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街八ちよのレビューコレクション

  • 椿の主
    椿の主
    可愛いメイドさんが献身的に尽くしてくれる何とも羨ましいお話……と思いきや、その実はとても悲しいお話でした。 因果応報というのでしょうか、「欲」を出さなければもっと健康的な関係が築けたのではないかと思わずにはいられません。 @ネタバレ開始 主人公はツバキちゃんを支配するつもりが支配されていた、またプレイヤーである私もゲームで遊んでいるつもりが彼女に遊んでもらっていた、とすべてのEDを見終えた後のタイトル画面を拝見してから感じました。 ツバキちゃん、大変危うげで魅力的な子です。 @ネタバレ終了 ……ツバキちゃんのおっぱいに惹かれてこの作品をプレイさせていただこうと思った、というのは内緒です! 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • パーソナル・スペース
    パーソナル・スペース
    まずは「秀逸なタイトルだ」と思いました。個人的空間(想像力)と個人的な「宇宙」、そしてイディオムとしての「パーソナルスペース」の意味が物語の随所に効果的に使われており、説得力のあるタイトルであると感じました。 本作はSF作品となっており独自の設定も多く盛り込まれていますが、無駄に難解な表現を用いないので読みやすく、また主人公が適宜情報をまとめてくれるのですんなりと設定を理解することが出来ました。 とはいえ開示される情報の時系列がばらばらなので序盤はよくわからないのですが、演出やシナリオに引き込む力があったのでまさしく「点と点が繋がる」瞬間を待ちわびながら読み進められました。 「パーソナルデータ」の主人公であるシロエちゃんには凛とした意志と強さがあって、まるで軌跡を一直線に伸ばし輝く星のようであると感じました。 そんな風に彼女を形成していったのは間違いなくクロハくんであり、彼の優しさと知的探求心にはとても好感が持てます。そんな2人が惹かれ合う様に温かい感情を抱きました。 また、ラズリちゃんの性格がからっとしていて良いなと思いました。個人的に口調が好きです。 @ネタバレ開始 シロエちゃんとクロハくんの生い立ちや立場からして、きっと浮かばれない恋であるだろうと感じていました。 それでもお互い懸命に目的に向かって努力する様に応援したい気持ちが募りました。 ストーリーの終盤、主人公(クロハくんの子孫)を「クロハ」と認識し嬉し涙を流すシロエちゃんの姿には胸が震えました。 美麗なスチル、選び抜かれたBGM、上手く思考が出来なくなってしまった状態でもひたむきに言葉を紡ぎ感情を吐露するシロエちゃんのセリフ、それら全てが的確に私の心を射抜き涙腺を崩壊させるには十分すぎるほどでした。 「シロエとクロハ」として巡り合うことは出来なかったけれど、クロハくんがシロエちゃんを「死んだ」とみなし新たな関係を築いていったようにシロエちゃんも疑似的でもクロハくんと「再会」出来たことがある種の「終着点」となり彼らの想いは浮かばれたのではないかと思わずにはいられません。 @ネタバレ終了 エンドロール時に、広大な宇宙も小さな「点」から始まり、それが無数に繋がることで世界は出来ているのだと自分が生きているこの空間に思いを馳せました。 一時間ほどで読み終わるコンパクトな作品ですが、この作品とともに過ごした時間以上に心に残るものの多い美しく素晴らしい作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 四十年の初恋
    四十年の初恋
    特殊な家系の元に生まれた主人公・朔と、その想い人である咲夏が織りなす純粋で不器用なラブストーリーです。 序盤は2人が再会した喜びと好きという気持ちの爆発という感じでほのぼのとした気分になったのですが、その時の「いけない時間」が後に様々な人を巻き込んであらぬ方向に物語が転がり、「今後どうなるのだろう」と固唾をのんでストーリを追っていきました。 倫理的な面で考えれば朔と咲夏のしてきたことは決して褒められたことではありませんが、それだけ一途に互いを想い合える存在がいることを羨ましくも感じました。 もっと早く自身の置かれている環境を捨てさえすれば丸く収まったのかもとも思いましたが、あの道を歩まなければきっと賀来たちは存在しないことになるので運命とはなんて残酷でおもしろいのだろうと思いました。 また、2人がお互いのために書いた手紙の文が終盤で再度登場したのが希望が感じられて良かったです。 まるでおとぎ話のような純真な愛の物語でした。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • オカルト学園七不思議
    オカルト学園七不思議
    日々の生活に不満を感じている主人公が突然異世界の学校に迷い込んでしまい、そこの学生2人に協力してもらって元居た世界の手がかりを探すために夜の学校を散策しながら学園の七不思議を紐解く、というお話です。 有名な怪異が学園の七不思議として登場しますが、ぞくっとくるエピソードもあれば何だか和むエピソードもあってメリハリが聞いていて良かったです。個人的には「トイレの花子さん」が好きです。めちゃくちゃ可愛いので切り株の里をたくさん献上したいです。 助けてくれる2人のおかげで自分や現実と向き合うことが出来て主人公の成長が感じられたハッピーエンドが好みだなあと思いました。 エンドの最後のスチルもどれも素敵でした。 協力してくれる2人がどちらも魅力的でかっこよかったです! 明るく元気で面倒見がいい大牙くん、物腰柔らかで真面目な光晴くん、どちらも素敵でしたが個人的には大牙くんが好きです。意外に家庭的できゅんとしました。彼の作ったチャーハンを食べてみたいです。 また、サブキャラも魅力的でした! ケモさんをもふもふしたい……! 異世界の学校はちょっと怖いけれどもっといろいろなことをあの2人と体験してみたいと思わせてくれる作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • ピアノ・ルーム・ソナタ
    ピアノ・ルーム・ソナタ
    タイトル画面の女の子が好みだったのでプレイさせていただきました。 ピアノの曲を聴きながら女の子のお話を聞く、という作品です。 女の子はどうやら訳ありのようで、彼女の話はどこか物悲しいピアノの音色と相まって切なくなるものでした。 「来てくれて嬉しい」と笑ってくれる彼女のために毎日どれだけでも話を聞いてあげたいと思いました。 @ネタバレ開始 彼女にいつか小鳥以外にちゃんと話を聞いてくれる存在ができたらいいなと思います。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 打ち上げ花火とコンペイトウ
    打ち上げ花火とコンペイトウ
    主人公の永太くんの元に「なぜここにいるのかわからない、生前身の回りにいた人の記憶がない」と言う自称幽霊の少女・ひかりちゃんが現れ、共に記憶を取り戻す手がかりを探しに夜の街を練り歩く、というお話です。 見た目も性格も明るく幽霊っぽくないひかりちゃんがとても愛らしく癒されました。 意外とアクティブなことが趣味だったりと、探索する中で彼女のことが徐々にわかる構成が良かったです。 Live2Dを用いた動く立ち絵やボイスが実装されていて、それが彼女の魅力を増幅させる一因になっていたと思います。 その他にもオリジナルの主題歌があったりと手をかけて作られていらっしゃるのだなあとこだわりを感じました。 打ち上げ花火とコンペイトウを関連付けてシナリオに織り込んでいたのもおしゃれだと思います。 @ネタバレ開始 ひかりちゃんが永太くんの生み出した「幻」だったと知ったときにはとても驚きました。 幽霊より幻の方がより切ないですね……。だから幽霊っぽくなかったのかと腑に落ちました。 それだけ永太くんはひかりちゃんのことが好きだったんだなあと痛感しました。 ひかりちゃんを「成仏」させないのも有りかなあと思いましたが、いずれ永太くんの精神が壊れてしまいそうなのでやっぱりトゥルーエンドの展開が健康的で未来あるエンディングだと感じます。 永太くんにはひかりちゃんの存在を胸に抱きつつ、幸せに向かって歩んでいってほしいなあと思いました。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • ラヴ・シルエットシンドローム
    ラヴ・シルエットシンドローム
    スタイリッシュなタイトルに惹かれてプレイさせていただきました。 謎の病気にかかった主人公が想い人であるアイちゃんと遊びに行く、というストーリーなのですが、ハイテンションでハイスピードな展開がとても小気味よく手軽に遊べて楽しかったです。 相手と対面して会話する場合に相手の見た目や表情がわからなかったら確かに困るなあ、失礼な対応をしてしまったらどうしようと私個人的には消極的になってしまいそうですが、主人公くんは常に前向きだったのでとても好感が持てました。 そしてアイちゃんからにじみ出る可愛さによってどんな顔をしているのだろうとプレイ中気になって仕方がなかったのですが、ハッピーエンドにてご尊顔が見られて大変興奮しました。アイちゃん可愛い! しかしながらアナザーエンドにはもっと興奮しました。 @ネタバレ開始 アイちゃんの「素」を知っても大好きだと言う主人公くんの一途さには感服いたしました。 おまけのアイちゃんのお話も拝読しましたが、アイちゃんも苦労したんだなあ、主人公くんという素敵な人と巡り逢えて良かったなあと思いました。彼らのその後も見てみたいです。 あと、仏像が印刷された封筒は私も欲しいです……(笑)。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • おしまい少女
    おしまい少女
    幻想的な雰囲気の空間で、不思議な少女に心の声を聴いてもらう、といったストーリーの作品です。 プレイしている私は当事者(主人公)ではありませんが、少女の優しく肯定的な励ましを聴いてこちらも気持ちが軽くなるようでした。 Live2Dを用いた少女の立ち絵がよく動き、さらに彼女の魅力を引き立たせていたように思います。 特に「笑って」という旨のモーションが好きです。 彼女は慈愛に満ちているのだなあと感じました。 あとがきも拝読しましたが、本編では語られなかった設定を知ることが出来て少女にまつわる話をもっと読んでみたいとわくわくしました。 個人的に少女の名前が綺麗で素敵だなあと思いました。 数分で終わる掌編ですが、ずっとお話に浸っていたいようなとても心地のいい作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました! (ファンアートに誤字があり投稿を削除したため通常コメントで失礼いたします)

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  • Destiny Root!
    Destiny Root!
    ひょんなことから突然3人のイケメンに言い寄られることになる主人公、といった古き良き乙女ゲームという感じの作品です。 正直に申し上げますと、ギャグ成分多めのありふれたラブコメかな……とプレイ中盤までは思っておりました。 しかし1、2人目に出会った男の子たちのEDを拝見して「どういうことだろう?」と思っていた矢先にトゥルーエンドとおまけを拝見したところですべてに納得がいきました。 @ネタバレ開始 身も心も一番イケメンだったのはお兄さんでしたね! 「ゴリラ」という表現が効果的に使われていて思わず感嘆の声が漏れました。 今回の一件で兄妹がもっと仲良くなってくれたらいいなと思います。 光希くんと大火くんは見た目も性格も正反対だと思っていましたがまさか天使と悪魔だったとは……。 @ネタバレ終了 絵柄が可愛らしく立ち絵が魅力的なのはもちろんのこと、短いお話ながら様々なスチルが用意されていたのも良かったです。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • そして僕らは世界を壊す
    そして僕らは世界を壊す
    まずタイトル画面を拝見して「男子高校生たちの爽やかな青春物語かな」と勝手に予想していたのですが、良い意味で期待を裏切られました。 とてつもなく壮大でささやかで、純粋で歪な「愛」の物語でした。 主人公の梓くんは従兄弟で同じ学校に通っている隆之介くんの面倒を日々見ていますが、それを象徴する「子供返りしてしまったように泣きわめく隆之介くんと、それを優しくなだめる梓くん」のシーンを見て、それが端から見ればアンバランスで今にも壊れてしまいそうな情景だった、というのがこの2人に対する第一印象でした。 また、隆之介くんの見た目が、文章からも立ち絵からも「美しい」と感じられ、心惹かれました。 最初2人は共依存の関係にあると思ったのですが何度か「世界」を繰り返すうち、梓くんの都合のいいようにふるまう隆之介くんの方が、ある意味「大人」であると感じました。 一方で梓くんは決して強くない、むしろ弱いのに強くありたいと強がる様子や自分の気持ちに言い訳を探してしまうところが人間臭くていいなあと思いました。 どうあがいても結末は同じになってしまう「世界」にやるせなさを覚え、「どうにかしてこの2人を救えないのだろうか」と切なくなりました。 時折登場する謎の男性や少女の正体も気になるところでした。 6(7)周目で雰囲気ががらりと変わります。 「相手のため」と思ってすることが「自分のため」だったりその逆も然りで、それで「世界」を壊したり救えたりするのだから「愛」や「恋」という概念はとてつもなく複雑で力があって、それでいて扱いが難しいものなのだと改めて痛感しました。 「愛」や「恋」に振り回されながらも自らの意志を貫く本作品の登場人物たちの生き様はなんて愚直で美しいのだろうと感じました。 「世界」を壊したら、待っているものは何なのだろうか、そう考えずにはいられない、人の綺麗な心も醜い心も巧みに描写された作品でした。 @ネタバレ開始 大変不謹慎ではありますが、隆之介くんの死に様のスチルがどれも美しくて好きです。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!

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