SHIAのレビューコレクション
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私のこと全然見てなくない!?開始1分でイケメン二人からのプロポーズ…どちらを受けるか迷ってしまu…いや、本当にヒロインのことを見ているようで全然見てなくない!?な二人+ヒロインによるドタバタコメディラブ、最初から最後まで楽しく読ませていただきました。 @ネタバレ開始 セレス様もヴォルフさんもコーラルさんのことが大好きなのに、本当に万事が万事、相手とバチバチと火花を散らしていつの間にかコーラルさんが置いてけぼりになっていたのには笑ってしまいました。 「待って待って二人とも~コーラルさんがまた置いていかれてる~」と微笑ましく思いながら選択肢までいき、いざどちらを選ぼうとなったときには「全然選べなくない!?」の心持ちでした。 なんだかんだ仲良しさんな二人のどちらかを選ぶなんて…と。 そう思っていたらうれしい結末に最後はプレイヤーの私もニコニコでした。 三人で末永くお幸せに♡です! 最初から最後までとてもテンポが良く、わちゃわちゃした感じも楽しくて、あっという間の素敵な時間でした。 三人のこれからの日々がもう少し見ていたくなる…そんな楽しい気持ちでプレイを終えられました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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恋々跋狐にご注意を恋に恋するお年頃なさくらさんの恋人祈願、ちょっと不穏な気配も感じつつ…イケメンすぎる凛斗さんやかわいすぎる凛咲との交流を楽しみながら、最後まで見守らせていただきました。 @ネタバレ開始 民俗学に少しだけ触れたことがあるので、狐の神なる者が現れた瞬間に「神じゃないはず!誰だー!」となりまして、「さくらさん、それは稲荷の神じゃないから近寄ってはいけない…!」と思っていたところ、さくらさんが毎日足しげく通われるのでハラハラしていました。 間違い探し(ぺろさか出版の間違い探し…気になります!)をした後で、さくらさんが「頭痛が~」と言い出したときには「あわわわ…」と画面の前でこのまま自称・稲荷の神に拐わかされて神隠し的なものになってしまわないかと心配でした。 初回プレイでは、結果的に祓われて無事に凛斗くんと結ばれてよかったです。 みんなの前で愛の歌で気持ちを伝える凛斗くん、大変素敵でした! 御二人とも、末永くお幸せに♡ そして、行方不明エンドはまさに神隠し…日本で年間8万人いる行方不明者のうち少なくない数の方がもしかしたら、このエンドのさくらさんのように消えているのかも…なんて思ってしまいました。 ハッピーエンド好きとしては、さくらさんの赤い糸は凛斗くんに繋がっているエンドを推したいです…! 豪華なカットインもうれしいかわいいイラスト、大変眼福でした。 @ネタバレ終了 素敵な時間をありがとうございました!
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悪役令嬢はワンマップで婚約破棄を回避したい脅威の技術で作られたワンマップ型の物語、堪能させていただきました。 ちょこちょこ動くキャラクターたちが可愛く、バリエーション豊富なエンドもとても楽しかったです! @ネタバレ開始 初回プレイの「探索するぞー!(赤絨毯をいきなり駆け上がろうとするお嬢様)」からの聖女様によるゲームオーバーの華麗なる滑り出し、ゲームオーバーなら任せてのプレイヤーっぷりを遺憾なく発揮し、鍵を一つも手に入れていないのに聖女様とのゲームオーバーだけは埋まっていくお嬢様でした。 ど真ん中の鍵さえもなぜか回避し続けており、5周回目くらいでようやく気付くという有様でした(合掌) 王子様に話しかけるとヒントをいただけるので話しかけ続けていたら「回数オーバーだ!(違う)」とあしらわれたのも、良い思い出です。 執事さんたちにまでエンドがあるまさかの素敵仕様、次は誰とのエンドだろうと終始ワクワクしながら進めさせていただきました。ワンマップから始まる様々な結末、様々な人生、とても面白かったです。 ベストエンドのキスシーンは、既にループ何回目状態でしたので「二人とも末永くお幸せにね!」と思いました。 おまけコンテンツも充実していて、細かな設定が面白かったです。 聖女様の名前がタマノで、なぜそのような名前に…と思っていたら、その顛末に笑いました。狙いますがついてしまい、グレードアップしてしまった玉の輿とは。 どのキャラもひねりがきいていて、とても読みごたえがあり、クスッと笑わせていただきました。 また、本編ではさわり程度だったこの世界の事情なども堪能できて、この世界がまた一段と楽しいものになりました。 @ネタバレ終了 最初の2、3周くらいは(私がそうだった)即ゲームオーバーもありうるので慣れるまでの慣らしだと思って、5周目くらいからちょっとずつ回避するべきものや集めるべきものなどが明確に分かってどんどん楽しくなります。 これからプレイされる方も、是非ワンマップで様々な結末を見せる素敵な物語を堪能してほしいです。 (他の方も書かれていますが、無理な連打は非推奨です。貴族たるもの、優雅にゆったりと行動を(*´ω`*)) とても素敵な作品をありがとうございました!
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savon湿度高めなしっとりとした物語、楽しませていただきました。 柘榴雨様の作品たちの中でも、しっとりしていて時間の流れがゆったりしたタイプの作品は世界観のまとまりが秀逸だなーといつも感嘆するのですが、今作の様々なグラデーションに彩られた沁みるブルーの世界は、過去最高にまとまっていた気がします。 @ネタバレ開始 起動当初のパスワードや右下のアイコン画面から、この時点で「これは青年が登場するゲームをプレイするお話なのかな」と思い、すべての時間で「なるほど、癒しゲーム! 彼を攻略していて見事にルートに入った的な展開!」というような、ゲームの中でゲームをプレイしている感覚がずっとしていました(チュートリアルなどの表示がまさにそうかなという…)。 現実で彼と過ごしているというよりは、ゲームのキャラを眺めている…という感覚でしょうか。 なかなかに面白い体験でした。 そして、まさかの彼が本当にゲームのキャラクターとして「そうあれかし」とされていたものだったとは…! 彼の存在は「ここ」にしかないのだということ、そして彼は「彼が持ちうる彼の設定」以外の「彼」にはなれないという絶対的な世界からの縛りがあること…そういったものに対する悲しみや辛さがひしひしと伝わってきました。 エンディングとしては、ずっと君を―――という爽やかなエンドがありましたし、枠組みから外れた淡い光のようなものを感じるエンドもありました…が、やはり根底にある絶対的な隔たりが無視できないポンコツプレイヤーなので、しっくり来たエンドは「忘れない」でした。 泡(やシャボン玉)は美しいけれど、光に七色に煌めくけれど、最後は絶対に消える。 本作における彼は、まさに泡のよう。泡沫の夢のような存在。 でも、人間って泡みたいにきれいなものじゃなくて、泡を汚してでも泥臭く這って生きる汚い生き物だから、呼吸しているかぎり毎秒ごとに汚れる生き物だから…頭の中に刻んだまま忘れないでいて、虹や雫、どこかの子どもが吹いてできたシャボン玉を見たときにふといつかの泡の美しさや心地良さを思い出してまた汚れながら生きていく、そんな終わり方が見えるエンドが一番しっくりきました。 彼のプレイヤーへの気持ちがどこまでが彼のもので、どこまでが作られたものなのか…その境界すらも泡となって消えていくような不思議な魅力に溢れた切ない物語でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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白と黒と、あの彼女は -The Colour Out of Space-クトゥルフ神話はちょこちょこ知っている断片程度ではありますが、本作はかなり楽しめました。 もちろん知らない方も楽しめる物語に仕上がっていて、狂気の欠片がみぢみぢと入り込み、そこから狂気大ブレイクな世界まで見たい人にもオススメです! @ネタバレ開始 白と黒の世界にあまりにも鮮やかすぎる彼女…なんて美しい人だ!と主人公とともに白と黒の世界にいた私もまた、彼女の美しさに魅入られ…最後のあの来るべくして来た展開に「主人公ぉおおーーー!!」と叫んだ時には、主人公はもういませんでした…これぞクトゥルフの恐ろしさ! じりじりちりちりと肌を這うような恐怖、すごく良かったです! (キャッキャッしておりますが、あの瞬間の画面には随分と驚いてビビりました…) 「宇宙からの色」、抗えませんね…! @ネタバレ終了 とても独特なカラーを持つ作品ながら短編なので15分程度で読める手軽さが魅力的、かつ表現の仕方がとても素晴らしい素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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銀雪の呪福タイトル画面からして美しい女性が気になる本作、以前にホラー連作を作成しておられた作者様のホラーではない作品ということで、また別の魅力が溢れていて素敵な作品でした。 日本の古い村独特の空気や民俗学などが好きな方は、出だしの部分からワクワクすること間違いなしだと思います。 @ネタバレ開始 おとね様が大変美しく、そして切ない物語でした。 物語序盤から中盤のおとね様のフレンドリーさが親しみを抱かせてくれていたので、後半の展開はグサッと刺さりました。 「できない…上の選択肢は選べないよー! しかもマウスオンで血が乗るんですけれど!?」と、悶絶していました。 あの選択肢は、初回はもちろん下を選びました…後に上も見ましたが、断然ここは下を推したいです。 最後の正一くんへのお手紙を読んだときに「待て待て待て、この話、見たことあるぞ!」と前作をプレイ済みの身としては驚かざるをえない部分がありました。 そこから繋がっていくのですか…! あとがきにも描かれていましたが、正一くん以外は立ち絵をなくしておとね様にのみ絞られたのはとてもお上手な工夫だと思いました。おとね様の立ち絵の美しさが際立っていました。読了後の全身立ち絵と表情が見られるギャラリーも大変嬉しかったです。全身の御姿も美しい…! 背景も今回は手描きされたとのことですが、むしろそれが作品の雰囲気づくりに一役買っていたと思います。人々が電気機器がなく何もかも手で行っていた時代独特のあたたかみみたいなものが画面から出ていて、背景込みで作品の空気が好きになりました。 おとね様の魅力をたくさん感じつつ、最後のあのまとめ方は前作履修済みのプレイヤーには衝撃の結末で大変楽しく遊ばせていただきました。 お忙しいとは思いますが、次回作も楽しみにしております! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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放課後、図書室で君を見る図書室から始まるほんわかした恋の物語、堪能させていただきました。 ミズアキくんの行動力が素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 気になる人と静かな図書室で二人きりだと、どうしても意識してしまいますね…! ユキノさん同様に私もミズアキくんの積極性ややさしさには終始キュンしていました。 教室で音楽CDを「要らない」と素っ気なく断ってしまった後はどうなるかハラハラしましたが、無事にハッピーエンドでほっこりしました。 紙に印刷された本好きとしては、こんな青春時代を送ってみたかったです。来世に期待します。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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花雨 落花空に帰らざることサクッとお手軽に濃度の高いヤンデレを摂取できる和の風情を感じる作品、全方向ヤンデレエンドでこれでもかーとヤンデレを浴びられました。ヤンデレ好きさんはこの指とまれ(≒マストプレイ)です。 @ネタバレ開始 個人的に一番好きなのは山茶花さんでした。 以前からかわいがってくれた相手を好きが高じて病むほど好きになる展開、大好きです。しかも里でも指折りの美少年とくれば、頭の中で小さなガッツポーズを取らざるをえません(孤立する原因を流布していたという事実にはとりあえず目を逸らしつつ…)。 好き好き超好き!を全身全霊で元気に伝えてくれる山茶花さんは、とてもかわいいなぁと思いました。 上から順番にプレイしていきましたが、初っ端から桜様の監禁型ヤンデレ…しかもちょっと前までとてもやさしくなかった?と思う変わりっぷりがビリビリ痺れました。執着する主人公さんをマイホームに招き入れた喜びゆえか急に愛情溢れて支配欲全開になってしまわれた…しかもちょっと怖いぞ…愚かな小娘と言われてしまった…と、初見はビビりが入りましたが、睡蓮さんルートに至る頃には「ははは、また出てこられましたよ桜様。他の方のルートにまで食い込む存在感マジ桜様」くらいに桜様の溢れてやまない愛と支配欲に慣れました。手元に置いてとにかく(自分流に)愛でまくりたいのですね…! まさにヤンデレの鏡…! 大変重くてカルピスも真っ青の超高濃度なヤンデレ素敵お兄様、愛をひしひしと感じました。 睡蓮さんのちょっと屈折した愛は基本的につかず離れずな距離感を保ちつつ、主人公さんのことはまばたきの数までカウントしていそうな執着っぷりが大変良かったです。この世に存在するすべての存在の中で俺だけが彼女のことをなんでも知っていると言わんばかりの自負に裏付けられた絶対的な重々愛、大変美味しゅうございました。 人物説明でストーカーと公式明言されていましたが、お話的にはまさにストーカーさんでした。ですが、ストーカーにしか至れぬ狂気マシマシの愛の境地があるヤンデレさんですね…! 紫苑さんはだるまさん~エンドが本作屈指にして最強の激ヤンデレぶりを見せておられ戦慄いたしました…軽くなったってそういうことですよね? あら随分コンパクトになられて…って、そのコンパクトさ、それそういう意味ですよね? と文章を三度見くらいしました。 紫苑さんの積年の想い大爆発ぶりには「ああああ…」なんて悲嘆の声が漏れずにはいられませんでした。紫苑さんのこれを見た後だと、どの方のどのエンドもハッピーエンドにすら見えてくるレベルでインパクトがありました。 すべてが終わった後の…あのエンドは「いと美しき希望(≒画面)を絞殺するめためた超絶に怖い闇(≒結末)」という言葉の乱れ具合が大変なことになっている感想を抱くしかない衝撃的な終わりでした。 「その男誰!?」となってしまいましたが、解説を読んでなるほど…となりました。 (最濃厚人物として)ここで桜様…おぬし…最後までヤンデレ的な意味でデキる男…!などと無礼なことを思いつつ、他の方の可能性も十分にあるとのこと、誰だったのだろうと考えられる余地があって面白かったです。 最初から最後まで文章が美しく、文章の感じと背景音楽がとても合っていて、サクサクと全エンドフルコンプできました。 ヤンデレ好きさんが「ヤンデレ成分が足りない~これじゃ明日のプレゼンで全力を発揮できない~!」などヤンデレからしか摂取できない成分に枯渇しておられるときに是非にサクッと摂取してほしい、素敵なヤンデレさん勢揃いの作品でした! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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テオデ・サーガ~流浪のヴォータン~魔法使いにはあまりにも厳しい世界が舞台のシリアスなお話、最後まで大変楽しく読ませていただきました。手に汗握るバトルが特に素晴らしかったです。挿入されるカットインや一枚絵の差分が豊富で、画面がとても華やかかつ見応えがありました。 また、背景などもすべて手描きという素晴らしさ、お部屋の細やかな装飾などを見るのも楽しかったです(主人公のお部屋の酒瓶を数えました…すごい並んでいる…!) @ネタバレ開始 初めての登場からずっっっと気になっていた彼女のお名前が、あの緊迫のシーンで出てきたときは今作最高に心躍りました。ここでこの演出!! 血が滾るーー!!という感じでした。アドレナリンがドバドバと出ました。個人的にドストライクな超好みな演出でした。 また、このときのBGMがとても神秘的でシーンに合っていて、大好きです。 テオデさんの過去が夢の形で出てきて、その後に内面を告白するシーンは、見ていて切なかったです…本当は怖いんだ、寂しいんだと思うと、望月さんのような人に支えられてほしいと思いました。自分らしく生きられるところへ、テオデさんの心から行きたい場所に行ってほしいと強く思いました。 そんなことを思っていたら、望月さんが網膜の認証システムをなんとかしないと~と言って、本当に色々な意味でなんとかしてしまったときは「ああああ…痛そう! でも行くんだね! 応援する! 頑張れ!」と画面の前で盛大なエールを送りました。 博士との戦いでテオデさんが大ピンチなときに博士が色々と科学万歳・科学万能な感じで魔法使いをすり潰して使うことに何も疑問を抱いていないのは純粋に恐ろしかったです…ああこうして人間はいずれその傲慢さゆえに滅びるんだなというところまでセットで見えました。生物であり、感情もあり、人生もあり、家族や仲間がいた魔法使いをそんなふうに扱えるなんて…と。軍人さんも大概だなぁと思いましたが、博士は輪をかけて酷い人だという思いを抱きました(博士に関しては、クリア後のオマケでKUDANのブレインが予言の魔法使いの脳を使っているというところで「この人、本当にどこまで…!」と絶句しました…) ラストの終わり方は多少「あ、れ…?」となりつつ、テオデさんは行きたいところに行けたようで良かったです。 北欧神話が色濃く出ていたので、この世ではない世界…ヴァルハラ的な場所に至れたのだろうと推測しました。 この後、彼女は安住の地を手に入れたのか…仲間たちと会えたのか…。もう誰かに追われたり、命の危機に怯えたりしなくていい、心安らげるところへ辿り着けたのだろうとプレイヤーとしてはハッピーエンドの想像をして読了とさせていただきました。 本作は素晴らしい物語に加えてグラフィックが本当に秀逸で、素晴らしい物語の魅力をさらに盛り立てていました。大技を出すときにしか使われない一瞬のカットインなどまで豊富で、作者様の愛をたくさん感じました。軍人さんとのラストバトルと博士とのバトルでは「おおー!」とか「すごい!」とか、演出に驚嘆の声がたくさん出ました。 気が早いですが、作者様の描かれる次なる作品が今から楽しみです。 末筆となりしたが、テオデ・サーガというタイトル…プレイ後に見ると、沁みますね…! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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人生はつづくよ、どこまでも心春さんと綾斗くんの心揺さぶる物語、そして続く梓さんと綾斗君の物語、終わった後も心に余韻が残るとても深いお話でした。 みゃあすけ隊長さんの華やかでやさしい、そしてとてもあたたかい雰囲気を持つ美麗なイラストが、この重たい物語の中でなお「ぬくもり」というかけがえのない大切な温度を失わせない素晴らしい魅力となっていました。 @ネタバレ開始 死を隣人とする心春さんとそんな心春さんの心を支える綾斗くんのよちよち歩きな恋の物語、見ていて微笑ましくなりました。 たまに綾斗くんに「そこは! かわいいだよ! とてもかわいいだよ! Fantastic Cuteだよ! 初めての私服で〃思いつかない〃とか! もぉぉぉーー!!」ともどかしさに叫んだりしましたが、二人で紡いだ時間は綾斗くんの人生で一生彼の中にあり続けるのだろうなと思いました。これからもっともっと時が流れて細部は忘れても、心春さんと過ごした時間が彼の未来にいずれ根を下ろすことが予感されました。 途中の回想で伯父が色々と心春さんにあまりにも酷いことを口にするシーンは、純粋に怒りが湧きました。 御年何歳か存じ上げませんが、10歳の子どもに「君は自分のことばかり。君のせいで家族が疲弊して壊れてしまう」と言うなんて信じられませんでした。一番大変で辛くて苦しくてどうにかなりそうなのは心春さん本人で、家族が疲弊しているのなら、それを支えたりするのは周囲の大人たちのサポートや行政などの問題。絶対に心春さんのせいだなどと口が裂けても言っていいわけがない。伯父に対して画面の前で「ガルルルル!」と唸りました。 そこから聞きわけのよい子であろうと明るく振る舞い続けた心春さん…綾斗くんが「弱くていい。~」と言葉をかけたときはジーンときました。弱くていいよ、とても困難な人生を歯を食いしばって生きているだけですごくすごく頑張っているんだもの。 心春さんが亡くなった後の喪失感に自死さえ考える綾斗くんと姉を自死で亡くして自責の念に苛まれる梓さんがメインとなった後半は、内にある苦しみや悲しみを互いに外に出し、自分の中で大切な人の「死」を少しずつ受け止め、互いを癒していく会話が心に深く残りました。 亡くなった人の何もかもがなくなったわけではないよ、受け継がれていくものもあるよ、ということを栞のエピソードでひしひしと感じました。 そして、綾斗くんの存在そのものが亡くなったお母様にとって「自分が生きた証」そのものでもあることにも深く思いを馳せました。 タイトルの通り「人生はつづくよ、どこまでも」である綾斗くんたちの明日が、希望に満ちたものであることを願います。 冒頭でも記しましたが、本作はみゃあすけ隊長さんのグラフィックのあたたかみによって、物語の重さ、特にすべての人間が通る「死」という知ることのできないものの中においても、ぬくもりを感じられました。絵柄の持つかわいさはもちろん、みゃあすけ隊長さんが持つ人としてのあたたかさが存分に出ているからこそのものだったのではないかと思われました。 そのおかげで、とても悲しい物語でありながら最初から最後まで誰かが手を取っていてくれるような、背中に手を添えていてくれるような、そんなやさしいあたたかさを常に持っていました。 @ネタバレ終了 人生とは、死とは、生きるとは…を改めて考え、大切な人と一緒にいるかけがえのない時間を想った物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!