天凱彼岸花(テンガイ ヒガンバナ)のレビューコレクション
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つくもと夜の屋台実況動画としてプレイさせていただきました。 不思議な屋台を舞台とした推理ゲームという独特の設定にとても惹かれました。 @ネタバレ開始 お客様である神様…付喪神が元々何に宿ったのか? を当てていくというそういった概念や要素が好きな者ならそれだけでワクワクとしちゃう設定。 ノーマルとバッドの2種類エンドがあるという事で、最初の選択肢は本編に入らないルート=バッドだろうと軽率に回収した結果何だか主人公がトホホな日常を送る事に…。 ここは神様占いを信じよう!という事でいつもと違う道を選べば知らない場所へ… いきなりバイトくんと呼ばれ何事か?と思うもつくもさんのお手伝いとしてお客様が何だったのかを思い出すお手伝いをする事に。 バイトをするのは一向に歓迎ながらも、面接とか良かったのかな…?と思いましたが、まずあの屋台に行ける人はすでにその資格があるという事なのでしょうね。 お客様が初めて姿を見せる時の動きがとても愛らしかったです。 やるからには一発で全問正解を目指すぞ!と意気込んで早速聞き取りスタート。 ◇1問目 古い物…という事で随分時代がかった場所? 重要な部分は黄色の文字になるようなので、要点をまとめるとこれは素直にアレだろうとわかりました。 物というよりは、物を擬人化した…神様となった相手の記憶として話を聞くので断片的ながらもまるでそう扱われた人間の話っぽいのが面白いです。 正解するとそこには綺麗なお姉さんが!? かさの神様という事で、イヤリングも傘を閉じるときに使う紐になっていたりとちゃんと何の付喪神なのか取り入れられたデザインにこだわりを感じます。 お礼に立派な傘をもらってしまいましたが…これが後程何かの役に立つのか? ◇2問目 綺麗でファンシーなお花を背景に、フワフワで柔らかい。マシュマロみたいな体というファンタジーの世界にいる住人のような証言が。 好きな子の写真を下に置く…そういうおまじないって確かに聞いたことがあるなぁと思わずにやりとしましたね。 正解すると、これはなかなかのイケメン…!! でも、腕の部分には持っている枕と同じ模様が入っているのでまくらの神様であるのはそうなのでしょう。 そして、お礼として今主人公が使っている物より質のいい枕をゲット。 そういえば、屋台に行かないエンドでは枕に対して文句を言っていたような…? ◇3問目 人間である主人公からしてみれば、朝に起きてから夜明けまで起き続けているのは確かに大変そうだなぁ…といよいよラストへ。 しかし、今度のお客様は何かおかしいというか…主人公の指摘通りに目が赤い。 大分記憶が薄れているという事で、聞けた情報は全部重要という黄色表記だったけれどかなり断片的かつ短い物。 つくもちゃん曰く、今回ばかりは質問をした方がいいけれどデリケートな状態なので扱いにも注意が必要というなかなか難しい状況のようで。 それでも初見で正解はわかったのでそのまま入力をすれば正解。 質問をした場合、どんなヒントが聞けたのか気になったので感想をまとめがてら確認をしましたが 最初の質問→どちらも「ハリ」 後の質問→1つしかないので決まったヒントを入手 と、ちゃんと情報をまとめれば正体がわかる親切仕様でしたね。 ここで約束を破って4回目の質問をした場合はトホホ日常ルートへ合流をしておしまいなのも確認しました。 正解すれば、針の形をした髪飾りが素敵なお姉さんが!! 置時計を手に入れてこれにてバイトはおしまい。 これまでに神様からもらった物は今の主人公に必要な物…というのもトホホなバッドを見ていると納得ができました。 「バイトくんの、これからの日常が少しでも楽しいものになりますように」 ◇そして日常へ 朝まで起きていたし、会社にはそのまま行くのかな?と心配でしたがどうやらあの道を選んだ段階に遡ったようで。 雨が降ってもちゃんと傘があるから濡れる事もなく。 良い枕のおかげで睡眠の質も上がりそうというのは生活の上でもとても重要ですね…! さらに時計のアラームをセットするので、スマホのアラームが鳴らないのせいで寝坊をするというのも回避成功。 朝になれば屋台も消えて、グッドモーニング!と、きっと素敵な日々が続いていく…。 つくもちゃんが最後に言った言葉もですが、困った人へ親切にする事で自分も幸せになれる。 そうやって優しくて幸せな世界が成り立っているというのがとても素敵です。 謎解きそのものも楽しめましたが、この世界観はとても居心地の良い物でした。 @ネタバレ終了 推理ゲームとしてさくっと遊べて、そこには優しさを感じる物がある物語。 という事で素敵な作品をありがとうございました。
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はじめての!デスゲーム・マスター配信にてプレイさせていただきました。 とうとう公務員がデスゲームを運営する時代…時はまさに世紀末なのか!? と思いつつもデスゲームのGM側をする内容は珍しい事とかなりワクワクする物があった為楽しくプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 とりあえずゲームでは定番の名前入力から始まるのかと思いきや、実は面接からというスタートは意外性があって良かったですね。 ゲームページの概要だけ見るとすでに就職後という事ですぐに本編と思っていたので導入としてもここからやるのか~! と、まさにこれから自分がデスゲーム課に配属されるまでを含めての流れとして良いチュートリアルだったと思います。 志望動機を語る部分は初見だと流してしまいましたが、明言されていないからこそアドリブで好きな動機を即興で語れるという意味で実況としてはおいしかったです。 周回した際にはこれは遊べる要素だ!とばかりにこの場面で早口にそれっぽく語ったりしました。 そして、簡単な質問という事で出される二択の質問。 犯罪行為の経験を問う内容という事で、初見では素直に答えましたがこれによってもしやそもそも就職できないバッドエンドがあるとか…? と初見では首を傾げましたが、純粋に主人公の累計犯罪ポイントというプロフィールが決まるお遊び要素として後程連動している事に気づきました。 いざ合格し、配属先にいけばいかにもデスゲームのGMをつけた上司マスさんの登場。 入ってきた人がことごとく辞めてしまうというので、これってもしや結構ブラックな職場なのかな…?と雲行きの怪しさも察知しつつ。 名前を聞かれた際に素直に答えるかどうか。 答えない場合不名誉な呼び名をつけられる事にどう対応するかで分岐するお遊び要素とデスゲームという重たい題材ながらゲーム全体の流れは割とコミカルでしたね。 デスゲームそのものは知っているので初回は説明を聞きませんでしたが、ここで説明をしてもらうと世界観の仕組みも含め深掘りをされるので後から把握し納得しました。 殺人でも1回なら280ptなのでギリギリデスゲーム行にはならないんだな?というのは少々意外でしたね。 そして書類が見つかり主人公のポイントが判明する際 ポイントがやたらに高いと「経験者でしたかァ~~~!!!」と言われ、少なければ「清廉潔白な身の上ですね!ペッッ!!!」 と、少ない分には何の文句があるんだ!?となるのも細かい。 いざ、ゲーム会場…へ向かう前にデスゲームのGMと言えばお約束のお面も支給され。 やはりこれって、公務員がやる場合でも必須だし支給品なんだ?と思いましたが、顔が割れる事で関係者遺族に逆恨みをされないようにというちゃんとした理由があるのになるほど? 本来なら正体不明のGMという怪しい雰囲気の演出がメインでしょうが、公務員がやるとはいえ確かにそういう点ではリスキーですものね…。 デスゲームの内容時代はマスさんの出題する問題に対し自分がAとBどちらだと思うか? その答えと違う人に加点されていき、3点になったら脱落とやる事自体はとても簡単な内容。 …ですが、その割には操作できそうなボタンが多いような?関係ないと言われてますけど。 初回は一応言う事を聞いておこうと余計なボタンは触らず、手紙も勝手に読まず、規定人数が脱落でゲームは終わる。 という無難なプレイをすればエンド1を回収。 とりあえず、前回と違う事をすればまず別エンドを回収できるだろうという事でここからフリーダムプレイに走らせていただきました。 家の形をしているボタンを押すと一気にキル数が100人単位で増えた!? セキュリティシステムの作動により100人が一気に死んでしまったというとんでもないボタンをこんな所に何故設置したのだろう…と疑問に思うも1回押したらもうそのゲーム内では操作できないように取り外されてしまい。 星のボタンはムーディーなライトの演出、水滴のボタンは感想を書く上で連打して気づきましたがスライム?のようなものが出現する謎のボタンだった…!? ハートのボタンはおみくじと確かにゲームには関係ないというか、何故つけたのか…この設備を作った人への疑問が尽きません。 でも、コーヒーとバーガーの注文ボタンは長丁場となった際のブレイクタイムとして便利ですね。 人の生死を握りながら飲むコーヒーは美味いか…?という演出的にも好きです。 ゲームの合間にされるマスさんからの質問も、倫理観がバグってる物から一般的な反応とその時の自分のロールプレイや気分によって選べて良かったです。 個人的に、デスゲームの運営側をする物をプレイする時点で率先して倫理観をバグらせて楽しみたかったのでそういう突き抜けた反応ができるのはなかなかでした。 あくまでゲーム等の架空の世界でのみ満たせる欲でもありますし。 お昼休みという事で手紙の配達がてら監房棟へ。 ラテ君は初見だとどうして自分を殺して欲しいとお願いをしてきたのか。 家に帰りたくないとしか理由を話してくれませんでしたが、それだけで死を選ぶのか…?と疑問を抱え。 破天荒フリーダム方針にしてからは率先して手紙は開封する方向だったのでマスさんから預かった手紙ももちろん開封。 ミドリさん当人も口頭で説明していましたが、フィールドワークの一環として収容されているだけでマスさんも協力者としてデータを手紙という形で横流ししているようでしたね。 話に嘘がなかったという点で補強はされたというべきか。 どのみちフィールドワークという目的の為に、手段として被検体の尊い犠牲はあったようですが…。 官営プラントは何かを製造している?らしいけれど主人公では入る事もできないので謎のまま。 裁判所も用事がないという事で敷地に存在はするけれど行けない場所の扱い。 欲を言えば中が気になるところですが、1つの敷地で裁判→監房棟→デスゲーム会場→プラント、という必要な物が完結しているというのは合理的ですね。 (見たい気持ちはありますが…プラントの中は、エンド5を考えると入れたら駄目としても) それと、チュートリアルの際にバーガーを注文しているとお昼休みパートでマスさんが摂取している物がコーヒーからバーガーになるのも後から気づきましたが細かい! ミドリさんからもらったキャンディを試してみるとそれぞれの参加者がどの選択肢を選ぶのかがわかるという仕組みのようで。 確かに不明のままでは狙った人物の生死を操作できないのでこれは必須アイテムでしょう。 逆に、これを渡すという事でミドリさんはこれまでイカサマで生存してる訳でしょうし。 という事で、もう一回家のボタンをドーーーン!!! 信じられない…という反応をするマスさんですが、こちらは一度やらかしているのに何故再びボタンを戻しておいたのか…。 2回目の時点ではまだ呆れつつもそこまで厳しく注意される事もないまま。 ネームド参加者はラテ・ミドリ・バロウの3人。 興味深いのは、問題に対する解答は毎回参加者により固定っぽいので=その人の信念や通したい物 という事と言える点ですね。 タイムマシンで過去と未来のどちらへ行きたいか? ラテ→過去/ミドリ→未来 と、ラテ君は今の環境を思えば過去にやり直したいとかこうすれば良かったがありそうだしミドリさんは今をエンジョイしてるし先の技術の発展等を見たいのだろうなと納得。 恋人の携帯を見るか? ラテ→見ない/ミドリ→見る という部分も性格が出てるな~?とその参加者がどんな価値観なのかを観測するというのもなかなか面白い部分です。 質問そのものも、正直この明確に正解がない…ボタンを押す人の性格で左右をされる問題ばかりという理不尽さ。 なのに、目玉焼きの味付けの問に対し(ソース派は改心せよ)といった事が書かれていたりとやはりコミカルというかノリは軽い。 後にマスさんがこんな制度間違っているとの発言をしていましたがそれ以前にこんな質問で生死が分岐するのも相当アレでしょうね。 おやつの時間という休憩タイムへ。 昼にデスゲーム会場へ行ってどんな観客が来るのかを知っているかどうかで実際に賑わう様を見た際の反応も違うのがやはり細かい。 富裕層の娯楽としてデスゲームを観戦するというのも、実際デスゲーム物における目的としてありそうなのでそれが個人規模か国営の設定なのか…ですねぇ。 しかも、国が胴元で生死予想の賭けもされているという命の価値の軽さ。 人口管理や治安問題といった建て前があれど、軽視されているのは否定ができないでしょう。 ルノさんからの要望については正直拒否する理由がないというのが私の見解でした。 服装から喪服であろう事、実際に夫を殺された被害者遺族という立場。 大事な人の命を奪った相手が憎いというのは当然の心理でしょうし、バロウ自身も犯罪常習者という真っ黒に焦げたエビフライの色。 今回で5回も入っているのによくこれまで生き延びてきたな?というのも驚きですが…ミドリさんのように八百長を持ちかけたのか余程運が強いのか。 (しかも、当人と会話した際も罪の意識がないので更生もしないだろうなと) 「こんな人間が、短い収監やチンケなゲームへの参加だけで赦されていいはずがないんです!!!」 人の命の扱いが大概軽い(ゲーム内容の運要素の強さ等) しかも、裁くという観点でも機能が怪しい(殺人でも1回なら280ptで入れないのに4回も入っている常習犯な時点で) と考えれば、ルノさんの言い分は何も間違っていないよなと。 そして、彼女が去ると死んだ旦那の霊が!? こちらもお願いがあるようなので聞いて見れば、妻とは反対にバロウは殺さないで欲しいという要望。 殺すのではバロウにとっても反省の時間や更生の機会を奪う事になる、という真っ当な言い分ではあります。 何より、妻にとっての救いを考えた際にそれが復讐の達成であって欲しくないというのは…死んでしまった側なら思うのかもしれませんね。 死後も妻をずっと見守っている中で彼女の様子が変わった事が痛ましくてしかたないのもある。 死因について聞いた際も、妻のブローチが盗まれたらと焦って声をかけたら運悪く…という内容。 ルノさんが言っていた証言から、本来なら厄介事に首を突っ込まない性格の夫ならありえないというのにも説明はつきました。 ここでも、もっと話せる相手だと思った。 でも彼だって、環境や境遇のせいであんなことをせざるを得ないのかもしれない。 赦してやってもいいのではないか。 という、死んでしまえば皆仏(のような心になるというのか…)確かに、環境等はあれど限度はあるかなぁというのが難しい所。 アッシュさんが善良で人をあまり疑わないしそんないい人だからルノさんも惚れたんだろうなという事は読めましたが…。 悩むところでありますが…アッシュさんの気持ちはわかるとはいえ、復讐は生者にとってこれからを生きる為に必要な清算でもある。 なので、キル数を抑える理由がないと思った際は遠慮なく殺害を選びました。 監房棟へも顔を出し。 ここで受け取れる手紙も、内容を読めば背景が知れるという点では必須なのだろうなと思える内容でしたね。 (勝手に開封して読むのは駄目ですが) ラテ君が何故収容されているのか。 貧しい家庭だからこそ、下の弟たちにひもじい思いをさせない為に盗みを繰り返していたという理由だった事。 母親はそのことを今まで知らずに仕事にかまけていた事。 だから、家には帰りたくないとラテ君は死にたいと言ったのだと。 これも、基本は当人の希望通り死なせた方がいいのか?→手紙の内容を知ってからため息しか出ない という流れになったので、もっと早くに知っていれば…となる良い演出でしたね。 ラテ君当人に、生き延びた事へ文句を言われた際に再度理由を聞けば 自分がいなくなればその分食料を下の子にあげる事ができるから。 捕まってしまった自分を、もう母親は嫌いになったはずだという思い込みがあったから。 それは違うよと、手紙で母親の気持ちを知れた際は生かして良かったと思えましたね…。 本日最後のデスゲームへ。 という事で最後の100キルボタンをぽちっとな!! マスさんもさすがに3回目となると切れるようで、罵られた後にボタンを回収されました。 だから…2回やった時点でもう外しておけとあれ程……。 生死が重要なのは今回バロウのみなので、ここは行きたいエンドに合わせて調整を。 ようやく業務も終了という事で、タイムカードを押す前にゲーム会場へ行ってみればルノさんが。 彼女の要望を叶えればこれで気が済んだとばかりの様子。 そして、意図的に人を殺すという行為をしたこちらを気遣ってくださいましたが基本は頭のネジが飛んでいるモードだったのでそんな心配いらなかったよ…というのは胸にしまいつつ。 後は、アッシュさんの伝言としてブローチの事を教えればきっとそれが後の心の支えになるのかな…と。 バロウ殺害の際、アッシュさんがまだいるかの質問にはどちらでも都合よく解釈しているようなのでまぁ見えないならここは好きに思わせていいのかもと見送り。 山のようにある規則を全て破るのには長い時間が要るであろうという内容の文面。 収監者の誰よりもアウトローな精神を胸に宿した新人と表現される主人公。 クソヤバサイコパス(お前) というエンド名もそのまんますぎるド直球でエンド3は好きです。 1が殺害数が少ない場合。 3が破天荒まっしぐらルートであろう事。 となるとまだ回収できていない2はその中間であろうと予想はできました。 純粋な殺害数が多いのみのエンド…とまで考える事はできましたが チュートリアル含め参加者全員キルはなかなか難易度が高く運も絡む以上難しい。 試してみるもエンド1に行ってしまったので、どこかを間違えている?と悩み。 そういえば、エンド3ってやるなと言われた事をコンプしてるっぽい表現だったな? と気づいて1回だけ100キルボタンを押す事でエンド2は回収できました。 そしてなんちゃって善人プレイな会話をしてる最中に隠しであろうエンド6も回収。 回収難易度からてっきり6がエンド5なのか?と思いきや思わぬ収穫でしたね。 ◆独自の世界観 チュートリアル段階でマスさんから聞けるこの世界における情勢。 ミドリさんを生かした場合に判明する研究についてのデータ。 確かにこのゲームにおける参加者はみんな人外っぽい姿はしていると思っていましたが、元々は現実のように概ね同じ姿であった事。 それが環境由来の理由で突然変異を遂げた結果様々な姿になり、元の人間からの変異幅が大きい人程犯罪をしやすい事。 特に顕著な例として語れる人種の特徴は、どう考えてもバロウと一致したので彼がやけに収容されている事やそういう性格である事の裏が取れましたね。 ついでに、配信内では回収できなかったのでバロウ生存時に可能な質問も全て確認いたしました。 結論だけ言えば…やはりこいつ、処した方が良かったのでは?と。 確かにパンを食べる際に使われている麦がどの粒だったかを覚えている人はいないでしょう。 自分が今回、どこで犯罪を行った結果収容されたのか?その点から店の事は覚えている。 だけど、その理由が理由なのがあまりにも被害者が報われないと言える内容過ぎる…。 ラテ君のように貧困から犯罪に走る事はあるでしょうし、一家を養う大黒柱と言っていた点から家族の為…ならまだ多少の少々は境遇という観点を考慮できたかもしれない。 けど、仕事のできる環境がありながら楽だからという理由で犯罪に走るのは間違いだよなと。 (同時に、何故彼の服装が農夫っぽいかもここで理解しました) 収容され、デスゲームに参加した時点で罰は受けた。 だから反省をする必要はない こんな事を平然と言える時点でアッシュさんの考える更生のチャンスなんて与えても無駄だし、一応生存させた方がブローチの事を伝えるのとセットでルノさんの今後を考えると良さそうなのにはまた複雑な気持ちとなります。 やはり、変異幅の大きさは傾向として人の倫理観すら狂わせるのか? と思うも、それに関係なく現実にもそういった人間が存在していると思うとそれだけがまた全てではない。 人が不完全な存在で善悪どちらにも転べるからこそ永遠の課題である。 確かにこのゲームにおける世界観や設定は現実とかけ離れた架空の物でありながら、根底にある人間の描かれ方はどこかリアルという印象でしたね。 エンド4に行く際語られる、マスさんとしても現在あるデスゲームの仕組みに否定的である事。 加害者は罪と向き合う事にはならない…という言葉も今ならその実例を見てしまったので肯定する要素しかない。 それに、被害者遺族の声としてルノさんの訴えを聞いた以上そちら側の救済や犯罪抑止という面でも問題があるのは痛い程にわかります。 先述した『人が不完全な存在で善悪どちらにも転べる』というのも、だからこそ善でいられるように犯罪を犯す必要がない社会保障や教育があればある程度は防げるのではないか? 根底にある問題を解決しない限り、その末に生まれた犯罪者をただ見せしめとしてデスゲームにかけても意味はない。 祈っている。被害者に等しく救いが訪れ、加害者が加害者とならず生きられる人生を。 祈っている。誰しもが当たり前に生き続けることができ、幸せを追い求められる世界を。 善性スイッチというか、頭のネジを普段の調子にするのなら一番好きなのはこのエンドですね。 新しい天秤というエンド名も、これからに必要な物だなぁという点でワード選びが良いです。 しかし…このエンドを見ると、そう思いつつも国でなく実は世界規模で問題を動かさないといけないという事実に直面するエンド5で背筋がひやっとしますね。 エンド5は条件がわからなかったのでヒントに頼らせていただきました。 そこからあのエネルギーバーが重要アイテムという時点で、味の感想にあった鉄というワードから嫌な予感はしておりました。 とりあえず、あれを食べた状態で探索をすれば血まみれなコシュミエさんとエンカウント。 もうこの時点で嫌な予感しかない、選択肢にも逃げようとする内容が混入するのも納得の流れ。 デスゲーム会場の片付けの話は以前にも聞いていたので、彼女の姿が血に汚れていても死体処理のせいと思えば理解はできます。 問題は、死体をプラントの方で二次使用するという点にあって…。 詳細を聞けば、チュートリアルの時点でも言われていた現在世界規模で人口を制御せざるを得ない理由が再び出てきます。 だからこそ、ラテ君のように貧困層による犯罪も多そうだと思ってはいましたが…。 「培養しやすい適性がある奴はそういう風に使って、そうじゃないのはハムかミンチが多いかな」 ここで再び思い出される、ミドリさんが話してくれたこの世界にいる人類の説明。 突然変異としてこの世界の人間は様々な姿になっている事。 それが犯罪率にも関わるという事は、脳の構造にも影響を与えており…他にも肉体の構成だって多様な姿がある以上まぁ色々とあるのでしょうね…? そう、培養しやすいかどうか…という話においても。 一番衝撃だったのは、デスゲーム反対と思っているマスさんもこの食料の正体を知った上で平気で食べている事。 確かにいつも空腹というか、必要な栄養が摂取できなければ人は生きていけない。 このエンドにおける一枚絵扱いの、人肉加工所を見ているコシュミエさんがとても印象的でした。 我々の血肉となる罪人達。 デスゲームは単なる裁きの場でなく、食料を作る上でも欠かせない仕組みだった…? 主人公がそこにショックを受けるのは当然として、マスさんはデスゲームそのものに反対であり犯罪抑止をしたいと思っている事。 だけど世界規模で起きている食糧難の解決には規定人数を越えた場合、人間を罪人という名目で裁き食料にしなければならないという問題もある事。 もしこの主人公の住んでいる国がデスゲームをしなくなったとしても、世界のどこかでは罪人が食肉になっている。 そう考えた時、天秤の持つ役割とは何なのか…? 知らない方が良い事がある。 だけど、根底の問題としてこの食料問題もどうにかしなければ都合上デスゲームがなくなる事もありえない。 …こうなると、この時点で手遅れだった!! ◆Npと個人としての識別 最初に気づいたのは破天荒にしていた際にミドリさんに色がついている?となった際。 どうやら収容されている人の名前なり境遇を知る事で初めて相手を一人の人間として識別する事になるようですね。 デスゲームの最中、参加者は全員一律でモノクロ表現だった事。 本来は番号で管理されており、管理の上で識別するだけなら名前は不要であるという事実。 だけど、このゲームに参加させられているのだってみんな人間でありそれぞれの生きてきた人生が背景にある。 それがどんな人物であれ、ただの作業として処理をする対象から名を持った人間であると認識が変わった際に色がつく演出はなかなかでした。 思えば、他の色がある登場人物はネームドキャラのみでしたからね。 収容されている人もそういった人たちのように人として見ている…その為には手紙を開封等しなければならないのであれですが、この表現はとても好きです。 同時に、世界のヒミツという食肉の事を思えばあまり個人に肩入れするというのは心が死んでいく自殺行為なのでしょうが。 マスさんはその点だと、加害者であれ渡せる遺品は遺族に返したいと動いているあたりこの世界を生きるには向いてないだろう人でしょうね。 (スイッチ3回で怒らせたのは本当に申し訳ございませんでした。でも反応は楽しかったです) @ネタバレ終了 お手軽操作な軽いノリで進行されるデスゲーム。 久々に倫理観ぶっ壊しモードで楽しめる点でも名作でした。 だけど、この世界の情報を知る事でプレイヤーはどうこの職務に向き合いたいと思うのか? さくっとお手軽に遊ぶも良し。 考察好きならそういった部分に踏み込んでも良し。 という事でたっぷり堪能させていただきました。 今回は素敵な作品をありがとうございました。
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「駄目人間。2―落選編―」実況動画としてプレイさせていただきました。 一見するとネタのようなタイトルとタイムリーな内容でもある印象です。 が!その実態はゲーム制作者でなくてもためになる要素のあるゲームだった…!! @ネタバレ開始 落選編という事で、今回は賞が取れなかったという場面からの始まり。 そこからまさかの選択肢が台詞の書かれたフキダシという形式の時点で、こいつ…おもしれー奴的な感じのテンションの上がりを感じました。 とりあえず、落ち込むという意味では初手は食欲不振に睡眠不足がありそうという事でそちらの選択肢をぽちっと。 エンドが3種類という事と、最初の選択肢も3つだったのでてっきり各選択肢がそのままエンド直通かと思えばその先に待っていたのはネガティブな物と突然のマジレスと言える二択になったので思わず「!?」という顔になりました。 いや、でも明らかに体調不良なんだし病院に行くってのは突然のマジレスだけど正論だな?と選択。 そこからの内容は、現在の体調が万全でないという事も踏まえ取るべき行動の丁寧なチュートリアルというこれは正直色んな人が知っていても良いと思える実用的な流れでした。 そこで実行できそうなら「よし行こう」で解決。 「もう少し詳しく」を選べば、今回のケースにおける適切な病院選びの提案に実際行くにあたり注意すべき点というか、いざ行こうにもあるあるすぎて失敗をする内容だよなぁと経験者なら知ってる事を丁寧に説明をしてくれる至れり尽くせりの限り。 病院といっても目的の治療に対応した専門医がいる曜日が決まっている事ってありますし、知っていて損のない内容と言えます。 診察をスムーズに行う上での知識も教えてもらえるという、これって教育テレビならぬゲームだっけ…?という完璧な説明。 「不安だ心配だ……」を選んだ場合はネガティブな流れになりバッドエンドか? と思わせてからの早期発見早期治療!!という言葉。 「とっとと病院だ!!」という選択肢一択になる事と、この選択肢のみカーソルを合わせると補足のように出る「はよ行け」の一言に笑わずにはいられませんでした。 以前遊ばせていただいた作品でのトマト最強!!の時も思いましたが、作者様のこういうノリがほんっとに好きです。 病院に行くルートでは結果的に必要な対応や休息をとって自分の人生を大事にするひたすら実用的で優しい世界なエンドへ。 「もう駄目だ」は選んだ時点で自分は『』なんだ…というマイナスなエンドへ。 これは特定の言葉が入るのをあえて表記せず想像に任せるパターンか、虚無といった概念なのか…。 「慣れきってしまった……」 続く文章から、落選する事が続いて痛みにも麻痺してしまい認識が歪んでいるという事を示唆する内容ですね。 「負け続けることが我が人生」は選択肢の後ろにあるフキダシの色こそ暗いものの、まだそこにはわかりやすい絶望から迷いなり抗いたいという気持ちも混在するのでしょう。 選択肢が「落ち着け。病院だ」という現実的な物。 「だ、誰かに相談……」という困った時に頼れる人がいる事の重要さを示す物。 「もう駄目だ」はバッド直行ですが、これに関しては『己が己である限り負ける事が義務つけられている』という感情の延長から陥ってしまうだろう事。 この派生はもう一度エンドと『』エンドが選べるドン!でこそありますが、一旦休息が必要という意味で行きつくエンドの内容としてはとても納得できました。 そしてラストの「……な訳あるか!!!!」を選んだ場合。 そうだいったれ!やったれ!! 自分の気持ちや欲望に正直で何が悪い!?その為に頑張る事は悪じゃないんだよ!!! と、内容としても前向きな分この先きっと賞をつかみ取る日がくるであろう事に期待のできる終わりでした。 @ネタバレ終了 ネタゲーの皮を被った超絶真面目なゲームではないか?というのが率直な感想ですね。 日常でも使える知識があるという点では遊びながら学べるので幅広く知って欲しい要素のある作品と思えます。 そして、今回の副題である落選編というところから上手く内容を膨らませていらっしゃるのが凄いと思えました。 今回は素敵な作品をありがとうございました。
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駄目人間。実況動画としてプレイさせていただきました。 短いながらも、ゲームに限らず創作活動をしているなら刺さる方も多いであろう内容でした。 @ネタバレ開始 まず、何で元々3人しかいないチームだったのに2人と1人に別れてゲームを制作する事になったのか…という開幕のツッコミどころはわかっていても指摘せずにはいられない…! ゲーム制作をしていればかなりの人が陥るであろう、DL数や評価という要素。 自己否定が強い二択の選択肢が続いた時は思わず「これ、周回したら第三の選択肢として前向きなのが出るのかな?」と不安になりましたが特にそんな事もなく。 でも、それはこの時点でそれ位追い詰められているというかそういう気持ちが強いという意味なんだなぁと。 沢山の選択肢が出る場面で、大量の「自分は駄目だ」が出た時は思わず軽い悲鳴が出ましたがその中にしっかり存在する「でも…」 選べば遠くに見える光と、引き続き大量の負に満ちた選択肢の中に紛れ込む「それでも……」 最終的に「自分のゲームが好きだ!!!!!!」が出てきた時は思わず良かったと思わずにはいられませんでした。 確かに、いくら目に見える数字が全てでないとわかっていてもそれに振り回されるのも心の弱さであり事実。 それでも、大前提として自分は自分のゲームが好きであるという事を再認識して「自己肯定感」を手に入れる事で終わる事。 自分のゲームの一番のファンは自分だし、自分が面白いと思った物を作り上げたという事実を認める事。 これは創作において何の分野であれ大事な事と思うので、私自身はゲーム制作こそしていませんがとても共感ができました。 @ネタバレ終了 あるあるネタでありながら、だけどそこから立ち上がっていけるという一種の通過点。 本来、負の要素というのは隠したいという事が多いと思われますがこうして作品という形で乗り越えようとするのも、また一つの形でありだと思えました。 素敵な作品をありがとうございました。
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耕せ!因習村配信にてプレイさせていただきました。 マルチな破滅エンド多数の因習村を作るゲームという響きでもう面白い予感しかありませんでした。 独裁者を目指すガキくんのキャラ的にもバッドエンドを回収していくのにも抵抗がなく、どれでどんなエンドを迎えるのか?というワクワクもありながら進められましたね。 @ネタバレ開始 いきなり、転生したら双子の兄で村長の息子だった。とでもいうようなスタート。 もうこの時点で独裁者を目指す人生の目標や自覚自覚を持っている…だと…? という笑いがありましたね。 そして、双子が10歳になろうかという頃にされる両親の会話。 このままだと兄の方が殺されるという流れを把握すると突然子供がこちらに向かって話しかけてきた…!? どうやらあちらはプレイヤーが彼が赤ん坊の頃からここまでの流れを把握しているのをわかっているようで、自分に力を貸して欲しいとの事。 プレイヤーの目的はこの子が村長になれるよう導いていくというのは概要で把握していましたが、結構メタメタに相談していくタイプなのだな? というのは少々驚きましたね。 そこからは出てくる選択肢から正解と思う方を選んで行くという流れに。 破滅エンド12はきっちり回収の上で最終エンド2も集めました。 初見で一発正解を引き当てていきたい気持ちもありましたが、やはりこのゲームの売りである破滅エンドは積極的に回収したいと1回破滅を見てから正規に行く流れで役人まで成長。 話によるとガキくんの背中には痣がありそれが忌み子の印という事で殺されそうになっていたとの事。 弟の方にも痣はあるけど、こっちは逆にカミサマに愛されてる印という事で視覚的にどういう違いがあるのかは不明ですがこれは結構とんでもない事に力を貸している感がありますね。 いや、因習村を作るゲームを遊んでいる時点でわかっているし楽しみですが。 当面の目標としては、役人さんにとって都合が良くなるように村の風習を変えていく事。 閉鎖的で陰湿なものにして行った方がいいというのも、完全に因習村を作るゲームとしては正解なのでしょうが…もうこの年の時点でそのビジョンがあるとは。 閉鎖社会ならその中で頂点にいる者の権力は強くなるでしょうからね、将来は村長になると考えるなら。 現在ある、人よりオシドメさま信仰が強い状態を崩し権力をより握りやすいようにしたいという事なのでしょう。 次の選択肢は ・古い書物を規制する ・供物を村の上層部に捧げるようにする ・祠を燃やす という、祠破壊RTA展開だー!と歓喜な物もありました。 ただ、まだ今は信仰の力が強い分時期として早計かもしれないという注意もあり。 注意は把握しつつも、ここは破滅したいし祠燃やそうぜ!→書は燃やせ(規制せよ)で2破滅回収のつもりが次の展開へ。 古くからある教えが間違っていると認識させる為にも情報を規制しつつ、新しい物に少しずつすり替えていく…これが正解だったか。 そして、共犯者という事もあり結構こっちにぐいぐい話しかけてくる役人さん。 こちらは安全圏で糸を引くだけでいい等、確かにやる事としては選択肢を選ぶだけで後は勝手に進行するので間違いではないですが…やけに詳しいな?とも。 いつも通り、こちらがやりやすいよう3つ選択肢を出してくれるのでそこから選ぶだけの親切仕様。 作物が不作になるのは、先に村そのものが終わりかねないという点では駄目でしょう。 大火事が正解だろうと雷雨を選べばどうやらこちらが当たりでした。 すると、いきなり新顔が3人出てきて何やら役人さんを怪しんでいる?ような会話をしている。 役人さんとしても、そろそろ邪魔な人間が居ないかを考える必要があると思っているようで先程の3人から誰を追放するか選ぶようですね。 ここは役人さんの目線では知らない情報もプレイヤーは知っているという点で、柾が一番危険でしょう。 「それに普段はしおらしくやってるので、目もつけられて無いでしょう」 って部分を加味すれば…と選べばやはり正解。 破滅エンドは後で回収するとして、ここをクリアした事で青年は壮年となりいよいよ村長へ! 「遂にここまで来た。あと一息だ」 と、何かまだ目的があるようですがもっと村を好き勝手に支配したいのか? こちらが気にするようなことではないと言われてのでとりあえず平常通りでいきます。 そして出てきた選択肢が ・罰せ ・殺せ ・貢げ という金ェ!暴力ゥ!女ァ!みたいな語感の良いノリに…。 ここは真面目に考えるなら、貢がせるのはいつ殺されるかわからないのでナシ。 罰するのか殺すのか、とはいえ殺し過ぎても反感を買うのは見えているし…でも、半端に痛めつけると生きている分復讐もありえる。 一発正解を目指すならなかなか迷う場面ではありますね。 とりあえず、破滅目的の初手貢げを挟んでから考える方向で…。 正解は殺すというもう一切の慈悲もない恐怖で支配する方向でした。 ここで賭けではあるが、また厄災を起こしてみる方針へ。 ・疫病 ・嵐 ・火事 と、前回の厄災もでしたがなかなか容赦がない。 ただ、村長に薬の知識がなかったり思ったより病の広がりが早いと疫病は駄目な気がしますね。 嵐も悪くはないでしょうが、その後の復旧が面倒かもなぁ程度。 そろそろ祠を燃やせる時期と考える事ができるなら祠破壊リベンジも頃合いか。 どうやら、もう祠を燃やしても何も起きない程度には信仰は薄れているようでいよいよ最終段階か…? と思いきや、ここで突然の第三者が。 別次元の存在?どういう事だ?と戸惑っていれば新たな登場人物が。 今は都合上人の姿をしているオシドメさまが今までこちらが手助けをしていたのは邪神の転生体であり、もし生まれ変わってもわかるように蛇の痣が忌み子の印として出るようになっていたというカラクリでした。 あ、痣ってそういう事か…と思うと同時に、弟の方にあったカミサマに愛されている方の痣はもしやオシドメさま当人の転生した姿か抑止力として産まれた存在につくものだったのかなとも。 何故、村を掌握するにも閉鎖的な因習村である必要があったのか? ようやくその本当の目的も明かされ最後は村長さまとオシドメさまのどちらに協力するか?という選択へ。 陰と陽、どちらのエンドになるか?はあれど、これにてとある村の物語はおしまい…。 悪を手助けするという前提なので、プレイする前提としてそういう気分で割り切って楽しめた事。 破滅エンドを回収しても全く抵抗がないしむしろ12種類もあるならコンプするのも楽しかった事。 何故、村を掌握する必要がありその村にこだわっていたのか? ストーリーを進める事でそういう物だと特に悩まず受け入れていた事が、実は結構重要な問題だったのは驚きでした。 私が知る限りでも明確に他の次元の誰か(プレイヤー)と相談をしながら共犯者になるというのは初めてだったのもありワクワクしましたね。 肝心の破滅エンドも、そうなる理由が選択肢の時点である程度想定できたので「ですよねー!」という答え合わせを楽しめる面もありました。 @ネタバレ終了 プレイ時間は短い物の、進行に関わる選択肢とそれによってはすぐに行ってしまう破滅エンド。 テンポよくサクサク遊べてコンプも楽だったので手軽に悪事の手伝いを楽しめました。 それでは面白い作品をありがとうございました。
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からっぽのやくそく配信にてプレイさせていただきました。 前作の感想コメントを送らせていただいた際に続編も制作予定とうかがっていたのでやらない選択肢はないとばかりに楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 前作の時点で、シンシアちゃんが唯一のキメラ実験における成功例だった事やエンドによってどんな状態かという情報は判明しておりましたがよりその詳細について踏み込むという事でドキドキしました。 視点主人公となる「僕」はこの施設で働いている割にはまだ倫理観が比較的まとも?寄りというのか…。 一体どういった経緯でこの仕事に就いたのかが疑問ですが、逆にこういう人物だからこそ今回迎えたエンドたちは成り立つというのも納得でした。 シンシアちゃんのバイタルチェックをする係になるも、理由は前任者が死んだというもう危険しかない前提。 命の価値が軽くて済む、仕事上替えがきかない人よりは雑用係程度の仕事しか任されていない僕だからまぁ危険な事も任されるよね…という組織の形態はわかってるけど…となりつつ。 いざ、シンシアちゃんの部屋に行ってみればやけに殺風景というか暗い事もですが何とも異質な雰囲気。 「あなたが新しいお話相手?」 前作で実験成功後のシンシアちゃんの姿を見た際は見た目だけなら普通の人間と変わりがなかったので、背後に生えている触手はインパクトがありました。 タコと合成をされたらしいですが、本数は足りないとしても九尾の狐(漆黒版)とかそういった神秘的なイメージにも感じましたね。 とりあえず初見プレイは素直に思ったままを選ぶ方針で。 外に興味を持つのは仕方がないし、楽しいかどうかは場所とか感じ方にはよれどまぁ楽しいかな?と肯定。 ここで出てきた「海」というワードが前作の某エンドとの繋がりを感じるというのでしょうか…一緒に行けたのなら良かったよなぁという気持ちも少々ありました。 ただ、現状シンシアちゃんは外に出られない以上あまり良くない選択肢だったらしい? 翌日、検査というか恐らく耐久等の実験として電気を流されたのであろう事を話してくれたシンシアちゃん。 当然それを行う人は実験結果が知りたいのでありシンシアちゃんの人権はない前提の者ばかり。 「痛いって言ってもやめてくれないの」 定着実験をされるまでは、自分は難病が治ったら外に出られる患者だと信じて疑わなかった少女である以上やはり彼女が受けている事は非人道的だと改めて思い。 記憶障害のせいで大切な思い出もどこかへいってしまった事を合わせどうしたら彼女に救いがあるのか…を悩んでいると 「この触手が無かったら 毎日の検査やらなくていいの?」 確かにそうだね、と思う言葉をかけられました。 あくまで彼女が今こんな事になっているのも唯一の成功例としてさらにデータを取るべく実験をされているせいである以上。 なので肯定はしましたが…。 (たまたま実験が成功したおかげで生かされたのに) 失敗に終わった子供達は全員死んでしまい処分をされている。 被験体に選ばれた時点で、選択肢は成功して生き延びるか失敗して死ぬかのどちらかしかないのに。 そう思えば皮肉なのはそうですが…と会話を進めれば若干それに対するシンシアちゃんの様子がおかしいような…? 翌日、いつものようにバイタルチェックに向かうとそこには自分で触手を切り落としたシンシアちゃんの姿が。 断面図を見ると、やはりこの触手はタコの物なんだなとわかる…痛々しさはあれどこの状態だからこそ際立つ異常さと解像度がありました。 シンシアちゃんにしてみれば、前日言われた言葉を実行しただけ。 もう検査なんて受けたくないのだから、元凶である触手がなくなればいいと切り落としただけ。 だけど僕にはそんな意図もなく、ただ相槌を打ったにすぎない。 今日もあの子の話に相槌を打たないといけないのか… ここが、プレイヤーとしては純粋に彼女の話を聞いてそうだと思ったから肯定をしていても僕にとってはそこまでの意図があったかが怪しく。 安易な判断や同情、余計な知恵となりかねない事は破滅を招くという教訓となりました。 シンシアちゃんと会話するの、別に楽しかったんだけどなぁ…by心の声 そして、嘘をついたの?と僕の右腕は失われ…。 痛みを感じる主人公に対しシンシアちゃんが放った言葉が、もはや彼女が人間ではない段階になってしまったという点でも印象的でした。 「私ね 痛くなかったんだ 切る感触だけ残って 全然痛くないの」 切られている、という事は触覚としてわかっても痛覚が機能をしていない。 逆に、後付けであれ体の一部を失う事に痛みを感じないはずなのに検査の際には痛みを感じる程の苦痛は与えられている。 その事から、彼女に行われている行為が本来なら人間には耐えられない程の痛みや刺激を伴うレベルではないか?という推測ができました。 これが終われば解放される、そんな気持ちで一時的に痛覚が麻痺していたという解釈もできそうですが…。 だとすれば、僕を殺害後に時間差で痛みを感じる事も想定しましたがシンシアちゃんの台詞を見るに多分その可能性は薄そうですね。 とりあえず、2日目の質問は肯定したら死ぬと学習をしたのでここだけは絶対NOの方針に変更。 そこで自分の立場があまり偉くないのが彼女にも伝わり…何とも言い難い気持ちはあれど生還はできた。 その翌日、ヘビの定着実験を開始した結果今日からしばらくバイタルチェックを行わなくてもいいという話を研究員から聞く事に。 最初はてっきり別の子供がまた被験体になったのか?今度はラミアでも作るのか? と頭に「?」を浮かべておりましたが、シンシアちゃんがタコだけでなくヘビまでくっつけられたと理解した際にはどんだけ触手を増やしたいのだ!?と眩暈がしました。 とはいえ、唯一の成功例と考えれば他の子に比べて他の生物を定着させる際に適合率が高い体質である可能性はありますね。 キメラというと複数の生物を組み合わせているのが一般的とすれば、タコだけで終わるなんてのも甘い想定すぎた…。 選択肢としては、自室に行っても何も起きないと思ったので解放病棟へ。 すると道中で中庭が見え、そこには紫色の花が咲いていた。 前作、手術が成功するようお守りとして黒髪ちゃんから渡された…あの花と同じ種類でしょう。 直接手渡す事はできないものの、研究員にこの花を彼女に届けてもらうようお願いする事には成功。 何か重要なアイテムというか、フラグっぽい気は何となくしないでもないですね。 そして久々に彼女と対面できるようになるも、バイタルチェックができるようになったとはいえまだその様子は万全とは言えず。 選択肢としては一見すると気遣ってあげる事が正解かと思いましたが、あえていつも通りである事が優しさになる事もなるかなと上を選択。 シンシアちゃんとしては、何か聞いてくると思っていたのかこちらの行動を疑問視したようですが…話したくない事もあるでしょう。 心身共に疲弊しているでしょうし、そんな時に負担をかけるのも無粋かなとも。 こちらがそういうスタンスでいれば彼女としても特に問題はなかったようで。 新しい服が欲しいという要望は何故?と思いましたが別に拒否する理由もないよなと了承の一択。 一応手続きの関係で理由もいるでしょうしそこを問えば「私には子供っぽすぎる」というファッションにこだわる女の子らしい一面が。 後日、新しい服を着た彼女の姿は大人っぽくなったのもそうですが…これって「春のシンシア」のすがたじゃないかー!? さらに、スカートの時ならともかくズボンとなると尻尾穴のように処理が必要であろうに触手がない。 「縮めた」 もう自分の意思で触手をただ動かすだけでなくサイズまで変える事ができるとは…。 それだけ定着実験の成果が出ているという事でもあるでしょうが、同時にどんどん普通の女の子からは遠ざかるのをどう考えるべきか。 等と思っていればここでお見舞いに渡した花についての話題が。 どうやらあの花がきっかけで、完全にとはいかずともシンシアちゃんの記憶は一部戻ったようでした。 「私は誰かと約束してた」 その誰かと、外を見ると約束していた事を。 僕はそれは叶わない事であり、相手がもう死んでいると思っているようですが前作を知っているとまだ生存しているはず…という事は想定できたのでここから今作の新展開として何か起きるのか? という一抹の希望はあるのかもしれない…限りなく、可能性は低くとも。 …なんて思っていた時期が、私にもありました。 そこからさらに日数が経過すれば、シンシアちゃんの髪が短くなり他にも容姿に違いが…。 確かにかなりのロングヘアだったので重たいというのはそうだよね…と思いましたが、この部屋にハサミを含め刃物がないというので疑問が生じ。 どうやら彼女は自分の触手をハサミのように扱い髪を切ったようで…記憶の限りだとあの触手ってそこまで鋭利な形状ではなかったよね? つまり形や硬度すら変えられるようになったのか?と何とも言えない危うさがあり。 「昨日右目からヘビが出たんだ」 失敗したと思われたヘビの定着実験も、実は成功しており彼女はその力も身に着けていた。 話を聞く分には、右目から出ると言ってもタコの触手みたいな生物的な物でなく概念…?光のように出す事ができるという事。 目からヘビの姿をしたビームが出るようになったと想像するのが一番イメージとして近そうでしょうか。 どちらにしろ、塞がれていない左目も赤くなっている時点で何かしら影響は他にも視認できる状態なのでしょうが。 そして唐突に、明日からは担当を変えてもらったから来なくてもいいと言われる展開へ。 しかし、医師からは何も言われていないというのは矛盾でしょう。 単なる通達ミスか、彼女から直接伝えるという事で省かれたのか、それとも……嘘か。 どちらにせよ、直感的にシンシアちゃんがこなくていいと言った以上関わらない方がいいという野生の勘に従いました。 早めの就寝をしようと思えば、突如外で響く警報の音。 たくさんの足音と悲鳴、しかも少しずつ数が減っているという事から想定できる事態は…。 自室のドアにもたれかかる何か。 それを確認すれば予想通り、死体だったようで たくさんあった足音や悲鳴が減る=犠牲者の分だけ減っている という予想は大当たり…(あまり当たって欲しくはないとしても) 致命傷となった部位を確認すれば、こんな事をできるのはシンシアちゃんしかいないという事でとにかく警報のなる方へ。 大きな扉の向こう、恐らくシンシアちゃんの部屋であろう場所から誰かの声が聞こえる? 中を確認すると血まみれの彼女と黒髪の…女の研究員が。 この世界は、前作の黒髪ちゃんが研究員になった際と繋がっていた…!? 確かにその場合、タコ野郎(シンシアちゃん)が暴走したという証言がある中で黒髪ちゃんがシンシアちゃんのいるであろう場所に向かうという所でそのエンドは終わっていました。 そう考えれば、ここから先はあの続きの物語なのだと。 実際、黒髪ちゃんであろう研究員の特徴や台詞は完全にそうであろうと思わせる物であり。 しかし、シンシアちゃんは黒髪ちゃんの事を思い出せなかったであろう事から殺してしまった。 思わず恐ろしさから目を瞑ってしまうも、このままでは僕も殺されると再び状況を確認すればそこには思わぬ光景が。 自分の手を見つめるシンシアちゃん、断片的にだけれどこぼれる言葉は忘れていた大事な事を思い出したと思わせる内容で…。 「私が…………破った」 花をきっかけに、思い出した事。 私は誰かと約束してた、その時は思い出せなかった相手が誰だったのか。 もう少しだけ早く思い出せたなら、こんな事は起きなかったのに…。 研究員からの通報を受けてやってきた警察により拘束されるシンシアちゃん。 その際も、虚ろな目で自分が殺してしまった黒髪ちゃんを見ているだけだった…。 ゲーム名でもあるエンド6については 記憶障害により、思い出す事もなくからっぽとなったシンシアちゃんと黒髪ちゃんのやくそく。 黒髪ちゃんを殺した事によりからっぽの抜け殻となり果たされる事がなくなったやくそく。 といった解釈なのかな、と思いました。 そして、前作でもあった特定のエンドを見た場合だけ解放されるキオク。 内容を確認すれば、やはり分岐点というべきか重要だったのは花についての部分であり。 部分的にであれど、誰かとした約束を思い出せたシンシアちゃん。 ただただ楽しかった思い出。 彼女の境遇を思えば、身寄りもない孤児として表向きはともかく実は人体実験が行われている施設に囚われているというのは幸せと言い難い事でしょう。 だけど、そんな日々であれ彼女にとって黒髪ちゃんとの思い出や過ごした日々は優しい物だった。 本当に自分の記憶か疑ってしまうくらい眩しかった 数々の記憶を思い出しても、いくら会いたいと思っても相手の顔は思い出せない。 こんなに辛くなるなら思い出せない方がよかった。 けど、そう思ってしまうのはそれだけ大切だった事も裏返しでもあると思うとやりきれない気持ちになりますね。 今回に関しては、このキオクが解放されるのがエンド6を見た時のみであり…花とその会いたい誰かである黒髪ちゃんと再会できた事を観測できた時のみ明かされる情報である事含め。 他エンドに関しては、最初の方で僕はまだ倫理観はまとも?と表現をしました。 しかし、もしそうであってもシンシアちゃんにしてみれば研究員というだけで他の人と違いはない。 同情しようが仲良くなれたと思おうがそれはこちらの一方的な思い込みや思い上がりでしかなかなかった。 だって、本当に良い人がこんな研究に関与なんてしているはずはないのだから。 この、どうしようもない立場による事実と壁を突きつけられるのがとても現実的と思えました。 最後に生存のチャンスとして与えられる「担当を変えてもらった」という言葉すら、あくまで花のお礼だけの物。 その分の義理しかなく、それ以上彼女から見て親密になっていた訳でもなかった。 好感度のような物があるのには気づいたので、それを下げつつ進行した際にエンドを発見した際は内心ガッツポーズをしました。 内容としては死亡エンドですが、この後は僕が死んでいる以外はエンド3と同じ流れになりそうかなと。 基本は黒髪ちゃんが研究員になったエンドと繋がっている世界かと思っていますが、唯一エンド3に関してのみはもしかすると黒髪ちゃんが復讐の為に爆破した方のエンドと繋がっているようにも感じました。 根拠としては、研究に関わっていた人間が一斉検挙された事。 エンド6だけを見ると、完全にこの研究は国規模で容認されているからこそ警察はシンシアちゃんを拘束しても他の研究員は逮捕されず無事だった事。 (通報ができた時点で、警察を頼れるしそこに問題がないと想定できるので) しかし、エンド3で一斉検挙がされ実態が暴かれたというのは前作の爆破エンドと共通してるのではないかと。 その場合、結果的にそこから3年後にシンシアちゃんの遺体が発見されたはず…と思いますがそこは今回ぼかされたまま。 黒髪ちゃんは生存し、そこまでの経緯から自責の念エンドか海エンドに派生はしていそうですがせめて彼女が生きている可能性がある分マシなのかどうか…。 一応、エンド3ではシンシアちゃんのその後は不明なのでワンチャン外を見る事ができた可能性も残されてはいます。 確定するのは情報が出た時か、観測して確定した時のみと思えば。 ただ、素直に考えると上記のような流れとは思うので…果たしてその3年の間に何があったのか? ここは謎のままですね…。 @ネタバレ終了 エンドの傾向や、物語としてどうしてそうなってしまったのか? そこに納得できるだけのものがあるので鬱要素はあれど、覚悟や想定はできる結末だった。 “実験で人間ではなくなってしまった少女が堕ちていく様を見届けるだけのゲーム” という看板に偽りなしの内容でした。 前作も遊んでいると、一方その頃何があったのか?等の続編だからこそ楽しめる部分やエンドに対する解釈が深まる面でも良かったです。 その意味でも、もし未プレイの方なら先に前作から遊ぶ事をおすすめしたいですね。 それでは素敵な作品をありがとうございました。
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狐の格子尾猫シリーズを制覇するぞ!とワクワクしつつ実況動画としてプレイさせていただきました。 現状こちらが最新作という事で、少しの寂しさやもっと葦島さんの物語に触れていたいという気持ちもありつつのスタートへ…。 @ネタバレ開始 タイトルの時点でもしや?とは思いましたが、狐の窓の続編でもあると明確に記載されていたのでその意味でもワクワクはありました。 ゲーム紹介部分にある「老人」とされている人物が葦島さんだとは予想もしていたので、とうとう年をとる…老化という人間らしい事ができるようになったのか!? と、彼が人間属性を手に入れたのかという期待半分、だったらこれが終わりの物語になるのか?という寂しさ半分。 からの…結果的に、そんな事はなかったぜ!と判明。 だけど、次回作が最終回とあとがきも把握しておりますのでそちらの方をお待ちしております。 と、前書きが長くなりました。 ここからはゲーム本編に対しての感想となります。 「名前は、在りとあらゆる意味で、重要なんだよ」 まず、鬼太郎4期京極堂回必修済の者としては開幕この概念から導入された時点でテンションが跳ね上がりました。 名前があるという事は存在を定義されるという意味を持つ。 逆に、名前を失ったり無いとされる物はこの世に存在しない事となる。 ここは本編で葦島さんが述べている通り。 呪いをかけるよりもっと前の段階として、それは存在しているからこそ誰かにとって呪いをかける対象になる事が成立する…云わば次の段階である事。 『相手を呪う』というわかりやすく怖い子供でもできる思い付きながら、名前の持つ存在定義の前提を想定するにおいてここはいい例えだと思います。 それに、人間なら名前は産まれてから付けられるのが一般的でしょう。 そういう意味でも、名前の重要性を葦島さんが語るからこその説得力もあります。 学校の先生みたいな事を言うね、と指摘をされた際に二度目の経験だというのも過去作であった事を思い出す(けど、今回は未プレイでも成立する思い出の一部)要素として、にやりとしました。 老人の姿ではありながら、やはり基本の性格は素直であり一緒にお菓子を食べようと誘う所はどこか子供っぽくもある。 いつもと違う部分はありながらもやっぱりいつもの知っている彼だなぁと会話をまったり眺め。 帰宅をした瑞季君は何故かさっきまで遊びに行っていたはずの場所等を思い出せない? 敷地から出ると関連する記憶が消えてしまう領域…という概念の空間は確かにあると思いますが、とうとう葦島さんもそういう場所を定住の場とする者へなった…!? 今までが今までなので、まぁ彼に関する事で不思議があっても(理屈は不明だけど)おかしくはないだろう程度に解釈しました。 ただ、結果的にあの神社に立ち寄れたのは作中で瑞季君だけだったと考えると魂だけになったものだけが到達できる場所というのが概念としてありそうでしょうか。 記憶は曖昧なのに何故か葦島さんの事だけは覚えているようで、彼の三日月のように笑っている口元からチェシャ猫を連想し猫みたいに笑う変なお爺さんと表現するのは何となく納得を。 そして、それを聞いて何やら心当たりがありそうな反応をするお婆ちゃんはもしやあの時の…? 後日、忘れてしまったけれど近所にあの神社らしき場所がないかを探索すれば突如現れた黒いワンピース姿のお姉さん。 年頃の少年がいきなり綺麗なお姉さんに声をかけられたら動揺するよね~と微笑ましく見守り、結果的にはまた目的に神社へたどり着いた瑞季君。 道中の事を語れば楽しそうに笑われてしまうも、それは瑞季君が遊びに来てくれた事が嬉しいという純粋な理由からというのがとても“らしい”なぁと。 少なくとも、今回が時系列としても一番現代である事を思えばそれこそ葦島さんが老人の姿になるまでかかるだろう期間をそういった色恋の話と縁がないまま過ごしていたというのはそうだよなとしか言えず。 恋愛以前の話として、彼はまず母性愛を欲している赤子の段階にいるでしょうし普通の人間と同じように生きる事もできない。 もし彼が誰かと夫婦となったとしても、置いて行かれる側になるのがわかりきっているからこそ特定の誰かと深い関りを持ち続けるのも難しいのでしょう。 それこそ、2作目である狐の窓で彼女が名前を明かさないままそれ以上関わらない事を選んだように。 難しい話ですが、いつまでたっても見た目の年齢が変わらないで死ぬ事もない存在は、同じ地に定住をする事に向いていない…というのが常ですからね。 生物らしい変化がない事に気づかれたらどうなるかを考えると…。 そしてやはりというか、瑞季君のお婆ちゃんの話題になり元気にしている事を知れば嬉しそうに笑う葦島さん。 台詞からも、瑞季君のお婆ちゃんがあの時の彼女なのはほぼ確定でいいでしょう。 2作目の終わりではその後全く縁がなくまた長い月日が流れているように思いましたが、長生きをしていれば案外また近くにいたなんて事もあるのだなぁと。 また帰宅をすれば曖昧となってしまう記憶。 それでも、お婆ちゃんに初恋に関する質問をすれば語られる内容は完全に過去に見た…「狐の窓」の出来事だった。 思わず確定演出きたー!?と声をあげる程度には胸アツな展開でした。 同時に、あれからもうそれだけの時が過ぎていたという重みも感じながら。 ここでははっきりお婆ちゃん側から明言をされていなかったのか、それとも瑞季君側が要約した覚え方をしたのか。 狐の窓により妖怪を見たという認識はしていてもそれがどんな姿をしていたのかが明かされなかった。 実況中は「あー、あの野良犬の低級霊だねぇ」という感じで懐かしい思い出話を一緒に聞いているノリでしたが、ここで具体的な描写がなかったのも後になれば伏せる必要があったんだなと納得しました。 それと並行して、瑞季君が片思いというワードやお婆ちゃんの初恋が自分位の年頃の話という部分で反応しては黒いワンピースのお姉さんが頭に浮かぶのは一目惚れだったのだろうなぁと甘酸っぱい気持ちにもなりつつ。 婆孫して初恋としては遅い方だなぁと思うも、お婆ちゃんの方があの時の事を初恋の記憶として大切にしながらも素敵な人生を歩んでくれていたであろう事は喜ばしく思えました。 語られなかった部分に関しては、狐の窓における彼女の記憶を見れば「好きになったではなく、良いなと思った」この表現も理解できたので過去を知っているプレイヤーと彼女だけが知る秘密と言いましょうか。 自分にとって初恋と言える場面に至った理由も、彼の善性はあれど全ては母性を求めてるが故に行われた無意識下の行動からだった。 勝手に期待をしたのは、私の方だ。そう独り言ちていた部分も合わせ説明をするにも理解が難しいからなぁと、昨日の事のように共に懐かしい気持ちになります。 (実際に狐の窓をプレイしたのは前日の事でしたが) しかし問題は、話題として出た狐の窓に関して瑞季君が興味を示してしまった事。 実際にそれで危険な目に遭ったお婆ちゃんとしては絶対に教える訳にはいかず、当時の彼女のように好奇心から孫が危険な目に遭って欲しくないと思う以上ここは当然の対応でしょう。 だけど禁止される程、人は知りたい・やりたいという心理になってしまう。 元々、他愛もない子供の遊びとして知られているような物である以上少し調べれば方法を知る事は簡単だったでしょう。 それに偶然彼方側にいる何かを見つけたり正体を見破る事がなければ問題そのものは起きない。 だから図書室で試した際に何もなかったのだからそこで諦めてくれれば良かったのですが…。 それと、ホラゲー経験則から同級生の誰か一人でも人間ではないのを見破ったら大惨事待ったなしなので面白いでは済まないんだよなぁ…!? という起きなかったから良かったけど…と個人的にはひやりとする場面でもありました。 宇宙人とか人形とか幽霊とかそもそも図書室にいる七不思議に偶然ピントが合ってしまうとか…割と何が潜んでいてもおかしくないですからね、ホラーの世界では。 ここで語られる、思春期特有のあるあるな悩み。 もう少し大人になるとまた違うのでしょうが、この位の年齢になると段々異性と遊ぶ事がおかしいとされるのはありましたね。 何故か会話をするだけで付き合っているだの冷やかされたり…あれって何だったんだろうなぁと大人になれば思うのですが、当事者世代の頃はそう考える余裕もないでしょうし。 結果として、内向的な性格だった瑞季君は友達が作れなくて困る事になってしまった。 学校という閉鎖空間の社会にいる子供はそういう部分が大変だよなぁ…と続きを見ていればまたあの黒いワンピースのお姉さんと対面。 発言の傾向から、どうやらお姉さんは何かを探しているようで質問してみればそれは「友達を殺した人」というなかなか物騒なワードが。 殺人犯を探す?と思えばどうやらそうなるように仕向けてはいるけれど直接手を下した訳でもない。 精神や状況的に追い詰めたのか実行犯が他にいたのかわかりませんが、いわば首謀者に該当する相手という事でしょう。 あの男、という事で何となくこれは葦島さん絡みで何かあった人なのだろうという目星はつきました。 候補としては…今作は狐の窓の続編ですが、女性からの恨みとなると3作目で先生が行方不明になったのを特に悲しんでいた女生徒が候補としては濃厚か? 直接肉塊の刑にしたのは小夜ちゃんだったし、一応後日に黄泉平坂を汚したままは良くないという理由でこの世に肉塊は捨てられる予定だったはずですし。 (そこから、どうやって葦島さんへ結びついたのかはわかりませんが…) 黒いワンピース姿なのも復讐を果たすまで喪服としてそういう格好をしていると解釈するなら? と、推理をした所で瑞季君がなんとお姉さんと友達になろうという提案をする事に。 この時点では勝手にワンピース姿の彼女は身長差の描写があった事も合わせ大人のお姉さんだろうと想像していたので、子供からナンパみたいな事をされてもまだ怪しいよりは微笑ましいで済む話だろうし大丈夫でしょ! なんて考えていましたが、実際は高校生位だったのでしょうね。 そこからの瑞季君の様子は完全に恋の病になってしまったんだなぁと微笑ましさはあったのですが… 再び神社に到着した際、葦島さんが何かに気づいた様子なのから何とも言えない不吉さというのか。 よからぬ何かがあるというのは察知できました。 恐らく葦島さんが感知したのは悪意のある霊的なものに干渉した痕跡、と思うのですが…。 そして、葦島さんの言う通り今のままではお姉さんの探す男は無論として友人に関する情報も足りていない。 ここで葦島さんが犯人の特徴でなく、友人の特徴に目を向けたのはある程度想定があったのでしょう。 犠牲者である友人の情報も、もちろん判明すればその周辺人物なりを探る手掛かりになりますが犯人がわかっているならそっちについての方が通常優先順位として先でしょうし。 どんな子だったのか分かれば協力できるかもしれない。 そう前置きをした上で、どうして協力をしてくれるのかを問われれば… 私は、子供達の味方で在りたいのさ。 何も知らない人が聞けば、特に子供の年齢ならば何でこの人そんな恥ずかしい事が言えるんだろう?と作中のような事を思うのかもしれません。 けど、葦島さんはずっとそういう人だったよなぁとこれまでを見ていれば納得しかなく。 それが、あの時の彼女の孫であるならそれも合わさり。 けど、あくまで個人の意見ですがその考え方に関しては全面同意ですね。 子供が健全に在れるように努めるのは大人の義務ですから。 それが知っている子か知らない子かはまたアプローチが変わる点で別の問題だったとしても。 もうこの時点で、今後起こる事への想定があったのでしょう。 何かあったらここにおいでと瑞季君に言う葦島さん。 とはいえ、何もなかったとしても純粋にここで会話をして過ごすのが楽しいという意味で何事もないまま顔を見せてくれるのもそれはそれで良かったのでしょうが。 そこからの帰り、再びお姉さんと対面する瑞季君。 先程の会話から情報を知るべきと質問をしようとすれば、以前瑞季君がお姉さんに対しあだ名を付けてくれたと言われ? そんなやりとり…あったっけ?と初見時はもしかして記憶から抜け落ちているのかと瑞季君と一緒にないはずの記憶があるはずと困惑し。 改めて読み返せば、やっぱりなかったよな!?となりました。 しかし、ここで思い出されるゲーム冒頭のやり取り。 名前という物がどういった意味を持つのか? このお姉さんが人間ならともかく、怪異のような名もなき概念であったなら。 名前を付けるという行為はあやふやであろう存在を確立させるきっかけとなる。 そして、向こうはそのあだ名という行為による命名を待っているのなら…。 思わず、やめろ早まるなやめろ!!となりましたが、願い届かず「みーちゃん」と声に出されてしまった。 後に何があるのか…とても気が気でない部分はありましたが、みーちゃんは割と素直に…それこそ無邪気に笑って喜んでいる様子。 そして、瑞季君の名前を確認してみーちゃんとみー君でお揃いである事が嬉しいのか今度は大人っぽく笑う。 みーちゃんにしてみれば、嘘をついて自分に名前をつけさせた張本人ですから…恐らく、瑞季君の名前から由来も何となく察したのでしょうか。 それが、どこか子供の発想っぽく思えて可愛いと感じたから大人っぽい笑みとなったのか。 ここからはようやく本来の目的である、みーちゃんの友達についての話題へ。 話題を切り出せば、みーちゃんはさっきまでとは違い表情に陰りが。 けれど、その理由が瑞季君も犯人探しに協力をしたいからだと知れば驚いたような表情へ移り変わり。 この行為に対する表現、それは借り物の言葉を用いたとしても瑞季君がみーちゃんの助けになりたいという気持ちは本物でしょう。 後々の事を思えば、自分に対してそういってくれる人と出会えたのはみーちゃんにとっての救いだったのだなとも。 いよいよ明かされるみーちゃんの友達の特徴。 当初の推理ではあの先生と予想はしていましたが、友達か?と言われたら冷静になると違う気はして…。 (小夜ちゃんの時のように、将棋なり遊びに付き合っていたなら遊び友達ではある?と若干無理はあっても言えなくもない?) それよりは、今作が狐の窓の続編である事。 と考えると、笑わない?という問いかけや彼女の服装が“黒”のワンピース姿…黒いもや、野良犬の低級霊も候補としてありえるはず。 「犬なの」 あ、やはりそちらでしたか…。 という事はこのみーちゃんはやはりそちら側の存在なのが自動的に確定して……。 それに対し、何も知らない瑞季君が馬鹿になんてするものかと気持ちを理解している事は素直に好印象でした。 自身の感じていた孤独と合わせ、友達を失えばその分寂しさがもっと強くなるのだとどこまでもみーちゃんの気持ちに寄り添おうとした事。 そういう部分がどこまでも、あのお婆ちゃんの孫だなぁというのでしょうか。 そして、神社に行き手に入れた情報を葦島さんに伝えれば元から薄々とあった心当たりが核心になったのでしょう。 素直に読み取れば、子供が犯人探しをするなんて危険な行為だから出たのだろう制止の言葉。 殺人でこそないとしても、動物であれ容赦なく殺せるのなら犯人が危険人物なのは違いはないでしょう。 しかし、葦島さんには明確にこれまでの情報から全てがわかっている。 その友達はかつて瑞季君のお婆ちゃんに飛びかかろうとした犬の霊であり、復讐の対象は他でもない自分である事を。 そこから様子が豹変する瑞季君は、みーちゃんの持っていた復讐心等といった感情にあてられてしまったのか。 魂だけの状態である分、剥き出しであるから影響を受けやすいのか? 葦島さんが真相を伝えようとしても、耳を塞ぎながら走り去っていく瑞季君。 帰宅後も、こっそり狐の窓でお婆ちゃんの正体を確かめようとした結果どこでそれを知ったのか問いただされる事に。 そこでお婆ちゃんが言う言葉の意味は、狐の窓において彼女が葦島さんから忠告された事であり実際に身をもって知った出来事でもある。 だからこそ、必死にもなるでしょう。 けれど、瑞季君はまたも逃げ出してしまった。 結果、行きついた先でみーちゃんとぶつかり自分が今どんな顔をしているのか理解する瑞季君。 自分が強くあれない事、みーちゃんに頼られる男で在りたいと思いながらそれには力が足りないのだという悲しみ。 みーちゃんは、自分の為に瑞季君がそこまで思ってくれるだけでも嬉しいと抱きしめ…結果として犯人をどうにかできてもあの子は帰ってこないと言葉をこぼす。 …あれ程、犯人探しや復讐に執着していたのに? 次の台詞と、聞いたことのない音さえなければ…復讐は何も生み出さない論や自分の為に親身になってくれた瑞季君に触れて何かが変われたとか良い話もありえたかもしれませんね。 しかし、ぞぶ……。という音と共に瑞季君の中に入っているみーちゃんの腕。 魂を狙われている事、助けを求めようにもお爺さん…葦島さんの名前を瑞季君は知らない事。 名前を知らないという事は、助けを呼ぶべき場面でその相手がわからないという事でもある…? その点から最悪の状況を想定しましたが、ちゃんと助けがやってきた事に安堵しました。 そして直前まで自分を害しようとしていたにも関わらず、幽体故に身体に穴が開いてもそこに何もない…明らかに人間ではないみーちゃんを心配するというのも底抜けに人がいいというのか。 ただの惚れた弱みだけでもない、瑞季君の持つ善性なのだろうなと思います。 瑞季君が気を失っている間、視点は葦島さん側へ。 やはりみーちゃんとその友達の正体は予想通りであり、彼としてもまさか自分の行いが今回の事へ繋がるのは想定外だったでしょう。 生者でもなければ死者でもない葦島さん。 流れを見るに、まだ肉体が生きているものの魂を使えばその犬の霊も復活できたのでしょう。 だから作戦を切り替えて瑞季君の魂を奪おうとしたが、失敗をした。 不可抗力というか、もしあの時葦島さんが犬の霊を祓わなければ瑞季君のお婆ちゃんは無事じゃなかったでしょう。 だけど、それはみーちゃん側にとっては知った話ではなく『勝手に彼方の世界を覗いた小娘のせいで、その小娘を守る為に友達を理不尽に失った』 元を辿ればあの時お婆ちゃんが狐の窓をしなければ良かったという話になります。 それでも、葦島さんが言う「私が君の望みを叶えられるのなら、そうしてあげたいんだけれど」という台詞。 直接手を下したのは自分だった以上、責任として命を差し出せるなら死ぬ前提でいた事。 けれど不完全な、命の様な物しかない葦島さんはその命もなければみーちゃんがどんなに願っても殺す事はできない存在である。 謝る以外に何もできない葦島さんに対し、その髪を掴んで苦痛に歪む顔を見てやろうとしても困惑を浮かべるだけであり。 彼に、魂だけでなく肉体すらない。 みーちゃんから、同情のような響きも含んだ声が思わず漏れてしまう辺り、それは本当に特殊な状態であり本来ならありえない事なのでしょうね。 となれば、もうみーちゃん側にできる事はなく。 このまま留まり続ければやがて悪霊になってしまうかもしれない。 ならばせめて、自分にできる事は…。 その時、瑞季君の名を呼ぶ悲痛な声がして。 長い年月の果てに、知っている物とは変わっていても…もう一度聞きたいと願っていたあの声。 母と似た声を持つ、時代が流れて誰もが忘れてしまっても…自分位は、なるべく覚えておこうと思った…。 すっかり老婆の姿となった彼女は、孫に駆け寄っていく。 かつて、彼女の中に見出した母性は今も在るべきものとして存在していた。 だからこそ、大切な孫を害したであろう少女の霊に対し向けられる強い眼差し。 それを見届けた葦島さんは、全ての責任は自分にあり少女の霊は悪くなく瑞季君を巻き込んでしまった事を詫びた。 ここも、簡単な言葉で表現するのなら人柄というのでしょう。 確かにあの犬の霊を祓った事で少女の霊から友達を奪ったのは葦島さんではある。 けど、それだって元をただせば始まりは遊びとして行われた狐の窓であり、それだって一度忠告をされたのに行われた事だった。 関係者の誰にも、悪意はなかった。 子供特有の好奇心から狐の窓をしてしまった事も。 その結果出現した犬の霊に対する行いだって、目の前で襲われそうになっている人がいたから助けただけにすぎない。 自分勝手な理由だとしても、理不尽に失った友達を取り戻したい。犯人に復讐をしたいと長い時間苦しんだ末の強行はある意味…祖母が払うべき代償を孫の代に持ち越した因果とも言える。 そう考えると、確かに生きている人間の目線では少女の霊は間違いなく危険な存在でしょうが完全な悪と断じる事はできないと思いました。 そして、体に穴が開きながらも瑞季のお婆ちゃんに飛びかかろうとするもすでに少女の霊は力が弱っている状況。 瑞季君が涙を流したように、彼女もまた自分の弱さを悔いる一人でしかなかった。 生きるには弱い存在であった事。 しかし、未練が残ったせいで死んでも死にきれないままでいた事。 弱い物同士でも、友達がいた事は救いだった事…。 けれど、今ようやく未練がなくなった事で彼女は消滅しようとしている。 その中で思い出す、瑞季君と話していた時はあの子と一緒にいた時のような気持ちに近かったという事。 もう、誰にも名前を呼ばれなくなって久しい彼女に「みーちゃん」とあだ名をくれた彼。 夕陽の中、様々な面を見せていた彼女は間違いなくあの時はただの少女とかわりないものだったのでしょう。 友達をなくして復讐の為に存在し続けた彼女へ、友達になろうと言ってくれた瑞季君。 あだ名を付けてくれたという嘘にも悪意はなく、友達として親しみを込めてつけるあだ名という概念が純粋に欲しくて嬉しかっただけなのだと。 だから、情報を求める為とはいえあの子話題からなくした辛さを思い出した事で表情が陰り。 それでも瑞季君が自分を助けたいという気持ちである事に驚きながらも心は和らいだ。 最終的に瑞季君の魂を奪いにいったのも、それが手段として有効なのはありますが 瑞季君の魂を使用してあの子が蘇るのなら、それは事実上同時に二人の友達とそばに居続ける事ができるから。 そんな意図があったのではないかと推測します。 消滅のトリガーは、もう彼女の復讐は果たせないという事実から。 けれど、少女は瑞季君と関わる事で報われた上でやっと成仏ができる。 死んだ時に悲しんでくれる人が誰もいなかったとしても…死後であれ、自分の為に本気で寄り添おうとして悲しんでくれる相手は現れた。 その事実は内緒のままで、優しく瑞季君の頭を撫でながら。 自分の時にはいなかったけれど、彼には心配してくれる人がいるのだからと戻るように促して。 あなたのくるべきはこっちではない、大事な人と同じ所で生きていて欲しいと突き飛ばした。 …感想文の為に現在2周目としてこの部分を読み返しておりますが、改めて解像度があがるというのでしょうか。 彼女の中にあった気持ちに触れて読み解こうとすると、自然と目元が潤む感覚がします。 最期に優しい人に出会えた事が、本当に良かったなと。 そして、ようやく意識を取り戻した瑞季君。 今までの不穏要素も誤解だったと判明し、まぁ良かったな!?と苦笑を浮かべ。 ようやく、葦島さんは老人でなくいつもの姿に戻ったようで。 知り合いだったような記憶も、お約束の認知の歪みによるものだったという事でした。 本来の姿を見ても恐怖心がないというのは血を感じるというべきか、それより恐れるべき事も…とても瑞季君らしいと思える内容でした。 肉体に魂が戻った事で、抜け出していた頃の記憶が薄れていくのでしょうか。 自分がみーちゃんと呼んでいたあの子の事を、自分は何も知らない上に彼女の事を思い出せる時間が少なくなっていく状況。 利用されてあげる事すらできなかった、それを悔いるのはほんっとうにどうしようもないお人好しなのでしょう。 本来なら恨むべきなのに、恐れるべきなのに、こんな事なら… 続きは制止されたけれど、自分の命を差し出すべきだったという気持ちがあるのだろうなと。 本当に、危なっかしくて仕方がない。 けど、そんな優しい瑞季君だからこそ大切にされるのはわかります。 そこまで誰かの為に親身になれるのは間違いなく美徳ですから。 だからって軽率に命は投げだすなよ?と念入りに…それはもう念入りに釘は刺しておきたいですけど。 そこから茶化した調子の流れになりましたが、まぁ…今はそれ位でいいのかなと。 君を大切に思っている人の為にも、生きてください。プレイしているお姉さんの望みも以上です。 そして、そんなノリの人が何人もいてたまるかという理由からあのお爺さんと同一人物だと確信される葦島さんには笑いしかありませんでした。 確かにこんな人はそうそういないよなぁ、色んな意味で。 さらっと温度差で風邪を引きそうになる位シリアスモードへ戻るBGM…泣けばいいのか笑えばいいのか、やっぱり泣けばいいのか…? とはいえ、その内容は当初もされていた通りとても重要な概念であり。 あだ名だって立派な名前である事。 名前というのは、呼ばれなければ意味がないという事。 だから、ほんの時々でもみーちゃんの事を呼んであげて欲しいというのはそれが叶わない葦島さん故の気持ちもあるのでしょう。 親から名前をもらう前に、名前もないまま死んでしまった胎児。 さすがに通り名というのか、現在名乗っている葦島という名前はないと何かと不便な事もあり自分で考え名乗ったのでしょう。 けど、彼には本来あるべき名前がない。 他者に付けられ、認められて…その過程も経験する事ができなかったのだから。 父親から祝福されなかった命なのだと、命名の意味を説明されれば嫌でもその事実を突きつけられこちらまで心が痛みを感じてしまう。 その願いはもう叶わない。 だとしても、その胎児だった存在は…例えば、母親に自分の名前を付けて欲しかったのだろう。 いくら求めても、彼の母親から受け取る事のできない母性のようにあまりにも与えられるはずべきだった物が彼には足りなすぎる。 シリーズとしても5作目までくれば、葦島さんの様々な面を断片的であれ見てきましたが本当の意味で彼にとっての救いはくるのだろうか? その生涯の結末に、何かしら幸があって欲しいと願わずにはいられません。 場面は切り替わり、誰か視点でのモノローグが始まる。 内容から、それは瑞季君が言っていた図書室にいた女生徒だとすぐにわかりました。 彼女もまた、思春期特有のあるあるで彼を拒絶するようになってしまった事。 けど、その行為に罪悪を感じながらいつか謝ろうと思っていた事。 そして、そう考えているうちに彼が事故に遭ってしまったという事。 生きていなければ謝る事はできない。 いつかでは駄目だった、すぐでなければ…人の命はいつ失われるのかがわからない。 チャンスはいつでもあるなんて思ってはいけない。 まだ、人の死から遠い子供だから余計に縁遠いと思ってしまうかもしれないけれど生きている以上死は常に隣り合わせであるのが事実。 本気で後悔をして、それでも瑞季君が生きていた事に安堵をして。 もし嫌われたとしても彼が生きていてくれて良かったと。 次こそちゃんと謝らなければという思い。 …思っていたら、そこには思った以上に元気な瑞季君が!? 魂が抜けていたのでそんなに酷い重症だったのかと思っていましたが、案外怪我そのものは酷くなかったようで。 とにかく、無事である分には本当に良かった…一応、葦島さんとのやり取りで生存確定はしっていたけども…それでも秋元さんだけじゃなくこっちまで心配させやがって!? けどまぁ、本当に不安だったのは間違いなく何も知らずお見舞いにも行けなかった秋元さんですよね。 瑞季君が大丈夫そうな様子に顔をぐじゅぐじゅにしながら泣き出してしまい、彼を困らせてしまう事に。 てっきり秋元さんが怪我でもしたのかと保健室まで連れて行けば、彼女の涙は自分が死ななかった事に安心しての物だったと理解をして。 この場面が、嬉しくても涙は出るという意味でかつて狐の窓にあったやり取りを連想させますね。 ようやく和解をできた二人は、一緒に泣き出してしまって。 瑞季君には、隣にいてくれる人がいた事を。 一緒に泣いてくれる子が隣にいてくれて安心していた事を思い出す流れに、心が温かくなりました。 そして、プレイヤーの涙腺への追い打ちは止まらないというのでしょうか。 場面は瑞季君の家になり、お婆ちゃんに手渡される茶封筒。 手紙が入っているとの事ですが、膨らんでいる?というのは少々気になりましたが……。 中身は、葦島さんから彼女へ宛てられた物であり。 本来なら、狐の窓の後日談としてこうして会う事もなかったのでしょう。 あえて名前も教えないままだった二人は、また運命のいたずらなのか再会を果たした。 関りは、成るべく少ない方がいい。 けれど同時に、彼女に自分の事を忘れて欲しくなかったのかもしれないという矛盾した感情。 だから、独り言として聞いて欲しいと書かれた伝えられなかった言葉。 当時は何故涙が出るのか、困惑したままだったせいか伝えられなかった… 「……此方こそ、ありがとう」 その気持ちを、手紙という形で。 あの時、私の手を握ってくれて、ありがとう……美命さん。 封筒が膨らんでいたのは、あの時返しそびれていたハンカチがようやく本来の持ち主の所へ帰る為だった。 何十年も経っているにも関わらず、綺麗に手入れがされた様子から彼がどんな思いでいたのかがうかがえて。 長い長い時を経て、ようやく知ったあだ名が忘れられる事はない。 ◆感想総括 まず、一旦語彙力を捨てさせていただきます。 作者様はプレイヤーの涙腺を壊す専門家でしょうか? 初見の時にも手紙の件で涙を堪えながら収録をする事となり、感想文の為に解釈を深めながら周回をすれば理解が深まる程に涙腺への攻撃が止まらない。 今回は登場人物も、立場の違いはあれ悪人と言える人がいない上にそれぞれの気持ちを考えると胸を締め付け物語にさらに深く引き込まれていく。 沼ですか?これが沼なのでしょうか? 正直、1作目の時点で充分面白いと思える作品でしたしシリーズとしてこれだけ物語を楽しめたので吸引された事は本望ですがね!? 本望ですけど涙腺問題と、文字を書く手が止まらないという意味ではなかなかに恐ろしい限りです。 勿論、誉め言葉の意味として。 動画の方をアップロードするまで少々ラグが出ると思うので、この場でも軽く触れさせていただきますと。 >何故か今回はとても爽やかで~自分で本当に分からないんですが、何で……? はっきり申します、それは作者様の持つ人柄ないし善性と断言させていただきます。 何かしらの手段で表現をするに辺り、人は自分の持っていない発想域の外の物は表現ができない。 それが経験による物か、それとも知識として知っている物から想像し構成されたかは不明としても。 本当に知らない事は、まず発想が出ない以上表現ができないのです。 といった内容を、動画内でも早口で語らせていただきましたのでこちらではこれ位で。 ここからは語彙力を戻し気味に真面目な感想を。 今回で5作目という事で、過去作との繋がり要素があるのはシリーズを遊んだ側としてはなかなか嬉しい要素です。 話として直接の繋がりがある狐の窓が主体なのはもちろん、先生と呼ばれた経験の部分では3作目の要素もあり。 概要の時点で老人=葦島さんはすでにわかった状態で進めましたが、老化という機能を得たのではなく別の姿でしかなかったというのもなかなかミステリアスな面が増えた印象です。 そして、これまでの説明でもある程度理解はしていても今回明確になった情報。 葦島さんは人間でも妖怪でもない存在であり、生者でも死者でもない。 だから黄泉平坂へ行く事も可能だったし、彼方の存在を見る事も干渉する事もできた。 けど、彼にあるのは「命の様な物」であり生きているとも死んでいるとも定義ができない事。 改めてその事を突きつけられるのはなかなか辛い物がありました。 1作目の時点で彼が定義の難しい存在となってしまった事はわかっていても、それを再認識する事になるというのは。 死ぬ事もできないというのは、終わりがないという事であり。 産まれていなかったのだから、死ぬ事もない…? 本当に、彼に何の罪もないのにどうしてこんな事になってしまったのか。 その中でも、子供の味方で在ろうとしたり相変わらずそういう自分が子供のようであったり。 ある意味、葦島さんのそういう部分で悲惨さが緩和されている所はあると思うのでプレイヤーにとっては中和効果があるとも言えます。 今回新しく出てきた人物としては、瑞季君があまりにもお人好しすぎて将来がちょっと不安な部分はありますね。 でも、彼はその分人に愛されもする人物でしょうからしっかりと悪い人から守ってくれるような人が周囲にいそうな気もします。 秋元さんとも和解できて、誤解がなくなった事で今後はまた日常にも楽しみも増えたでしょうから。 初恋の話を聞かれ、葦島さんとのエピソードを語りながらも好きでなく良いと思ったと語った美命さん。 ここは狐の窓で語られていた部分ですが、彼女がその後素敵な伴侶を見つけこんなにも素晴らしい孫に恵まれていた事は喜ばしいです。 同時に、またひょんな事から葦島さんと再会をしてようやく名前を知る事ができたという部分も含め。 ずっと名前が不明だった彼女が、美しい命と書いてみことであるというのも素敵です。 それは彼女自身が名は体を表す点でも、自分だけは覚えておこうと人間より人間らしい胎児だった葦島さんと向き合ってくれた人の名である事も合わせ。 ここから一体、どのように最後の物語へ続くのか? 気になる気持ちはありますが、終わって欲しくないというジレンマもあります。 @ネタバレ終了 長くなりましたが、やはり一言に集約すると 「ただただ感謝」 というような言葉になってしまいますね。 シリーズ5作目という事で、今回話として直接の繋がりとしては2作目を前提として遊べば問題ないと言えますがそれぞれプレイ時間が短い作品なので是非まだプレイをしていない方には1作目から遊んでいただきたいと思えます。 今回もまた、素敵な作品をありがとうございました。 次回作も、いつまでもゆっくりとお待ちしております。
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彼岸の花は夜に咲く尾猫シリーズを制覇するぞ!とワクワクしつつ実況動画としてプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 作品紹介のあらすじだけを見ると一作目を思わせるような不穏要素もあり、実際に本編としても途中まで「これは葦島さん激怒案件か…?」と不安になりつつ進めていました。 いきなりバーで盛り上がる場面から本編は始まり。 元・財閥の坊ちゃんという凪さんが取り巻きを囲んで盛り上がろうとしている場面、それを探しに来たであろう葦島さん。 面識はあるような感じだったので、今回はどういう知り合いなのか? ストーリーを読み進めてみれば、先程までのテンションは作り物だったとばかりになる凪さんが言えに帰りたくないと語り出す。 初見の際には、婚約者を妊娠させるだけさせて失踪をするなんて随分身勝手な父親がいたものだ…と女の目線から憤りはありました。 が、全てがわかると失踪というより結婚前にもう死んでいるのだから(表向きは失踪扱いとしても)そりゃ、そういう事になってたんだなぁと納得。 ……何で、お前みたいなのが、俺の連れになってたんだっけ? この部分で、一作目のように認知を歪ませてそう思い込まされているパターンだろうという事は理解しました。 となると、葦島さんにとって何かしら目的があって近づいたパターンという事も予想はできたので話の焦点となる『凪が父親のような人間だろうと思い悩んでいる事』と『そこから起こる/想定できる展開』に対してに用があるのだなと。 凪さんとしては、自分には父親と同じ血が流れており見た目としてもその特徴を色濃く受け継いでいる。 父親としての責任を果たさず失踪した父親のように、見た目だけでなく内面だってそっくりなはずなのだと思うからこそ立派な人達と一緒にいる事が辛く感じてしまう。 だから冒頭のような、悪く言えば金持ちの腰巾着をして恩恵を授かりたいだけの空虚な取り巻きの中にいる時が彼にとって現実逃避のできる時間だったのでしょう。 しかし、独身時代ならともかく結婚をしているなら家庭もある以上ある程度責任や行動も慎むべきというのがあるべき形なのでしょうか。 きっと、凪さん自身もそういう意味で家にいる方が正解なのはわかっている上で…それでも自分とは違う伴侶のような立派な人達といる事から逃げようとしている。 正直、個人の考え方として親がクズだったとしてもその子もそうなるかは別だと思ってはいます。 悪い意味の英才教育として、親のクズな部分を学習した子供はそうなる可能性が上がりそうですが凪さんの場合はまず父親の顔も知らない訳ですし。 元であれ財閥の坊ちゃんという事は、母親である名家のお嬢さんとされた人が育った環境で育てられ教養は学んでいそうです。 だから心配しすぎといえばそうだと思いますが、大事なのは凪さん自身がどう思っているのか。 日本人では見かけない色素の薄い髪と特徴的な瞳。 その外見が嫌でも血を感じさせてしまう、現実を突きつける鏡になってしまう事。 そこから悪い方向へ考えが囚われた彼は、ただ事実から逃避をしたくてたまらない。 そして場面は変わり、凪さんの妻である薫子さんと葦島さんが会話をする場面へ。 時間帯は昼という事でしたが、どうやら夜だけでなく日中も家にいたくもないとばかりに凪さんは外へ出ているようで。 それに呆れた様子を見せる葦島さんと、擁護をする薫子さん。 そこで唐突に明かされる、薫子さんが現在妊娠二週間という事実。 葦島さんの正体が産まれる事のなかった胎児と考えれば、そういった事を見抜く能力があるのは想定できましたがまだ外見での判断も全くできないのに言い当てた事は何も知らない人から見れば不思議な事でしょう。 葦島さんの言葉に、それでも普段の夫は良い人だと反論する薫子さん。 ここは作中にある通り、伴侶を否定されて気分の良い妻は居ないといえばその通りですが…。 「――――私の母も、同じ様な事を言っていたんですよ」 葦島さんからの、この台詞はあまりに実体験だからこその重みが違い過ぎた。 彼の、彼を腹に宿したまま亡くなった母親だってきっと最初はあの男を良い人だと思っていたのでしょう。 少なくとも、運命の相手とまで思っていたのに…結果的には、自身を死に追いやったのですが。 だからこそ、葦島さんの薫子さんの力になるという言葉は自分のような不幸な子供や母親をこれ以上出さないという覚悟の表れでしょう。 今度こそ、というのも自分の母は救えなかったけれど他の母親となる存在は守りたいのかと。 ここは後から読み返すと、そのままの意味でも解釈できますが葦島さんにとっては彼の父親から続く因果でもある。 だから、今度こそというのはあの男から続く不幸な母親と子供という連鎖を断ち切る為にという意味での今度こそでもあったのかなと…。 さらに場面は進んで、薫子さんの妊娠を知った凪さんと口論になるところへ。 凪さんは自分だって知らなかった事なのにと言いたげですが、まず普段家にいない彼に薫子さんが相談なり言葉を交わせる時間は少なかったでしょう。 葦島さんは能力という形で先に知っていた特例としても、もし凪さんがまともな父親になりそうなら何も言わなかった事を合わせ。 「俺だって知らなかった」と言おうとしたところで被せられる「知りたく無かったんだろう?」という確信。 君は父親にそっくりだ、父親になるべき男じゃない等の言葉から「あ、これ死んだな?」と予想しましたが、正直この先は想定外の展開でしたね。 だったら死んでしまえとなる展開と予想をしていたので、凪さんが何故判っていながら「言うな」と止めようとしなかったのか? と思いきや…堕胎を提案される事になった。 確かに、早期ならばそれだけ母体の方も負担は少ないのでしょうがそれでも堕胎という事は命を奪う行為でもあるのに…。 自分が責任から逃げたい、それだけの為に、自分から言い出して責任を背負いたくないから誰かが言ってくれるのを待っていた…? 父親が失踪し、歪んだ経緯ながらも財閥の息子となったとなれば当然周囲からの視線は冷ややかな物だったでしょうしそれ自身は凪さんの責任でも罪でもないでしょう。 だけど、父親になる覚悟もないのに行為に及び妊娠をさせてしまえばその責任から逃げたいというのは紛れもなく彼自身の問題。 なのに彼は、その言葉をのんでしまった。 表面上は笑いながらも、自分なら案内もできるから安心するように言う葦島さんとしてはどんな気持ちだったのか。 この先、凪さんが責任に耐え切れなくなり母親諸共亡くなるように仕向ける可能性よりは良かったから? 確かに彼なら、以前にも黄泉平坂に行けたので命を奪われる赤子に対し彼岸への案内はできるでしょう。 だけど、自分のように誕生を望まれないまま目の前にいる父親であるはずの男が我が子の死を望んでいるのに……。 ここを思うと何とも複雑な感情が入り混じります。 何事もなく産まれる事ができ、祝福される権利はどの命にだってあるはずなのに。 でも、凪さんが責任を取れないどころか最悪の場合を想定するなら今子供は犠牲となっても薫子さんが生き延びる可能性を残した方がいい。 しかし、それを産まれる事すらできなかった葦島さんにさせるというのはあまりにも残酷すぎる話ではないのか? 凪さんが意識を失い、次に目を覚ますとそこには凪さんの望みを叶えようとベッドに横になる薫子さんの腹へ手を伸ばす葦島さんの姿が。 意識が、映像が鮮明となり目の前で何が行われようとしているか認識した凪さんは頭より先に身体が動き薫子さんと葦島さんの間に立ちふさがる。 口から出る言葉は情けなく、まともに発音できてもいないのに。 顔だって青褪めて、震えているというのに。 「……如何して?君が自分で言ったんじゃあ、ないか」 考えてはいても、責任を負いたくないから誰かに言って欲しかった。 我が子という責任から逃れる為に堕胎をしてもいいのだと。 なのに、それを妨害しようとする今の行動は明らかに矛盾している。 「気の迷いだった?そうかな?生まれて来た子は、後悔するかも知れないよ?君みたいにね」 他でもない、凪さん自身が無責任な父親のせいで苦しんだ被害者でもある事。 それを、その愚痴を今まで話していたという記憶。 ここも個人的な意見ですが、子供は親も自身が産まれる環境も選ぶ事はできない。 ただ、生物の仕組みとして作られる条件が揃えば生命は宿ってしまう。 それを後天的に理由をつけているだけで、本当に子供自身が親や環境…全てを理解し産まれる事を望んでいるはずがない。 芥川龍之介の河童でもないのだから。 実際、凪さん自身だって産まれる事こそできたけれど後悔の多い道のりだった。 自分は別に産まれたくなど無かった。 失踪する位なら、何故自分を産ませたのだと悩んで悩んで…全ての重圧から逃げたくてたまらないと考えるようになってしまった。 それでも 「――――産まれる前に死ぬなんて、可哀想じゃ無いか!」 後悔があまりに多い人生だったとしても、それでも産まれなければ悩むという事すらできない。 生を受けるという事は幸せな事ばかりではなく、当然悩みの連続でもあり。 それを痛い程知っている凪さんでも… 後悔すら、出来ないなんて、そんなのは、余りにも。 それが、これまでの道を歩んでも彼が持っている考えだった。 この言葉は葦島さんも想定外だったのか、表情が固まり今までに見せた事のない色を見せ…そして、悲しそうに笑った。 凪の言葉を聞いて安心したのでしょう、凪と凪の父親は違う人間なのだから大丈夫。 君は、大丈夫だよと言ってどこか安心したようにも見える様子でした。 そして、それからどれ位の月日が過ぎたか。 凪さんと薫子さんの間には可愛らしい少女が産まれ無事に育っていた。 両親とはぐれ、葦島さんと会話をし両親のいる場所を教えてもらう瑠子ちゃん。 変な格好のおじさんに会ったと報告し、その特徴を説明すればその人物が葦島さんだとすぐに気づく凪さん。 おとうさんも会ったことある人?と聞かれれば彼は答える。 お前の名前は、其の人から貰ったのだと。 …凪にとって腹違いの兄であり、産まれる前に死んでしまった蛭子から貰ったのだと。 だけど、娘には『昔からの友人』と伝え。 瑠子ちゃんは、今度会ったら自分の由来を教えようと言い。 その顔は凪さんが苦しむ事となった青い瞳が美しい顔立ちだった。 血は、時に逃れる事のできない呪いになるかもしれない。 だけどそれに打ち勝てるかは、今を生きるその人の覚悟次第だった。 ◆感想総括 あとがきに目を通し。 言われてみると、確かに3作目のあとがきで毎回男がクズなのも~とか変化球が~と書いてあったような?とここで思い出しました。 クズにちゃんとした立ち絵(容姿がしっかりわかる物)はいらねぇ!!というこのノリ好きだわ~…と一発で惚れたと言いますか。 あの演出?が結果的に今回の伏線になったのは素直に凄いなと思いました。 そこで不明だったのもあり実は凪さんが伊皆と顔が同じというのも、推理できる要素がなかったので外見が判明してもそういう人もいる程度で読み進めていましたが…。 考えてみれば、今回語られていた凪さんの父親に関する情報(家庭環境)を含めると何故あの男が美貌に恵まれていたのか? 自分の生い立ちでお涙頂戴ができるというのも具体的にはどんなエピソードだったのか? ここに対する解答が得られました。 一作目と繋がっている事を疑っていれば…確かに伊皆は葦島さんに処されたので失踪扱いにならざるを、はその通りでしたね。 (これ、結果的に被害は減らせたかもしれないけど失踪事件に関してなら、腹違いとはいえ実の弟にも結構根深い問題残してない?葦島さん……というのは結果オーライとして) 単に葦島さんの出自を考えれば無責任な父親というのは憎むべき対象だから辛く当たっていたのだろう。 そして、母親となる人物の身を案じるのも当然だろう。 その程度で読んでいましたが、相手があの男の血を受け継いでいる自分の弟だからこそ同じ間違いをする可能性を高く見積もっていた。 だから悲しい事だとしても、自分や自分の母のような被害者を“今度こそ”出したくなかった。あの男から始まった事としても。 でも、葦島さんも言っていた通りに似ていたとしても別の人間である事。 何度自身が人生の中で産まれたくなかったと思い後悔を繰り返し逃げたいという欲求に負け続けていたとしても、肝心な部分からは逃げなかった。 その上で「産まれる前に死ぬなんて、可哀想じゃ無いか!」 そう言い切ったのなら、その血は顔に色濃く表れていても間違いなく違う人間である事の証明でしょう。 あとがきで作者様も述べている通り、この言葉は葦島さんにとっても本来なら父親に言って欲しかった事も合わせ救いがありました。 葦島さんに対する救済でもあり、後悔の多い人生の中を歩んだとしても…それでも産まれる事もなく後悔すらできないよりは良い事なんだと凪さんが言った事は。 前述した通り、子供は自身の意思で産まれたいかを選べない。 その上で、当人に落ち度はないのにどうしようもない理不尽に遭遇する事だって珍しくはない。 凪さんもまた、そんな一人でありながらも辛くとも生を授かるという事を肯定してくれた。 だからこそ、言葉に対する重みというのでしょうか。 気持ちの上で救われたと思える部分がとても大きく感じます。 最後の場面で、娘に葦島さんの名前から貰って瑠子と名付けた事。 それは凪さんにとって、産まれて来る事もできなかった兄の名を貰うという事で家族として過ごしていく意味でもあり…。 疑似的ながら、あの時産まれる事のできなかった葦島さんが疑似的に生を受けているようでもあり。 ジャンルである、産まれて来なかった君に「また会える日を楽しみに」 これが彼岸花の花言葉にかけているのも合わせて好きです。 本編の内容としても様々な彼岸花に関する要素を入れつつ、そう思える終わりにしているという点が本当に大ッ好きです。 @ネタバレ終了 折り畳み部分が長々としましたが一言にまとめますと 「ただ、感謝しかない」 全てはそれに尽きます。 今回も素敵な作品をありがとうございました。
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誰が殺した小夜啼鳥を尾猫シリーズを制覇するぞ!とワクワクしつつ実況動画としてプレイさせていただきました。 ―誰がコマドリを殺したか?それは私よスズメがそう言った。 概要にある通り、殺したのは誰?という部分を想像しつつ楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 先に一言置いておくと、確かにこれは葦島さん激怒案件待ったなし…!! 始まりの話→ハートフル→悪意と殺意、という温度差で風邪を引きそうになる位、毎作彼の違った面を知る事ができるという意味で良かったです。 根幹の部分はそのままで、一作目を思い返して思わず「それ言っちゃうかぁ~!?」となる場面も多々。 ここまでくると、プレイ目的もすっかり葦島さんの行動を観察して楽しんでいる部分が大きくなってきましたね。 あとがきでも作者様が彼を気に入っているので今後も出番があると記載がありましたが、需要はここにもあると声を大にして言いたいです。 では、話を本作本編の方に戻しまして。 後から再度物語を読み返すと、この時点であった!となるあちこちにあった伏線。 そして、意味を理解したからこそ何を示していたのかわかってしまった白黒で描かれる断片的な情報。 基本は顔のわからない形式で人物が表示されるからこそ、顔がはっきりとわかる場面が引き立っていく。 それは愛らしい表情だったり、隠しきれていない敵意だったりと…。 タイトルから、最初は小夜ちゃんは女の子かと思っていましたがいざプレイを始めると男の子?となり、最後にはやっぱ女の子だった!!と完全に作者様の掌の上で転がされました。 気付いたら知らない場所で知らない大人の男に声をかけられる小夜ちゃん。 案内をしてくれるという申し出を無視し歩き出した後、肩に触れられた際に思わず出た拒絶の反応は初見だとただの知らない大人を警戒する物として見えましたが真相を知ると違う意味になってしまうのが良いですね。 『其の後に起こる事を予測して、震える肩』というのもてっきり手を弾いたから腹を立てた相手に何かをされると思っただけだろうと思っていた…頃がまだ幸せでした。 実際は、大人の男(先生)にされた行いからの警戒が無意識に出ていた…のでしょうね。 そして、その対応に対し『小夜ちゃんは触れられるのが怖いから』と思って納得する葦島さん。 この辺りは変に人を疑わないというか、純粋ないつものだなぁと思いましたがその後に自分にも怖い物があると『階段』というワードが出た時には 君が言うとほんっとにシャレにならないもんな!? と、ブラックユーモアすぎて笑うしかねぇ!となってしまいました。 確かに死因だからなぁとはなりますが、彼自身が今も手摺がないとどうにも駄目という辺りそういう点でも笑い事じゃないのは根深いですね…。 今思うと、葦島さんが小夜ちゃんへ学校についての話題を振ったのはただの興味本位な偶然かある程度目星を絞る為の質問だったのか? ここは不明ですが、産まれてもいない彼にとっては学校へ行くという生きていれば当たり前にできたであろう事も憧れる事なのだろうな…というのが何ともやるせなさを感じます。 それはそれとして首が180度捻じれている様にすら見える(彼の体質的にできないとも思ってないので比喩ではないかもしれない)勢いなのは突っ込みを入れながら。 まだ葦島さんの服装が一作目の時と同じだったので、多分時系列としては二作目冒頭よりは昔?程度で捉えていましたがそこはまさか彼の正体が…と思いつかない事を想定すると勘違いをしてもおかしくなさそうですね。 (実際、時代的な話としては彼が産まれるはずだった頃ならそういう事も本当にありえたのでしょうが) 唐突に挟まれる回想。 どうやら先生の視点らしく、さっきまで名前がわかっていた小夜ちゃんの名前が不明になっており『篠上』と呼ばれている? 田舎の学校という事で、2学年ごとに1教室にしている事もあり6年生の彼女は色々あって他の生徒から浮いた存在だった。 先生としては彼女の事を気に入っており、彼女も何だかんだ先生の事は気に入っている様子。 片親の家だと何かと大変というのは理解ができたので、気に掛ける気持ちはわかるかなぁとこの時点では微笑ましく見ていられました。 学校であった事を語る小夜ちゃんに対し、学校に関する知識が乏しいのか将棋も勉強の一種なのか質問をする葦島さん。 この辺だと、センセイやショウギという単語がカナ表記なのが音は知っているけど意味までしっかりわかっていない感じなのもあってまだ知識を学んでいる幼さを感じさせます。 本来ならすぐにわかりそうな、将棋をする自分は他の子とは違う!という自尊心も素でわかっていない辺りもある意味素直というべきなのか。 「頼れる人が一人しか居ないのは……危ないよ」 軽い会話のドッジボールから出てきた本気であろう心配。 本来、子供でなくても頼れる先が多いに越した事はありませんしそれが子供ならば猶更多い方がいいのはその通りでしょう。 ここは結果論と無意識もあるのかな?という推測ですが 「……先生以上に、先生みたいな事、言うんだな」 この返しが自身の立場を悪用し自分に依存させ洗脳させる事で言う事を聞かせようとした教育者崩れの行動と、真に子供の未来を案じるべき人の言葉として出るはずの物。 その対比から出たのではないかと2周目では感じました。 そして、先生は放課後も勉強を教えたりするから大変だという説明から再び始まる回想。 そこでは帰りが遅くなっても父親の帰りが遅いので心配される事がないと語る小夜ちゃんに勉強を見てあげる先生が。 会話だけ見ていると多少の違和感?若干すれ違いのような物がある印象。 そのままでも、自分を気にかけてくれている好きな先生に照れている生徒という解釈はできますが… 後の回想も合わせると恐らくここは小夜ちゃんの台詞はそのままだと思えますが他に捏造なり改変があったもおかしくない気はしますね…。 特に気になったのが 「……うん。分かってる。分かってるよ。先生」 ここの部分でしょうか。 その後の、段々と様子がおかしくなっていったという部分は真実を知った後から見れば恐らく嘘を広めようとした辺り付近と考えた方が自然。 ならばこの帰りが遅くなる事や、何かに対して分かってると返す部分は本来の会話では違った意味っぽいなと。 なので、先生側の都合の良い回想という前提を踏まえると…ここで本来あったはずの先生の台詞は不純なそういう事をしてる際の、と予想します。 初見だと、何故そこから小夜ちゃんがおかしくなってしまったのか。 大人の男が怖い?というのも唐突ながら疑問でしたが、家庭内暴力を振るわれているのかと素直に解釈しました。 それなら早く助けないといけないし、とりあえず児童相談所は!?と思うも何故か先生は何もできないという考え方。 暴力の証拠として痣を確認するなら、それこそ保健室で保健の先生にも証人になってもらう&相談相手として妥当と思えるのに…。 何故、他の先生に相談するのは論外で 逆にこの先生の頭がおかしい奴扱いされると思ったのか? いくら回想の中では都合よく捏造しても、本当はそれをしたらおしまいなのがわかっていたから。 言ってしまえばそれが全てだったんでしょうね…。 その上で、学校にいる間位は~の部分を見ると眉間に皺が寄るのを感じます。 そして場面は戻り、嫌な事は思い出したくないという一般論を言う葦島さん。 嫌な事程自己保身の為に記憶を封じ込めようとする人もいれば、忘れられないでいる人もいるのでここはタイプによるなぁとも思いつつ。 ただ、二作目を思い出すとちょっと意外性はあったというのが本音ではあります。 父親への恨みというか、自分が産まれる事ができなかった原因でもあり情すらなかったのでそりゃ今の彼の在り方が成立する根幹に関わるし忘れはできないでしょう。 それでも、なるべくあの女性の事を覚えておこうとしていた葦島さんとはすぐには結びつきませんでした。 今作を通しての印象ですが、彼がある意味純粋でこの成り立ちに関する部分だからこそ接点を持った人の人間性でどちらの面を見せる…ある意味母体にいた頃まだ顔がなかったまま死んだからこそ鏡のような物なのかもなと。 そしていよいよ核心へ迫る一言。 「アンタが、自分の知ってる大人の男とは、全然違うって事がだよ」 最初に小夜ちゃんが怯えた様子だったのは大人の男という存在に対して示した物。 だったらそれは誰か? …考えてみれば、親子関係はさておき自分の父親を『大人の男』という括りで表現するのっておかしかったよなぁと後から、真面目に推理したらわかったかもという悔しさも。 文字通り、今の彼女は死んでも死にきれなかったせいで彼岸と此岸の中間にいる。 本来なら子供が来る場所じゃないというのも、産まれる事なく死んでしまった葦島さんだからこそ身をもって知っている悔しさ等があったでしょう。 だからこそ、その原因が判明すれば力を貸すのも予想はできた結末でして…。 次の回想は、すでに手遅れになってしまった後の事。 父親に殺されてしまったという部分だけ聞けば虐待の結果とうとう…と何でもっと早く止めにいかなかった!?という感情に溢れましたが…。 初見でも、何故そうなったかの経緯予想がぐちゃぐちゃしているというか…明らかにおかしな事は言っているのだけわかるけど、という印象でした。 そして繋がる世界。 今まで彼方側(正確には境位の場所?)にいた葦島さんと先生のご対面。 ここで今までと違い、葦島さんの姿が完全に目に見える状態へ。 本能の訴えというのも、葦島さんが100%生物のカテゴリとして人間と言えないからかな?程度に思いましたがこれも自分が制裁を受ける事への察知だったのか。 それでも、後ろ暗い事がなければ名乗るだけならそこまで問題でもないはず…。 からの、剥がされる爪1枚目。 やけに暴力的な手段できたな?と思いましたが、再度問いかける葦島さんの言葉はさらに詳細が足されており。 篠上小夜さんを苦しめた、という部分が付け足されている。 それに対し取り乱す先生。後々から考えるとこの時点で駄目な部分が露呈してる方向性の言い訳をしていたなぁ?と爪が剥がされる様子を眺め。 そして、やっぱ少女で良かったじゃん!?となる事実の確定と先生の罪が明らかに。 これは地獄行待ったしという事実の露呈、もはや問答でなく拷問と化した爪を剥がす作業。 「でもね、余りにも貴方の生き様が、私が知る人間に似ていたものですから、つい」 ここで見せた、今までに見た事のない憎悪に満ちた葦島さんの表情。 自分の父親の時も殺す程度ではあれここまでの顔はしてなかったのに…と思うも、彼の言っていた嫌な事程忘れられないというのを思い返し。 こんな表情になる位という時点でそりゃ、そうだよなぁ…としか言えなくなりました。 全てが明るみになり、目の前に死んだはずの小夜ちゃんがいたにも関わらずクズ思考全開の言葉しか出ないならここからの流れも全て納得でしょう。 教師が見た中で一番晴々とした笑顔。 そう表現される笑みと共に襲い掛かる衝撃。 ここでBGMがショパンの別れの曲というのが最高ですね(復讐をしてあの世へおさらばする為という点でも) 葦島さんとしても、父親のようなクズ男相手なので容赦もなし。 小夜ちゃんとしても、こいつに復讐しないと成仏できないのでやはり容赦なし。 からのコンビネーションというか、同郷の友の様に笑い合う微笑ましさ(※ただし周囲に血糊はあるとする) てっきり、少女の力では殴っても火力がでないから武器が必要だったのかな?程度に考えていましたが台詞からするに 「もう身体の一部とかに触りたくない」 だから触れなくてもいい凶器で痛めつけるのを選んだのか、と納得もしました。 これなら子供でも扱える範囲だし、直接触れないって意味でも結構合理的だなぁ? そして、再び流れ出すショパンの別れの曲を背景に肉塊ができあがり。 この、そこでこの曲を選ぶのか~と知っていればニヤリとしちゃうセンスがすっごく好きです。 目的が完了し、二人は反対の方向へと歩き出しそれぞれの行先へ。 てっきり肉塊にされた時点でもう死んでいるとばかり思っていましたが…。 肉塊にしても死なないで苦しみ続けるようにする為に、あえてあの場所で復讐はされたのだなという部分に抜かりないなぁと感心をし。 現世の様子を見ればやはり他にもターゲットにされていたであろう女生徒がいた事が示唆され…。 確かに、クズばかりが好かれるというのは嫌になりますねぇ。 と、葦島さんの出自を思えば尚の事深く頷くしかなく。 それでも今回に関しては、最後は某ゲームから好きな台詞を引用させていただきまして。 やっぱり復讐はこうじゃないとね。 @ネタバレ終了 予想は外しましたが、内容としてはしっかり楽しませていただきました。 一作目からここまで一日で連続でプレイ&感想を書かせていただきましたが、一旦本日はここで区切らせていただきまして。 また後日、残る作品も堪能させていただきたいと思います。 それでは素敵な作品をありがとうございました。
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狐の窓尾猫シリーズを制覇するぞ!とワクワクしつつ実況動画としてプレイさせていただきました。 見えない方がいい世界だってこの世にはあるんだよ…という期待感。 しかし、内容としてはホラーっぽく思わせてホラーではないという文言通り心の温まるお話でした。 @ネタバレ開始 前作から連続で遊んでいた為、葦島さんと思われる人物が出てきた時点ですでにテンションが上がる部分もありました。 が、何より彼が後に人の優しさへ触れる事があったという事に心の涙腺が緩みました。 >今は作り物のような顔をした蛭子さんが今後生きていく中でどんな顔を得ていくのか…そんなところに思いを馳せてしまいます。 と、いかにも長き別れとなった友を思うかのような気持ちから速攻の再会という後日談を知れたので勝手に驚いたとも申しますか…(とても良い意味で) 上記の部分に関して、表面的な顔(肉体という意味での)に変わりはなかったのでしょうが、子供らしい純粋な心を持ちながら生きていてくれた。 それだけでただ良かったと思えました…ほんっとうに……。 話を本作の内容へ移しまして 子供ならきっと好奇心で試したくなるであろう狐の窓。 私が子供の頃も何かしらおまじないやそういった不思議な呪文のような、オカルト要素のある物は流行っていた記憶があるのでここだけを見るならどこかにある日常ですね。 本来なら怯えて逃げ出してもおかしくないような容姿の大人に話しかけられても平然としていた主人公。 これは子供だからこそある意味大人以上に物の本質が見える、悪いものではないという事を察知できたというべきか。 それとも警戒心が足りないだけだったのか、単なる彼女自身の性格としての話だったのか。 「此方が見えるなら、彼方も見える」 狐の窓は単に見えない物が見えるようになるだけでなく、彼方からも視認されるようになってしまう事の危険性を教えてくれる葦島さん。 その場はその注意に納得したはずなのに、数日もすればその事も忘れてしまい狐の窓をしてしまった主人公。 このおまじない自体は狐の窓により異界を透視する隙間としての意味があるという事でしたが、逆に言えばこちらはあくまで正体を見破る事ができるというのみ。 隙間ができる=此方と彼方の壁を取り払う、という事になるのなら視認していない間は害のなかった妖が襲ってくるようにもなる事で…。 忠告された通り、窓の中に見えた黒いもやのような塊。 それはこちらを視認した瞬間、襲い掛かろうとする事に…。 結果として、葦島さんが助けてくれた事で何事もなく終わりはしましたがなかなか危ない場面だったのでやはり忠告は守っておくべきですね。 黒いもやに触れられるという事に対し驚いている主人公に対し、それ以上にいっぱいツッコミどころというか色々あるよね!?となりながら。 考えてみれば、狐の窓を使用した当人以外には恐らくあの黒いもやは見えていないでしょうしこれも葦島さんがそういう性質の人物だから介入できたと考えるともう二重三重に危なかったなぁ…となりました。 犬のような姿に見えたので、野良犬か何かの低級霊と判別されていましたがいくら低級霊でもそれに蹴りを入れて撃退できる葦島って結構強いな…? 会話や仕草がやはりどこか子供のような葦島さんにほっこりしつつ、彼の事情を知らない子供のやる事らしいといえばそうですが お兄さんは何なんですかと聞いて、答えを濁された結果から思いつきで狐の窓で葦島さんを見ようとしてしまった事。 ここは前作をやっていると、この後がどうなるのかが恐ろしく「やめるんだ!!」としか言えない展開でした。 人間とも人外とも言えない彼は間違いなくそのままの姿で見える訳がない。 じゃあ、それを見てしまったらこの主人公がどんな反応をするのか? それに対し葦島はどうしてしまうのか? というか、結果として問題がなかったですがもしこれが気まぐれで助けてくれた妖怪の化けている何かだったら知った事で口封じなり食べられても文句が言えない展開だよね? となかなかにハラハラしつつ。 葦島さんは産まれる事もできなかった胎児、それが何故かこうして生きている存在。 ならば見えた結果については当然そうなるよなぁと。 しかし、意外だったというのかそこで彼がとった行動は狐の窓をやめさせようと手を叩いた事のみ。 本来なら、勝手に人の秘密を知ろうとした上に恩人に無礼な行為をしている事も合わせ主人公が謝るべきなのに謝罪をして去っていってしまった。 そこで終わるなら、教訓と悲しみで終わりだったのですがさらに物語は続き。 大人になった主人公はあれから名前も知らない葦島さんを探し続けていた。 体に関してはきっと現状が完成系なのでしょう、服装は変わってもそれ以外は変わらない彼を見つけ再び狐の窓をする主人公。 ここでそうきたか!というのか、救われた…という気持ちもあったというのか 主人公は本当の姿の葦島さんに対してお礼が言いたかったというのがとても意外でした。 勝手に正体を見た事に対し謝罪をできなかった事も、本来するべきだったお礼をする事もできなかった事も悔いるのはわかります。 だけどそれだけなら彼を見つけ、ただその時できなかった事を伝えるだけでも良かったでしょう。 「本当の姿の貴方に」 子供にとってはトラウマになってもおかしくないような事でも、彼女は受け入れてくれたんだ。 その上で、葦島さんという一人の人物と真正面から向き合った上で伝えたいと思ってくれたんだ。 だからこれは、葦島さん当人でなくても嬉しくても涙が出るというのが痛い位感じ取れてしまってこれを書きながら私も涙腺とも戦っております。 子供のように純粋で、知らない事もある彼にとって嬉しくても涙が出るという知識がなかった事。 同時に、それはそういった経験が今までなかった事も意味しています。 母親は仕方ないとしても、父親にも愛される事も望まれて産まれてくる事もできなかった命。 そんな彼と向き合ってくれる人がいたのなら、それはとても幸せな事なのだなと。 何故、彼が主人公を助けたのか。 理由として声が母に似ていたとの事でしたが、やはりまだ赤子である葦島さんにとって無意識ながらも母親という存在は大きいのでしょう。 同時に、それと関係なかったとしても彼には子供の純真さ、故に人を助けられるような善性があると信じています。 結果的に、互いに名前も明かさないまま流れる歳月。 主人公が子供の頃から姿の変わらない葦島さんはきっとこれからも長い年月を過ごすのでしょう。 だから、そのうち忘れてしまうだろうから最初から覚えられない方がいい。 でも、自分は彼の事を覚えておこうと思い…きっと生涯を終えたであろうモノローグ。 けど、主人公がそう思う一方で葦島さんもまた主人公の事をなるべく覚えておこうと思っていた。 時代が流れて、誰もがあの人を忘れても。 今手元にある、返しそびれてしまったハンカチの元の持ち主を思い出せなくなる事はあってもそれは大切な思い出に違いない以上。 互いを相手を忘れないように思いながら、それでも名前は知らないままだったというのが何とも切ない終わりです。 そして『人間よりもずっと人間らしい』という彼女の葦島さんに対する認識には私も全面的に同意します。 最後に、あとがきにて前作同様結構ノリと勢いで作品が作られたという経緯が語られていますがその結果名作が生まれているのだから私としては「いいぞ!もっとやってくれ!!」 というエールを送らせていただきます。 それと『父親の血』というよりは子供らしく『母性を求めた結果』という方が認識としてはしっくりきたので、その辺の事は多分大丈夫と信じてます…! また、今後も妖怪ネタや伝奇ネタの際には葦島さんが出るかも?との事なのでそちらも期待させていただきます。 @ネタバレ終了 未プレイの方には是非、前作の『尾の無い猫は夜に哭く』をプレイした上で遊んでいただきたい。 すぐに読み終える事ができる事と、得られる栄養素が倍増するという意味でも。 と、心が浄化されました。 それでは素敵な作品をありがとうございました。