんだろうと、戦慄しました。 クライマックスで挿入されたアニメーション部分と、咲夜さんが刀を構えて睨みつける斜め上からの俯瞰したスチルがとても格好良かったです。 「え、終わった!? あ、そうだった!」と、これがまだ第壱集のみだったと終わった瞬間に気づくほど、終盤は物語に引き込まれていました。 物語はまだ始まったばかりなので、灯魔さんたちがこれからどうなっていくのかがとても気になります。 素敵な作品をありがとうございました!
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怪獣の人 ―かいじゅうのひと―怪獣になってしまった人がどう行動するかによって未来ががらりと変わる不思議なお話でした。怪獣視点というのが斬新でした。 タイトル画面のみで立ち絵や背景画像などは一切ありませんが、主人公が今いる場所などを想像力を駆使して読んでいくのが面白かったです。 怪獣映画は人生で2、3本見たか見なかったかなので上手に想像できているとは言い難いかもしれませんが、たぶんこんな感じかなと頑張って想像しました。 @ネタバレ開始 エンド2に至る家族のことを思い出して思い止まる姿が胸熱でした。 選択肢でメロディーを思い出すが出たときは、0.02秒で選ばせていただきました。 少しずつ自我が失われていくということで、主人公はいずれ完全に自我を失い完全な怪獣になることが予想されますが、消えていく自分の中から手繰り寄せた姿に人間が人間たる所以を見た気がします。 その他の森から出ないエンドなど、色々なエンドを見ましたが、個人的には希望はないにしてもエンド2がお気に入りでした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!