SHIAのレビューコレクション
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異世界の助っ人!!ー異世界の旅路外伝ー【おまけエピソード追加!】姿の見えない友人を探していたら迷ってしまった、そんな主人公の前に異世界から「時渡り」と名乗る助っ人が現れて……設定がとても細かいところまでしっかりとしているので、読んでいて胸躍る楽しいファンタジーでした。 世界観を説明する・世界観に関わってくる単語には色がついていて、解説などがスッと頭に入ってきやすかったです。 素晴らしい工夫だと思いました。 「喚ぶ」人物に関しても男女があり、どちらのストーリーも楽しませていただきました。 主人公も友人も助っ人も性別が選べるので、もうそれだけでもいったいどれほどの分岐や細かな管理が……と思うと、この仕様には舌を巻きます。 @ネタバレ開始 エンディングで用意されているスチルがとても美しく、特にエンド4,5のスチルがお気に入りです。 EDコンプは少し頑張る必要がありましたが、コツコツとエンドを回収してタイトル画面の一枚が見られたときには達成感がありました! 攻略のヒントの「誰を信じるかの選択肢でセーブしておく」をしっかり守っていたので、ここから分岐するエンドに関しては楽に回収できました。ありがとうございます。 エンドの「自分を信じる」と「友人を信じる」はバッドではありませんが、多少バッド寄りの感が……でしたので、個人的には一番しっくりくる「あなたを信じる」エンドが好みでした。 友人も「時渡り」であるアルさんたち2人も、全員のビジュアルがとても魅力的でした。 特に本編でのみ姿が出てくる友人2人は、どちらも出会えた時に「素敵なビジュアルだー!」と猪突猛進に闇の中を突き進んできてよかったと思いました。 個人的にBGMのチョイスが素晴らしいなと思い、タイトルや後半の緊迫した戦闘など心に残る曲が多かったです。 @ネタバレ終了 誰かに寄り添うということの本質が垣間見られる、心にじんわりとくる、やさしくあたたかな物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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ふきのとうゲームの紹介画像が黒・青・赤・白…ととてもシンプルだったので、どんな物語だろうと思いながら読み始めましたが、コンピューターあばあちゃんとは一転して切なさや悲しさなど、別の意味で情緒に溢れた物語でした。 初めてプレイさせていただいたコンピューターおばあちゃんの印象が強すぎて身構えていましたが、時の流れを感じる背景音とともに綴られる人の心を丁寧に描いた短編でした。 巡る季節を写真などの背景がなくても感じられる仕様が素晴らしいです。 @ネタバレ開始 「悪い奴は生き延びるのだろう」という言葉に、人間の歴史における愚かさの極致点が垣間見られました。 お嬢さんが亡くなられたように弱い者から食い潰されていく世界に悲しくなりましたが、厳しい冬を超えて春に顔を出すふきのとうにも似た主人公のように、厳しさの中でも折れないしなやかな本当の強さを持ち合わせている人もいると感じました。 物語の終わり、その最後には春のあたたかさをほんのりと感じました。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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終末のバタフライ:心象に映る理想郷複数のクリエイターさんが携わっておられる、とても美しい銀河系の星空を背景に様々な人と語らう幻想的な物語でした。おまけ要素まで込みで全て見ることでどんどん味が出てくるスルメ型のボリュームのある作品でした。 @ネタバレ開始 本編だけではなく、サブシナリオなどまですべて込みで物語が深くなっていくので遊びごたえもありました。 かなり真面目なシリアスからちょっとコミカルな明るい話まで、ちょっとしたオムニバス形式の短編を読んでいるような気持ちになりました。 キャラクター個別のおまけでもかなりの情報が得られるので、それを見た後だとまたキャラたちへの印象が変わりました。 実は全員既に亡くなっていることや新人類や戦争、テロとかなりこだわりのある重たいテーマがバックグラウンドにあり、それらの話も色々と考察するのが楽しい物語です。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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ぼくらのなつやすみ開始30秒で「ど、どういうこと?」となり、選択肢で止まりました。そして呆気なくバッドエンド!! なんでですか、私の好みを反映しただけなのにー!!(血の涙) 呆気なくバッドエンド後、タイトルにエンドリストが出てるーと見に行ったら……「こ、怖い!!」となりました。 即座にバットエンドだったのでまだ物語がほぼ始まっていないのに、ホラーが苦手すぎてここでもう怖がり始めました(笑) @ネタバレ開始 選択肢ごとにセーブしてポチポチとバッドエンドも回収しながら進めたので、エンディングも無事にコンプリートできました。 コンプしてからエンドリストを見ると、何匹も紛れている目玉の怪異ちゃん(震え) あとがきで謎の忍者さんと目玉の怪異ちゃんの解説があって、なるほど!となりました。 特に忍者さんは何者なんだろうと思っていたので、座敷童だったと正体が明かされて「忍者座敷童!」と忍者さんの名前みたいになりました(すみません) 夏休みと言えば肝試しの季節ですが、古びた洋館などに行ってはいけませんね……目玉のお化けと鉢合わせてしまったりするかも! 最後の南国ハッピーなBGMに合わせてのイラスト、眼福でした! それにしても最初のバッドエンドーーー!!(まだ言ってる) @ネタバレ終了 短いお話ながら、キャラクターたちがとても魅力的&キャラクターじゃないものも魅力的な作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
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RiddleRoom目が覚めたら見知らぬロボットの女の子と白い部屋に閉じ込められていた……から始まる水平思考ゲームを解いて真実を見つける物語でした。 答えを探すためにムノーさんに質問を続け、自分なりに答えを導きだしていく過程が大変面白かったです。 @ネタバレ開始 ムノーさんがすごく可愛かったです。スリッパで殴ってくる部分が特に可愛いです。 ムノーさんにスリッパで殴られつつ始めた質問がどう一本に繋がるのかワクワクしていましたが「な、なるほどー!」と度肝を抜かれました。 一番初めは寂しいことに一人で脱出して一人でぼーっと月を見上げていましたが、即周回してタッチパネルに飛びつき、無事にもう一つのエンディングも回収できました。ムノーちゃんが外に出た後でスリッパを取り出した時は「本当に一緒に外に出られたー!」と感動しました。 スチルがとても美麗でした……月が綺麗ですね! @ネタバレ終了 仕掛けが分かった後はすぐにまたトライしたくなる素晴らしいシナリオがとても面白い、素敵なゲームでした。 ありがとうございました!
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ロボット先生教育の低迷が危惧される日本で極秘に開発され投入されたロボット教師ロバート先生。そのノリノリで真っ直ぐな性格と言葉がスクールライフを極彩色で染め上げる、とても面白い物語でした。 セリフ回しやテンポが非常に面白く軽快で、おそらく元ネタを知っているとより楽しめるセリフや小ネタもたくさん出てきていたと思われる楽しい物語でした。 おちゃめなロバート先生が本当に良いキャラでした。 @ネタバレ開始 最後にイケメンボディになって戻ってきたパーフェクトロバート先生の、中身は一切変わっていなかったところが大団円で本当に良かったです! クラウドにバックアップがあるとサラリと言えるところがクールです! プロローグで「トラスト・ミー」と締めくくられて「国のすることだし、どうなることやら……」と半信半疑な気持ちで始めたのが嘘のように物語にどっぷり浸かりました。 ロバート先生のキャラが全編通じて本当に面白すぎて、こんなロボット先生がいたら学校も楽しかっただろうなーと思いました。 ロバート先生、早く一クラスに一人導入されないでしょうか。 @ネタバレ終了 日本の教育現場にロボットの先生が導入されたら……という、いつか技術が進歩したら本当に実現しそうな世界を一足先に体験できるとても素敵な物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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ぼっちを助けてくださいぼっちも最近は必ずしもそれが悪いものではないということで一人○○と認識が広がってきていますが、確かに学校でぼっちは色々とつらみかもしれない……と思いながらプレイを始めました。 @ネタバレ開始 薄土さんが死んでしまうと犯人探しが始まる展開が、非常に面白かったです! 薄土さんが死なないで助谷さんと組んで前向きになるエンドがもちろんベストで一番よかったですが、男子Aが助谷さんに張り倒されるエンドも味がありました。 当初は薄土さんが誰とも組む相手のいない現実に、傷心のあまり死んでしまったと思ってました……すみません、ちゃんと理由のある毒殺でした。 冒頭のラブレターがここに繋がっているとは…! @ネタバレ終了 エンドロールの薄土さんがふわふわしているのがとても可愛らしいです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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けものからるる子守唄かわいいケモノ妖精さんが見える主人公は今日もパンを口にくわえて学校へ……から始まる、癒されるハートウォーミングな物語でした。 もっちりかわいいケモノ妖精さんたちがどの子も個性的でした。 江戸っ子気質で義理堅いカロンさんが特にかわいいなーと思いました。 もちろん、まろんさんもナナルルさんもかわいいです! @ネタバレ開始 亡くなられたおじいさんと家族の関係を憂いているナナルルさんの思いを汲み、主人公が願いを叶えるシーンのスチルがとても幻想的でした。 おじいさんが安らかに眠れたかな……と思っていたところで、最後の結末も収まるべきところに収まったので、ほっこりしました。 @ネタバレ終了 見ているだけで癒されるケモノ妖精たちとのほのぼのとした心温まる一時でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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そしてパンになる(ADV版)パンが特産品のパンの街、いいですね。パンが好きな人にはたまらない、毎日がパン祭といっても過言ではないパンに溢れたパンの街。もう字面だけでお腹が空いてきます。 ボリュームがすごいです……私は読む速度はかなり速いほうだと自負しているのですが、たぶん読むだけで6時間~7時間くらい、周回スキップとかも入れると8時間くらい?はプレイしていたと思います。 人によっては10時間以上かかるかなと思う大作でした。 このゲームをプレイした後、シチューとパンが食べたくなったので、夜ご飯はシチューにしました。 パンが食べたくなるゲーム、おいしくて素敵ですね。 @ネタバレ開始 シチューにしました・おいしくて素敵ですねと言いながら、甜瓜さんルート後の2周目で攻略した心音さんの最期を見た後は暫くパンが食べられなくなりそうでした……。 心音さんルートはどちらの終わり方も心音さんの最期自体は変わらないので、突如のホラー展開に「美味しいパン作りの青春はどこいった」と、ルートの途中から心の中で想定はしていたけど本当にそうだった……と衝撃が隠せませんでした。 車の中で行方不明者のくだりを聞いたあたりから「まさかね」と思っていましたが、まさかでした(涙) 甜瓜さんルートだけなら「はーい☆パンが食べたくなるギャルゲーだよ☆」で終われたと思うのですが……攻略ルートは甜瓜さん→心音さん→恵美さん→おまけでした。 心音さんルートがハッピーとはいいがたい終わりを迎えていたので、恵美さんルートもかなり警戒していましたが、蓋を開けてみたらハッピーで、気分的にちょっと浮上しました。成長と恋愛をたっぷり楽しめる物語でした。 パンを軸に展開される青春(じゃない部分含む)物語、堪能させていただきました。 ストーリーが徹頭徹尾パンに始まりパンに終わるパン尽くしでしたが、パンがここまで中心にある作品は今まで読んだことがなかったので新鮮でした。 ちょっとした買い食いなどもパンなのがとても美味しそうでした。 私もメロンパンなどを買い食いしてみたいと思いました。 それにしても作中で食べたパンを数えるとどれくらいになるのか分からないほどのパン・パン・パン……小麦アレルギーにとっては地獄と主人公も評していた通りのパンに溢れていて、作者様のパンへの愛を感じました。 一番心に残ったのは、やはり衝撃の心音さんルートでした。 日常の中に18年前の事件に関する謎も入ってきて、そちらも気になっていたら心音さんについて小三おじさんから衝撃の話が出てきて「パン愛が行き過ぎると余命が短くなるの!?(※この時点ではこう思った)」といつの間にか脳までパンになってました(笑) そしてこの後、全員が即死って本当にどんな病なの!?となりました。 心音さんの「私と……パン屋をやってくれません……か?」という告白が、とても心に響きました。 下手な告白よりも、たくさんあんこの入ったあんパンよりもずっしりと重たいこの告白に、涙腺が緩みました。 そして最後のあの「そしてパンになる」な展開で「今まで美味しいチョココルネを食べてたと思ったら、最後にハバネロカレーのルーが混じってた」という感じで、ちょっと怖い展開になったのもまた味がありました! いや本当、心音さんルートはトラウマになりそうなルートでもありましたけれど(笑) @ネタバレ終了 一家に一台タコ焼き機ならぬ一家に一台パン窯やパン焼き機があってもおかしくない、とても美味しい(そしてちょっと怖い)物語でした! 「「「週刊パン」」」(このパワーワードが心に残りすぎたのでここに記しておきます) 素敵な作品をありがとうございました!
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盤上のきせき FirstEdition現実にまで痛みや感覚が残る迷惑千万な悪夢ばかりを見る主人公が、ある日夢の中で魔法の白い杖を授けられて……これから先もどんどんアップデートされるそうなので、追加される物語が今からとても楽しみな作品です。 カットインなどが多用され、疾走感のあるストーリーがとても面白い、ハイクオリティな作品でした。 @ネタバレ開始 「そう都合よく魔法の杖を与えてくれるはずがないよね?何かあるよね?」と疑っていたら、本当にまさかでした……実は永遠の悪夢に囚われる杖だということで「ただでさえ悪夢ばっかり見ていたのに、ここにきて100%悪夢で絞り込みます!みたいな可哀想な展開やめてあげて!!」と主人公の安息の日を心配する人になっていました。 選択肢で必ずヒントが出る親切設計だったので、純粋に物語を楽しむことができました。 ストーリーをググッと深く楽しみたい私には、嬉しい仕様でした。 2人が向き合うシーンは本当に好きなシーンです。 ここからどんな戦いが始まっていくのか、2人の物語が始まるという予感がひしひしと感じられました。 キングとクイーンがこれからどう盤上をひっくり返していくのか、とても楽しみです。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました! 続編の制作、頑張ってください!