SHIAのレビューコレクション
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【フルボイス】明晰スリープラーニングフェスのゲームはたくさんプレイしてきましたが、タイピングゲームは初めてでした。 タイピングにはそこそこ自身があったのですが、ノーマルでも意外と難しく感じました。 基本的には日本語を見て下のローマ字は見ないで打ち込むということをしていたので、タイプミスによる自滅はあまりなかったのですが、それでもどこかでミスすると焦りますね! 細かいところですが n nn など、様々な入力がその方のタイピングに合わせて選べるのがすごく親切だと思いました。 そして、指定された文章をこんなに多くタイピングをしたのは、久しぶりでした。 普段、仕事で大量にタイプしているにもかかわらず、腕が相当なまっているなと感じました(笑) そういう意味でタイピングの錆落としにもなりました(笑) すごく丁寧に作られていると思ったのが、制服を選べる…のもそうですが! タイピングがまったくできない方にもお話を楽しむことができる、ノータイピングも選べることです! これからプレイされる方で「タイピングが勝てる気がしない…」という方も、タイピングのないモードで是非お話を楽しんでほしいなと思いました(私は初回で正史へ行けたので、選択肢も難しくはなかったかなと思います) 用語解説もついていて、そういった細かいところを見る楽しさも素敵でした。 『Kill Me If You Can』もなかなかの難易度でしたが、こちらはこちらで難易度が高めでした。 本作も大変歯ごたえのあるゲームでした。 素敵な作品をありがとうございました!
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密室から財布を取り出す方法教室に忘れてしまった財布がなくなっていた……目撃した人の証言や現場の状況から真実を探し出す、ゆるっと読める小話的な物語です。 選択肢はありますが基本的にはとても簡単なので、物語に集中できました。 推理好きな彼女のために、お話をミステリー風に話す主人公のやさしさが「いいね!」とニコニコするお話でした。 軽快な音楽とともに進む学校で起きたちょっとしたミステリー、最後まで楽しく読ませていただきました。 素敵な作品をありがとうございました!
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八月は星の調べの館から【Ver.2.0】シャーロック・ホームズがいたら、この館の事件は晩餐会の余興として美しい旋律のように鮮やかに解かれていたのかな?と思う人が死なない日常ミステリー、堪能させていただきました。 人が死なないので怖くないという安心感から、物語にしっかりと入って最後まで読み終えられました。 舞台となる別荘の持ち主である星条家の皆さんが音楽一家でもあることから、音楽に関わるミステリーに仕上げられていて新鮮でした。 犯人は確信はなかったのですが、たぶんこの人かなと違和感を感じた人がいたので「きっとあなただ!」と選択したら当たってビックリしました(ポンコツ探偵) が、私が感じた違和感とは違う真相が明かされたので、私の違和感はただのミス推理(笑) 音楽が軸の一つとなっているので、それぞれのシーンでの音楽もとても耳に残る心地良い選曲でした。 キャラクターも一人一人しっかりと作り込まれていて、本作だけで終わってしまうのはもったいないと感じる魅力がありました。 素敵な作品をありがとうございました!
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彼女のためにあいつを消したい偶然「誰かを消すことのできる銃」を手に入れた主人公が、いよいよそれを使いたいと思うことがあり……消す人によって「なぜこんな世界になったんだ」と思わず笑えてしまう展開あり、「まあこうなるだろうなー」と納得の展開あり、個人的に何度も色々な方を消して思ったのは……「力に頼ってはいけない」でした。 タイムリープにも近い感覚で、消せども消せどもやっぱり一筋縄では思い通りの展開にならないのが面白かったです。 一番初めに「自分」「俺」などで入れてみましたが、さすがに自分は消せませんでした(消すな) 個人的にはゾンビハザードになる展開が好きです。 「恋路の邪魔になる存在を消す銃を撃っただけなのに、気がついたらゾンビであふれかえっていたんです…!」という、どういうカオスなのそれは?と笑ってしまう展開がツボでした。 素敵な作品をありがとうございました!
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夢見た少女のニルヴァーナかわいい女の子に「起きて」と起こされる……これぞ王道の中の王道ギャルゲー!! ちなみに幼馴染か妹だとプレイヤーのチキンが個人的にマシマシで喜ぶところ、妹さんでした!ヤッタァ!!(冒頭からテンションがハイ上がる) @ネタバレ開始 ―――そう、春の陽気にあてられた私は、本気でそう思っていたのです。 かわいい妹さんに起こされてヤッタァ!!からの、思っていたのとまったく異なるストーリーにド肝を抜かれ、日を分けてプレイしましたが、毎日本作をプレイしている時間は本当にあっという間に時間がすぎました。 夕月さんが対峙してついに明かされる真実、『ニルヴァーナ』について…そして、そこに至るまでになぜそのようなことになったかという世界の真実が、本当に秀逸でした。 「本当に滑稽。ざまあみろ」の破壊力、そしてそれに抗う「私の理想の世界なら、ほんの数秒でいいから願いを叶えて」と大切な人へ繋ごうとする人としてのすべてを懸けた願い…拍手したくなりました! そこからまたジェットコースター式に物語は加速した状態で二転三転、時計の針は止まることなく進み、いよいよ在志くんにその時が来た時は、もうどうなることかと画面の暗さに同調して気分がどんどん盛り下がり…数日で復活してくれて、本当に良かったです。 そして訪れたその日に、あずきちゃんが現れて名前を呼んだ瞬間、もう涙が出ました(涙腺弱すぎ) その後の夢見さんでも泣いて…心のダムが決壊した状態でエンドクレジット、あのタイトルにもつながる少女の夢と再会を迎えました。 タイトルが変わったのを見てまた涙…と、最後の一日からは涙が零れっぱなしでした。 人は、すべての人から忘れられたときに本当の死を迎える―――という言葉を、本当にありありと感じさせてくれる作品でした。 @ネタバレ終了 これは本当にフリゲのクオリティ?と思う立ち絵・スチルの美しさにはじまり、個々のキャラクターのボイスもそれぞれのキャラにマッチしていて、ムービーや音楽、UI周りも含めて、この作品は全体を見たときに商業クオリティと遜色ない作品だと感じました。 素敵な作品をありがとうございました!
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白稲村日誌に「血まみれ臓物モツモツ生存者ゼロ白稲村が最近の話題です」なんて書けるくわぁああ!!と思っていたら「行ってみましょうよ」とか「死亡フラグ立てましょうよ」としか翻訳できない誘いをされました…いや、もちろん「行かない!!!」を全力で選んだんですけれど!! ホラーゲームと言えば定番の夜時間ですが、なぜ!!夜に!!行くの!!学校を!!さぼってでも!!朝に!!昼に!!行きなよ!!と、ホラーゲームが苦手の大のビビリチキンは声を大にして叫ぶのでした。 ホラーゲームは夜というだけで怖いですよね、もう絶対に何かあると身構えますね! @ネタバレ開始 ……はい、瞬く間に2周目と相成りました。 「行かない」を選ぶとサクッと終わるので、意を決して「行く」しかないですね…! 村付近に辿り着いて暫く、なんだかヌメヌメした音とともに手がわっさわっさあるらしいこの世のものではない生き物が出現して、これ画像があったらPCの前で気絶してしまうと思いました(笑) 村の真実、生贄などの因習を経て辿り着いたエンディングはハッピーエンドではありませんでしたが、ホラーに相応しい終わり方でもあったので納得でした。 姉弟諸共エンドが個人的に好みでした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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夕暮れ推理倶楽部2前回は直接的な本編という意味では出てこなかった流石さんと新藤さんが今回はいよいよメインになって物語が進むということで、楽しくプレイさせていただきました! どちらにも雨と傘がテーマになっていますが、人がいれば人の数だけエピソードがあるように、大きく分けて二つの話は、どちらもカラーの違う話でした。 個人的には最初の話のほうが最初から最後まで穏やかで好みでした。 @ネタバレ開始 後者の間違った承認欲求に関しては「承認欲求云々の前に、なんでそうなるの……」という行動を愛花さんがとっていて、うーん…サイコパス?となりました。 自分が承認欲求がどうの~と自己肯定感的なことで悩んだことがなく、彼女の気持ちは想像できても正確な意味では全く理解できていないと思うので安易なことは書けないのですが……褒めてもらいたいとか、認めてもらいたいとか自分以外の誰かに「もっともっと」と縋る人生は息苦しいし生きづらそうだなと感じました。 推理作品に多く触れていると、なかなかに際立った個性のキャラが多いと感じますが、本作も個性的なキャラばかりでした。 シャーロック・ホームズ、いいですよね。 新藤さんは大学生くらいになったらベーカー街を訪れるためロンドンへ飛んでいそうだなと思いました。 @ネタバレ終了 前作では新藤さんが語るお話から推理する形でしたが、今回は二人が起点となって話が進むので前作よりも二人が掘り下げられていて面白かったです。 素敵な作品をありがとうございました!
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夕暮れ推理俱楽部推理があまり得意でないよ・推理は苦手という人でも読みやすい、推理もの短編が2本入っているサクッと手軽遊べるゲームでした。 物語の推理部分の二本立てのキャラクターたちも個性的ですが、中心となる新藤さんと流石さんも一癖も二癖もあるキャラクターでした。 @ネタバレ開始 三人組もストーカーも楽しく推理させていただきました。 推理は得意ではありませんが、どちらも一発で犯人を当てることができてよかったです。 物語を読んでいれば犯人は誰なのかおのずと分かりますし、選択肢前に状況整理や振り返りにあたる部分があって、推理が苦手な方でも分かりやすくて親切だと思いました。 二本ともきちんと正解してトゥルーエンドに辿り着けましたが、新藤さんの独り言が…! やはり人間誰しも一筋縄ではいきませんね…自分が今得ている情報がその人のすべてとは限らない…当然ですが奥深いです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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放課後闇倶楽部「部活動、なに入る?」入学当初に友人からこう聞かれた方も多いのではないでしょうか。 本作では主人公がいずれかの部活に入り、活動を通じてキャラクターたちと交流していく物語……なのですが、選択肢を間違えると大変なことになってしまいました。 天文部以外は初回ですべてバッドエンドに辿り着いてしまった、バッドエンド体質…!! 自分では「こっちがベストエンドへの道!」と思って選んでいたのに、なぜか悉く大変なことになってしまうエンドへ辿り着いてしまいました…。 バッドエンドの中では美術部の絵理さんが一番怖かったです。 @ネタバレ開始 うららさんのルートが一番好きになりました。 うららさんのデザインがストラスクしたのもありますが、境遇などを考えると主人公が描いたドレスの意味、そのドレス採用されて笑顔になったうららさんがとても素敵で印象的でした。 物語の結末的にも、うららさんが現在の状態から救われる結びで本当に良かったです。 うららさんのバッドエンドは「あー!!」という感じでした。 怖いではなく、悲しいでした…選択を絶対に間違えてはいけなかった…!(涙) おまけまですべて楽しませていただきました。 一番最後に動いていたカエルさんの顔が大変可愛らしかったです。 @ネタバレ終了 どの部活もハッピーエンドは心があたたかくなり、バッドエンドはゾッとする、できることならみんなハッピーにしたいけれどバッドエンドもスチルあるから回収するしか~!と悩ましい作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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恋と嘔吐作者様のゲームは独自のカラーがあるなといつも思いながらプレイしているのですが、今回は狂気性よりも社会性が表に出ている重厚なストーリーでした。 主人公の航平くん視点が終わった後からが本番と言っても過言でないくらい、視点が切り替わってからがとにかく濃厚で、色々と考えさせられました。 @ネタバレ開始 彩華さんがコミュニケーション能力に難があるのは航平さんの部分でも明らかだったのですが、彩華さんの視点に切り替わった後でその半生を追うことで「なぜ、このような人間になったか」が明かされて物語に一気に厚みが出て、彩華さんがある種のリアリティあるキャラとして輪郭がくっきりしました。 虐待された子どもは後遺症とも言うべき様々な障害を負うことになる子が多いですが、彩華さんも嘔吐症や自分の体に対する嫌悪など複雑なPTSDを抱えていて、最後に恋子さんにあんなことをしてしまったのも彩華さんからすれば自分の世界を守るためだと思うので、ある意味で理解はできつつ……子どもである航平さん以外、誰も彩華さんの手を取って引きあげてこられなかったところに、日本の現状を見た思いでした。 彩華さんのように、虐待を受けながらもその地獄から抜け出せない・助けてもらえない子どもがこうして感想をタイプしている今この瞬間もいると思うと、とても嫌な気持ちになると同時に虐待の連鎖と悲しみを断つ方法を模索していくのが先を生きる者たちの義務だとも感じました。 いつもならキャラクターの狂気性に惹かれるのですが、本作はその社会性に目が引かれました。 @ネタバレ終了 今までプレイさせていただいた作品とは少し違うタイプの物語、色々なことを考えながら終えました。 素敵な作品をありがとうございました!