加藤 匠のレビューコレクション
-
マンホールぴょんぴょん夜、マンホールの上で子供が跳ねている…。 雰囲気はとても良いのですが、 実際に遊んでみるとその雰囲気を壊してしまうような、 ちょっと気の抜けたギャグっぽいテキストが多く、 「えぇ…?なぜそうなる…?」と思う展開も多いです。 最終的な結末にいくための暗号も、その暗号である必然性がないし、 プレイヤーが自分で選択してるとはいえ、 主人公がぴょんぴょんする動機もよくわからない。 なんでこんな必死にリトライしてるんだろう?と、 そんな気分になってきます。 先に進むための分岐条件もよくわからず、 どうすればいいかがわからないトライ&エラーが多くなりがちで、 やや遊びにくさが目立ちます。 最初に見た雰囲気が良かっただけに、惜しいなーと思いました。 このゲームを遊んだプレイヤーに、 どういう感情を抱いてほしいか、どういう気持ちになってほしいか。 「ココがこの作品で一番おもしろい点です!」といえる核はどこか? そのへんがハッキリと定まってくると、 よりまとまりのある作品に昇華できるかなと感じました。 今はそのへんが決まってないような印象を受けました。 怖がらせたいのか、そうでないのかがハッキリせず、 遊んでいる側としてもどういう気持ちになっていいのかわからず、 遊んでいてモヤモヤしやすい感じです。 例えば、 ・これは遊んだ人を怖がらせたい作品 ・核は○○のシーンで「うわっ」と声を出して驚いてくれたら勝ち! …という作品だとしたら、 全体的にテキストや音は怖い感じに寄るでしょうし、 ○○のシーンでは驚かせるための仕掛けが入るでしょうし、 その○○のシーンで一際驚かせたいからこそ、 その直前で中途半端に驚かせたり怖がらせるシーンは入れない…とか、 そういった話を考えていくと、もっとまとまるように感じました。
-
ティラノフェス2019オープニングティラノフェス2019、開催おめでとうございます! 去年はあかねちゃん達が「次は開催できるかしら…」と不安な感じでしたが、 無事に開催されて何よりです! やっぱり最後に放置しておくと、遊び心があるのもいいですね。 クイズは残念な結果でしたが、全問正解したらどうなるのか気になります…!
-
高崎くんと7つの魔法よくDVDとかでオーディオコメンタリーがありますが…。 このノベルゲームではスマホコメンタリーなんてものがありまして。 登場キャラがLINEみたいなチャット形式で、 本編に対してアレやコレやと、実況やツッコミを入れてくるという、 かなり珍しいシステムが組み込まれたゲームでした。 内容としては学園モノで、ギャグ色の強い青春コメディ作でした。 サクッと20分くらいあれば遊び終わりますが、 終わり際の音楽と、ここぞの一枚絵と、テキストの締め方が心地よくて、 読後感はかなり気持ちいいものになっています。 特徴のスマホコメンタリー自体はオマケ機能に近く、 会話の内容もただの雑談が多くて、 現状はあってもなくても…ぐらいの位置付けなのが、 新しい試みだけにちょっともったいないなぁと感じました。 「実はこの画像、左下に顔が映っちゃってるんだ…」みたいな、 開発秘話みたいなものがこぼれたところはすごく面白かったので、 本来のオーディオコメンタリーと近しく、 どういう意図でこのシーンを作ったとか、こんな苦労があったとか、 開発側の話とかをもっと漏らしたら面白そうだなぁと思いました。 というか場面場面の開発秘話なんて普通聞けないので、 すごく興味そそられます。それだったら今以上に読みたくなりますね。 もしくはチャット側の時間軸が結婚前夜だとして、 本編(昔)を振り返っている二人が、 私達こんな馴れ初めだったねと語るとか…? …と、そんな妄想を勝手にしてましたが、 まだ色々と応用できそうな独創的なアイディアだと思ったので、 とても刺激になった一作でした!
-
白いプリンター TGF2018特別編『白いプリンター』の特別編です。 やっぱりサクッと楽しめる、良質のホラー短編になっています。 本編と同じように物語が展開するかと思いきや、 実はまた少し違った性能のプリンタになってまして、 主人公の設定やプリンターなどの題材は同じなのに、 だんだんと話の展開が変わっていく点が、 「特別編ならでは」という感じで、楽しかったです。 1周目のプリンターを悪用した場合とかを想像してしまいましたね… プリンター1つでまだ色んなドラマが生まれそうで、 いい題材と設定のゲームだなぁと思ったりもしました。
-
ティラノフェス2018エンディング運営様、ゲーム開発者として参加した方々、プレイヤーの皆さんも、 ティラノゲームフェス2018お疲れ様でした! 期間中はとても楽しい時間でした~。 それはそれとしてこのエンディングゲーム、 スタッフロールでなんか泣きそうになりました。 色んな作品があったなぁと…。 自分の作品もフェスの一部だったんだなぁと…。 つい2回プレイしちゃいました(なぜ) 改めて、フェス開催ありがとうございました! お疲れ様でした!!
-
すけべ
-
保全-HOZEN-ウピ…ドゥピ… ウウウウピ… ドドドドドゥピ… 抽象的なものを見ると、人はそこに意味を見出したくなる… という自論があるんですが、これはその良い例ですね。 よくわからないままでしたが、最後まで遊んじゃう魅力がありました。 とはいえ「保全」というタイトルには意味がありそうなんだけどなー、 メンテしてたのかなーとか色々思うのですが、 まずそもそもこれはなんなんだという話がありまして、 結果、やっぱりよくわかりませんでした(ホメてます)
-
pain1000文字縛りで作った…という点に惹かれて遊んでみました。 文字数が文字数だけに超短編です。 作者さんが言うように、 主人公はおかしいというか、ちょっと危ない方でしたが、 私という存在を刻み付けるんだ、という発想自体は、 ちょっと共感できちゃうところもあって、なんとも複雑…。 昔、小学生ぐらいの時に、 「良いことをして有名になりたい!」みたいなことを 言ったことがあったのを思い出しました。 良いことってのが大事。 悪いことで注目されたいわけじゃないんですよねー …みたいなことを思い出させてくれたゲームでした。
-
ある座敷童の一生他の方のコメントで2回以上のプレイを推奨とあったので、 どういうことだろうと思ってやってみたら、 冒頭で意味がわかって「あぁっ!」ってなりました。 よく見るとタイトル画面も変わっているようですが、 ゲーム上で変化があることに気付きにくく…。 1回目で完結したと思ってしまい、2回目は読まず、 それでゲームを終えてしまう可能性が高そうなのが、 良いお話だっただけに、もったいないなと思いました! 例の発言をするタイミングがほんの少しでも違えば、 運命もまた全然変わっていたんだろうなぁと思うと切なくなりました。 短編ながら満足感高かったです。
-
僕を殺す瞳圧倒的ドット力…ッ! 魅力的なドット絵はキャラだけでなく、 見逃しがちなセーブ/ロード画面、バックログなどUIも含め、 ゲーム全体がドット絵で統一されています。 ドット好きにはたまらない作品。 見た目が良いその裏で、オプション項目が充実しており、 テキストプレビューもあるほどの丁寧さ。 遊んでいるときに気になりやすいカレンダー機能のON/OFF、 2周目以降は別エンドが確認しやすいようにヒント機能が解放されるなど、 かな~り遊びやすいように作られているのもスゴイところです。 ゲームとしてはヒロインの「瞳」と、 イチャイチャするのが主な内容ですが、 瞳は記憶を失っているため、イチャつく以外のお話もあります。 主人公が美大に通っているため、 日々の思い出などを描いたりするわけですが、 プレイヤが描く題材(もちろん瞳でもいい)や配色なども選べて、 魅力的なドット絵がさらに生まれます。 反映される箇所は限られますが、服装や髪型の変更も楽しい。 ドット絵の魅力を存分に活かした作りになっているのが、 上手いなぁと思いました。 ただ一方で、絵で魅せるのがメインゆえに、そもそもテキスト量が少なく、 お話自体はかなり薄味な印象で、あっという間に終わってしまいました。 プレイヤがとる行動も絞られてくるのもあって、 割とすぐに会話のパターン感を感じてしまいます。 印象に残るやり取りや、濃い体験が少なかったのが、 もったいないなぁと思いました。 他の恋愛ゲームでいうと、いきなり好感度MAXのような状態で、 ゲームが始まっているのが惜しいところなのかな?と感じました。 警戒されているところから徐々に仲良くなっていく様子が描かれると やっぱり遊んでいてうれしいし気持ち良いでしょうし、 仲良くなってきたからこそ、選べるようになるヌードモデルとかに ドキドキするんじゃないかなーと思ったりしました。 最初はハンドモデルさえ嫌がっていたあの瞳が…!!!良いの!? みたいな …と感想を書いていて思いましたが、オチのことを踏まえると、 やり取りは濃くない方が自然なのでは!?とも思いました。 あと勝手な妄想ですが、 キャンバスに描いてきた絵はどうなるのか…を考えてたら切なくなりましたが、 めっちゃ良いシーンになりそうで勝手にワクワクしてました。 長文になってしまいましたが、 プレイ後にも考察や妄想が捗って、楽しませてくれた一作でした!