白玉ユキトのレビューコレクション
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お菓子の国のガトー・ソルシエとてもクオリティが高く、しかもフルボイスで、今作も楽しませて頂きました。 食べると勇気が出る魔法のお菓子、食べた人の背中を押すというのが、何だかささやかでいいですよね。男の子にキャンディをあげた流れから、最初は繁盛しているお店を舞台に客のトラブルを解決しながら姉弟仲を育んでいくのかな、なんて考えておりました。 @ネタバレ開始 カノンくんの過去編から結構重いんですよね。お菓子が甘いので油断していました。 そしてマヤちゃんの過去編で薬物依存めいた話になって、展開がエグいなぁと思いました。人に傷付けられた痛みよりも、人を傷付けた痛みのほうが、絶対にきついですもんね。 そんな二人が出会って、互いの特性が中和し合って、ちょうど良いものができる。こういう2人で1つとか、互いの足りないところを補い合うみたいな関係、すごく好きなんですよね。 マヤちゃんが一人でお菓子を作れたことにカノンくんが不安になって、逆にカノンくんが一人で作れるようになったら、今度はマヤちゃんが複雑な気持ちになって自分のしたことに気付いて、という流れが、すごく小さなことなんだけど、すれ違いってこういうものだよなぁ、って思いました。 読み終えてみると、重要なイベントがほとんど過去の話だったと思うので(だからこそ短く纏まっているわけではありますが)、個人的にはもっと今の話を読みたかったな、とは感じました。 理詰めでぐいぐい来るカノンくん、堪りませんね!「年頃の男を連れ歩きながら、ほかの男性と交際されるおつもりですか?」ぐうの音も出ない。あと身長差もいい! 同僚のお二人、将来絶対ルークさん尻に敷かれてるよな、って思いました。 この小さい帽子、可愛いですよね。実用性はなさそうですが、オシャレなアイテムです。 @ネタバレ終了 プレイ後に妙にクッキーが食べたくなって、サクサクとかじりながら感想を書いているわけですが、とても素敵な時間を過ごさせて頂きました。 ありがとうございました!
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カイゾクロジックいやぁ、面白かったです! 推理物で海賊ってあまり見ないですが、船の上だから逃げられないとか、凶器は海に捨てたら見つからないとか、船の構造とか、いろんな部分が謎に絡んでいて新鮮でした。 見つけた情報から1つ1つ証言を覆していくのが気持ち良かったですね。アバク君、謎を暴きすぎ! @ネタバレ開始 ゴーダッツだろうがベーノンだろうが、隠し事は全部暴いちゃう。そして、暴かれても何とか言い逃れようとするお二人さん。いいキャラクターですよね。人によって態度を変える人間は信用できないのが常なので、ゴーダッツを信用しているなら船長さんはちょっと不安に思いました。 宝石の隠し場所が最初は分からず、気付いて「そこかぁ!」ってなりました。船の上だから証拠は全部海に捨てたら見つからない、という前提があるから、死体を捨てられない状況を作ったり、動機を宝石にして持つ必要を生んだり。普通に読んでいる分にはあまり気になりませんが、作りが本当に上手いなぁと思います。 @ネタバレ終了 楽しかったです。ありがとうございました!
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PetrichoR大変面白かったです。終始、食い入るように読み進めていました。 3人の視点から描かれる群像劇のドラマで、これは構成が見事だったと思います。シリアスでサスペンスな物語でありながら、ラストの切なくも明るいあの雰囲気の着地は読後感が抜群で、とても良いものを読んだと思わせてくれました。一本の良質な映画を見終わったような心地です。 @ネタバレ開始 サスペンスとあったので、scene1の時点で「彼女は彼の死に関わっているんだな、この後いなくなるんだな」と推測はできるのですが、そこで実際には何があったのかが気になって、強烈に引っ張ってくれました。 登場人物がみんな良い人なんですよね。決して利己的でなく、自分よりも人の幸せを願うタイプの。そんな中で起こしてしまった悲劇から、自分が全てを被ろうとしたり、迷惑が掛からないように姿を隠したり、重みを一緒に分け合おうとしたり。そういったことが積み重なって、綺麗に落とされた結末が非常に感動的でした。 個人的には誠空さんの存在感が良かったですね。ガラが悪い地域の元締めっぽいのに義理堅く誠実で、豪快に笑うことで現実から逃避している事実をごまかしている、みたいな機微の表現が上手いなぁと感じました。 @ネタバレ終了 とても面白く読むことができました。ありがとうございました!
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タバコ屋乙女と小話でもうわー、オシャレ! 小気味よい音楽や、細かく動く背景、気だるげな仕種や軽妙な語り口など、プレイ感がすごく良かったです。 本当に他愛ない小話なのですが、少しずつ背景が分かってくる感じで気持ちよく読めました。 @ネタバレ開始 明日も雨かしら、で主人公の正体が分かって、そしておまけで明るい未来が想像できるような展開が見えて、何だかこちらも良いことがありそうな気になりました。 @ネタバレ終了 楽しませて頂きました。ありがとうございました!
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種種落々いやぁ、怖かったですね! コンパクトな作りながらもホラーの要点が押さえられていて、お話のバリエーションもあり、大変楽しませて頂きました。 個人的には「割れた」が一番好きでした。こういうタイプの話、好き。 @ネタバレ開始 後輩の話かと思ったら、呪いを掛けたのは自分で、しかもそのきっかけは勘違いで、結局自分にも返ってくるという……。短い物語の中に何重にも裏があるようなお話は大好物です。 最初にプレイした「スイカ」が最後にプレイするべき「いい話系」のものだったので、却って「じーやんに肩入れしすぎているのがホラーか!? 何か裏があるのでは」とか、変に勘繰ってしまいました。 そして「あとがき」で完成するお話なのですよね。それ込みで「上手い作りだなぁ」と思いました。呪いのビデオ、不気味でした。 @ネタバレ終了 面白かったです。ありがとうございました!
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蝋燭の照らす先はゲームに隠されたテーマというのが気になってプレイしました。 物語の進行に雰囲気があるので、ずっとワクワクしたままプレイできました。肝心のテーマは残念ながらプレイ中には分からず、クリアした後でコメントを読んで、なるほどと思いました。 @ネタバレ開始 初めの試練をガーベラちゃんに任せたらBADENDで、2回目は音だけガーベラちゃんにお願いしたらその呪いだけ残ってしまったので、最後の試練で切った人の呪いが消えるのだな、とシステマチックにクリアしてしまいました。 蝋燭のワードが結構使われていたのに、なかなか気づけないものですね。 最初の選択肢で「大声を出す」というのがあったので、声の反響でダンジョンの広さを測るのかと思ったら、全然そんなことはなかったですね! 司書さんのバグっぽい見た目と演出が一番引き込まれましたね。 @ネタバレ終了 楽しかったです。ありがとうございました!
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サイコ系即死脳トレクイズ女の子かわいいな、と思ってプレイしました。 結構死にましたが、何度か繰り返して無事に生還できました。 @ネタバレ開始 1問目で「僕の名前はブランコ」と言っているのに、メッセージ枠は「エリンカ」で、あれ? と思いながらも「エリンカ」が正解だったので、真実を言わないのだなと判断しました。ただ、正しいことを言わないだけなのか、逆のことを言うのか、って判断しづらいですよね。 東西南北の問題が分からず殺されたり(方角がデタラメだと思っていた)、父と母の話で混乱して、殺されてから「ブランコ」の存在に気付いたり。何とか生還してから解説記事を読みまして、ようやく謎が判明いたしました。 物語としては生還した時点で終わってしまいますが、彼女達2人も救われてほしいですね。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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ウミガメのスープに劇薬をウミガメのスープ、好きなのでプレイさせて頂きました! 面白かったです! ちゃんと問題を解くことを楽しめましたし、その結果がそのまま結末に繋がって読み応えがありました。 @ネタバレ開始 1つ目の問題のコメディな選択肢、面白かったです。何を勝手にプリン食べてるんですか! 2つ目の問題は、これは男か女が2人いるパターンだな、とは予想はしつつも、真実は想像を超えたショッキングなもので驚きました。タイトル画面が赤いスープなのは、やっぱりそういうことなんでしょうか……? @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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ばいばい。私の初めての恋卒業式の告白、しんみりとするお話でした。 細かい演出がいろいろと凝られていて、丁寧な作品だなと感じました。 @ネタバレ開始 奇をてらわない告白の話で良かったです! 卒業式での告白。実際には会わなくなることが決まってからの告白は、成功しても続かないことが多いと思うんですが、先生と生徒ならその関係性がなくなるから始められるのでは? なんて邪な気持ちを持ってはいけませんね。 関係の難しさもあり、振られることが分かっていて告白するのも勇気が要りますし、それをしっかりと振ってあげる先生も立派だなと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品でした。ありがとうございました!
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sigh雰囲気ホラーゲームと書かれていますが、がっつり怖かったです! 「VR肝試し」という題材が面白いですよね。これだと目の前や耳元で怪異が起きますし、現実の様子が分からなくなるのも余計に怖いよな、と感じました。 @ネタバレ開始 友達と一緒に肝試し、のはずが友達出てこないんですよ。廃墟に独りぼっち。 何度かパクパクされて、何とか脱出できたと思いきや、明るいエンドは迎えられないんですねぇ。 ハイテクとオカルト、お化けと人間の怖さと、いろんなハイブリッドで怖かったです! @ネタバレ終了 ありがとうございました!