九州壇氏のレビューコレクション
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ティラノフェス10オープニング -
競馬カノジョ僕は10分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 良い意味でとてもふざけた作品で、何度も笑わせて頂きました。あまり競馬に馴染みのない僕は、彼女の競馬への愛をはかり損ね、何度もバッドエンドになってしまいました。この彼女と2年付き合っている主人公に尊敬の念を抱かずにはいられません。 トゥルーエンドでも彼女は賭け事に勝ったわけではありませんが、まあ2人とも楽しそうなのでヨシ!ですね(笑) 競馬の世界を少しだけ覗くことができたのも楽しかったです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。 -
太陽と月が寄り添って僕は30分ほどで読むことができました。 @ネタバレ開始 特に心を動かされたのは、後半の展開でした。戦場カメラマンとして仕事をすると決意している月に対して、太陽はどうするのか。彼が葛藤する姿には、強い共感を覚えました。そして、「愛しているからこそ彼女の思いを尊重したい」と決断する彼は本当に優しい人物だとも思いました。 個人的には、自分の子供を置いてでも危険な仕事に向かう月の姿が印象的でした。「彼女自身も子供の頃に寂しい思いをしたはずなのに」と考えると、彼女のその行動に反対する人がいてもおかしくないだろうなとも思います。それでも彼女は仕事に向かった。その並々ならぬ決意はどこからくるのだろう。そんなふうに考えずにはいられませんでした。もともとは父の姿を見て自分の道を決めた月でしたが、実際に世界を回り様々な経験をすることで、その決意はさらに強固になっていったのかもしれないな、なんてことも想像いたしました。 なかなかつらい展開もある物語ですが、読んでいると優しい気持ちになれました。本作品では、太陽と月とはじめとしたキャラクター達が「どうすることが相手のためになるんだろう?」と悩みながら(時に不器用な方法で)行動しています。それがあるからこそ、我々読者も優しい気持ちになれたのだろうと思いました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。 -
また、会いに来るね僕は3分ほどで読むことができました。 @ネタバレ開始 思春期というのは疾風怒濤の心に振り回される時期であると思っているのですが、本作品の主人公もあらゆるものに怒りを感じずにはいられなかったのではないかなと思います。この時の、知識ベースで物事を考えている様子の描写にリアリティがあり、その点に本作品の個性を感じました。 思春期を生き延びることは大変だけど、その先には幸せを感じる瞬間が訪れるかもしれない。そんな願いが込められた作品だと思いました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。 -
サブレキャットヘヴン僕は1時間半ほどで読了することができました。 @ネタバレ開始 前作「アリスニャットシング!」の前日譚にあたるお話です。僕は「アリスニャットシング!」の登場人物たちが好きで、「彼らの背景をもっと知りたいな」と思っていましたので、そうした意味でも大変楽しむことができました。特に、前作では回想でしか出てこなかったキッコの姿を見ることができたのは嬉しかったです。彼女がジゴクに対して「ここにとどまっても良いと思っていた」と語るシーンが特に良かったです。当たり前ではありますが、彼女も本当は大丈夫でない中で大丈夫なように振舞っているんだよな、と。そうした苦悩も含め、改めて僕は彼女が好きだなと思いました。 本作品は「アリスニャットシング!」に比べるとファンタジー色が強めで、特に後半は楽しさも感じながら読むことができました。猫好きの人は特にびびっとくるんじゃないかなと思います。 また、これは本当に個人的な感想になってしまうのですが……。作品をプレイする中で見えてくる死生観が深く印象に残りました。生き物は必ず死ぬ。そして、我々人間はそのことでどうしようもなく心を乱されてしまう。しかし、それでもいいのだと。そのことも全部含めて、我々はありのままを受け入れて生きていくしかないのだと。そんな風に言ってもらえた気がしました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。 -
真田あおいの25年僕は1時間ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 困難を抱えつつ、それでも自分らしく生きようとする主人公たちの姿に魅せられる物語でした。彼らに降りかかった困難は大きなものでしたが、激しく葛藤する様子を劇的に描くことをメインとせず、あくまで登場人物らの等身大の交流を大切に描いている点が本作品の大きな個性であると感じました。個人的にもっとも好きだったのは「とある夏休みの一日。」です。それぞれ様々な思いを抱えていたと思うのですが、それをあまり見せないようにして一日を楽しく過ごそうとする。そんな彼らの姿は、彼らの生き様を象徴しているもののように思いました。 また、個人的に印象に残ったのは、「私はダイアモンドになりたい」にて、山田功太という全くの新キャラが登場することでした。なぜこの章にのみ彼は出てきたのか。その理由をしばらくあれこれと考えてみました。 この章の役割は、あおいの新しい一面を描写することにあったのかなと思います。あおいには、3人でいる時にはあえて言葉にしない、あえてみせない感情があった。それをみせるために、功太という第三者が必要だったのかもしれないと考えました。 この章で特に重要だったと思うのは、「あおいはこうようをどう思っているか」が判明するシーンです。こうようと付き合いたいという気持ちがある、だけど、深い関係になるなんて無責任だからできない。そうした矛盾を抱えつつも彼女は全力で生きていたことが分かる良いシーンだったと思います。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。 -
異界よりの朱僕は3時間ほどで読むことができました。 @ネタバレ開始 もっとも素晴らしいと感じたところは、ストーリー終盤の展開でした。特に、「終章 異界よりの朱」で明らかになる真実には驚きましたし、「いったいどんな結末を迎えるのだろう」という思いで一気に最後まで読んでしまいました。特に面白く読めたのが「終章 異界よりの朱」だったのですが、それまでの展開があったからこそだとも思います。本作品は序盤から世界の深刻な危機が描かれ、「この世界はもうすぐ滅びるのだ」という雰囲気を物語のいたるところで感じられました。1つ目のエンドの迎え、全てのエンドを回収しようと考えていた時には、この作品の醍醐味をほとんど味わえた気でいました。しかしまさかそこからこんな展開がくるとは……。ゲームシステムもうまく利用した構成が見事で、僕はその点にもっとも感動しました。 最後の戦いが終わった後、多くは語らずに物語の幕がおろされたところも大変良かったと思います。余韻が強く残り、ゲームを終了した後もストーリーの語られていないところを想像せずにはいられませんでした。 また、戦闘シーンの描写も見事だったと思います。朱鬼たちの強さ、恐ろしさがひしひしと伝わってきて、読んでいるこちらもハラハラするほどでした。 最後まで読むとどのキャラクターにも愛着がわいたのですが、一番好きなのはやはりノラです。彼が救った世界がどうか末永く続きますように、と願わずにはいられません。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました。 -
ステラ・ミア僕は20分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 短いながらも、心に残る物語でした。 2人がどんな思いで共にいるのか、それが垣間見えるラストシーンの描き方が最も印象に残りました。特に、 「彼も、私も、このわずかな間しか、晒せない心がある」 の一文。ミアもちゃんとフレルのことを分かっている。だからなおのこと、苦しいのでしょうね⋯⋯。 イラストも大変綺麗で、この切なくも美しい物語にマッチしていると感じました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。 -
神様、ギターを買う僕は20分ほどで全エンドをみることができました。 @ネタバレ開始 これまでしじみシリーズはプレイしたことがなかったのですが、問題なく楽しむことができました。 引き込まれるようなタイトル画面をみてプレイしたのですが、良い意味で裏切られました。どのキャラクターもぶっ飛んでいて、掛け合いが大変面白かったです。特に、氷神は偉そうなわりにチョロいところが可愛らしく、とても魅力的でした。クスリと笑えるエンドばかりで、エンド回収も楽しかったです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました! -
因習村のむらじまい僕は15分ほどで読了することができました。 @ネタバレ開始 短い時間で読める作品ですが、その背景にも思いを馳せずにはいられない作品でした。四辻村とは一体どんな村だったのか、赤いペンダントは何だったのか、どんな人物がどんな思いで依頼をしてきたのか、等々⋯⋯。想像してみるのも楽しかったです。 メインキャラクターである伊吹と八千代は良いコンビで、その掛け合いをもっと見ていたいとも感じました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。
