個人宇宙のレビューコレクション
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生きるその先に -覚醒編-長編『生きるその先に』シリーズの第2部です。第1部の時もそうでしたが、各キャラクターの恋愛ルートはどれも読み応えがあって面白く、ストーリーを盛り上げるスチルもたくさん入っているので、完走後の満足感はとても高かったです。 BGMも各場面のストーリーにとてもマッチしており、どれも違和感なくスッと耳に馴染むように入ってきました。細かい感想はネタバレ欄に伏せさせていただきますが、クリア後は最終部の予告も見れるようになっており、今までの伏線の総決算みたいな内容で、ますます楽しみになりました。 @ネタバレ開始 あえてまずは詩衣ちゃんルートから。最初に登場した時は仕事一筋で冷淡な印象がありましたが、夏生との交流を深めていくうちに年相応な反応が出てきて、感情を少しずつ表に出すようになってきた部分は、まさに王道な感じで「やっぱりこういうのは良いな!」と改めて思いました(笑)。 このルートでは天城家の登場人物たち(未プレイですが、別作品の主人公たちなんですね)も大活躍で、葵紅ちゃんが体を張って友達の詩衣ちゃんのために動く姿は特にグッときました。途中までは「詩衣ちゃんの家と全力バトルする展開しか見えない」と思っていましたが、個人的に終盤の落とし所は見事だと思いました。 次に沙姫ちゃんルート。個人的な主観全開ですが、純粋なシナリオなら彼女のルートが一番好きです。ぶっちゃけて言うと名シナリオでした。 沙姫ちゃんの明るいけど妙に掴みどころのないキャラクター。彼女に隠された衝撃的な過去。そして腑に落ちなかった過去の部分をどんでん返しにして、最終的に大きな愛情に直結させていったストーリーは「素晴らしい」の一言です。人魚をモチーフにした部分も、時折入ってくる美しい海の景色と相まって、よりテーマを引き立てていると感じました。時間を忘れて一気に読んでしまいました。 そして最後に鬼晶ルート。第1部からいろいろ気になっていた彼女。沙姫ちゃんルートでも最後に夏生たちを見送った時の鬼晶の姿に、切ない気持ちが一気に襲いかかってきました。どんな時でも夏生のために健気に動いてくれる彼女は本当に可愛いですね。好き。 今回のストーリーでは彼女とデートするシーンもあり、選択肢もグイグイ迫るような内容が多かったので、個人的に大変満足でした。エンディング後の某シーンでは、思わず勝利のガッツポーズをしてしまいました(笑)。 ……と、思いきやの第3部予告。そうですよね。そう簡単に終わるはずがありませんよね。ある意味、ここからが本番な感じがして、彼らが鬼晶のためにどう動いていくのか、ますます楽しみになりました。空の立ち絵もめちゃくちゃ格好良くて惹き込まれました。
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フロスパヴァーヌ「ショタ魔王様がとにかく良い!」と、叫びたくなるファンタジー作品でした。 序盤は何も知らない状態の主人公に対し、魔王様がいろいろ教えていく展開になりますが、細かい部分まで配慮を重ねた優しい言葉の数々は、ちょっと変な表現になりますが「理想の上司」のような感じがしました。 時折、格好良い部分を見せてきたり、可愛らしく赤面するシーンも、より魔王様の魅力を引き立てていると思いました。後半以降からは、一気に壮大なスケールとなるシナリオも面白かったです。 @ネタバレ開始 印象的な場面は、やはり寝起きのシーンと涙を拭う場面でしょうか。可愛らしいスチルのおかげで破壊力が大きかったです。あと白様。見た目と全然違ってゲスな提案をガツガツ言ってくるので、かなりのインパクトがありました。カナリアさんとサタンのコンビも個人的に好きです。
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復讐の汚濁とても面白かったです。まず目を惹いたのはモノトーンで構成されたオシャレなゲーム画面で、ゴシックな雰囲気の世界観にすごくマッチしていました。 時折出てくるイラストもスタイリッシュで格好良く、文章メインで進んでいく作品のコンセプトを引き立たせるような配置が特に絶妙だと感じました。 @ネタバレ開始 シナリオに関しても、最後まで楽しく読ませていただきました。時折入ってくるオカルト要素もサスペンスなストーリーにちゃんと関わるようにしつつ、グイグイと読ませる面白さがありました。特に中盤のオカルト要素を出してからの推理を組み立てていく展開は面白かったです。 登場人物のエリックとフォカロルも魅力的なコンビで、軽妙ながらも落ち着いた会話は読んでいて気持ち良かったです。フォカロルは悪魔らしい一面を見せつつ、妖しく格好良く、でもエリックにはちゃんとベッタリな部分が良きでした(笑)
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呪いのビルいきなり血の海と化した宴会場。序盤はビルに潜む得体の知れない存在から逃げていく王道のホラーに始まり、中盤以降からは得体の知れない存在に立ち向かっていくシナリオが印象的でした。 エンド数は多いですが、即死エンドを迎えても直前の選択肢に戻れるユーザーフレンドリーな仕様になっていますので、最後まで快適に全てのエンドを回収することができました。 @ネタバレ開始 シナリオで印象的だったのは、やはり葵のキャラクターですね。すごくクールで格好良かったです。あとトマト。札束を投げて「店にあるトマト全部くれ!」の場面は笑ってしまいました(笑)
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ウソと宝と姪、探偵!?謎解きを楽しみつつ、ストーリーも非常に面白かったです。基本的に文字だけで進行しますが、読みやすいように丁寧に設計された画面構成はもちろん、文章もスッと頭に入ってくるので、改めて制作者様の筆力のすごさを感じました。 コタさんと帆風の凹凸コンビの軽妙なやり取りは読んでて楽しかったですし、ウソを主軸としたシナリオの真実が明かされた時、穏やかですっきりとした気持ちになれました。個人的には、ミステリー要素もしっかり入った上質なジュブナイル短編を読んだ感触がしました。 謎解きに関して、自分は割と苦戦しました。だいたいの問題は姪に頼ってしまったヘッポコ探偵です。たぶん疲れていたんだと思います(笑)。こんなヘッポコ探偵でもギブアップをすればストーリーは進行する仕様になっているので、本当にユーザーフレンドリーな作品だと感じました。
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猫ノ目のような世界で幻想的でどこか物悲しさも感じる世界だなと思いながらプレイしていたら、最終エンドの内容に「そういうことか」と唸ってしまいました。個性的なビジュアルの主人公はもちろん、背景やBGMも不思議な世界観に調和しており、プレイ中の没入感はとても高かったです。 @ネタバレ開始 最初は切ない感じの作品かなと思っていたら、決してそうではない力強さと優しさを感じました。おまけの登場人物たちを見て、自分はどこかすっきりとした気持ちになりました。生きている限り「悩み」を切り離すことは決してできないと思っていますので、いったいクジラさんはどれくらいの悩みに寄り添ってきたのか。クジラの包容力の大きさを感じたと同時に、その宿命の大きさについても個人的に考えてしまいました。
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L L読み終わった後、じんわりとした切なさが出てくる恋愛ストーリーでした。主人公と彼女の恋愛関係の始まりから終わりを丁寧に描いており、お互いがどんどんすれ違っていく過程がとても自然な流れで書かれているので、別れの瞬間は「やっぱり、そうなっちゃうよなぁ」と感じました。 @ネタバレ開始 大人になってからの後悔、そして突然の最期もなかなか衝撃的でした。彼女との最期の会話についても、青春の恋から大人の恋に変わったんだなと思いましたし、タイトルの意味もより大きく感じました。
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右と 、左。最後のエンドを読み終わった時、「いいのを読んだなぁ...」と穏やかな風を感じる青春ストーリーでした。 個人的に良いと感じたのは、登場人物たちの会話の雰囲気と距離感です。右半身が少し不自由になった主人公と元カノの真田さん、そして西尾さん。いろいろ重たいモノを背負っている3人ですが、その近すぎず遠すぎずの会話が絶妙に心地良くて、読み進めていくうちに各キャラの愛着もどんどん湧いてきました。 序盤の伏線を消化していく構成はもちろん、印象的なタイトルの仕掛けが判明するエンド3もとても良かったです。最終エンドのイラストは「あー。こういうの良いな」と、特に感じました。
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無限の月空作品全般を通して動きのある演出が多用されており、「すごいなぁ」と思いながら読み進めました。 特にバトルシーンは登場人物たちの格好良さが際立っており、お気に入りはやはりメインの彼女が日本刀を構えるシーンですね。すごく様になっているというか、ビシッと構えるその姿に惹き込まれました。Rayを使っている部分も、UIがスタイリッシュでとても格好良かったです。 @ネタバレ開始 シナリオ部分に関して個人的に良いなと思ったのが、師匠が出現した時です。最初はネタにしか見えなかったあのキャットパンチが最後の最後で活かされる展開は特に燃えました。余談ですが自分は真っ先にアイドルソングを選んでしまい、彼女の選ぶシーンでは迷いつつソラちゃんを選びました(笑)。
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フラワーマスターとても楽しい花の育成ゲームでした。序盤はルージュベートさんのアドバイスを参考にしながら、いろんな育て方を試していき、最終日は「どんな花の精が出来るんだろうなー」とワクワクしながら見守りました。 花の精の種類も豊富で、ルールが分かってきた中盤以降は攻略情報も参照しつつサクサクと進むことができ、フルコンプまで快適に遊ぶことができました。 @ネタバレ開始 おまけの要素も豊富で、どの花の精も何だかんだで主人公と深く関わってしまうパターンになる後日談は面白かったです(笑)。Live2Dで動く花の精もみんな個性的で、とても可愛かったです。