加藤 匠のレビューコレクション
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ティラノフェス2024オープニングティラノゲームフェス2024、開催おめでとうございます! 毎年、新しい試みにチャレンジしつつも、 運営や開催を維持できているのが本当に凄い! ここ最近はなかなか参加できておりませんが、 だからこそ、継続している凄さを感じております…。 @ネタバレ開始 おや…今年は全ての会話が終わった後の小ネタがなくなった…? @ネタバレ終了
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ティラノフェス2023オープニング出遅れましたが、ティラノゲームフェス2023開幕おめでとうございます! 作る側にも遊ぶ側にも良きイベントで、今年も開催されて何よりです。 @ネタバレ開始 オープニングゲームも、最後の小ネタは毎年恒例になってきましたね。 遊び心を忘れない精神、Goodです…! @ネタバレ終了 どうにか遊ぶ側ではしっかり参加したいなぁと思いますが、 プロモカードとか面白そうな仕組みが増えてて、これは作る側で参加したかったー! 来年もまたぜひ開催してほしいですね!
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ティラノフェス2022オープニングティラノゲームフェス2022、開幕おめでとうございます! ここ数年は作る方も遊ぶ方もあまり参加できてなかったので、 今年はまず作る方で参戦できてよかったです。 遊ぶ方もできるだけ参加していきたいです~。 オープニングゲーム、最後まで待つとやっぱりネタがあって笑いました。 「わかり申した」
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ティラノフェス2021オープニングティラノゲームフェス2021、開幕おめでとうございます! 遅ればせながらオープニングを見て、今年も色んな試みがあるなぁと驚き、そして遊ぶ側にも作る側にとっても大変ありがたいイベントだなと再認識しました。 今年も作る方で参加できなかったのは無念ですが、 遊ぶ方でしっかりと応援できればと思っております…!
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THE MAGIC CRAFT エピソード2マンガとゲームを融合させた、 ロールプレイングコミック(RPC)のエピソード2です!待ってました! 1と同様にストーリー部分だけでなく、探索や戦闘までもが、 ちゃんとマンガでもあり、ゲームでもあります。この不思議な感じは一見の価値があります。 1からの大きな変化として、マンガ部分は全編フルカラーになりました。 もうそれだけで熱量スゴすぎです…。パッと見で楽しそうに見えるのも良い感じですね。 タイトル画面が出るまでのページを見せていくオープニング演出とかは、ワクワク感がハンパないです。 また、1はゲーム中のボタンなどがマンガっぽくなく、 やや浮いた見た目だったのが数少ない残念ポイントだったのですが、 今回はマンガの画風や色味に合わせてあり、マンガとゲームの融合度・完成度を高めています。 ボタンを押すことが多いゲームではあるので、 押した時に鳴る効果音などは、手触りの気持ちよさにも貢献してて良かったです。 BGMは市場、港など、エリア区切りっぽいのがわかるのも、イイカンジでした。 あと思っていた以上に、キリの良いところで定期的にセーブを促してくれるのも良いですね、 自分からは、なかなかセーブしにメニューを潜らないので、心理的に遊びやすかったです。 こういった細かい部分からも、前作から着実に進化しているのが感じられて、次回にも期待大です…! 2で特に良かったところは、タイトルにもなっていて、 ストーリーのカギになるであろう魔法アイテムの「マジッククラフト」が、 物語にもゲームシステムにも、しっかりと組み込まれている点です。 簡単に言えば、困っている街の人達から着想を得て、 便利なマジッククラフトを作って助けていくことになるのですが、 そのアイテムはそのまま魔法としてバトルで使えたり、主人公のステータスを成長させることができます。 同じものを複数個作れば、アイテムそのものの性能もUP! ここにRPGらしい育成や成長要素を感じさせてくれます。 クラフトしたアイテムの中で特に良かったのは、 「大地の耳飾」によるエンカウント率の操作と、 「渡りの窓」によるファストトラベル解禁でした。 一見「えっ?そんなことまでできちゃっていいの?バランス壊れない?」ぐらいに便利なもので、 実際に耳飾の方は、狙っているアイテムがほぼほぼGETできるようになるため強力なのですが、 これ、エピソード区切りの本作品だからこそできるバランスで、 気持ちいいところをうんと体験できるスタイルなのだと感じました。 作中でも言っている通り「マジッククラフトは便利なもの」なので、 それがプレイ中に実感できるのが素晴らしいです。 @ネタバレ開始 あとやっぱり、ちゃんとマンガそのものが面白いのもスゴイところです。 1のオークションでマシマシしまくっていたリックスとの共闘とかは、 少年漫画的な盛り上がりで、アツかったです。 良いところがたくさんある本作ですが、 新しいジャンルを作ろうとしているだけに、気になるところも少しありました。 1⇒2で着実にパワーアップしているので、期待も込めて、思ったことを書きつづっておきます…! 3では使わなくて関係ない話になるかもしれませんが、 一意見として、参考にしていただければと思います。 ■表記がミスッているかも? 起動直後に「ROLL PLAYING COMICS」と表示されますが「ROLE」が正しいような? もし指摘が違ってましたらすみません。 ■探索中の「待ち」が少し長い 同じページをしばらく見てると、最大3パターンぐらいで押せる場所が変化しますが、 ボタンを押して探索すると、また1パターン目からになると思います。 この時、目的のものが3パターン目だったりすると、 どうしても待ちが発生してしまい、徐々に退屈な時間が増えてしまいます。 この例で言えば、パターンをリセットせずに3パターン目から再開するか、 「ページをめくる」みたいなマンガっぽい表現にして、任意で切り替えられるようにできると、 楽しく、それらしく、利便性が上げられるかもしれません。 ■探索中の「!?」や「○」が背景色と馴染みすぎてて見にくい場所がある ジッとマンガを見ることにも貢献しているので、意図的なら問題ナシです。 改めて1をプレイしたらアップデートが入ったのか、 「CHECK」や「GO」のボタンがあり、それがかなりわかりやすかったので、 あのようなスタイルでも良いようには思いました。 ■街で迷いやすい 進み方によっては、ページの奥が進行方向とは限らないので、 意図せず元いた場所に戻ってしまったりして、かなり迷いやすく、 不要なストレスを感じやすいように思いました。 海、灯台、赤い消火栓、ハイウイングス倉庫など、 特徴やシンボルになるものが映っていると、位置関係が把握しやすかったので、 こういったものを意識的に構図に取り入れて、チラ見せできると良さそうに思いました。 広場中央の銅像とかも、使えそうではありますね。 もしくはゲームっぽいですけど、メニュー画面の背景のような、 俯瞰した街の上面図を写して、ミニマップっぽいものを表示するとか…? 融合の配分として、ゲーム要素を強めたければアリかも…。 ■冒頭は苦しかった NORMALで遊んでましたが、冒頭は宝箱もレア素材も取得できないことが続き、敵も強くて倒せず、 探索をしているのに何も進展がなく、死んでばかりでややストレスがありました。 クレアねーちゃんの救済で素材をプレゼントしたり、 初期状態でも獲得できるアイテムがもうちょっとあると、良いのかなと思いました。 ■バトルから逃げたい 先述の「冒頭が苦しい」のと似たような話ですが、 宝箱や素材は「いらねーや」でキャンセルできるのでまだ良かったですが、 バトルは自由に逃げることができず、出会った瞬間に負けを悟るものがあるので、 負けるとわかっててバトルさせられるのがツラかったです。 これも退屈な待ち時間になっていました。 1はできたと思うのですが、自由に逃げられるようにするか、 2で言えば「えんまく玉」に相当するマジッククラフトを超簡単に作れるようにして、 「こんな便利なものを作れてしまったけど良いのかな?」と、 冒頭から感じられるようになると良いのかなと思いました。 ■依頼が成功するときは、困っているところからまた見せて欲しい 事前に必要なものを作成していると、成功パターンから始まるので、 「この人はどういう話で困ってたんだっけ?」というのが改めて知りたくなりました。 なので困っているところから始めて、成功パターンに入ってもいいのかなと思いました。 テンポのいいマンガ自体は何度見ても面白いので、嫌がる人は少ないんじゃないかなと。 ■ダメージ計算が少しやりにくい HP1、ダメージ1でハート半分かと思いますが、 脳内で計算がしにくく、直感的ではないように思いました。 こちらはHP1、ダメージ1でハート1個…で良い気がしました。MP1はゲージ1本だと思いますし。 画面スペース的に厳しいかもですが、縮小しつつ詰めればなんとか…。 ハートがズラッと並ぶ絵面自体はワクワクしそうではあります。 ■アイテムが持ちきれない時にしょんぼり 所持数は1種類につき最大4つまでですが、持てなかった時には何の進展もないため、 その前の探索や戦闘も含めて、ただの退屈な待ち時間になってしまいます。 シンプルな理想は最大所持数を増やす…ですが、 難しい場合は非効率でも、何かしらプラスになると心理的にうれしいですね。 自動的に売り払ってくれてオアシに変換されるとか。 @ネタバレ終了 総合スコアは18160点でした! 要望も含めて色々と書いてしまいましたが、 アイテム欄は埋めたし、クラフトレベルも全強化したので大満足です。 今回も楽しかったです、次回も大変期待しております!
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エレベーター ~性格不安定な僕とみよちゃんの物語~見た目通り、昔懐かしいファミコン時代の、 コマンド選択式ADVゲームを彷彿とさせる一作です。 しかし遊びやすさは現在向けにキッチリと調整されていまして、 区切りの良いところからすぐに再開できたり、いつでもリセットできたりで周回もしやすく、 コンプしたくなるエンドリストとの相性もバッチリでした。 こう、短めのテキストで、鋭い返しが来る感じが懐かしいですね。 ドット絵、ピコピコBGMや効果音、リセットボタンもファミコンを感じさせる色味で、 レトロな雰囲気をとにかく大事にしているのが、とてもGoodです。 タイトルの通り「性格不安定」のシステムも面白くて、 特に、性格が発揮してる時の点滅演出がとても良かったです。 これによって性格が良く働いた/悪く働いたことがわかりやすく、 「あ、今この場面が変化してるんだ」ことを実感しやすくて、 このゲームの面白さにとても貢献していたように思います。 違う性格だったらどうなってたんだろう?とか思うキッカケにもなりますし。 ゲームの都合上、主人公がしゃべらないにも関わらず、 点滅と、登場人物の反応だけで、性格変化を感じられるのはスゴイなと思いました。 @ネタバレ開始 エンドロール直前での、気合の入ったみよちゃんの絵、セリフ、BGMも相まって、 なんかウルッと来るぐらいに良かったです。 幸せに終わると満足度高い!やって良かった!と思えました。 どうでもいい余談ですが、 たぶんタイトル画面は『さんまの名探偵』リスペクトな感じですよね。 自分は最初『妖怪道中記』っぽいなと勘違いしてまして、 どう内容に地獄や妖怪が絡んでくるのかと勝手な妄想をしてました。 最後に、詳細にプレイ情報を収集してそうでしたので、自分のプレイ情報です。 エンディングはせっかち、うっかり、しゅせんど、くいしんぼ、にぶちん、へんたい、 けっこん、げどう、わる…の順にクリアしました。 その後、性格別にエンドがあるのだろうと推測して、 テストモードで見れる性格一覧から逆算して、 むきりょくの存在に気付き、むきりょくエンドが見れました。 その後はとっかかりがつかめず、攻略サイトを見ちゃいまして、 おしい(おとこまえ)、しんせつ…で、コンプしました。 難しくて途中でやめてしまうぐらいなら、 ヒントもあるから最後までどうぞ!という姿勢に感じまして、 この思い切りのよさも良いな~と思いました。 @ネタバレ終了 ゲーム自体も隙がないぐらい、とても完成度が高いのですが、 ゲーム外のreadme、攻略サイト、あとがきページへの誘導などもとにかく親切で、 キッチリと整備されてるのがすごく良いなと思いました。 どこまでもユーザーフレンドリーで、ここらへんは関心してばかりでしたね…! 遊んでいる時のストレスは皆無で、 隅から隅まで作り込まれた「力作」だと思います!
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人間らしく屍食鬼(ゾンビ)のウイルスに感染してしまい、 ただ死を待ち、恐怖と不安に悩まされている主人公のお話です。 10分ほどで読み終わりますが、短いながらもシンプルに、 言いたいことが伝わってくるメッセージ性のある作品に感じました。 開発者として、自分はとても好みな作風です。 @ネタバレ開始 今、ニュースで感染者、死亡者、治癒者…と言ったら、 また別のウイルスのことを彷彿とさせますが、そうとは直接言わない感じが良いなと思いました。 自ら置き換えて考えられることによって、想像がしやすいというか、より客観的になれる気がして、 この状況の恐怖や不安が伝わりやすいように思えました。 そしてもし、良からぬ状況になってしまったとしても、 ただ屍食鬼のように生きるのではなく、 人間らしく、希望を持ちたいと思える良い作品です。 あと後輩から返事がないのは、切ないですけど想像が膨らみ、 興味を惹かれる良いシーンだなと思いました。 @ネタバレ終了 今のこのご時世だからこそ、読みたい一作だと思います!
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サイレンとバッチの取得が「超絶」難しい…! でもバッチがある=取得ルートがあるはずで、そこへどうやっていくのか…? 難しいのが意図通りかわかりませんが、その試行錯誤が楽しく、 結果的に世界観や、登場人物への考察も捗る作品です。 主人公はまともに言葉を認識できません。 視覚にも聴覚にもノイズが入る感じなのでしょう。 よって選択肢も記号で、コンフィグ画面にすら文字がなく、 アイコンだけで統一された画面や雰囲気がイイカンジです。 これによって正直、メニューに並ぶボタンなども、 どっちがセーブかロードかわからないとか、機能的な不便さは感じるのですが、 それらも含めて主人公の状況を再現してるのかと思うと、納得感もあり、 雰囲気づくりに大きく貢献しています。 ドット絵やファミコンライクなBGMも、どこかノイズ混じりの表現なのかなと思いますが、 同様の理由で良いチョイスだと感じました。 普通にプレイすると、よくわからずエンドを迎えてしまうと思いますが、 残される意味深な台詞と、どこかにあるはずのバッチ取得ルート、 「いい意味で」わかりにくいメニュー、これらが嚙み合ってて、 先述の通り、試行錯誤の楽しい作品になっています。 @ネタバレ開始 いやはや、コンフィグで音をミュートして聴覚を切ってみたり、 メッセージウィンドウを非表示にしてちゃんと見たり、 あちこちクリックできるところを探したり、色々やりました。 終わってみると、なんで気付かなかったんだろう、という感じですが、 なんやかんやで試行錯誤は楽しかったです。 作中でサイレンから「あなたはいきたい?」と言われますが、 この「いきたい」が平仮名なのが良いなぁと思いました。 「行きたい」と「生きたい」で、解釈が複数あるように感じられます。 主人公はまともに言葉を認識できない…とは書きましたが、 じゃあ自分たちもまともに、正確に認識できてんの?ってところは これでハッとさせられるものがありました。 あとは勝手に深読みしてるだけの可能性も高いですけど、 「ちゃんと、見て、読んで」って台詞が良かったですね。 ゲーム的には○×ボタンや、メニューのボタンがありますけど、 登場人物の視点からすると、そんなボタンは見えてないわけで、 手が空を切ったりするのも納得です。ちゃんと見えてるものを大切に!(意味深) タイトルも「と」だけが平仮名で、ここも想像の余地アリですよね。 一人でサイレントな世界とも掛かってると思いますが、遊び終わると、 言葉としては「いきたい」が続くんだろうなぁと解釈しましたが、 ここらへんも解釈が色々ありそうで、面白かったです。 @ネタバレ終了 バッチが取得できるということから、 先があることに気付いて、一連の楽しい体験ができましたけど、 通常プレイだけして終わっちゃった人がいたら、ちょっともったいないですね…! ゲーム内で情報完結させるなら、露骨にバッドエンドっぽくして、 Thanks for…の画面を出さなければ、絶対になんかあるやろ…って思えるかもしれないですね。 以上、長くなりましたが、 想像の余地がたくさんあり、世界観のまとまりも良く、楽しい作品でした!
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残り1分! 魔王城!魔王を倒した直後、城が崩壊してしまうというRPGあるあるな危機的状況で、 勇者一行はどういう選択をするか…!?というゲームです。 会話のテンポがよく、内容もクスッと笑うものがあったりで面白く、 大量の選択肢を色々と試してみたくなります。 リトライしやすい親切設計になっているのもGoodで、実際に全部試しちゃいました。 1つやってみたら、全部やってみたくなる魅力がありますね。 遊んでいくと登場人物の過去とかが明らかになったりして、 キャラクターとしても魅力を感じました。 このキャラ達の、道中の話とかも見てみたい…! @ネタバレ開始 選択肢の中では、聖剣が好きでした。 某RPGのしゃべる剣は頼もしいキャラクターだったのに、 こちらのは主人との絆もまるで感じられず、淡泊すぎてねえ…。 あと、ちゃんと爆発回避するパターンもあったのが良かったです。 何やっても爆死するのかな?と、思っていたところで意表を突かれました。 ギャグテイストなゲームとはいえ、生還してハッピーに終わるのもうれしいものですね。 生還後の「あとがき」のメニュー追加とかも、ワクワクさせてくれます。 @ネタバレ終了 テンポ良くてダレることなく、ワクワクさせてくれる要素も多くて、 コンパクトにまとまった良作だと思いました!
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パーソナル・スペース生命や文化が滅んだ惑星。 その惑星を調査していた主人公は、宇宙船を発見する。 船内には様子のおかしい女性がおり、この状況もすでに奇妙。 残されていた120年分の記録データの断片から、 惑星や女性に何が起きたのかを調べていく……というSFモノです。 自分は約2時間半ほどで遊び終わりました。 もう、この壮大な物語を読んだ後だと、 何を述べてもチープな感想になりそうなのですが……。 まず素直に思ったのは、作品全体の完成度が非常に高いです。 もうすこし掘り下げて分解すると、 下記のような良い「点」がいっぱいです。 @ネタバレ開始 ●テンポ良く、わかりやすく、読みやすい文章 題材はSFモノですが、出てくる用語はやさしめで、硬くなく、 むしろキャラクターのテンポ良い会話形式で物語が進む感じなので、 わかりやすく、読みやすい、です。 一度に表示される文章が2行までなのも、この長所を強化してると思いました。 ●設定背景もしっかりしている/言葉選びがいい/安っぽくない 少々個人的な話になりますがSFモノを描こうとして、 あまりにチープな気がしてきて、ボツにした経験があります(死) なんとなく「ロボット」「クローン」とか、ベタな言い方をして、 なおかつ表現に過不足があると、途端におかしくなりやすいと思っているのですが、 本作品で違和感があった箇所は無かったと思います。 スーパーセル、ミトファリアの設定とか、 世界観を構築しているものの背景もしっかりしていることが、 そういう印象につながってるのかなと。 違和感なくまとまってることが、1つ、すごいことだと個人的には感じました。 ●遊びやすい配慮がいっぱい 読み飛ばしがないように注意が入ったり、 本編に直接関係ないところはそう示してくれたり、 クリア後の追加項目はわかりやすくUIに変化がついたり、 細かいところまで配慮が行き届いている印象です。 ※しいていうなら途中でたまにあるChapter選択時に、 「ついさっきまで読んでたChapterはどっちだっけ?」と思うことがあったので、 そこがわかりやすいとありがたい気がしました ※隠しシナリオはマジで隠しですね…Note見て知りました(笑) ●物語はChapter形式で少しずつ読み進める形式 これも良い点がいっぱいだなと感じました。 ・点と点を結ぶように物語の全体像を掴んでいく行為が、全体のテーマとも沿っている! ・長編だけど1つ1つが短く区切られているので、小休止を入れやすい=遊びやすい ・全部でChapter35だと紹介しているので、読み進めている進捗感がある ⇒ 長編だと「いま全体のどのへんだろう?」って思うのが、 心理的にストレスになったりすると思うんのですが、 本作品はChapter数によって、大体の位置を把握できるのが良いですね ※ とはいえ蛇足かもしれませんが、↑の話はゲーム中に表示されてないので、 【データ解析率】とかで全体の進行度を%表示するとか、 読んだChapterが解放されていくREPORT画面の亜種みたいなものは、 初めからあってもいいかもしれませんね、と思いました ・(たまに)読み進めるChapterを複数から選べるのがいい ⇒ 興味の向くままに「選べる」のが良い ⇒ これ、主人公の「調査」してる感覚とも合致していると思いました ⇒ ただ読み進めるだけじゃない点に、ゲームならではの良さを感じました ・歯抜けになったシーンが興味をそそる 「あの後どうなってこのシーンになったのだろう?」とか、 前後関係を想像させる余地があり、 普通に一本の長編にするよりも、印象深いものになっていたと感じます ※時系列順じゃないのは、一歩間違えれば逆にわかりにくくなりそうなんですが、 作者さんのまとめ方がうまいのか、全く気になりませんでしたね…! 適宜、話をおさらいしたり、整理してくれたので助かっていたのかも ●音楽や効果音が雰囲気バッチリ 音周りも、雰囲気作りにかなり貢献しています。 しかも結構、音の種類が多めだと思うのですが、違和感あるものはほぼないと思います。 普通に考えると「どういう音がするの?」って思うものばかりだと思うので、 「それらしい」と感じられて、雰囲気を損ねていないのがGoodでした。 ●グラフィック、UIも雰囲気バッチリ テキストの2行表示と、Chapter形式による影響もあると思いますが、 前後関係を確かめたくなるシーンが良い意味で多く、 他作品よりも頻繁にバックログを使いました。 …で、メニューで雰囲気を壊してないのが超ポイント高いです。 見過ごしがちな各種メニューのボタンなども、雰囲気を壊さないようになっています。 ※こういったところで雰囲気と合ってない、 デフォルトのデザインとかが出ちゃうと、気になっちゃう派です ●シナリオ ここは言い出すとキリがなさそうなので、 個人的にグッと来たポイントを3点に絞って、挙げておきます! ・Chapter15:クロハが星空を見上げて泣いているシーン シロエとのやり取りから、宇宙に関わる仕事に就き、今日に至るまで、 色々な思いが巡ってるんだろうなぁ…と、感慨深いものがありました。 最初にクロハから提案してた「15年」は待っていたことがわかるのも最高ですね…。 ・Chapter33:シロエがクロハと再会できたと感じたシーン 理由は言わずもがなですね…。 全体の一枚絵の数は控えめだと思いますが、だからこそ、 バシッとここで決めてきたのが印象深さをUPさせてたと思います。 ・Chapter34:主人公がシロエとクロハの点と点を結んだシーン ここ、映画とかのラストシーンみたいで最高でした。 映画とかなら、宇宙服のメットについてた粉塵をなぞるようにして、 線引いたりするのかなぁ…とか、勝手に妄想しました。 文字通り、他の同胞から見たら理解されないけど「意味はある」場面ですよね。 ここまで点と点を結んできたプレイヤーにだけは、 その行為にちゃんと意味があると思えるのが最高です。 クロハの言葉を借りるなら「でも、それでいいんだよ」と思えるシーンでした。 物語を締めくくるラストとしても良かったです。 @ネタバレ終了 …長くなりましたが、作品全体の完成度が非常に高いと思ったのは、 上記のような良い点がいっぱいだったからで、 なおかつマイナスに思う点がほとんどなかったからですね! この作品もいろんな「点」がたくさん結ばれて構成されてて、 なおかつ作者さんのパーソナル・スペースから生まれたもの…というのが、 またなんとも感慨深いなと思いました。