SHIAのレビューコレクション
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使用人との恋お家が傾いた下級貴族の主人公令嬢が、使用人アランとの禁断の身分違いの恋に落ちるのか、それとも婚約者であるオーウェンと結ばれるのか―――使用人との恋をたっぷり楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 ヤンデレで迫ってくるアランさんもタガが外れて容赦がなくて素敵でしたし、太陽のような笑顔で二人で生きていくことを喜ぶアランさんも、どんなアランさんも素敵でした。 特にヤンデレエンドは「アランさんつよい…!」となりました。 ヤンデレもそれはそれで愛の濃度がよし。 オーウェンさんとのアナザーエンドでは、とても分かりやすくアランさんが信じられないものを見るような氷河期真っただ中の凍てついた御顔でしたので「ヒ、ヒエェ…!これはアランさんの人生史上最高に怒っておられるのでは!?」となりました。 このエンドを見たときは「ごめんなさい!」と心の中で思わず頭を下げました……。 「困難な道でも二人なら」のルートのアランさんの独白は一番グッときました。 どのルートでもアランさんが主人公のことをただただ一途に想い続けているだけに、独白部分でちょっと涙腺にきました。 @ネタバレ終了 アランさんが徹頭徹尾、主人公さん想いの愛情たっぷりな短編でした。 オーウェンさんの話題になるとサッと無表情になるあたりで「あっ…」とお察しできる愛情の強さが本当に素敵です。 素敵な作品をありがとうございました!
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やっぱ世の中金だよなァ!!世の中カニは外せないけれど、あえて5000兆円ほしーーーー!!!という思いに駆り立てられる瞬間はいつか……と聞かれたら、新しいガチャキャラが実装されたときと、家電製品が急に召された時です。 主人公もタイトルからしてカネェエエエ!!!とお金お金しているので、日々色々あるんだろうなーと思いつつ、プレイしました。 @ネタバレ開始 お金大好き好き好き主人公がカニになったり、バトロワ強制参加だったり、札束で後輩の横っ面を殴ったり、金に溺れて悪魔になったりとお金が関わって大変なことになっていましたが守ENDが一番平和的解決(?)でよかったです。 守さんが画面にドーンと出てきた時は、急にイケメン出てきた!と思いました。 ちょっとだけ「やっぱり世の中イケメンだよなァ!!」と思ったのはナイショです。 バトロワエンドルートのげんなりした主人公の立ち絵がとてもツボでした。 @ネタバレ終了 世の中、お金があれば便利ですが、やっぱりカニとイケメンは外せないよね!と思いました。 ありがとうございました!
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チダマリ イン グランマハウス童話「赤ずきん」がこんなことになるなんて……かわいい絵柄と毒舌の舌鋒家赤ずきんらが繰り広げる奇想天外なマダミス―――いいえ、これはチダマリ イン グランマハウスな物語です。 童話をモチーフに、童話の魅力を保ちつつ童話どこ行った的な面も絶妙に融合されていて、とても面白い物語でした。 サクッと読めて三者三様の魅力、特に赤ずきんがキレッキレでとても好みです。 @ネタバレ開始 チダマリがおばあさんの血溜りだった件。 皆で死体を井戸にポイしてめでたしめでたしなところが、さすが童話!!と思いました(違う) 皆かわいい顔をしてえげつないことをポンポンと言い放つ姿が素敵です。 グランマ、井戸の底で安らかに眠れ……。 @ネタバレ終了 徹頭徹尾、おばあさんがただただどこまでも被害者のゲームでした。 まあね、私もお味噌汁が濃いだの言われたら油を―――(以下、放送前にカットされました) とても素敵なゲームをありがとうございました!
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透明人間彼女お隣に引っ越してきた人は大学一年生の透き通るような声を持つ女性だった―――但し、姿が見えない。透明人間である。姿の見えない彼女と少しずつ距離を縮めていった先に待ついつかは突きつけられると分かっていた問題に、ちょっぴり切ない物語でした。 @ネタバレ開始 もし自分の彼氏や彼女が声だけは聞こえる透明人間、けれど他の人には声も姿も認識されなかったら?と考えると、自分の妄想と言われても仕方がない……にも関わらず、最後の最後で主人公が妄想でも構わないと言い切ったエンドはしんみりとしました。 最後までその姿が見えなかったことに「これから先、見えるようになる日が来るかもしれない」というほんの少しの希望を持てました。 限りなくゼロに近くても、ゼロではないという意味で……主人公にだけはいつか見える日が来るんじゃないかと。 @ネタバレ終了 どんな姿をしているんだろうと、見えないからこそ想像する楽しさもある素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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暗がりに咲く花恋は盲目でありながらその心は一輪の花のように何にも阻まれず咲き誇るからこそ、美しい。約10分で読了。 これはとても素晴らしい短編でした。 短編小説を読むようなリラックスした気持ちで、寝る前などに是非プレイしていただきたい穏やかな気持ちになれる短編です。 文章がやわらかく丁寧で、シルクのような肌触りを感じる文章だったのも印象的でした。 家に帰宅してからの明日への希望に満ちた内心をやはりやわらかな文章で穏やかに表現しているところ、特にラスト一行の結び方が秀逸で心に残ります。 その後がどうなったのかまでを書かなかったところが一つの結末にのみ絞らせない余地と余韻があって、良かったです。 作者様の次回作が出たらまたプレイしたいと思う素敵な短編でした。 ありがとうございました!
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スルトツェ骨董店の手紙独特の雰囲気と魅力にあふれる秋津おじさんと、とある秘密を込めたボトルメッセージの魅力にグッと引かれて結末が気になって一気読みの短編でした。 @ネタバレ開始 複数のエンドを見ることで秋津おじさんの印象がガラリと変わる、読むことで味わい深くなる物語でした。 秋津おじさんを理解しようと歩み寄る姿勢から見られる地獄まで諸共なエンドは、なぜ連続無差別殺人犯になってしまったのかも明かされ、秋津おじさんへの見方が変わりました。 ある意味で救いでもありますが、終わり方としては悲しくもあるエンドでした。 救いの手エンドだと秋津おじさんは何も理解されないただの無差別殺人犯のままになってしまうので、ちょっと寂しいエンドでした。 トゥルーエンドを見たいと思い、何周かしましたが見つからず…! ヒントがあると助かります……! @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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DELFLORIA王道なボーイ・ミーツ・ガールストーリーでした。恋愛感情などが排除され、過度なストレスにより異形の存在が生み出されるという現代日本を舞台にした、今を生きる私たちの世界にオリジナルの世界観を丁寧に織り込ませた重厚な物語でした。 「感情」が読めてしまう少年と理解できない少女がどう変わっていくのか、本人らにもコントロールできない流れにどう抗い向き合っていくのかなど、主軸となるシリアスな部分もさることながら、日常生活の描写もとても丁寧に描かれていてヒロインの一人であるニンフェさんの可愛さも堪能できました(寝顔が最高でした!)。 エフェクトなども駆使したアクションシーンが熱く、テンポがよいので中ダルみなどが一切ありませんでした。 主人公の異能の性質である「どちらも欠けてはいけない」という、互いが互いを必要としているところが「感情」が排除された世界において人間味に溢れた設定でとても良かったです。 突如として巻き込まれた非日常の世界がもたらすものに精一杯立ち向かい、守るべき存在であるニンフェさんとの絆を一歩ずつ育んでいく主人公の姿に好感が持てました。 色々と重大な謎が残されているので、今後追加されるであろうルートたちでそれがどんどん明かされていくのかな……と、完結を応援しております! 素敵な作品をありがとうございました!
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月不見月の彼女ある日家にとてもかわいい女の子がメイドとしてやって来たら……という、頬をつねっても夢じゃない!を実現させてくれる物語ですが、メイドさんと暮らせる楽しいお話だけに留まらない魅せる王道ギャルゲーでした。 @ネタバレ開始 間違えた選択肢を選ぶと非常に冷たい対応多めorBADENDコースなのが分かりやすかったです……一番初めからBADENDに行ってしまいました(笑) 途中から明らかにNGな選択肢は避けようと学習しましたが、初回はNormal Endで「どこで間違えたー!」とトゥルーを見ようと奮戦。 画面の中で受験を頑張る主人公と並走して画面の前で頑張るプレイヤーとなり、トゥルーに辿り着けました。 メイさんのウェディングドレス姿が本当に美しかったです。 ウェディングドレス姿を見ながら、もう一度生シラス丼を一緒に食べに行きたかったな……とメイさんとの思い出を振り返っていました。 @ネタバレ終了 一緒にお出かけしたり、何気ない日常の会話を楽しんだり、選択肢を間違えて何度も冷たい目で見られたりと、約2時間のメイさんとの楽しくてかけがえのない時間を過ごせて本当に良かったです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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メドゥーサと目を合わせると死ぬゲーム。目を合わせると石化して死んでしまう……と聞くと、メドゥーサが思い浮かぶ人も多いはず。本作もそんな目が合えば即死な強力な眼を持つメドゥーサさんといかに目を合わせずにいられるか耐久心を試される……のと同時に、話の結末にとても切なくなるゲームでした。 @ネタバレ開始 絶対に見ない!!の心で最後の赤い選択肢まで行き、ようやく目を合わせる解禁。初めて顔を見られました。 メドゥーサさんの目自体が衰えてきていたので、目を合わせても即死しないハッピーエンドへ辿り着けました。 思い込みから誤解していたのですが、メドゥーサさんの対面にいる方はてっきり恋人だと思っていたところ、お子さんだったのですね! これはもうお互いに顔を見たいのに見られないという……いえ、メドゥーサさんからはお子さんが俯き気味にしている顔は見えているでしょうから、お子さんにとって大切な母の顔を見たいと思うのに見られないというところでしょうか。 メドゥーサさん側からしても、自分の子どもを殺してしまうかもしれないという状況であれば毎朝生きていることを喜んでいた姿にも納得がいきました。 トゥルーエンドでは子の行く末を嘆いて、自ら石化させてしまいましたが……結末が同じでも個人的にはハッピーエンドが穏やかで好きです。 どちらも母の愛を感じるエンドでした。 こうなるとバッドエンドも気になり、周回してみました。 ご尊顔拝みたさに一日目で即死するとか馬鹿なの?と言われそうですが、気になったので目を合わせたら、本当に瞬く間にも即死しました……そしてご尊顔は拝めませんでした(これこそ真なる無駄死にエンド) @ネタバレ終了 目を合わせてはいけないと言われると合わせたくなってしまい、何日も「目を合わせない」を選び続けるのがもどかしい、けれど最後のエンディングまでいくと目を合わせなくてよかったと思える素敵なゲームでした。 ありがとうございました!
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Re:quiem[life]プロローグから一転、月の世界の物語がどうなっていくのかと気になって一気読みさせていただきました。 サクッと読める短編ですが、とても大きな作品の断片的な物語ということで、読み終わった後も「あの謎は?」と気になるところがたくさんありました。 読了後に謎が多く残っていたので続編などがないか確認したところ「Aster」という作品がありましたので、こちらも後ほどプレイしたいと思います! 坂様のあたたかくて可愛らしいイラストがとても印象的でした。 どの子もとても可愛いのですが、登場人物たちの中ではウサギ天使さんたちのデザインがかわいすぎてツボでした…! ストーリーもほのぼのしたところとシリアスなところの緩急がしっかりとついていて、ダークファンタジーの世界に一気に引き込まれました。 @ネタバレ開始 ストレンジハウス来訪時に顔のないCGが画面いっぱいに出てきた時は「ぴゃあっ!!」となりました(笑) ホラーかと思いました……ドキドキ。 アメリアさんが蘇った時はパーツを譲渡した皆さんも歓喜に沸いたと思うのですが、いつしかそれがただの執着になってしまい、アメリアさんを全力で呪い縛るものになってしまったのがとても悲しかったです。 当初は報われたいと思っていなかったはずのものが、今では「我々の献身は報われなければならない、ここまでしたのだから」になってしまっているところが本当に胸に刺さりました。 女神様は多くの方の中では特別な力を持つ信仰対象ではあるけれど、必ずしも幸せにしてくれるかどうかというのはイコールではないと感じました……「Aster」でどんなご活躍をされるのか、今から気になっています。 @ネタバレ終了 最後の収束部分まですべて読み終えると、まだ朝陽が見えたか見えてこないかの薄い空を映す湖面のような余韻を感じさせてくれる素敵な作品でした。 ファンタジーが大好きなので、本作シリーズの色々な面をもっと見たいと思いました。 最後に―――リーリちゃんの笑顔がとってもかわいいです! ありがとうございました!!