笹笠箕範のレビューコレクション

愛を飲み込んでしまおうとする悲しみと、悲しみに埋もれまいとする愛。 それを「座敷童」という存在に負わせた、深い深い物語です。 人はここまで非情になれるのか。 人はここまで愛情を持てるのか。 この深い思惟を与えて頂き、ありがとうございます！

絵柄から、のんびりした内容かと思えば、緊迫したシーンも演出がしっかりしていて、ほっこりするところも軽快なところも重厚なところもあって、物凄くポップな感じがする楽しい作品でした。 胃もたれしない程よい重みのある時間をありがとうございます！

短いながらも悲しさと、それに決別させてくれるきっかけと、…人間って、こういう良い所も、こういう悪い所もあるのだな、と考えさせられるところが大きかったです。 人が立ち直っていく姿を感じさせていただき、ありがとうございます！

少しずつ、…少しずつは気が付いていたのですが…。 登場人物が物語を話していくうちに、心とは何か、を考えさせられる構成が良かったです。 キャラクターも美麗で、えもふりが効果的です。ボイスも本当に適役だなあ、と思いました。 カフェ・エスタシオンの「特別さ」が「当り前」を教えてくれる、素敵な世界観でした！ 素晴らしい「心」のカタチを感じさせてくれる物語をありがとうございます！

地獄のような楽園。そしてそこに住まう異形の生物は、…結末を見た時、それがわかったような気がしました。 「鶏島」は確かに楽園の事を描いた作品だったのですね。 人外境を見事に描き出した物語をありがとうございます！

古い海外の児童小説のような絵がサムネイルの一番最初に使われていたので、何かのパロディのようにも思えてプレイしてみました。 結論から言うと、…アリスは誰一人許さなかったのですね。 妖しさとおぞましさと甘やかさ、この三つが一体となった、稲垣足穂の作品を彷彿とさせる物語でした！

「メグリモノ」というタイトル。 これがこの物語の全容を表す最も適切なものではないかと思います。 何とか救いは、…とクリア後のタイトルを見つめつつ、…無いんですね。 不思議な絶望感を感じさせる稀有な物語をありがとうございます！

本編をプレイしてから、この作品をプレイすると、本当にこの世界の「生きていくことの難しさ」を感じ、現実にも形は違えど「生きていくことの難しさ」があることを痛感します。 そしてその中でも、人は誰かに手を差し伸べることのできることを感じました。 外伝として素晴らしい内容でした！ 人情を感じさせてくれる物語を、ありがとうございます！

姿を隠していた化け物が怖いのか、化け物と化してしまった存在が怖いのか、…どちらのエンディングもある意味「闇の森」からは逃げ出せなかったのですね。 それを考えると、救いは無いのだな、と思ってしまいました。 意味の深い物語をありがとうございます！

るな子のお洒落の選択により、相手の態度が変わるのが何とも言えません。 着せ替え的な要素を攻略の手段にするところが、進んでいるなあ、と呆けたことを考えながらプレイしておりました。 奥の深さにも驚きです！ 相手をほんろうする魔性の女が出てくる（と言いたい）ゲームでした！ ありがとうございます！