SHIAのレビューコレクション
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宇宙のカタコンベより。ナーヴァシアンさんと過ごす残りの五日間、どうせ墜落して死ぬし~と割り切りつつも、その五日間を有意義に過ごそうとする主人公とのゆっくりとした時間の流れが心地良い物語でした。 @ネタバレ開始 ナーヴァシアンさんとちょっとワケありな感じのするいるかさんの物語、一筋縄ではいかないところが面白かったです。 それにしてもブラックな会社で、次から次に人が死んでいることに、主人公のいるステーションを墜落させるのも「ちょうどいいからここで始末しておこう」くらいの認識なんだろうな…と感じました。 ナーヴァシアンさんが実は暴走して主人公を傷つけたことがあってというエピソード、最後に妹さんの棺が送られてきて星巡りの歌は思い出の歌であるエピソードなど、終わりに近づくにつれて明かされていく物語の輪郭に引き込まれました。 @ネタバレ終了 宇宙の中を漂う小さな小さな命とポンコツと言われたAIの絆、しっとりとした気持ちで読ませていただきました。 ありがとうございました!
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あの時、君の先生でしたぱちばれ!でも登場したクラッシャー藍川くんが引き続き登場する本作、藍川くんが気になって仕方ないのですがまずは元倉さんからプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 なにやらワケアリな美少女の凛さん、先生、いくらなんでも高校生に手を出してはいけなiyo―――中学生!? 中学生って言いました!? 先生、ダメ、ゼッタイ!!と、冒頭から既に諸々アウトな二人にドキドキしながらのプレイでした。 凛さんがピュアで癒される…中学生って色恋に興味を持ち始めて、誰が誰と付き合っているとか、○○さんは○○先輩と付き合っているとか…恋への解像度が一気に高くなるお年頃ですよね。 同時に、自分の身近な男の子より大学生くらいの男がとても大人で素敵に見える時期でもあるという…。 凛さんが元倉さんのことをとても想っていて「受験までのゴッコでいいから」という言葉に胸が痛くなりました。 直後に淫行で逮捕~のニュースが流れてきた時は「ほあーっ!」なんて変な声が出そうになりました(笑) 浴衣姿の黒髪な凛さん、すごく素敵でした。 あまりの美人ぶりにドキーッ!!としました。 そして、そんな凛さんとの思い出も…ビルからのシーンでは、一瞬思考がすべて停止しました…。 「え…」という声が出ました。 彼女の寂寥は、そこまで深かったのかと―――元倉さん、選択肢なかったからこれプレイヤーのチキンのせいじゃないけれど、あなた選択を間違えたっぽいよ…と0.02秒くらいで高速で思考した後に凛さんのお部屋が出てきた時は「ヘイヘイ、元倉の兄さん!ここから未来を変えるぜ!! チキンが選ぶお手伝いするね!」と意気揚々となりました。 そして、玉砕。 元倉さんも私も、玉砕。 End1→2のコースで見事に玉砕。 「おい、チキン!! 少しはまともな未来を選べないのか!」とお叱りを受けてもおかしくないくらい私のチョイスがアレでした。 「ま、待て待て、元倉の兄貴っ…つ、次こそ!」と祈るような気持ちで最後にEnd3を見たので、一瞬ハッピーエンドかと錯覚を引き起こすくらいでした(笑) End1は、凛さんが立派な女王様然とした凛様になっていて「あ、救われたけれど…そういう…」と展開に驚愕でした。 すべてを管理する妻になっていて、これはこれで幸せそうだけれど元倉くんは息苦しそうだなーとちょっと怖いエンドでした。 End2は、凛さんが闇沼に落ちてしまったエンドで、これはもうただただ悲しかったです。いわゆる貧国女子として居場所がない、ホストに入れ込んで自転車操業で人生を回している様子がありありと書かれていて、享楽的に生きるしかない、心の傷を見ないようにして自分の幸せを考えないようにしている様が悲しかったです。 End3は、一瞬錯覚しそうな幸せを匂わせていて大人のズルさみたいなものが感じられるエンドでした。そして、女ってしたたかで美しいなと思うエンドでもありました。 告白シーンの「これ以上、私に何を言わせたいの?」というセリフ、凛さんルートの中でダントツで好きなセリフです。 このセリフ、リアルでもなかなか言えないと思います…!大好き!! しかしながら、確かに「追いかけてくれているうちは生きる」と誰かの行動に依存しきったこのエンドは、本当の意味で凛さんが幸せになれるエンドではない…花凛さんの指摘に、元倉さん同様、ハッとなりました。 そして、花凛さんのおかげで真のエンドを迎えました。 落ち着くべきところへ落ち着いて、憑き物もすべて落ちて、とてもとてもよかったです。 ハッピーエンド大好き至上主義者としては、このハッピーエンドが一番大好きです! 最後の2人で手をつないだスチル、控えめに言って最の高でした。 元倉さんにとっては、好きになった人の突然の死、そして決して幸せとは言えない様々な未来を見てのこのエンドなので感情大爆発の人生最高の瞬間だったのではないかなと感じました。 ここから先はリセットなしの世界、その世界で最高の笑顔を咲かせる凛さんと今度こそ凛さんを離さないとしっかりと手をつないだ元倉さんに、とても幸せな気持ちになりました。 2人とも、お幸せに! ほわほわと幸せな気持ちになったところで「クラッシャー藍川くん」がいることを思い出しました…。 大丈夫なのか、君は…!(成績とかも含めて)と、いざ藍川くんルートを開始しました! 由 香 さ ん が 強 い … !! 色々な意味で都合の良い女である由香さん、この恋のシーソー感がヒリヒリと焦げついて、このルートはピュア藍川を弄んでいる感もドキドキでした。 ピュア藍川くん、大人しく引き下がったな…と思っていたら、そんなわけなかった!!!!(教祖じゃん!!) あ、心の声が先行して出てしまいました…「教祖じゃん!!」と藍川くんの人生があまりにも劇的に異界化していたので、ぱちばれの藍川くんと同一人物なのか一瞬目が霞みました…。 そして、無事にトリカゴの中に入れられる鳥のような展開を迎えての、再起(選択肢)―――も、由香さんにお叱りを受けそうなチョイスでした。 「このチキンは、バッドエンド方向へ走らないと気が済まないの!?」と言われても「はい、すみません…」と謝罪するしかないエンド具合でした。 エンドを見た順に以下、感想をつらつらと。 End4は、15年どころか今ももう逃げられなかったエンドで、藍川くんが素直に引き下がることさえなくて「由香さん、これがあなたが一時の寂しさを埋めた後の代償や!」なんてメガホンで叫びながら思わず自分だけ裸足で逃げたくなるエンドでした。 End3は、彼氏がとにかく懐が広くて驚きました…え、これさっき四つん這いになって男泣きしてた人?と、色々な意味で彼氏の変わり具合にビックリ(笑) あそこまで見せられても「それでも彼女のほうが好きな気持ちが勝っている」と言ってのける漢なのに、あの本筋では四つん這いで『先生』相手に随喜の涙を流してしまうのだから、人間って本当に不思議です(そこか) End1は、由香さんがナイス調教師由香さんのまま終わるエンドで、この後も由香さんの調教が続くし、好きとは言ってもらえないのかと思うと、一番危険な香りのするエンドでした。エンド4がヤンデレエンドだとすると、このエンドは恋のシーソーゲームがまだ続く感じで、スリリングな香りがします。何より大人の女である由香さんの「女」が前面に出ていて、艶があるエンドでした。 End2で、ぱちばれ!の藍川くんが出てきて「よかったーー! 君が教祖先生にならずに済みそうで!」とこのエンドは少し安心しました(…あ、お姉さん曰くちょっと拗らせているけれど…) 今までのエンドの中では一番安定感がありました。 End5は、まさかの大地さんの影がとても色濃くて、スチルも「大地さん!?」と一瞬勘違いしてしまうくらい頭が混乱しかけました。 どれだけ頑張っても、どれだけ想っても、「自分」ではなく「あの人」なんだなという思いに色々なものが蝕まれているエンドで、幸せなはずなのに幸せな気持ちの後ろに常に影が落とされている雰囲気でした。 のどの奥に小骨が引っかかっているような、ちょっとモゴモゴとしたしこりが心に残るエンドでした。もどかしい…! 真エンドでは、仄暗い終わりかたであったものの、落ち着くところへ落ち着いたなぁと思いました。 何もかもかを注いで、尽くして、人生を懸けて女神のように焦がれる由香さんを手に入れたのに、心も愛もカケラも手に入らない藍川くんがクラッシャー藍川くんだけれど、同時にやっぱりピュア藍川くんなんだなと思いました。 同情くらいはあげるわよと言って残り少ない自由の中からまだ抵抗を見せる強い由香さんが、美しいなと感じました。 愛を乞う獣を抱きしめながら笑う由香さんの愛は、獣が生涯かけて手に入れられるかどうかあやしいもの…その人生の終わりに愛の端のカケラくらいもらえるといいですね!と藍川くんにはエールを送ります(小声) 愛する人をようやく手に入れたつもりで、自分が人生丸ごと雁字搦めになってもうどこにも行けなくなっている藍川くんがちょっぴり可哀想ですが、どんな状況でも凛と立ち続けようとする不屈の由香さんがとにかくカッコ良くて好きです。 与えられたものから常に最良を選び続け抗い続ける強い女の人、とっても好きです! 挿入歌もとてもよかったです。 3曲とも素晴らしくて、この感想を書いている今もゲームを起動したまま流しています。 一番好きなのは「心音」です。 2ルートともカラーがまったく異なっていて面白かったです! おまけのイラストも、どちらもルートカラーを出していてすごく好きです。 藍川くんのルートがズシーンと響いたので、凛さんたちの幸せそうなイラストには大いに浄化されました! 由香さんの話は、後ろから抱きついていくスチルと最後の抱きしめているスチルが大好きです。 元倉さんの話は、凛さんの浴衣姿の登場シーンと5年ぶりに出会ったスチル、最後の手繋ぎスチルが大好きです。 本作はスチルがとても多くて、次から次に出てくるのでずっと眼が幸せでした! @ネタバレ終了 大きく分けて2つの物語が詰まった本作は、主人公によってカラーがまったく異なっていてどちらもとても面白かったです! 素敵な作品をありがとうございました!
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Losers' Heaven昨年の旧ver.も遊ばせていただきましたが、今回の装いも新たに新規のシナリオまで追加された完全版ともいえる本作、とても面白かったです! パワーアップした立ち絵なども美しく、なにより歌が入っている音楽とムービーがとてもいいです! スマホなどで外出先にミュートでプレイするのはもったいない、自宅で音を出しながらじっくり見てほしい作品でした。 @ネタバレ開始 旧版からさらにパワーアップしてゲーム性も高くなっていた本作は、探索なども歯ごたえが増していました。 どちらへ進むかと決めたあとでトナカイまみれが何回か続いたりして「トナカイよ、お退き!」となったり「またトカゲに戻ったわ!」となったりと、途中から自分でアナログ地図を作りました(笑) そしてトカゲやら蛇やらをアイテムと組み合わせて無事にkeyを入手できました。 この辺りの要素、かなり面白かったです。 レインさんが相変わらずかわいく、ウバイドさんはブルーの見た目が大変好みでした。 作者様の描かれるキャラクターはとても個性的かつ幻想的で、新しいキャラが出る度に目を引かれました。 お話はダークなのですが、それを覆すような陽気さが入っているためか重たすぎずにテンポよく進められました。 もしかしてまだ続くのかも…と期待を込めて、もし次回作があるのなら楽しみです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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モノクローム・モノローグ突如命がけになってしまったアングラゲーム、視点を切り替えながら進むお話に「このあとどうなる!? どうなる!?」と手に汗握りながら最後まで読了させていただきました。 @ネタバレ開始 「一人すごくヤバいヤツ(リアル殺人鬼)が紛れ込んでいるじゃないか!」という緊迫状況と謎は彼の視点に切り替わるまで続いていましたが、真実を知ると犯人は決して珍しい存在ではないと気づきました。 世界には約1%生まれながらに捕食者である真性のシリアルキラーがいるという説もありますが、犯人の彼はおそらくお母様からの虐待などで人との関係が上手く築けなかったり社会に馴染めなかったりで今の状況に陥り、人を一人殺した瞬間からもう戻れないとズルズルと落ちるところまで落ちてしまった人だと思いました。 自分が生きている世界にも「こういう人が今後現れないと言えるのか?」と言われたら、ノーだと感じました。 むしろ、既に様々な形で起きている大きな事件(秋葉原無差別殺人のような事件)では今回の犯人のように「人生が狂ってしまった。やり直そう」としてもやり直せずに自暴自棄になった人が起こした事件も多いと感じました。 そういう意味で、彼のしたこと自体は絶対にいけないことですが、彼に対して「これは本当にガチの徹頭徹尾、完全なる悪だった」と言い切れないところが本作の味わい深さでした。 完全にモノクロームな世界と色鮮やかな世界の対比が、また感慨深いものがありました。 すべてを読むことで真実と仕掛けられたギミックが収束する構成、本当に素晴らしかったです(ビックリして初めからもう一度読みました!) 初めに完全モノクロから始まり、視点が切り替わったとき(バスルームの写真)に「あれ? こっち薄く色がついているな…」となり、脱出する過程でピクトさんに完全に色がついていたりして「おや…」となった後……すべての仕掛けが分かったときは「ああ、そうか!」と唸りました。脱帽です。 5番さんが殺意の衝動を感じた瞬間に、犯人と同じようにすべてがモノクロになったときは「うまいなぁ!」と思わず感嘆でした。 私は二度目まして。でしたが、今作も本当に楽しく遊ばせていただきました。 脳内で企画が進んでいる作品は脳内から現実となる日を、シェア作品も心行くまでお作りになられたものがリリースされる日を、楽しみにお待ちしています。 @ネタバレ終了 最初は「何が何だか分からないけれど、とても危機的状況だ! 生き延びなければ!」という気持ちでしたが、読了後は「誰でもこうなる可能性がある…」と神妙な気持ちになりました。 物語にとても力があり、ギミックに脱帽するとても素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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あなたをシモネタあるあるで笑わせたいかわいい女の子が画面にべたーんっとしているタイトルから繰り出される物語はどんな物語だろうとプレイしてみると……下ネタ以外にもたくさんの笑いどころ満載な物語でした! 全エンド・全スチルのコンプもしやすい設計で、どのエンドも納得でした! @ネタバレ開始 一番初めに辿り着いたのがヤンデレ歌姫エンドでしたので、文字通りぶるんぶるん顔や全身を振りまくるセンシティブチンアナゴの道を通ってまいりました(笑) どんどんチンアナゴの全振動がキマッていくのに、思わず苦笑が出ました…そうか、男兄弟同士とかだとああいうことが起きるのですね(父娘間でもあったらしいですがそれはもうアウトなのでは?感がすごかったです) コンビニで思わず叫んでしまうくだりは面白かったです。 条件反射で叫んでしまうほど染み込んだ習慣…! スチルも顔が面白い感じで、このギャグに振り切った感じがとてもよかったです。 自主規制も年齢確認が入るなど、規制を外すか外さざるべきか悩ましく、セーブ&ロードを駆使させていただきました。 無事にスチルもエンドもすべてコンプできて大満足です! 物語全体で、主人公たちの虚無で「スン…」となっているときの立ち絵がとてもいい味出していました! @ネタバレ終了 なぜお尻からあんなものが…なんて序の口で、怒涛のギャグと驚きの展開、楽しませていただきました! 素敵な作品をありがとうございました!
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則三角去四角(「花枕」以下シリーズ第二章)冒頭のやり取りの後に挿入されるムービーで「なぜにゴミ箱?」と先が気になって仕方がなかった本作、シナリオライター様の豊かな語彙によって紡がれる読み応えのあるどっしりとしたストーリーがとても面白い作品でした。 @ネタバレ開始 とても丁寧な状況描写とユーモアたっぷりなやり取りが読んでいて本当に面白く、今作もあっという間に読み終わっていました。 今回は怜人くんを大切に想っている水菜さんがヌードモデルの蓮葉さんを警戒したりと、前作とはまた少し違う角度で恋愛要素が入ってきてその部分も楽しめました。 油絵に水彩画の技法を取り入れる箇所から教授が無視して通り過ぎて単位が落ちそうになる一連シーンの描写がとても秀逸でした。 微笑みからの「微妙」さを直感的に感じ取り自分の絵に落とし込むところが私の心の琴線に触れ、ここは今作でも屈指の心に残るシーンでした。 自分の直感を信じてあえての水彩画の技法を取り入れたこのシーン…教授は無視したようですが、私はとてもいいシーンだと思いました。 「水に流せればよかったのにね、トイレだけに―――。」という一文に思わず「ふっ」と笑いが漏れてしまいましたが、同時に痛々しかったです。 その後のゴミ箱被りの登場には大変驚かせていただきました(笑) 古今東西の技法を結集しての単位を勝ち取ったシーンは思わず一緒に小さくガッツポーズしました! やったぜ! 第2章もとても面白かったです! 物語の続き、次なる第三章をお待ちしております! 余談です。 私はDL版がある場合は必ずDLして安定プレイに徹するので、Readmeも必ず読みますが…いつも貴サークル様のReadmeは驚かされます。 もうある種のお家芸になっている気配までしてきました。 次はどんなReadmeなのか、こっそり楽しみにしています(急によく見るテンプレ型に戻っていてもイイネ!を送ります) @ネタバレ終了 第三章の公開をとても楽しみにお待ちしております! 素敵な作品をありがとうございました!
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おもいをつたえるプログラム選択肢から未来に起こることを予想する!というような感じで、最初に選択肢を選ぶというシステムが大変斬新でした。 ガチで正解を狙っていくのも、これは駄目だろう…と思うのをあえて選ぶのも、どちらも楽しめる素敵なシステムです。 失敗してもかわいいピアちゃんか見られるので眼福でした。 @ネタバレ開始 ※感想投稿は12月ですが、プレイ&感想は公開されてから間もなくの頃のバージョンでプレイしたものになっています。 何度もやり直しましたが、無事に千風瑠さんと仲良くなりました。 一度リア充爆発しろ!コースにもなったりしましたが…選択肢の組み立てが難しかったです! 千風瑠さんも可愛かったですが、服装などを細かく変えてくるくると立ち絵や表情が変わるピアさんがすごく可愛かったです! 千風瑠さんと花火を見ながらいざ告白!の前の寂しそうなピアさん、神さまの元へ帰るときの健気にけれど大好きなマスターの幸せを精一杯応援したくて笑顔でお別れしてくれるピアさん、もうピアさんが可愛すぎてピアさんにも幸せになってほしかったです。 ……と思っていたら、神様からの意味深なお言葉が…!! 最後のミッションはまさかの2ルート(?)設計だったとは! 主人公にはまだまだピアさんと一緒にいてほしいし、ピアさんにもたくさん一緒にいられて嬉しいを感じてほしいので、むしろミッション成功でした! ピアさんが恋というものを、そしてもしかしたら失恋というものを体験することになるかもしれないと思うと「ううう…!(悶)」という気持ちでしたが、ピアさんと一緒に特訓できてよかったです! @ネタバレ終了 作者様の愛をたっぷりと感じられる、ピアちゃんがとてもかわいい素敵な作品でした! ありがとうございました!
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絶対零夜ノ殺人冒頭のシーンからいきなり大ピンチになり、生き延びたもののそのまま命の危険にさらされようやく一息付けたと思ったのも束の間、クローズド・サークルと化した中で起きる殺人…と、冒頭から息つく暇もなく次から次に渦中へと巻き込まれてしまう主人公にハラハラしつつプレイさせていただきました。 スタンダードなサウンドノベルで、読むことに注力して最後まで楽しく読ませていただきました。 @ネタバレ開始 ストーリーを読んでいると「あれ?」と思う箇所がないわけではなかったのですが、定番やお約束を挟みつつ、作者様のオリジナリティが綺麗に入っていて面白かったです。 リビングでの入力画面は、「きんぞくばっと」などありもしないものを含め「すとーぶ、もっぷ、くるまいす」などを入れて間違え続けて、綺麗に9に辿り着きました。 その後、くっそー!まだママンのヒントは見んぞ!と奮闘しましたが、撃沈。 いざヒントをいただいたときに、なぜか手に持って戦うものではなくいきなり燃料となるものを入力し「犯人め、燃やしてやる!」とゼッタイコロスバーサーカーモードに転身、生き残るためならどーにでもなれという自分がサイコパスでシリアルキラー状態になりました…もう何が正解か分からず「いっそすべて滅殺!」の方向へ動いてしまいましたが、正解が分かると主人公もとても思い切りが良かったですね、その発想はなかったよ! ただ、このエンドは真相などが分からずにただ生存なので…ここへ来るまでも結構大変でしたが、エンド11と12を見ようと再度奮起することにしました。 無事にエンド10を見た後は攻略情報に頼らせていただきました…が、攻略情報も少し分かりづらいかなと思いました。 本作は元々攻略情報がないとエンド11や12は辿り着けないくらい難易度が激ムズと感じます。 攻略情報を見てでもクリアしたいと思う方は「クリアしたい、最後まで読みたい」という切実な気持ちで来訪されると思うので、一番下にでもいいので「完全攻略(入力する単語などまで網羅されている)」を書いておいた方が親切かな…と思いました。 エンド11、エンド12とも見るのは難しかったですが、それぞれ物語のここを見るためにたくさんバッドエンドも見たし、ママンとも話しまくったぜ!という予想できないエンドでした。 エンド12は本当に特殊なので、特殊エンドとついている意味が「なるほど!」でした。 この二つのエンドに関しては何を書いてもネタバレになっちゃいそうなので、もどかしいですが…難しかったですが、無事に辿り着けてよかったです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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プレアデスをさがしてどこかノスタルジックでじんわりと心が癒される絵本のような物語でした。 ドットで描かれている世界が素敵で、それぞれの背景を細かいところまで見たくなりました。 「プレアデスってなに?」というところから、郵便屋さんとして人々と交流するうちにキャラクターたちの抱えているものなどが徐々に明らかにされて世界がどんどん輪郭を持っていくのが素敵でした。 @ネタバレ開始 毎晩の「かあさま」への語りが好きでした。 初めはシステムを理解しておらず、初回はみんなにちまちま会いに行っていましたが色々と途中で終了。 「君のお母さんの主治医だった」というお医者様のお話あたりで終わって「お、終わってしまったー!」と軽いショックを受けました(笑) 2周目から一人にずっと話を聞いたり、夜にも会話があることに気付いて夜もきちんと調べたり…とプレアデスを探して本格的に色々と頑張り始めてからはノンストップで面白かったです! 貴婦人さんだけは探していても会えず、どうやったのかはまったく分かりませんが諦めかけていたら、ふと会えました…。 貴婦人さんの話し方がとても好きなので、お会いできて本当によかったです! 墓守さんと魔女さんにお会いしたときは「いよいよ核心だ!」ととても嬉しくなりました。 貴婦人さん探しが大変だっただけに、物語の核心に辿り着いたときはガッツポーズでした。 @ネタバレ終了 すべてが終わった後も、ふと住人の方々に会いに行きたくなる、もう少しこの世界に浸っていたくなる、そんな余韻を持つ作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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IDOLA(イドラ)パズルのピースを一つ一つはめていったらどうやら一枚の絵になったらしい…遠くから見てみたら、それがどんな絵であったのかに気付く―――そんな瞬間に似た感覚を味わえました。 そして、邦画を見ているような気持ちになれる作品でした。 @ネタバレ開始 これは感想を書くにも多くの言葉を連ねてはいけないタイプの作品だなぁ…というのが率直な感想です。 ゲームをプレイした方の数だけ解釈や見方がある、正しく「これはどんな絵に見える?」というタイプのストーリーが秀逸でした。 愛も真実も見ている本人のフィルターを通しているものがそうであり、またそうでもない。 自分と他者の真実が複雑に絡み合って、愛も真実も人の命さえも煙に巻くようにどこにあるのか分からなくなる…とても表現が難しいですが、本作は「受け取り手が感じたことがすべて」とも言える作品でした。 「愛」と名付けられているものでさえも私たちは「自分がそうだと思うものを愛としたい」、そのように名前を付けて自分の手元に抱き留めているだけであって、実際はなにが「愛」だなんていうのは誰にも分からない…本作は様々な視点を通じて一つの結末には結びつくものの、実際にはなにが「真実」というのは誰にも分からない、そして私が感じたことが「真実」の一つでありまたそうではないという…非常に複雑な気持ちになりました。 このゲームは何度もプレイすることで人間関係などが理解できますが、それさえもあくまで断片的に見たその人の人生を私というフィルターを通して解釈したものにすぎないというところが肝でした。 逆説的に「私たちはいかなる手段を用いても、登場人物たちの本心や考えには迫ることはできても本当の意味で知ることはできない」というジレンマ、これさえもが作品全体の味として溢れており、深いなぁ…と感じます。 最後のあの判決を見ていて、人の歴史というものは「大衆の真実」が寄り集められた不格好なパッチワークなのかもしれないなと感じました。 @ネタバレ終了 初めは何がどうなっているのかが分からずに混乱するところから始まった本作ですが、少しずつ物語の輪郭が浮かび上がってくると一気に思考回路が回りだす面白い作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!