SHIAのレビューコレクション
-
クトゥルフ神話ADV 異常生物研究所今回もとても面白いクトゥルフ神話ホラーでした。 今回は以前にプレイさせていただいた作品とはまた一味違い、ダイレクトにミ=ゴなどが出てきて、緊張感がありました。 ストーリー内はもちろん、探索パートの行動によっても正気が減るので、最後まで正気でいられるかドキドキしました。 そして例のごとく冒頭の能力値振り分けは暴力に全振りして、脳筋プレイでゴリ押しました…。 @ネタバレ開始 脳筋一直線でしたが、エンドは無事にすべて見られました。 個人的にはAエンドが「俺たちの戦いはこれからだ!」っぽくて好きです。 Cエンドもこれはこれでハッピーエンド……なのかなと思いつつ、多幸感の中で幕を下ろす主人公とはもう切り離された現実の世界はきっと大変なことになっているんだろうなぁ…と想像して怖くなりました。 個人的にショゴスのデザインが好きです。 「とんでもないものが出てきた!」という大迫力さで、ワクワクしました。 最後に追いかけてきた時は「あ、同行したい感じですか!?(違う) すみません、席ないです! ステイ! ショゴス、ステイ!」となりながら銃を乱射させていただきました(ショゴス、ごめんね) @ネタバレ終了 クトゥルフ神話がお好きな方には是非プレイしていただきたいです。 素敵なゲームをありがとうございました!
-
mayfly(メイフライ)今回も作者である柘榴雨様のテイストがたっぷりと感じられる素晴らしい作品でした。 同棲中の恋人の元へ帰り、今日も一日を終える…という、とてもシンプルかつ耳にしただけだと「どこにでもありそうな」シーンが音響や文章、最後の終わり方などによって唯一無二の余韻を持つものへと昇華されていました。 本作は「プレイした人に委ねる」部分が大きいため、感じ方や心に残るものが人によって異なるだろうことも面白いなと思いました。 書かれていない余白の部分まで想像して楽しめる素敵なゲームです。 ありがとうございました!
-
Sweet Valentine 〜犬井遼の場合〜甘々だった前作が大好きだったので、今作もどんなスイートな物語が待っているかとドキドキしながらプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 かわいい~~!!!とおめでとうございますーー!!!のダブルで心の臓にドッ!!とくる物語が待ち構えているとは思いませんでした。 チョコを意識しすぎてソワソワしっぱなしの犬井くんが可愛かったです! 大好きな花守さんから絶対にもらえると分かっていたら、そりゃソワソワして全授業上の空だよね!と同調するとともに、違う方向を見ていても意識が「チョコチョコチョコ花守さん花守さん花守さん」で埋め尽くされていそうな犬井くんに思わずニヨニヨと頬が笑いを堪えられませんでした…! 花守さんが話しかけたときの犬井くんの「ハ、ハイ。」に思わずまた笑いが…犬井くん、君にとってとても大切な日に画面の前で笑ってしまってごめんね(笑) と思っていたら、5年の歳月が経過して、二人の呼び名が変わっているのにまた胸がきゅんとしました。 5年付き合っていたら、確かに名前で呼ぶよね…!と二人が重ねてきた5年間にも色々あったんだろうなーと思いを馳せるとともに、ここ一番のプロポーズでは私まで緊張していました。 犬井くん、5年経って顔にあまり現れなくなって大人になったんだね…と、ついほんの数分前に見ていた「今日死ぬかも」とチョコの受け取りをしていた彼が急に懐かしくなりました。 プロポーズのキラキラした美麗スチルがとても素敵でした! これからの二人の人生にもたくさんの幸がありますように!と祝いつつ、かわいい犬井くんも大人になって落ち着きと余裕が出たカッコイイ犬井くんも、どちらも好きです! @ネタバレ終了 二人から御裾分けしていただいた幸せな余韻を感じたまま終われました。 心がぽかぽかです~♪ 今回もとても素敵なゲームをありがとうございました!
-
涙恋花2~徒花の恋慕~【完全版】ジェットコースター式に持ち上げて落下するのか命綱なしのバンジージャンプになるのか……前作からの衝撃に身構えてのプレイでしたが、かなさんの創る物語はやっぱりすごかった……!! 6つの物語のどれもが恋を軸に愛や憎悪、悲しみや切なさが入り乱れて胸を揺さぶってきました。 @ネタバレ開始 意図したわけではなく迎えたハッピーエンドの後で、涙恋花2的にはこっちが本命トゥルーエンドなの!を迎えて「ああああ!」となるこの胸の痛みが涙恋花2の醍醐味……堪能させていただきました。 三者三様の美しき花の散り様に悶絶しながら、後半の3組を今から戦々恐々と待つことになりそうです(震え) 陽太くんのルートはなんとなく危険予知が働いて、幸せな展開に入った後も常に「いつ来る!?」とずっと姫恵さんに身構えていました(笑) まさかの最後の最後、10年後にやって来るとは思いもしませんでした……不覚でした。 陽太さんは明るく見えて人間不信のせいか一度触れてはいけないところが出ると危なっかしいくらいメンタルバランスが取れていなかったので、主人公さんではないですがハラハラしながら「この人は主人公さんがいなくなったら落ちるところまで落ち切ってしまう…!!」と見守りました。 大阪弁のボイスも堪能させていただきました。 大阪弁を話す人とはお会いしたことがないので、聞いているだけでワクワクしました。声優さんがとてもお上手でした! 涙恋花的には主人公喪失ルートがトゥルーとは分かっていますが、陽太くんが不憫なので幸せにもなってほしいという……ジレンマです! 真白さんのルートは、初めちょっとクールな妖精さんを相手にしているような不思議な気持ちになりました。 見た目がアルビノなので不思議な印象だったためだと思いますが、話してみると意外と情熱的な人で驚きました。 ツンデレのデレの分がとても美味しい人でした(拝み) トゥルーエンドの最後がエデンさんと甲乙つけ難い悲惨な終わり方だったので、悲しくなりました。 自分の親から認められないばかりか、死を望まれてしまうなんて……しかもお金のためにとか……。 真白さんルートは幼少期からの徹頭徹尾な不幸が目立っていたので、幸せになってほしかった……!!が、そこから花を手折るのが涙恋花……!! やっぱりここでもジレンマでした……。 エデンさんのルートは、エデンさんの「箸の使い方を教えてもらったから、もう怖いものなしです」のセリフがとにかくかわいかったです。 あとゲストで登場した黒宮さん……!! お元気そうで何よりです! 前作ではあなたが一番好きでした!! エデンさんが組織の一員という設定には度肝を抜かれましたが……エデンさんが属しているような組織って絶対に生きては抜けられないんですよね……死んで遺体にならないと抜けられないというか、家族とか何もかもが弱みになるので孤独でいないといけないというか(救いがない) 主人公さんが目玉を差し出すところも「あー!!差し出しても殺されるやつです、これー!!」と画面の前で絶叫していたら、やはり主人公さんが撃たれてしまった……サッカーを失った後、長らく地獄生活を送っていたエデンさんの最後の心穏やかな安らぎの場所である主人公さんがっ!! ガッ●ム!! エデンさんは個人的にコートを着たスチルが好きでした。 見た目がカッコ良すぎるから、あんなモデルさんみたいな姿していたら、道行く人が振り返ってしまいますね! エデンさんはハッピーエンドも実はこの後、後日また襲撃されて同じデッドエンドになるのでは……という心配が残りましたが、二人の幸せが長く続きますように……。 と、ここまで前半組の方の感想は既に公開から暫くした頃には書いていて…ここから先は、後半組の方が公開された後で書いた感想です。 黄希さん&紅希さんはもうピケ男さんのライブが終わったあたりで「あ……(お察し)」でした。 ないものねだりの隣の芝生は青く見える現象…お互いがお互いに対して「あいつのほうが俺よりも」と思っている比べてしまう症候群に二人とも罹患してる…!!と、先の未来で最終的に主人公を取り合う未来しか見えませんでした。 「お願い、私のために争わないで!!」とか一度は言ってみたいあのセリフが出るのかも!!なんて、思っていたら―――そんな生温いこと言っている場合ではなくなりました(滝汗) 2人がプチ乱闘し始めて、そこから究極の選択肢「どっち?」(+どっちも選べない)が出てきて悩みました。 紅希さんが主人公独占型に比べて、黄希さんが自己犠牲型なのがとても対照的で、個人的には黄希さんが本当に切なかったです。 どちらも傷つけたくないから、自分で自分を終わらせるという…あまりの救われなさに「君が要らないなんてことないんだよ!!」ともどかしさがパンクしました。 要さんのルートは、まず前提が日本全土が貧しい時代の話だったので、序盤での美代子さんの死という赤子の死は当時は当たり前ではありながら許容しがたい厳しく悲しい現実が、物語に他のルートにはない厚みを与えていました。 弟妹全員が呆気ないほど簡単に亡くなっていく要さんルートは、他のルートとは毛色が違って悲しい気持ちにもなる物語でした。 命短し恋せよ乙女とは言いますが、この時代は色々な意味で命短しだったので、恋も愛も命がけ。 婚前の口づけなんかは不埒!とか言われていたそうですが、明日をも知れぬ命なのだから二人が生きているうちに幸せな一時を過ごせたのは救いでした。 どちらのエンドでも要さんと幸せに生きることは叶わないので、要さんの物語は本当に心にズッシリと響きました。 物語とは関係ない感想になってしまいますが、戦争なんて誰も幸せにならないことは未来永劫するものではないですね。 最後は制作開始当初から心配していた四葉くんです…! 子どもは笑顔が一番!(守りたい、この笑顔) そして20年待ち続けてハッピーエンド!! 涙恋花2 -完- と個人的にはしたいところです…!! 四葉くんが恐ろしいものを見るような顔をしていた理由は児童養護施設という単語が出てきた瞬間にピーン!!と来ていたので、トゥルーエンドがトゥルーエンドなのは分かっていてもハッピーエンドのほうをどうか推させていただきたく…!! 20年間も「おねえさん」一筋できた四葉くん(しかもヤンデレの素質まで完備しているんですって? なにそれ無敵すぎでは?)はお名前の通りやっぱり幸せになってほしいです…!! 一途にお姉さんを信じて慕ってくれる四葉くんが可愛すぎる物語でした! 子どもの頃も可愛くてイケメンだったのに、大人になったらキラキラが増してパーフェクトイケメンに成長なさっていて、目の保養でした。 全キャラ全エンド到達し、たっぷりとかなさんワールドを楽しませていただきました。 前作のキャラや縁のキャラが登場して、そちらも嬉しい&楽しかったです。 最後の最後になりましたが、かなさんの描かれる主人公さんの服装がオシャレなのは、かなさんのファッションセンスが良いからですね! どのルートのどの服もオシャレでした! 追伸:長文すぎる感想ですみません…! ご一読ありがとうございます! @ネタバレ終了 エンドクレジット後にちょっとしたエピソードまで見られて、それがキャラクターと物語にまた深みをもたらしてくれました。 Secretから読めるそれぞれの物語のちょっとした裏話はクリア後に読むと物語が思い起こされ、かなさんの物語への気持ちにも触れられて良かったです。 とても素敵なゲームをありがとうございました!!
-
ベニイロミュージアム前回遊ばせていただいたときから作品が増えているので、新規再コメント失礼いたします。 王道RPGの雰囲気を纏った「私の勇者さま」、楽しく読ませていただきました。 @ネタバレ開始 魔王や魔王打倒を願う世界中の人々がスヤスヤァと寝ているかもしれない星空の下で「私は明日から魔王になる!」という物騒な会話が繰り広げられているなんて、誰も予想できなかったに違いない…! プレイヤーももちろん予想できませんでした! 湯水のように浴びるほどの称賛をもらっても、ただ一人から認められるという事実には何も敵わない。 そして、それが叶うことがないと知った時の大反転する有様がとても丁寧に描かれていて、いざ魔王とならん!と宣言したときも「それしか手段がないから」という気持ちさえ込められているのが伝わってきました。 二人でともに魔王亡き後の平和な世界で生きていくという未来を失い悲壮感さえ漂う終わりは幸せな終わりではないはずなのに、二人の関係性からか、どこかしっとりした気持ちになって読み終えました。 主人公は彼女の唯一の願いを叶えられたのでしょうか…。 「魔王を倒して二人は幸せになりました。めでたし、めでたし。」で終わらないのが、とても味がありました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! 今後も新しい作品がラインナップに登場する日を楽しみにしています!
-
雨音と自動人形 結(むすび)雨の後の空を見上げると、なぜかとても愛おしくやさしい気持ちになる。それと同じくらい、雨の音が世界をやさしく包み込んでいる時も、世界が愛おしくなる―――そんな気持ちになる物語でした。 アップデート前にクリアしておりましたが、追加要素盛りだくさんのアップデートということでまた初めからプレイさせていただきました。 追加要素たちはとても素晴らしくて胸が震え、久しぶりにプレイしたのもあってまた泣きました。 @ネタバレ開始 一番初めにプレイした時、雪村さん視点開始と同時に出現した画面左上のカウンターに「なんだろうこれ? アヤさんはまだ出てきてないから主人公に関連する数字だよね? 主人公の残り寿命か、封じ屋の道具の手持ちの残数かなにかかな?」と思いつつ、日に日に勝手に減っていくので「やっぱり主人公の寿命なんだ…雪村さんは人間だから、きっと疫病に侵されているんだ…」と思っていたら、違いました…(苦笑) この後の「そういうことだったかー!」というスカッとした気持ちは、複数回プレイした今でもよい思い出です。 ゴミぱん様のイラストの美しさにも惚れ惚れしますが、美麗なイラストを牽引する話の構成力とテンポ・文章そのものの表現力・細部までこだわられた演出が素晴らしく、最初から最後まで一気に読ませる魅力に溢れていて本当に素晴らしかったです。 一日の終わりなど区切りごとにセーブして「今日はここまでにしようかな」というタイミングはたくさんありましたが、本作に限ってはメニューはコンフィグしか使いませんでした。 彩さんと博士の二人の閉じられた世界で心と心が共鳴し合っていく様子がとても心地よかったです。 雨が一滴一滴と降り注いで凪いだ水面に波紋を作るように、博士の封殺されて壊れかけていた心に彩さんが波紋を作り出していく様はさながら命の慈雨のようでもありました。 彩さんが一人バス停で待つこととなり、いつか来ると信じて何年も何年も待ち続ける姿を思い浮かべて、タイトルのスチルを思い出して泣いてしまいました。 昼間だけではなく真っ暗な夜の闇の中でも、雨脚が強い日も弱い日も……「いつか博士は来てくださる」と信じて待ち続けるそれが愛でなくてなんというのかと、彼女の待ち人への想いを想像して泣きました。 きっと彩さんは一日だって一瞬だって「博士は来ないかもしれない」なんて思わなかっただろうなと、一人で色々と想像して涙が止まらない状態になりました。 そんな想いもあって、博士との再会と伝えたくても伝えられなかった言葉が交わされたときはせっかくの美麗スチルが涙で見えない、言葉も涙で見えないというとんでもない状態でプレイとなりました(涙腺が弱すぎる) その後も封じ屋のお仕事を託す時もずっと泣きっぱなしで、プレイ終了後はチキンからデメキンへと進化する有り様でした。 もう本当に感動しきり、情緒がついていかず脳みそが大きな感情に揺さぶられてエラーしっぱなし、涙出っぱなしのとても素晴らしい時間を過ごさせていただきました。 大変細やかなところですがすべてクリアした後で再度アプリを起動するとタイトル画面が選べる仕様、とても素敵でした。 美麗なムービーはOPもEDもたぶん10回ずつくらい見返したと思います。 最後に、このゲームを創り出し世に送り出してくださったdatchi様に心から「ありがとうございます」という気持ちを込めて。 本作に出会い、とても胸に響く素敵な時間を過ごせて、本当に幸せです。 @ネタバレ終了 とても素敵な作品をありがとうございました!
-
彼女は彼女の糸を切る周りの目なんて気にしないで、誰かと自分を比較したりもしないで、自分の心の赴くままに生きていきたいと改めて思う物語でした。 @ネタバレ開始 小説にかなり近い文章でしたので、情景描写が細部まで緻密に描かれており、音楽と相まってするすると最後まで一気に読破できました。 他者からの「こういう感じだよね」「こうであったほうがいいよ」と判断される「らしさ」に合わせて生きることへの息苦しさと、それを打破して自分の本当の姿を偽ることなくそのまま生きることへの憧れ、そしてそう生きられたときの穏やかさと心の心境などのすべてが最後の収束まで丁寧に編み込むように書かれていて、素敵でした。 リアリティ溢れる細やかな描写に等身大の生きている人間らしさを感じ、物語と私との距離がグッと縮まりました。 作中の葵くんが音楽の感想に説教を返されたように、私も日本の学校にいた頃は「他の子のように書きなさい」とか「やり直しなさい」と言われていたので、自分の過去がありありと思い起こされて本作にはとても感情移入しながら読ませていただきました。 他の人に合わせなくてはならない空間から抜け出して互いの個を尊重する二人の物語は格別に心に沁みました。 @ネタバレ終了 「小説を読んでいたら、最後は映画館にいた」という稀有な気持ちになる融合型の見せ方も面白かったです。 タイトルの「糸を切る」という意味をプレイ前はどういう意味かな?と思いましたが、大変すばらしい回収の仕方でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
-
ゾンビィロックダウン! 感染封鎖の幻燈奇譚右を見ても左を見てもゾンビ、ゾンビ、ゾンビ!! あの子もその子もフレッシュミートな私を求めて猛ダッシュ!! そんなゾンビハザードで生き残るためには、仲間と力と知恵を尽くして明日をもぎ取るしかない! 主人公や仲間にゾンビハザードから生還する日は来るのか、ドキドキハラハラする物語でした。 @ネタバレ開始 ビジュアル的に葛葉さんが好きだったのですが「こんなやさしい子はきっとどこかで誰かを庇ってゾンビになってしまうんや…そして、きっと笑顔でお別れを言ってゾンビ化する前に自死したりするんや…守りたい、この笑顔」なんて言って警戒していたら、案の定でした(涙) 最後の介錯はありましたが、退場した時は寂しすぎて「なぜ市長じゃないんだー!! 市長から逝けよー!!」などと、マチェットを取り出してブンブン振り回しそうになりました。 そういう意味で、葛葉さん生存ルートに突入できるあの選択肢が出てきた時は「トゥ、トゥルーエンド!!」と浮足立ちましたが、トゥルーというよりはIFなのかな?とも思ったり。 主人公の能力に関しては「市長ブッ●す」方面の選択肢でもその力は発揮されていたので、このエンドで驚くことはなかったのですが、皆がどこまでもついて来てくれるのには驚きとともに皆がやさしすぎてウルっときました。 立ち絵のあるメインキャラクターとしては(市長以外は)どの子も皆好きでした。 どの子もこの非常事態の中、皆で助け合おうとしていて、アルカナさんもちょっとズレてはいるけれど隆宗さんとなら警戒に入ってくれたりするいい子でした。 貴那子さんが予言した数年後のイケメンのアルカナさんも見てみたかったです。 楓さんは一緒にいるエンドだと最後に「愛してる愛してる愛してる!」と全力の愛情を向けてくれるので、ああ楓沼に落ちてしまうなこれは!だめでござる!となりました。 貴那子さんは二人で仲良く生存エンドでしたが「独りにしないで、一緒にいて」と心を吐露する姿がいじらしく愛らしすぎて「どこにも行かないよ!!」と思わす抱きしめたくなりました。 取りこぼしがなければ全部のエンドを見たと思うのですが、隆宗さんと一緒の吸血鬼エンドが一番好きでした。 隆宗さんがとにかく強い、この人となら生き残れる!!(ただのゲスプレイヤーか) いえ、純粋に隆宗さんのビジュアルがストライク、無口で言葉足らずなのもストライク、しかしチョコレートこっそりくれたりするやさしさも完備でストライクと、ストライクすぎてゾンビハザードなことさえ忘れて画面の前でニコニコと楽しくプレイさせていただきました。 @ネタバレ終了 ゾンビものと言えば人々の助け合い・献身・仲違い・裏切り・脱落者と、世界の終わりに始まる恋愛と人間ゆえの美しさと醜さ全開ですが、本作は仲間たちとの絆が固く、読んでいてとても胸熱でした。 今からプレイされる方には是非、IFまで含めた全エンドを見てほしいです。 素敵な作品をありがとうございました!
-
腐った果実 ‐Rotten Fruit-エンディングまで辿り着くと今まで見ていた世界のすべてがひっくり返る、大変面白い物語でした。切ない物語が大好物な人には是非にプレイしてほしい作品です。 読んでいる最中に「ん?」と感じたすべての違和感の答えが必ずもらえる上、「そういうことだったのか」と思わずにはいられない仕組みが秀逸でした。 あの言い回し、あの行動など、抱いた違和感や疑問がすべて氷解した時、見えている世界がガラリと変わりました。 @ネタバレ開始 物語としては救いのない切ない終わりでしたが、彼女が望んだとおりになったのも事実で、すべてが上手くいくだけがハッピーエンドではないと感じさせてくれる納得のエンドでした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
-
デヰツァの幕切れ─蝶華の鳥籠─大正浪漫という漢字で表したい、サスペンス・鬱・ヤンデレの三拍子込みで前評判が激高だったので気になっていたゲームです。 カフェー勤めの主人公の下に正体不明の人からの不穏な贈り物が日々送られて来ているところからスタート。 序盤でワインはワインでも中身がアレなワインを送り付けてきたあたりで、ポンコツ探偵の勘がキャッチしました。 @ネタバレ開始 犯人はあなただ、橘さん!と一発で思いました…私は自称弁護士でやさしくてカフェー常連で自分を指名してくるような男は信じない! だってあなた、ヤンデレオーラ出てるもの!!と、自分の直感に従っていたら、本当に病んでました…! 帳さん→橘さん→京子さん→鏡太郎さんの順番でクリアいたしましたが、鏡太郎さんの癒し成分の濃度よ…!!という思いでした。 帳さんのことを初めは聡明・元気いっぱい・格好良いの三拍子完璧イケ王子様系だと思っていました。 王道!!からの!!帳さん、帳さん、帳さんんんんん!!! プレイ前とプレイ後で最も印象がガラリと変わったのが帳さんでした。 橘さんはワインの時から「犯人!」と認定していて身構えていたので、ルートに入った時も「むしろ、こちらから火の中に飛び込んで来たわよ!」という感じで、最後まで見守る心地でした。 こういう悪い男性の掌の上で手折られる女の子も大好きです。 京子さんはもう存在がカッコイイになりました。 一番初めは厳しい先輩の方かしら…と思っていたら、可愛くて生き様がかっこいい御方でした。 切れ長の美しい目に眼力があり、スチルも迫力があって好きです。 鏡太郎さん……本作最推しです。 帳さんとは家の格違いなどで劣等感なども感じていたりと人間味が全開で、そして初々しいとても良い子でした。 御家柄含めてパーフェクト超人(※表)の帳さんとは違って余裕がないところなどもう全部が「かわいい!」でした。 これから二人で幸せに―――違う…違う、そっちじゃない…!!となって別の意味で涙が出そうになりました。 @ネタバレ終了 立ち絵やUI、画面全体の雰囲気などの美しさも素晴らしく、印象大逆転が好きな方もヤンデレ好きな方も初々しい恋が好きな方も、みんな満足できるハイクオリティな作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!