heart

search

SHIAのレビューコレクション

  • 隠花生物/顕花生物
    隠花生物/顕花生物
    人間の死亡率は100%であるということを思うと同時に、人間だけが地上の覇者のように振舞い続けられる日がこれまでもこれからも続くなどありえないと思わせてくれる物語でした。 きっかけは些細な言葉を発端としたかもしれない、けれどそれがやがて世界を呑み込んでいくことになるだなんて、誰が思ったでしょう。 まるでダイナマイトの発明の瞬間にも似たものを見ました。 「こんなことになるなんて思っていなかった」と誰もが思う事態になっていく様子、人類にとってはその迫りくるXデー感がよく出ていました。 最初から最後まで大きく分けて全3部の物語ですが、栄華を誇った人類が淘汰されていく様子がリアルでした。 特に胞子たちの活動の一部である「人を学習する」というのが怖気を誘います。 某新型ウイルスのように人間は目に見えないほどの微細な存在たち一つによって混乱に陥るように、人間もまた自然の生物として進化する浸蝕者には勝てないということを緻密に描いたシナリオ、世界観が秀逸でした。 いわゆる自然の弱肉強食、栄えるものあらば滅びるものありという自然の循環を強く感じた作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • ユーフォルビアの人間観察
    ユーフォルビアの人間観察
    カフェをまだカフェーと言っていた頃のあの独特の空気、レトロと一口に言っても舌触りがちょっと違うこのレトロの味、それらがぎゅぎゅっと詰まった大正浪漫なカフェーゲームでした。 カフェーに訪れる様々な人たちの様子を見る&軍人さんたちと恋に落ちるのが主軸で、カフェーの人たちとの話は思わずニヤリとすることが多かったです。 芥川さんとか遠野物語とか…知っていると、思わずその時代を生きていた人たちを見ているかのようなちょっと嬉しい気持ちになりました。 軍人さんたちとの恋はいずれも主人公としてはハッピーエンド、但しその終わり方は色々で、激動の時代に恋をして人を愛することの難しさや尊さを教えてくれるものでした。 背景で出てくるカフェーのデザートや飲み物などが時代を感じるとともにとても美味しそうで、見ているだけで楽しかったです。 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 【謎解きx脱出!】ありすえすけーぷ
    【謎解きx脱出!】ありすえすけーぷ
    ありすちゃんかわいい!!とコロコロ変わる立ち絵やありすちゃんのかわいい反応にまったりプレイしようと思っていたのですが、左上にありすちゃんの限界メーターとしか思えない経過時間が表示されているので、読む速度などもガチめに速読コースでいきました! 我らの救世主にして切望のトイレよ、君にお尻をつけるまでは……漏らせぬっ!! @ネタバレ開始 謎解きのバランスがちょうどよい感じでしたが、初回プレイはかなり焦りました…! どこまでもありすちゃんのお漏らshi…あられもない姿を見たい力が働いているのか、次から次に押し寄せる謎という謎に焦り「トイレが果てしなく遠いっ…! トイレの神よ、家に帰ったら曇り一つなく輝くまで便器を磨くので、とりあえず今すぐトイレくださいっ…!! かわいい女の子が乙女を喪失しちゃう!! トイレ!! ウォッシュレットイレー!!」と脳内トイレの神にトイレくれくれしたりしました(焦ってパニくる/無駄な祈り) アリスちゃん…迅速にトイレまで導いてあげられなくて、本当にごめんねっ!! ここ最近は制限時間がないタイプの脱出ゲームをプレイするのに慣れて、久々にリアル脱出ゲームの感覚であらゆる脳内物質がドバドバ出ていたと思います。 理科室の骸骨に押し倒されたりと「どうしてこうなった」と思う経験もしつつ、無事にクリアできました。 エンディングのために一度目より二度目、二度目より三度目とタイムを縮めていこうと思えるのも素敵な要素でした。 非常に楽しい経験でした。 すごいなと思ったのが、動作の軽さです。 動作がもったりしていたりすることが一切なく、これだけの仕組みをストレスフリーで遊べるのがすごいなと作者様の作り込みの丁寧さに感動しました。 自分も作品作りをする者の一人として、尊敬するとともにお手本にさせていただきたいと思います。 @ネタバレ終了 あえて間違えてありすちゃんのパンチラを見るのもあり、紳士は乙女のパンツ見ないと誓ってトイレ目指して最速プレイを目指すのもありと、色々な遊び方ができる面白い作品でした。 なにより、ありすちゃんがとてもかわいい!! 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • イロハニホヘト
    イロハニホヘト
    ちょっぴりビターから甘々なスイートまで様々な恋愛模様とイケメンが待っている、乙女ゲームが好きな方には是非にオススメしたいカフェー女給さんの恋模様物語です。 後日談は全体的に糖分高しなので、クリア後は忘れずにオマケから後日談を~とプッシュしておきます! @ネタバレ開始 芥川さんが一番の推しです。 西洋文化に惹かれながら華道家元の縛りがあってシャツ一枚腕を通せない…人が腕を通したら、カッコイイに決まっている…!!とスチルで完全にノックアウト。 お花を手にしているキリッとした芥川さんも洋装の芥川さんも、どんな芥川さんもカッコイイとなりました。 お家の格違いから結婚までのハードルは高そうですが、実は知っているお母様だけではなくお父様たちにも認められますように…! 中原さんとの始まらなかったけれど今から本当の恋が始まりそうなほんのりした恋、慕情を知らなかった尾崎さんが初めて自覚してから足並み揃えて始まる恋、森先生の結構したたかなところがある少し意地悪なけれども独占欲ありありの恋、平塚さんの下僕じゃないよ恋人だよな一途な恋、谷崎さんの自分に自信がなくても二人で一歩ずつ殻を破るように育んできた恋……いずれもオマケの後日談まで含めて素敵な恋でした。 本編では始まりそうで始まらない~!な地点で終わっていた恋も、後日談ではしっかりと恋が始まり一花さんにはたっぷり幸せになってもらいたいと思いました。 キャラクターによっては結婚(仮)までスパッといったので、そこから先も見たかった~!です。 末永くお幸せに! 尾崎さんの開眼、谷崎さんの男姿は破壊力抜群でした。 大切なことなので最後に言いました…! @ネタバレ終了 選択肢の「誰が気になる?」で気になるキャラを選ぶだけでその人のルートに入れますし、ルートに入った後も選択肢を間違えるとすぐにバッドエンド(何事もなくタイトルに戻る)に至るので、攻略難易度も低めです。 時間があまりない人も手軽に遊べるので、オススメです! ちょっとスリリングな恋からまったりした恋まで、色々な恋模様をたっぷり堪能できる素敵な作品です。 ありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 夢限のヤミ
    夢限のヤミ
    ヤミくんの目の色だけがとても色鮮やかで印象的な静かで暗い世界に惹かれてプレイしました。 周回前提の作品とのことで、この部屋はいったいなんなのか、ヤミくんとは何者なのかなどの謎が少しずつ開示されていくタイプかな?と、どっしりと腰を据えてプレイさせていただきましたところ、繰り返しヤミくんに話しかけるうちに辿り着ける真相に、とても切ない気持ちになりました。 @ネタバレ開始 今まで眸以外色のないヤミくんと話していたら、突如色がついている上に外見がどう考えても悪魔な方が現れたときは「カラフル!(意訳:色がついている!)」なんて思ってしまいました。太陽さん、ごめんなさい。 太陽さんが現れるまでに周回→既読スキップしていたら特定の箇所で完全停止してアプリを再度立ち上げてやり直し×3を挟んでいたので「す、進めたー!!」という気持ちもあって、ちょっぴり感動しました。 フォンセくんの本当の幸せを思えば、「一緒に行く」よりも「さようなら」でご両親が迎えに来てくださった時が彼が約束を守り続けた真意に直結するものでもあり、一番幸せな結末だったのでは…とも思うのですが、太陽さんの「人間はどれも髪の色が違うくらいだと思っていたのに、いつの間にか我が子のように愛しくなっていた。フォンセ(くん)を幸せにできたのか。」という感じのフォンセくんに対してとてもやさしい気持ちを抱いているのも見捨てがたく、全方向が幸せになれる形がほしかったと、ハピエン脳では歯ぎしりしたい気持ちに…! 物語の背景にある「魂を狙われていた、脅威が過ぎ去るまでは迎えに来られない」という部分が気になりすぎて、もっと知りたいと思いました。 @ネタバレ終了 周回前提でのお話ということもあって、色々と仕掛けが大変面白かったです。 記事で少し読みましたが、周回が前提だからこそ色々とご苦労もあって削られた機能などもあったとのこと、制作本当にお疲れ様でした。 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 迷惑ユーザー成敗
    迷惑ユーザー成敗
    迷惑なユーザーさんのイラッとするフルボイス(褒めています)が成敗待ったなしに拍車をかけてくれる、タイミングを合わせてボッコボコにするゲームでした。 成敗成功時になぜか画面に向かってぶつかってくるので「こっちに来るなー!!」という言葉が浮かんでしまいました。 タイミング合わせが成功し、梅干しを食べたときの口みたいに顔面にめり込んだ時は思わず笑いました……。 難易度がやさしく、タイミング合わせなどが苦手な人でも十分にクリアできて楽しめるスタイルになっていたのがよかったです。 @ネタバレ開始 エンドロールの無限百叩きを見るために成敗し続けたと言っても過言でないくらい、本当にコミュ障まみれでした……。 3人ともが3人とも相当こじらせていて「うわぁ…」となりました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 怪異幻妖見聞録 小噺 食べ物
    怪異幻妖見聞録 小噺 食べ物
    ウプヌシーさんが霊媒体質なのか、度々ノンフィクションで奇妙な体験をしておられることは存じ上げつつ、そろそろリアル世●も奇●な物語なのではないかと思い始めました。 ファミレスでもラーメン屋でも、どちらでも「なぜそんなことが」という感想しか出てこないようなとても奇妙なお話でした。 @ネタバレ開始 ファミレスで様子のおかしい友人じゃなかった人の首がしゅぽーんと飛んだ時は「いやいやいやいや、ウプヌシーさん見えないんですか? 小さいおじさんたちは見えたのにこっちは見えてないんですか? これ、結構衝撃的な絵面だと思うんですけれど! ウプヌシーさん、平然としすぎてて怖い!」とツッコミを入れました。 ラーメンの話でもどう考えてもよくない異界だ…と、街角のカフェならぬ街角の異界にスススス~とナチュラルに遭遇してしまうウプヌシーさんがやはりすごいなぁと思うのと当時に、よくぞそこで食べようと食欲が湧きますね…ともう感心なのかさえ分からない感情を抱きました(笑) @ネタバレ終了 タイトルからは「ホラーかな?」という雰囲気が出ていますが、ホラー要素はほぼない「不思議な話」なので、ホラーが苦手な人にもプレイしてほしい作品です。 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 神と似て非なる少女
    神と似て非なる少女
    一週間少女を預かってほしいと胡散臭い友人に言われ預かることにした主人公の前に現れたのは「ウロボロス」と呼ばれる少女。この少女にお注射する? それともしない?など、物語の先やエンドによる差異が気になって、複数のエンドを頑張って回収しようと奮戦させていただきました。 @ネタバレ開始 香苗さんは角だけ生えた段階が一番かわいかったです……打ちすぎると画面からかわいい女の子が消えて「なんだこのクリーチャーは」としか思えない香苗さんが映ってショックでした…くすん…。 初回は「何が何でも打たん!! 打たなくて悲惨な結末を迎えるにしても、とにかく打たんぞ!」と打たないまま進めて、変化を角だけで終えたので、周回で「腕が!! 今度は体から何か生えてきた!!」と注射打つごとに「香苗さんの原型が!!」と香苗さんの姿がどんどん大変なことになっていくので、先にこっちの全部打つほうを見ておけばよかったかもと思いました……。 5種類のエンドはどれも大団円ハッピーエンドとはなりませんが、個人的には主人公がウロボロス細胞を使用して半年間の猶予を得たエンドが、半年間の期限に間に合えばHappyに近いのかな…とも思いつつ 完全に神となり、すべてを滅ぼすエンドも、いつか目覚める日まで眠り続けるエンドも、ある意味ではハッピーなのかな?とも感じました。 @ネタバレ終了 ハッピーエンドのカタチは色々でOK、ヘビーなお話好き!!という方にオススメです。 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 夏が過ぎてもきみを…
    夏が過ぎてもきみを…
    かわいい女の子の世界で起きている石碑がもたらす厄災を解決するため、いざ主人公の謎解きが始まる! 出会いは突然、でも「私の世界を救ってほしい」と頼まれたら断れないやさしい主人公が辿り着くのは―――。 終盤で突如として起きる大逆転に衝撃を受ける物語でした。 謎解きもありますが、いずれも難易度がやさしく、謎解き初心者さんにもオススメです! ネタバレは絶対にNGとのことなので、多くは語れませんが、タイトル画面どちらの女の子もかわいい! これは間違いないです! 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示

  • 交響曲第十番「融合」
    交響曲第十番「融合」
    ダウンロードしたフォルダを解凍して中身を見て「Read Me Family 第七番「一族」かな?」と思うほどのリドミ家族の多さにビックリしました(笑) しっかり正解して読ませていただきましたので、プレイさせていただきます! 上質な小説を読んでいるような、それも文庫本などではなく、しっかり装丁された単行本の本に触れているような肌触りのする物語でした。 人類が歩んできた道はすべて次世代に命を繋ぐことで存在してきたものだと思うのですが、他者との交流と融合がなければ生まれてこなかった人類のすべての歴史を想起させる、まさに「人間讃歌」の物語でした。 思い起こせば、そもそも地球の位置が今の位置にあることそのものが奇跡であり、そこから生命が生まれたことも奇跡だったのよね…と思いました。 本作はただ自然のままに上から落ちて下へと流れる雨粒のように自分が感じた感覚をそのまま大切にして、あえて言語化させずに自分の中で昇華させるに留めて終わらせるのも一つの在り方だと思う壮大な作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!

    レビューページを表示