SHIAのレビューコレクション
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箱庭推理『桃太郎』桃太郎の登場人物たちとマダミスを組み合わせた異色の桃語…物語! 堪能させていただきました。 途中に入る探偵さんとの状況確認が、推理をしていくうえで自分の頭の情報整理や確認にとても役に立ちました。 @ネタバレ開始 鬼さんが殺害されたところから「ひょっとして、これみんなグルなのでは?」と思っていたら、そうだったので驚きました。 薬膳茶に関してはまったくノーマークでしたが、誰もが動機があって犯人を一人に絞り込むには決定打にかけるところから、もしかしたらこれ皆が知っていてやっている共謀かもしれない…と。本当に確信はなかったのですが。 鬼さんにすべてを被せておけば、どーしよーもない桃太郎が消えてあとは皆で平和に…というパターンもあるかなと考え、おじいさんとおばあさんが主導して犬たちが従って…という「桃太郎抹消事件」みたいな内容もありうるか!? いや、さすがにそんな皆犯人なんてないよね!?と色々と考察していたら、そのまぐれもまぐれに奇跡が起きて当たってビックリしました。 華麗な推理とはまったく違う確信のないまぐれでしたが、感じていた違和感がスッキリして爽快でした。 @ネタバレ終了 犯人は誰だろうと推理するのが面白く、また自分の「もしや…」が今回は本当にミラクル、偶然にも当たって、とても面白かったです! ありがとうございました!
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君の生に、祝福を。この世は生きる価値があるかも分からないようなクソゲー。そう口にして自死を選ぼうとする彼女を変えることはできるのか…というこの物語、冒頭からびっくりしました。 サボっての一服はおいしいな♪とか言っている場合ではありません! @ネタバレ開始 物事を合理的に判断しようとする咲さんが合理的でない反応を示すのがとても可愛く、アイスクリームに唸ったりする姿には微笑ましくなりました。 達観して、あるいは物事を斜に見て「この世は無駄の集まり」みたいな目で見ていても、年相応の反応がある度に「やっぱりこの子はまだまだ人生の多くを知らない子どもなのだなぁ(その命と笑顔を守るんだぞ主人公!)」と見守る気持ちで読みました。 ちなみに、咲さんが「人がごみのようです」と言った瞬間に「ここで急に黒い雨か!」と思わず突っ込んでしまいました…。 最初は下がる一方だったグラフが、遊園地での出来事を経て、自分を必要としてくれる・認めてくれる人もいるのだと気づいて上がっていった様子が最後に見られて嬉しかったです。 もう自殺なんてしちゃ駄目だよ、生きていれば楽しいこともあるからね!と咲さんには花束とともに贈ります。 @ネタバレ終了 誰しも人生には山あり谷あり。 谷底一直線だった彼女に、これからは山もたくさんあるといいなと思いました。 それも、なるべく高い山が、たくさん! ありがとうございました!
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宵闇の燈気がついたらお祭りの真っただ中、周囲には屋台があって…と、不思議なシーンから始まる物語に「どんな展開が待っているのだろう」と胸を膨らませつつ読了しました。 @ネタバレ開始 長澤先輩のルートだと憧れの人とのちょっぴり不思議なデートで「次のお祭りも先輩と一緒! 今度こそ焼きそば!」とワクワクと終われますが、夕星さんのルートだと主人公さんがそのまま現(うつつ)から離脱になっていて正に「迷い込んだ先に」という感じでちょっとぞわっとするとともに「彼は何者なんだろう」と思いました。 主人公さんが名前も知らないというようにあまり親しい間柄ではないけれど、彼にとってはようやく願いがかなった瞬間のようで…これからの二人が幸せであるといいなと感じました。 夕星さんも長澤先輩もすごいイケメンで、目の保養でした! @ネタバレ終了 キャラクターの細かな設定などが気になる物語でした。 ありがとうございました!
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地獄の冒険(じごくのぼうけん)地獄の冒険と聞くと、どれだけおどろおどろしいものが出てくるかと身を構えていましたが、実際は地獄だけに留まらない様々な世界を渡っていく冒険記のような物語で、行く先々で起こる出来事を面白く読ませていただきました。 @ネタバレ開始 途中、ジャックさんの背に飛び乗るぜ!と意気揚々と飛び乗ったらGAME OVERになったりしましたが、直前の選択肢に戻れるのもありがたかったです。 最後どちらを選んでもバッドエンドになったりはしませんが、私は右側を選ばせていただきました。 道中で通ってきた世界も、まだ見ぬ世界も、ティニーさんたちにとってこれからも楽しい冒険になりますように。 @ネタバレ終了 かわいいキャラクターたちとの冒険、楽しかったです! ありがとうございました!
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オルタナティブ・マスカレード ~花飛の章~イケメンハイスペックお兄さんが親身に寄り添ってくれる…乙女なら誰もが一度は夢見る!?シチュエーションに隠された裏の仮面に、お察しチキンは鳥肌になりました。 @ネタバレ開始 奏さんがーーーー!!!! 勘が良すぎたために、まさかの始末に遭ってしまっていてショックでした…。 そして、その後の「俺だけはずっと傍にいる」発言に「あ、犯人この人だ」とお察ししました…。 直後、選択肢で拒絶を経てお亡くなりになる花子さん…花子さん、あんなに可愛かったのに! 作者様のコメントで「服に×をつけて危険性を醸し出しておいた」という主旨のお言葉がありましたが、それには最後まで気がつきませんでした。 キャラクターデザインが悪人らしさゼロだったので、選択肢付近まで騙されました。 最後は若い警察官も活躍してのトゥルーエンドで良かったです。 報われない恋ではありましたが…このやるせなさが醍醐味なのかなと感じ入りました。 ところで、ショッピング中に「あいつを信用するなよ」と言ってくれた人は誰だったのだろう…と思うので、別章も今からプレイします! @ネタバレ終了 シナリオ・イラストそれぞれの作者様のコメントなどを見た後にもう一度プレイすると「本当だー!」となる部分などもあり、また味がありました。 ありがとうございました!
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オルタナティブ・マスカレード ~槐夏の章~花飛の章をプレイして色々と気になることもあったりしたので、続けてプレイです! ショッピングの時に感じたまま終わった謎が解けるのか、ワクワクです! @ネタバレ開始 「え、本当に誰!? 見るからに怖い…っ!」←激しく同意 別章ではシルエットで出てきていたので、「こ、ここここ、こんな明らかにマジな向こう側の人にしか見えない!!」が突如出てきて驚きました(目玉が飛び出る) その後、最後までプレイして天神川さーーーん!!と押し掛ける主人公ちゃんの気持ちがよく分かりました。 ハッピーエンド大好きな身としては、このハッピーエンドはすごく良かったです。 お弁当を幸せそうに食べる笑顔にドッ!!となって胸キュンしまくりです。 ここから二人が末永く幸せだったらいいなーと思いました。 @ネタバレ終了 これからプレイされる方も、是非に花飛の章と両方セットで遊んで楽しさ200倍でどうぞ! ありがとうございました!
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どうわかいだん怖いもの見たさに思わず読んでしまう…そして、一話一話がちょうどよいボリュームで思わず読破してしまう!…そんな作品でした。 上から順番に読んでいきましたが、どれも面白かったです! @ネタバレ開始 一番怖かったのがヘンゼルとグレーデルでした…なにこれ怖すぎる…怖すぎて途中からすべてを疑り深い目で見てしまっていました…。 清二くんも絶対に生きてないに違いない、幽霊に違いないと(ガクガクブルブル) 次点、白雪姫が怖かったです。 ノックさんはノックしてはいけませんね…私なら「将来宝くじで一等が当たりますか?」とか俗物代表みたいな質問をしてノックさんを呆れさせることになるかと思います(そもそもノックさんで遊んではいけません) ある意味で自業自得という面もあったので、仕方ないねーと思いましたが、語り手である自分が「次は私ですか」と聞いたときは「それは聞いてはいけないやつーーー!!!」と画面の前で全力で主人公の腕を引っ張りたい気持ちになりました。 「やめろ!! フラグだ、それはーー!!」と(笑) @ネタバレ終了 短時間でゾゾゾとなりたい時にピッタリの短編集、ホラーが苦手な私ですが随所で怯えながらも楽しめました! ありがとうございました!
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Route17長い長い25号線を一緒に帰る親友の灯菜さんと、日々成長していく主人公栄斗くんのほのぼのとしたお話かと思っていましたが、その実ギミックが面白くとても心がほっこりする作品でした! @ネタバレ開始 初プレイ時は物語を純粋に楽しんでいたので特に何かを探したりしなかったのですが、初回最後のあのシーンで「あ、これ本編中に色々散りばめられているとかそういうタイプの!」と悟り、いざ再び小さな頃の栄斗くんから始めるというじっくり型で本作を楽しませていただきました。 PCの変換でナチュラルに合掌と変換されて「違う!」と画面の前で叫んだりしましたが、無事に最後までクリアできました。 合言葉を見つけるのがとても面白かったです! 舞台が25号線で、タイトルはRoute17で…ずっと「どういうこと?」と思っていましたが、これは「ああ、そういうことか!」と分かったとき、感動しました。ネタバレになってしまうので詳しく書けないのがもどかしいくらい、鳥肌ものでした。 プレイ後は本当に心がほっこりしています。 @ネタバレ終了 人によってはギミックが難しく感じるかもしれませんが、素晴らしい作品ですので是非最後まで読んでほしいです! ありがとうございました!
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25時に復讐を。死神として噂される者とワケありな僕っこが路地裏で出会ったことで廻り出す歯車、ドロドロとした憎悪の向こうで掴んだ人間性に、思わず「二人に光差す未来がありますように」と願わずにはいられませんでした。 @ネタバレ開始 大団円ハッピーエンドとはなりませんでしたが、チヒロさんとカナメさんが二人でどこかへ向かっていくエンド1が一番好きです。 元凶の一人である叔父に全部知られているのは「うーん…」な気持ちですが、二人の未来が少しでも明るいものであればと思いました。 権力やお金など大人のドロドロしたアレコレにただ一方的に巻き込まれてしまっただけのカナメさんが、いつか心から笑えますように。 クリア後のイラストでカナメさんがスパッツ姿であることに「かわいい!」と悶えました。 性別不明なところ、僕っこなのもかわいいです! @ネタバレ終了 青空全開のハッピーエンドこそないものの、エンドによっては夜の地平線の向こうにほんの少しだけ見えてきた小さな小さな明けの光を見るような余韻がある素敵な物語でした。 ありがとうございました!
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Lov【ラヴ】目が覚めたら見知らぬ男がいて、私は誰・ここはどこ…これはもしやヤンデレなアレなのでは…と身構えていましたが、まったく違うとても純粋な愛の物語でした。 @ネタバレ開始 エンド2の後に3回くらいエンド1を目指してヒントの通りに進めたのですが、エンド1に辿り着けなかったので、申し訳ないですがエンド2のみの感想で失礼します。 実は主人公はもう随分と時を経ていて…という最後の最後の種明かしにビックリしました。 村長さんはただの最悪なクズですが、エドさんとの関係を知った2周目はその甲斐甲斐しさが胸に響きました。 1周目のときは「お粥を食べさせてくれるだと…これは私をあなたなしでは生きられないという方向に持っていきたがるヤンデレ男の罠なのでは…」とか思ってすみません…本当にすみません…心が腐り汚れててすみません…。 2周目からのエドさんの言動はエドさんのお人柄を理解した後だったので「これは主人公への気遣いなんだ」と言動の端々に主人公への愛が感じられるようになりました。 すごくいい男だ、エドさん!ともっとエドさんと過ごしたかったです。 ……本当、初見は疑って申し訳なかったです…! @ネタバレ終了 エドさんの魅力に遅まきながら気づき、気づいた後はニコニコとお粥をいただきました。 ありがとうございました!