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タカスガタイキのレビューコレクション

  • 夏を殺した氷の王
    夏を殺した氷の王
    プレイさせていただきました。 簡潔で引き込まれる文章でした。 @ネタバレ開始 一周後にまたプレイしようとしたときの、誰もいないの一文の余韻がすごかったです。もっとちゃんと話を聞いてあげればよかった、もう会えないのだと、聞き手の気持ちにシンクロしたような感覚がありました。 オープニング画面がそのままエンディングとして機能するつくりがお見事でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • ままごとのショーティカ
    ままごとのショーティカ
    プレイさせていただきました。 面白かったです。 行動の自由度等、マーセネリアの系譜を感じました。 マーセネリアはオープンワールドな雰囲気があったのですが、こちらはとことんクローズドで、そういう点でも対になっている感覚がいたしました。 @ネタバレ開始 会話していくごとに増えていく家具の演出が素敵でした。 @ネタバレ終了 プレイしていて、幼い頃、いつも抱いて寝ていたぬいぐるみのことを思い出しました。もともとは座るタイプの人形だったのですが、毎日一緒に寝ていたので、その内すっかり足がくたってしまいました。そんな思い出ともリンクして、感情移入してしまいました。そのぬいぐるみは、今もデスクに飾ってあります。足がくたっているので、小さなオモチャの椅子が今のその子の特等席です。私事失礼いたしました。 素敵な作品をありがとうございます。

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  • 変な意味怖
    変な意味怖
    プレイさせていただきました。 動く!めっちゃ動く! 3MEN6P!の時もそうでしたが、多彩な演出で飽きずに最後まで駆け抜けました。まさにビジュアルノベル。要所で回収用の分岐に戻る処理を入れてくれる親切設計もうれしかったですし、出だしから印象的な曲で心をつかまれ、多彩な演出と個別のスタッフロールに大満足です。 @ネタバレ開始 前作の印象が強かったので、意味怖ということで少し意外に感じたのですが、プレイしてみると、怖そうで怖くないかんじかな!と一瞬納得しかけ、最後までプレイして、やっぱり怖いじゃないですかー!とすべてをひっくり返されました。見事に術中にハマったというか、楽しく翻弄されました。 クリア後は、各話の解説もあって、より作品世界の理解を深めることができました。 大根とねぎと人参は、たしかに年長さんにはちょっと重いかもしれないなと思いながら、読んでいました。がんばるねね子ちゃんはえらいです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • ナツノイドコロ
    ナツノイドコロ
    プレイさせていただきました。 画面構成、選択肢がそのまま台詞となる表現、首を振る揺れ等のおかげで、主人公の目線で作品を楽しむことができました。 R-ionさんの書く男の子は、品があって好きです。 @ネタバレ開始 個人的に一番のお気に入りは、おまけシナリオの彼でした。 バックログに加筆される形式が新しくて、感動しました。バッジを集めるために周回するわけですが、その周回自体の必然性がバックログで語られていて、なるほどなぁと唸りました。 最初が8月始まりだったのが、学校に舞台が移る時には6月になっていて、「あれから長い時間が経ったんだな」ということがさりげなくわかって、細かいけれど親切な描写でした。(たとえば、どちらも8月だったら、さっきの続きなのかな?と誤読しそうです) 最後に主人公に色が付くのは、彼の世界が色を取り戻したという表現なのかなとも思いました。ハッカ飴の存在が利いていて、清涼感のある夏のお話を堪能させていただきました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • やがて君も虎になる。
    やがて君も虎になる。
    プレイさせていただきました。 短いながらに切れ味鋭い作品でした。 この尺の中にこれだけの要素を詰め込めることに、たしかな作者の力量を感じます。 また、イラストが大変魅力的でした。目やしぐさの細かい芝居が丁寧で、見入ってしまいました。 @ネタバレ開始 主人公の人物像は、山月記の李徴の秀才さ・プライドの高さを踏襲していて、虎というテーマのみならず、オマージュのクオリティが高かかったです。周囲が虎に見える様は、火の鳥の復活編を連想しました。 作中の人物は、どのキャラも非常に魅力的でした。 リンコは、表面的なあれこれより、内実を求めていたように感じます。親の愛に飢え、SNSで自分の悪口を探す描写は、とにかく本物を、本当を、とりつくろわない真実の言葉を渇望する赤ん坊のようでした。だからこそ、うわべだけで中身のないエンリの言葉は、彼女にとって地雷だったのかなと。(もっとも、彼女が本当に欲するものを手に入れるためには、まずそのハリネズミ特攻をやめるべきなんでしょうが) エンリは、逆に、とにかく表面をとりつくろいたいキャラに感じました。本当のことは話したくない。家のことは隠したい。普通の女の子、普通の友人を演じたい。そういうキャラに捉えたので、極論、リンコは、いわばエンリの普通ごっこにまきこまれた被害者のようにも見えました。 彼女の怒りは、一見正当ですが、足しげくリンコの家を訪ねているのはエンリ自身だし(別に彼女が通わなくても、プリントは委員長が運ぶでしょう)、彼女に自分の事情を隠す選択をしているのもエンリ自身です。自分で喋らない選択をしておいて「知らない癖に」攻めをするのは、ハメ手としてレベルが高かったです。 特殊EDで語られるリンコが飛び降りた理由は、「自身が虎であることを自覚したから」のように見えたのですが、エンリはそれを「唯一の友人である自分が拒絶したから」と解釈しており、本当に最後の最後まで表面しか見ないキャラだなぁと感じました。 人物解釈が合っているかわかりませんが、そういう意味でとても印象に残るキャラでした。 委員長は、やっていること自体は善の範疇なんですけど、実質、トラブルメーカーというか、時限爆弾のスイッチを押す人という印象でした(トラブルトリガー?)。実際、彼女が関与しなければ、二人は互いの欺瞞を抱えつつも、仲良く友達関係を続けていただろうなと。とはいえ、彼女は臭いものにしてあった蓋を開けただけの人にも見えます。その後、エンリは委員長に依存していくんだろうなぁと感じました。 虎さんのおめめをクリックして、ED分岐する仕様がかわいかったです。さりげなく左右で目の塗りが違っているのが、それぞれ異なる分岐につながっている感が出ていて、勝手に感服しておりました。 シークレットバッジを取りたくて、攻略されたかたがたの情報を参考に、100周ちょいねばった末、断念しました。多分やり方は合っていると思うのですが、運がなかったようです。また時間を見つけて、挑戦してみようと思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • 脱出サスペンスゲーム エリア33
    脱出サスペンスゲーム エリア33
    プレイさせていただきました。 スタート画面からシームレスに始まる作りが、没入感があって初手から「おっ」と思いました。 BGMなしなのが、緊張感を引き立てていたように感じます。 @ネタバレ開始 最初は、隠れ選択肢を見つけるため、ひたすら画面の各所を連打していたのですが、シンメトリのヒントで、なるほど!と思いました。 最初の部屋でちゃんと攻略の仕方が提示されるのが、ゲームのつくりとしてすごくうまいなぁと。 最近、AIイラストを使った作品が増えてきて、自分でも制作に使ったりするのですが、この作品はイラストの色遣いが淡くて素敵だなと感じました。 @ネタバレ終了 ところどころで出現するコミカルな選択肢、分岐しては要所要所で収束していくシナリオ、なんだか往年のサウンドノベルゲームを遊んでいるような、懐かしくもうれしい気分になりました。 素敵な作品をありがとうございます。

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  • その気になれば出られる部屋
    その気になれば出られる部屋
    プレイさせていただきました。 面白かったです。 コンプ30分とのことでしたが、もっと短く感じました。あっという間の30分でした。無駄な要素がなく、エピソードが濃縮していたからだと思います。駆け抜けました。 @ネタバレ開始 最初、本棚で調べる本がたくさんあって挫折しかけたのですが、背景が見えてくると、どんどん先が知りたくなりました。調べると、ちゃんとキャラがその前に移動したり、ふんだんに盛り込まれたイラストも、没入感を強めてくれました。 初手から見事にぬいぐるみ⇒本⇒箱⇒血⇒箱の順で調べたので、ゲーム誘導が本当にお上手だなと思いました。たとえば、血とぬいぐるみの位置が逆だったら、この順番では調べなかったかもしれません。 ENDとして、互いに延々と蘇生し合いながらどんどん先細っていく未来を想像していたのですが、自分の心が汚れていただけでした。と思えば、「なるほどそういう戦争の終わらせ方…」と、一見一番TRUEっぽいENDがちょっとビターだったりして予想を覆されたり。堪能させていただきました。 最後、あとがきで主人公の性別についての話を見て、作品の見方がまた変わりました。シュウ君も、初手は意外に計算高かったのですね。裏側を見れて、面白かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • 偽証討論
    偽証討論
    プレイさせていただきました。 面白かったです。 推理系は好物なので、リリース当日からずっとプレイしたい!と思っていたのですが、なかなか時間がとれず、本日やっとプレイできました。やりだすと止まらず、いっきに最後までプレイしちゃいました。 @ネタバレ開始 一見して最初のトリックはすぐわかるようにできているのですが、そこから更にどんでん返しが続き、むしろファーストトリックを当ててからが本番、のように感じました。 事件解決しておしまいかなと思ったら、そこから更に展開があり、ループ要素もあって大ボリューム大満足の内容でした。 最初、人物の服装が長袖になったり半袖になったりブレがあるのが少し気になったのですが、逆にいうと、それ以外は同キャラと認識しているということで、あらためて最近のAIはすごいなぁと、自分自身AIをゲームに取り入れている身として思います。 最後に、これはバグ報告なのですが、TRUEエンドまで見た状態で、チャプターに入り、最後の方のチャプターを選んだりキャンセルしたり、チャプターの画像が巨大化したり、解放前に戻ったりする事象がありました(DL版)。一回タイトルに戻って入り直すと改善するので、致命的な問題にはならないのですが、念のためご報告いたします。 @ネタバレ終了 あらためて、面白かったです。 最近は短編ゲームばかりプレイしていたので、たまには長編もいいなぁ、自分も久々に長いの作ってみようかなぁ、そんな気分にさせていただきました。 素敵な作品をありがとうございます。

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  • 涙を止める方法
    涙を止める方法
    あったかいきもちになれました。 @ネタバレ開始 自分も、気持ちが落ちていた時に、毎日できたことを日記に書いて持ち直していったなということを思い出しました。書くことは大事です。 @ネタバレ終了 作中の描写は、どれも実際に効果のあることばかりで、経験もしくは知識に裏打ちされたものを感じました。 自分も知らぬ間に誰かを助けられていたらいいのですけれど。 素敵な作品をありがとうございます。

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  • 母の片腕
    母の片腕
    マルコ・ポーロの東方見聞録に出てくる山の老人を思い出しました。 @ネタバレ開始 こういう、身内に自ら加害させることで精神のタガを外していく方法は実際あるそうですね。殺されるよりは…でどんどんエスカレートしていく内に、だんだん身内のことを見下し、首謀者サイドに寄っていくそうで。 最近の作品だと、主人公をとことん落とす展開が多いように思いますが、本作には救いがあってよかったです。個人的に、最後はしあわせになるお話の方が好きです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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