あびのレビューコレクション
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みちのく怪奇譚 1話オープニングは正統派ホラーノベルのような文章と雰囲気で、おおっとワクワクしながら……の所で視点終了! 本編は心霊現象を解決する側を主人公とした物語なので、ひたすら巻き込まれるだけの一般人視点より怖さは低くなるのが安心感でした。 各キャラも魅力的で、ホラー演出もさることながら、とにかくノベルとして面白かったです。 ハルノさん何者なんだ……! それからタイトル画面のBGMが、ホラーに相応しく不気味なのに、どこかワクワクもするような美しさがあって、すごく好きだなあと、うっかりゲームを始めるのを忘れたまま一度画面を閉じるほどに聞き入ってしまったのですが、書き下ろし楽曲だったんですね……! とても素敵でした。
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夢記憶短編集文庫本デザインの画面構成が魅力的で、そして文章と背景とBGMとで表現されていく夢の雰囲気が素敵でした。 いつの間にかいる人達、いつの間にかいなくなっている人達。あまりにも良い所で、謎を残したまま終わる、目覚め。 見た夢を言葉にしていく作業の中で本来の夢とは乖離していく感覚には、とても覚えがあるのですが、しかしながら今作は夢らしい物語として確かに成り立っていて。 そしてシンプルに文章が上手い。 「恐竜を飼う」での恐竜が当然のように存在することへの違和感のなさ、けれど、そのワクワク感はきっと現実にも近しいのだろうな、と。まるでオレンジ色に染まる存在しないノスタルジイを見ているような空気感が好きでした。 それと個人的には「ドーム脱出」「飛ぶ人」あたりが特に好きです。
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バレンタインの次の日さくさくとコミカルに進みながらも初々しくて可愛かったです。 メインである吉田と橘は勿論のこと、友人組の立ち回りがまた良くて、無言の表情変更から心情を想像したりなどしてました。 END1が一番ハッピーだけど、先にEND1を見ていたので「死にそうな顔」でふふっとなったEND3も雰囲気が好きです。 どの選択肢でどう分岐するんだろうと一周目の際に思っていたので、エンディング分岐の法則が分かった時には思わず笑ってしまいました。足腰!
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探光エスパシオ1プレイはそんなに長くない為ブラウザ版でも充分なのですが、これ絶対にダウンロードしておいた方がいいやつじゃん! と途中でDL版に切り替えました。 ククク……これで作者さんの御都合で非公開になったとしても俺のパソコンには壊れるまで残り続けるからな……じっくり遊び尽くしてやるぜ……。 というか、これだけ作り込まれているのに容量がこれだけで済んでるのもすごいな!? と戦慄してしまいました。 シンプルかつ洗練されたUIが非常に素敵で、SEとの相性も良く、気持ちの良い操作感でテンションが上がりました。 とにかくシステム面の作り込みがすごい! 昨年のチャコフさんの系譜を感じながらも更に更に進化したシステムで、ほんっとにすごい。BGMを変更できるのも個人的に嬉しい部分でした。 マップを確認しながら、一歩一歩、先の見えない宇宙を進んで行く感覚、とても面白かったです。教えてもらったりアイテムを使ったりしてアクシデントがあることも分かってたのに、うっかり忘れて踏み込んでしまったり。 何周もしてると常備すべきアイテムや、どこでどのアイテムを使うといいかなど何となくのコツも分かってくるので、あまりマップを確認することもなく大胆に歩き回るようにもなったり。DL版に移行した後は一度も死ななかったなあ。 ランダムに設定される光の色や音に関しても、世界観やグラフィック、様々な面から面白味があり、毎回ゴールの光が美しかったです。さすがに匂いは伝わってこないけれど……。 そしてセルラくんちゃんが、とにかく、とにかく可愛くて! しゅき。 会話パターンも驚く程あって、ひたすら会話してるだけでも楽しいです。セルラくんちゃん全てを肯定してくれる……。とてもやさしい……。すぐお金を使い果たしては拾ってきてもらってゴメン……。 どのカスタマイズ体も可愛いのですが、最初ブラウザ版でプレイした時がブッタイ開始だったので、ブッタイのセルラくんちゃんに非常に強い愛着があります。 他の登場キャラクター達もアイテムも可愛くて面白くて、ひたすら色んな選択肢を試したいという意味でも周回が止まりませんでした。キャベツくんがキャラ崩壊するとこ笑っちゃった。ちゅっ! ダダダ皇帝がめちゃめちゃ色々ありがたいので推しです。お返しに水星水をひたすら貢いでしまいます。ごきげんよう臣民です! メインストーリーも良い雰囲気で謎があって先が気になって、いっそうに周回のやる気が奮わされました。 それでも……これからも俺と一緒に宇宙を冒険してくれ……セルラ……。 アイテムに関しても多分すさまじく細かい所までランダム要素込みで設定がされてるんだろうなと、凡そ周回の度に見たことないテキストと出会えて楽しかったです。これだけの作り込みで気になるバグがないこともスゴイ。 と、ここまでの感想を書きながら計36周でイベントとアイテムのコンプしてきました~ッ! まだケーキ食べてないけど。 このあと追加で一周してきて8125をハイスコアにゴールです。まだまだ上は目指せそうですね……! とても楽しかったです! ありがとうございました。それじゃあ後はカスタマイズパーツをコンプリートしよっか!
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取調室初回、いつもならバッドエンドから回収したいけど折角だし真面目に推理するか~、あれがあれでああ言ってたからこの人だろうな、と考えて選択したら違ったのでエッ!? と思わず動揺したけど単にクリック先を間違えてたというドジでした。 解決に至るまでの伏線と道筋が非常に丁寧に描かれていて、「どうして犯人は盗んだ金を燃やしたのか?」という謎のチャームもあり、ミステリ初心者から慣れてる方まで広くプレイしやすそうだなと感じました。 オープニングが殺人事件発生時の描写だったのもサスペンス感あって良かったです。 いつまでも人が正気でいられるとは限らない。刑事達のエピローグも素敵でした。
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人ひとりを救うチカラ不気味なシチュエーションと綺麗なグラフィックが魅力的なゲームでした。 メイングラフィックの他にも沢山のシルエットグラフィック等が用意されていてすごい。 正体は分からないけど可愛いから良いんじゃないかな! と思うED2と、自身の力で救いに向かう実質一番ハッピーエンドなのでは? と思ったED4が好きです。 きっと何かを救うということは傲慢だけど、救える何かを救わずにいることも傲慢なんだなあ。ED3、もっと違う生き方が出来たらよかったのにな。 これは完全に蛇足ですが、ゲーム説明文を見て、クリックひとつで~といえば昔よく見掛けたように思う募金サイトのバナーを最近はあまり見ないなあ、と思って久し振りに訪問してきました。懐かしい響きだと思うほどに忘れてしまっていたことに仄かな罪悪感を覚えながらも、その存在を思い出すきっかけをいただけてありがたいです。
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Are you ready?わー! うわ! あ! これが少女漫画か!? すごく少女漫画だ! というドキドキテンションで読み始めさせていただきました。 この場合の少女漫画とは少女の心情に繊細に寄り添った作品の意で。異性と友人の間で揺れ動く、何の準備も出来ていなかった少女の先に進めなかった後悔。そして自分で選び進んで行く先とは。 グラフィックが豊富で美しく、シーンに合わせて変化するメッセージウインドウ、またメイングラフィックの表示演出も良かったです。それとタイトル画面が表示される時のアニメーションも好きでした。 えっこのタイミングでエピローグ……? もしかして周回で選択肢が増えるタイプ……? と思いきや。 少女時代の序盤はニヤニヤ、少女時代を終えた終盤はシリアスに。 お祭りの日、必然の運命と再会する素敵な作品でした。
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僕と君は、希う。あっすき。とても好きです。すごく好きな物語でした。 良い関係性だなあと思いながら最初に上選択肢エンドを見て、別れ際の一言が言える関係性、すごくいいなあと思ったのですが、そのあと下選択肢エンドを見ると関係性の中身に更に深みが増して、思わず良い意味で唸りたくなりました。 この言葉で纏めるのは少し違うかとは思いますが、それでもマサトに大人になりたくない子供の概念を感じてしまって、すごく好きです。 この一言が言える関係性すごくいいな、と思っていた言葉の背景にあった、ふたりぼっちの希い、夜の理由、その描き方がズルイほどに美しく丁寧で、どこか儚いのに鮮烈で、なるほど、この二人の関係の永遠を願ってしまいます。 どうぶつビスケットの思い出が例として出される所などもセンスを感じて、すごく好きでした。 おまけの追加にどこまで周回数などの関係あるのか分からなかったので、まだ見れていないものもあるかもしれませんが、とりあえずコンビニの追加シーンまでは拝見させていただきました。 ツバサがコンビニに行ったってことは、あれだよなあ、とは思っていましたが。それを軽く笑うだけで流せることこそ「やさしいところ」の顕れでもあっただろうに、それでも傷付いてしまう心はあるんだよなあ、と。 まさしく、この二人だと思えるイラストもすごく良かったです。マサトはかっこいいし、ツバサは綺麗だな……。 とても素敵な物語でした。ありがとうございました。
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Your Pencilバッドエンドから見ましたが衝撃の結末でした。そ、そんなに? そんなに鉛筆一本で変わってしまうのか人生……! でもバッドエンドの作風や画風も面白くて楽しかったです。 ハッピーエンドで何を言われたのか、気になって抜き出して訳したりぐぐったりしてましたが、ついぞ続く言葉は分からなくて、やっぱり何と言ったのかが気になってしまいますね。When they bother each other...?
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彼が彼女で彼女が彼で。R出オチに笑いました。先に前作をプレイしてきた方がよさそうだなと感じたので出オチを見たあと前作プレイ。 そして……前作で迎えた結末……これは続編はもしや……と思いながら今作に戻ってきました。 バッドエンドの後にハッピーエンドを掴みに行こうぜ! 前作を経て、もう一段階ほど成長したような主人公くんと、どこかミステリアスなティニーちゃんの掛け合いも、真実を知った後に振り返ると、なるほどそういう意味だったのかと解釈が変わりますね。 前作、そもそもでミコトが嘘を吐いていたこと、その嘘が前提としてあったが為に逡巡したはずの主人公の弁解の余地がないまま終わってしまったこと、の部分に少し引っ掛かってたので、ものすごく今作ではスッキリしました。よかった……。 からのインタールードで、いや本当にこれからが大変だな? とも笑ってしまいました。 前作をプレイした方には是非ともプレイしていただきたい続編でした。よかったです。