SHIAのレビューコレクション
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白雪姫の子「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのはだぁれ?」呪われたその言葉によって蝕まれた心が白雪姫に悲劇と幸せを起こすことで有名な童話のその先にある、ほんのりと怖い物語でした。 @ネタバレ開始 歴史は繰り返すという言葉がピッタリとくるような劇的な終わり方でした。 母親殺害エンドでは別の童話がチラリと入ってきていましたが、最後のあの嗤いには「さすが白雪姫の子ども!」と思うところでもありました。 自分のためなら手段を選ばないところがさすがの親子。血は争えないというところでしょうか。 美貌によって悲劇を見た白雪姫も継母と同じ穴の狢として娘を疎ましく思うところ、その娘さえもが自分のためなら母でさえ消してしまうところに背筋が凍えました。 @ネタバレ終了 七人の小人の一人が「カエルの子はカエル」に対する言葉を返していましたが、まさにその通りだなと思いました。 素敵な作品をありがとうございました!
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君に恋してもいいですか?お手並み 拝見(ルビ:カタストロフィ) なんて言葉、センスありすぎて胸が痛い……。あの有名すぎるフリー素材の女の子たちから、こんなカオスすぎる日常が生まれるなんて……(驚愕) タイトルにいる女の子をクリックするだけで始まる女の子とのショートショートストーリーという奇抜なアイディアだけでも面白いのに、本編でも皆さんの言っていることが大体おかしくて笑いました。 結衣さんの中二病っぷりが特にツボでした。 結婚(インフィニティ)してくれるかしら……ドキドキ。 @ネタバレ開始 なんて思ってたら、いらすと屋のゲームでした(ドッシャアアアアアン!!!!! 衝撃のあまり地面に叩きつけられて潰れる音) そして始まる本物の話……が、俺たちの物語はこれからだ!なところで終幕。 いや、もう本当に面白かったです。 @ネタバレ終了 カオスカオスカオスとカオスを300%増量したようなとてもテンポよいシナリオが大変面白い、宇宙の果てまでイケるロケットの推進力並みにパワーのある読み始めたら止まらない素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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ファッションサイコパスの災難冒頭から既にサイコパスの並々ならぬプレッシャーを感じつつプレイしていたら1分後に別の自称サイコパスが現れ、あっちもこっちもサイコパスさんだらけになった、サイコパス100%なお話でした。 @ネタバレ開始 昨今問題になっているヤングケアラーにして真性のサイコパスである千夏さんに巻き込まれた加藤くんがとても可哀想なお話でした……自分の世界を理解してくれる人が現れたと嬉々としてついて行ったら、まさかの死体遺棄のお手伝いを頼まれることになるなんて、加藤くんの衝撃が手に取るように分かりました。 初めての共同作業が友人の母親の解体処理とか、もう一生の友情とトラウマ確定ですね……「来世に期待しよう!」という言葉しか加藤くんにかける言葉がなかったです。 「(手伝わないなら)見られたからには死んでもらう」と迫る、千夏さんなら本当に実行するだろうと分かる淡々とした顔に震えました…。 そして、色々な意味で断金の交わりに近しい友人を得た千夏さん、おめでとうございます! 末永く、親友の加藤くんと楽しい日々を過ごしてください(震え声) @ネタバレ終了 タイトル通りのファッションサイコパスの災難(すぎる)物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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【死にゲー】Kill Me If You Can ~殺れるもんなら殺ってみろ~片目に眼帯をしたツインテ帯刀美少女、メイド姿で太腿に銃器搭載の妙齢の美女という字面だけでレーダーにピンとくる方は是非プレイしてほしい、システムが凝ったちょっぴりヴァイオレンスな作品です。 唐揚げの話になるとサッと現れる美しすぎるヤスミンさんが好みすぎて辛い……と思っていたら、結構な難易度で何度もゲームオーバーに(涙) 赤色のワードを記憶したり、適度にセーブしたりと、死を回避するぞと奮闘してなんとか最後まで辿り着けました。 どのワードを記憶しておくのかをチョイスするのが難しく、ゲームとしても歯ごたえ抜群でした。 セーブと記憶がごっちゃになって、ワードを記憶するつもりがセーブして先に進んで「あのワードが……ない!?」となったのもいい思い出です(笑) 素敵な作品をありがとうございました!
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かよわき天使絵を嗜む主人公は同じ時期に始めた他の人たちのほうが上手くなっているのを見ると、自分がしていることが虚しくなっていた。そんな中、かえる場所を探す一人の少女と出逢い―――から始まる、日常に隠した自己を見つめる物語でした。 @ネタバレ開始 アリアさんが主人公を見守り続けた天使として告白するスチルが、大変美麗でした。 誰かと自分を比べて自信を無くし、苦い気持ちと葛藤とともに自分の気持ちに蓋をしてしまった主人公が、アリアさんの言葉に心の奥の眠る本当の望みや気持ちに気づいて再起するトゥルーエンド『かえるべき場所』がとても良かったです。 最後に手を振る主人公の、憑き物が落ちたように晴れ晴れとした顔が思い浮かぶようでした。 @ネタバレ終了 人はいつでも、何度でも、自分自身を変えることができる―――また新たに一歩を踏み出せる。 そんな当たり前のようで、実はとても難しくて当たり前ではないことに気づかせてくれる心あたたまる物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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神々の復讐脱力系音楽とともに始まるやっぱりどことなく脱力系のギリシャの神々の爛れた恋愛事情、ヨナカーンの首を求めたサロメの話、そしてさいごにチラリと出てくる貧乏神様……どの話も作者様の個性全開で、楽しく読ませていただきました。 ギリシャ神話は神々の惚れた腫れたの爛れ具合がピカ一なので、のっけから「ゼウスよ…」と神妙な顔で眺めていましたが、サロメの物語は面白い中に真面目なお話もしっかりと入っていて、絶妙なバランスでした。 『イヴの啓発』の時にもみられたサラッとしていながらも面白い言い回しや描写は今作も大爆発していました。 貧乏神様の話、その結びがとてもよかったです。 素敵な作品をありがとうございました!
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イヴの啓発ゆるっとほのぼのとしたBGMとゆるっとほのぼのした始まりからの林檎・林檎・林檎祭に、「林檎大人気だね!」なんて笑っていたらトントンと予期せぬ展開へと向かいました……ラストが衝撃でした。 @ネタバレ開始 人間不要なのでいっそ猿にでもしてということで、最後に猿のお腹へ吸収されていく二人……アダム、君は何も知らないうちに終了しちゃったね(苦笑) @ネタバレ終了 サクッと読めて、もしかしたらこういう展開もあったかもね!こっちのほうがよかったかも!と不思議な気持ちになれる物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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お姉ちゃんの定理数学の美しさはその永遠性にある―――これには首が千切れるほど頷くしかないのですが、お姉ちゃんの努力できる才能にもまた数学にはない人間独自の永遠性を感じました。 努力できることは才能であると偉人か大学の先生か誰かが言っていましたが、お姉ちゃんは正しく努力の天才でした。 人間は高みを目指し続けることができる、永遠に解けないかもしれない難問にさえも人類の叡智を携えて人を変え代を変えて挑戦し続けること、お姉ちゃんもその一人であることに人間というものが持つ永遠性を感じました。 宇宙の果てにいても、どこにいても、どんな過去も未来も、人は数学に向き合い、その永遠性のある場所に挑み続け、手を伸ばし続け、いつかそこからしか見えない景色を見ようと足を進め続けるのでしょう。 最後に一つ希望の道筋を見たようなあちらのエンドが大変好みでした。 人は人と繋がり、いつか必ずその極地へ至れるのではないか……お姉ちゃんが『お姉ちゃんの定理』を見つけられる日も近そうで、ワクワクしました。 とても素敵なゲームをありがとうございました! タイトルの音楽と雰囲気が、とても好きです。
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雨の袂オープニングから見せ方がお上手で、詩的な文章に合わせて歌う雨の音のようなBGMにとても心地良い気持ちでプレイを始めました。この時点で既に期待に胸を躍らせながら読ませていただきました。 それぞれ個の人間として複雑な感情を持つ2人の距離感や温度が伝わってくる、とても気持ちのいい「読ませる」物語でした。 会話のキャッチボールが軽快で、リアルにそこで二人が会話をしているような臨場感がありました。 主人公の心情描写がとても丁寧で、やわらかなコットンの肌触りのような、読んでいてもっと先が読みたいと思うしっとりとした温度を持った文章が本当に秀逸でした。 人の持つぬくもりや心の機微がひしひしと伝わってくる中で、最後の最後のあの真っ白な背景にあの締めのセリフ、まさに一曲が終わった時に指揮者が結ぶ手のイメージが湧きおこってきました。拍手喝采したい気分です。 少しだけ変化が訪れた2人がこれからどうなるのか……まだまだ先は長そうですが、それでも一つ何か雨上がりの虹のようなものが2人の心に架けられたのは確かだと感じました。 とても素敵な作品をありがとうございました!
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いまふれーイマジナリーフレンドー重々しい曲から始まり、ひしひしと迫ってくる重たい話から拡がっていく一人の女の子のお話でした。やっぱり、イジメ、ダメ、絶対。 イマジナリーフレンドが現れる理由は様々ですが、社会とのバランスをなんとか保とうとする試みの一つであることは間違いないので、ちーちゃんのことを思うと悲しくて切なくなりました。 @ネタバレ開始 担任が強制登校させるために来るとか人権無視すぎてつらみ……と思っていたら、冒頭の女の子が自殺し始めて「死んじゃダメー!」と画面の前でハラハラ! イマジナリーフレンドとなるパンダさんが思い止まらせてくれて本当によかったです。 自分の居場所になる場所があるか、安全だと思える場所があるか、ありのままの自分を認めてくれる人がいるかで生きやすさも変わってくるので、ちーちゃんとパンダさんにとってけいこ先生や支えてくれる人がこれからも心から安心できる場所であることを願います。 @ネタバレ終了 ここから先のちーちゃんの歩む道が気になる、素敵な作品でした。 ありがとうございました!