SHIAのレビューコレクション
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先輩宅での怪談物語が少しずつ進むにつれて「おや、これはもしかして…」と思いましたが、予想どおりでした。 きちんと怪談らしい怪談となっていて、面白かったです! これからプレイされる方には前情報なしで読んでいただきたい作品です。 @ネタバレ開始 皆さんの様子から薄々は気づいていたものが、はっきりと繋がった時は「ですよね!」と爽快でした。 少しずつ物語の真相に近づいていく流れと真相、大変楽しく読ませていただきました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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御中元まさにお中元をいただいたような、ふんわりとやさしい気持ちになれる短編集でした。 全編ゆっくりと読んでも10分かかりません。 早い方だと5分ほどかと。 これからの季節はホットコーヒーなどあたたかな飲み物を片手に読むとちょうど良いかと思います。 @ネタバレ開始 一番好きなお話は「朝夕焼菓子」です。 女の子と店員さんのしっとりとした会話がとても好みでした。 朝晩一錠、効きそうですね。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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青時雨夏にノスタルジーを感じる主人公さんと、ユーザー的にはまたお会いできてうれしいです!なかわいい葵さんの新たな物語、楽しませていただきました。 葵さんがますますかわいい本作、とても面白かったです! @ネタバレ開始 佐々木さんのちょっぴり鈍感なところは「気づいてあげて!」と背中を押したくなりますが、夕陽を背にした葵さんは特別可愛かったです! ちょっと期待したよね、そうだよね、自分に向かって言われたんじゃないかって思うよね…!と、佐々木さ~~ん!!と心の中でもどかしく思いました。 あの時からこうすればよかったやああすればよかった…は、誰でも絶対にあることだと思いますが、葵さんの言うとおり「後悔しないために」自分の意思で選択していきたいなと感じました。 ちなみに、私は作者様と正反対で夏休みの宿題はすべて夏休み開始すぐに終わらせる派でした。 @ネタバレ終了 さりげなくシリーズ化している佐々木さんと葵さんの物語、また次回作を楽しみにしています! 素敵な作品をありがとうございました!
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夏のまなうらモノクロベースの世界で語られるお話、画面の色から何かただならぬ雰囲気を感じていましたが、気のせいではありませんでした。 @ネタバレ開始 かわいいお姉ちゃんに誘われいざ田舎を堪能…指輪を見つける頃までは何となくの違和感だけ抱いていました。 それが、お酒のあたりからどんどん不穏な気配を感じるようになり、胴から上が消えている地蔵様たちの時点で「これは…でっかい嵐が来る!」と身構え、ついに…その瞬間が来たかという感じでした。 じわじわと感じる「あの日起きたことへ至るまで」の演出、本当にお見事でした。 立ち絵ではなく景色ごとにお姉ちゃんや僕を描かれていたので、非常にドラマチックで物語に引き込まれました。 指輪だけ色がついていたのは、お姉ちゃんが亡くなられた後、僕が持って行ったものだからなのかな…なんて想像しました。 色を取り戻した世界で、お姉ちゃんの分まで僕には生きていってほしいと思います。 @ネタバレ終了 雰囲気がとてもよく、物語に引き込まれる素晴らしい短編でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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重ならない、ただ独り都会のアレコレから思い立って田舎も田舎の村へとやって来た主人公さんが出会ったのは…から始まる後味スッキリな本作、楽しく読ませていただきました。 常識は難しいですね…。 @ネタバレ開始 おじいさんの家→探さず寝る→探すという、おそらく理想的な順番でエンディングに到達したため、とてもスッキリして気持ちで終えられました。 主人公のロレインさんがとてもサッパリとした性格で好感が持てました。 そして、行動力がすごい! これからも、人々の常識や世界さえも変えてしまうロレインさんの大活躍を応援しています。 常識…難しいですよね、因習ならぬ「それは初めて聞いたルールですぞ…」みたいなものは世の中に溢れていますが、マナーなども「それは講師さんが考えた新たなマナーですか…」と思うものもあったりして、常識とは自分の固定観念とタッグを組んでいるなと常々思います。 住む国や文化が変わればありとあらゆるものが違う。 その違いが面白さでもあり、面倒くささでもあるのだと思いますが、そこに「それは駄目だ!こっちこそが〃正しい〃常識だ!」というものを入れ始めると世界がこんがらがるのだなと思いました。 あとがきのイラストの女の子たち、どの子も大変可愛かったです! 活動歴10周年もすごいです&おめでとうございます! @ネタバレ終了 コンパクトな物語ながら、自分の中にある常識を改めて考えるきっかけとなる深さがありました。 素敵な作品をありがとうございました!
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狭間列車(はざまれっしゃ)悪夢をゲーム化するという非常に稀有な作品、どのような悪夢をご覧になられたのだろうと興味津々、期待いっぱいでプレイさせていただきました。 そして、私はバッドエンド一直線の達人―――そう、初めのエンドはもちろん…でした。 @ネタバレ開始 はい、即死しました!!(血の涙) 車内探索! うおお、あと5分しかない! 重体だけど助かるのなら…よーし、ステイ! からの即死! ……流れるようなエンド到達でした…。 その後もぬいぐるみの心地よさに負けたり(※このユーザーは期待を裏切らないバッドエンドの達人です)、やはりお手本のように綺麗に黄泉の国へ行ったりしながらも救いのあるエンドへ辿り着けました。 途中で出てきた絵本もかなりマイルドになっているとのことでしたが、十分怖かったです。 誰しもが助かりたい!と我先に逃げたと思ったら、逃げられなかった人の憎悪によって悲惨なより最期を…しかし、もし現実に災厄が来るなんてことが起きたら虫の件はやや難しいかもですが、逃げられなかった人が地上から地下を破壊して~はありそうなので、あながち絶対にないとも言い切れないところがまた怖いです。 しっかりホラーしていました! 自分からどんどんそちらに向かって行っていたのかも…という考察に背筋がぞわわっとしました。 @ネタバレ終了 攻略はまったく難しくなくサクサクと進む、物語として奥が深いホラーでした。 お化け画像バンッ!のような要素はなく雰囲気や物語的に怖いというタイプですので、ホラーは苦手…という方にもプレイしてほしい作品です。 素敵な作品をありがとうございました!
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桜の手記桜の美しい背景画像のタイトル…の左下になにやら不穏な生き物がいるような気がして背筋がぞわぞわしますが…とにかくプレイしてみよう!と悪夢シリーズの最新作、プレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 読了し、友人や後輩さんたちとの幸せな日々が戻ってきてよかったです…途中のご両親の御背中メキメキメキー!には「ぎゃー!」なんて声をあげたくなりましたし、その後の窓の外のうじゃうじゃ群がる虫っぽいゾンビたちにも「あ゛ー!」という叫びを上げたくなる次第ではありましたが…。 後記を拝読し、ゾンビに追われて酸の雨に打たれて蛸に叩き潰される夢を見たなんて…とんでもない悪夢でしたね…。 私も夢に五感があるタイプなので、そんな怖いのは無理です…。 パン屋の焼きたてパンの香りをずっと嗅いでいるような幸せな夢がいいですね…。 読了後にタイトルが…で、私が見た綺麗な桜ウフフというのはどうやら幻覚でした…え、もしかして一番怖いのは…。 見ないに越したことはないと思うのですが、もしまた悪夢をご覧になった際はゲーム化を楽しみにしています。 絵師さんを起用なさっての一枚絵たち、どれも素敵でした。 個人的に一番印象的な一枚絵は、なんかゾンビ出てきて並んだー!と友人帰還、友人たちとの幸せな日々の一枚絵でした。 前者は物語が急転直下となるインパクトゆえで、後者2枚は無事に戻ってきてよかった、最後は幸せでよかったと感じた素敵な一枚絵たちです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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戯曲『十五夜』約3分ほどの小さな舞台のお話、堪能させていただきました。 いつもながら見せ方が素晴らしく、劇場で見るように魅入りながらの読了でした。 @ネタバレ開始 アップで映る吸血鬼の女の子の表情がとても印象的で、噛まれた少年がこの後どのような道を歩んでいくのか…彼自身が舞台に上がり、また別の俳優を生み出すのか、彼の今後がとても気になりました。 がぶり!の演出や街灯をスポットライトに見立てていたところが本当に素敵で、まさに舞台を見ているようでした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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「駄目人間。2―落選編―」賞を取ることに対しての色々と複雑な思いが堪能できる作品でした。 受賞したいと願う方にブスッ!と刺さる内容だと思いました。 @ネタバレ開始 創造神エンドが個人的には一番明るくて好きです(創作系の方はもちろんみんなそうですね…)。 途中で病院に行くエンドでは心当たりの映像が殺伐としすぎていて「これはダメー!」と、環境の変化による心境の変化、焦燥感などで狭まってしまった視野を少し別の視点で拡張するというのは大切だなと感じました。 個人的には受賞できなくても、創り上げたこと自体が既に超偉業だよと思います。 もちろん、「どうしても賞が欲しいぃいーーー!」という方にとっては死活問題なのかもしれませんが…。 このゲームの中の主人公さんが受賞できる日が来るといいなと思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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火炎の舞姫初鰹→視聴率最高→本作へと一気に流れてまいりました。 タイトルからはシリアスな印象を受けますが、はたして…スタートに当たるボタンの言葉も意味深で、プレイ前から期待が膨らみました。 @ネタバレ開始 作者様の作品は、毎年一作品ほど静かに心に入ってくる作品があるイメージですが、本作がそうだったのかなと感じました。 発端は子どもの頃のことながら、その瞬間から火に呪われたように兄妹ともに火傷の痕から逃れられず、最後は使用人たちの裏切りで骨となってしまった二人に哀切を感じました。 二人とも、こんな人生は望んでいなかっただろうと思いますし、どれほど惨めで悲しい思いをたくさん重ねてきただろうとも思い、直接的に描かれていない余白を想像して思い馳せました。 炎に呪われたような兄妹に対して使用人たちがあの末路を迎えたことだけは、本作の中で本当にわずかではありますが「よかった」と思える部分でした。全体的に悲しい物語の中でも、必罰が働いたことに胸を撫で下ろし…。 もし来世というものがあるのなら、二人には幸せになってほしいなと思い、読了となりました。 @ネタバレ終了 カオス、カオス、しんみり…と今年も三作、大変楽しく遊ばせていただきました。 混沌としたものからしっとりとしたお話まで、作者様の文章力と表現力にはいつも脱帽しております。 次回作も楽しみにしています! ありがとうございました!