神崎 ユウのレビューコレクション
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白無垢の決意誰かから誰かへの手紙を読むことによって物語が進む不思議な作品でした。 とはいえ、物語と云うのは物を語るものなので、地の文がなくとも、誰かへの思いを綴った言葉で成り立つんだなぁと読後にしみじみと感じました。 @ネタバレ開始 しんみりとした、淡々と進む物語ですが、お互いがお互いを想うその物語は哀しくも「決意」が現れていて、どのキャラクターも自分の信念と決意があるのが良かったです。 先に進むのに決意が必要。優司くんも「姉と別れる」という決意を持って医者になったんだなぁとか、兼継さんも自分の家に縛られないと云う決意から敬子さんに求婚したんだなぁとか、敬子さん以外のキャラクターも、敬子さんの白無垢をきっかけに決意をして先に進もうとしているところが、タイトルにも現れていてすごいなぁ…の一言しかありません! @ネタバレ終了 素敵な物語をありがとうございました!
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3MEN6P!面白かったです!と同時に物語の構成に困惑(いい意味で!!)しながら楽しめました! @ネタバレ開始 他の方のコメントにもありましたが、私も「面子ちゃんのお胸、尖ってない?作者様の絵柄…にしてはお母さんは違うし…?」と思いながらゲームスタート。そして「そういうことかー!」と理解。いや、発想がすごいw そして一度エンディングを迎えた後にタイトル画面へ行った時に気づく、先生の真顔のシュールさ。改めて見てもウケる。一番の被害者は先生…? 阿修羅になる前の面子ちゃんのおっとりした可愛らしさから豹変した面子ちゃんは「あぁ、かわいい面子ちゃんに戻れるのだろうか」と思いましたが、全エンディングコンプ後は、「阿修羅面子ちゃんかわいい」になりましたw @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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ウーバーエクスタシーアングラ感の漂う好みな感じの素敵なゲームでした。 @ネタバレ開始 最初の2回の二択で2回とも射殺されるという運の悪さを発揮しつつ、エクスタシーへ。 今度は一発でお客さんを見つけられたものの、外に出たらーー。 マトリのキャラクターが一番好きです。デザインも立ち位置も。 クライアントのトカゲさんも「半分」だけの美味しい野菜を運ばせるなんて狡賢い! 何にもわかっていなさそうな主人公も可愛かったです。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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猫ノ目のような世界で幻想的な背景と「羽ネコ」というなかなかない組み合わせのキャラクターに惹かれてプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 誰かの精神世界を描いた作品というのは多くあると思うのですが、誰かの負の想いから生まれた人格を持つキャラクターの物語というのは、余り見ない気がします。大抵、生み出した本人=キャラクターで、望むものは同じな気がしています。 「消えたくない」と言う彼らに感情移入をすると、プレイヤーとしては消えてほしくないと思うのですが、彼らを生み出した人からしたら、彼らに消えて欲しいと願っているーー。すごく、切ない気持ちになりました。 自分が消えることが、生み出した人のためになる…なんとも切ない。その気持ちになれると言うのは素晴らしい作品だと思いました。 エンディングで、彼らの元になる人々が紹介されているのも良かったです。彼らの消滅は、良かったことだったんだよね…と。 そして、クジラさんの包容力の大きさがキュンときます。クジラさん…好き…。 @ネタバレ終了 素敵な物語をありがとうございました!
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モノクローム・モノローグ二つの視点で描かれる、いつの間にかデスゲームと化した鬼ごっこゲーム。 このようなゲームは疑いながら読み進めていくのですが… @ネタバレ開始 最初の7番と5番のストーリーでは、「二人とも助かって!」と思いながら読み進め、最後5番と6番の視点に切り替わり、「あれ?」という状態に。 そしてその後のBefore/Afterパートで全貌が見え、なるほどと思えました。 楽しかったです。 この、二つの視点かつ前後編の物語構成は最後まで読まないと全貌が見えない感が好きです。 タイトルのA/BからBefore/Afterパートに変わる時も、タイトルデザインが素敵だし、犯人が色盲だとわかった後に手に入るバッジに色がついているところも演出として素晴らしいと思いました。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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パラドクス研究部の解けない謎のナゾとき楽しかった!とにかく楽しかったです! 謎解き要素もあり、パラドクスのネタになっている概念達も好きなものばかりでした。 「部活動」という舞台もとても良くて、置きノートにみんなが日記みたいなのを書いてて、それにツッコミを入れている、そんな楽しい青春も合わせて描かれているのが素敵でした。 みんなの筆跡が違うのも素敵な演出でした。文字に性格が表れている! @ネタバレ開始 第零パラドクスと第七パラドクスはハラハラしながら、自分も似たようなことを考えたことがあるなぁとか思い、最後まで駆け抜けました。 最後は、ハッピーエンドで良かったです。 きっと3人とも楽しい学生生活を送るんだろうなぁと。 @ネタバレ終了 素敵な物語をありがとうございました!
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キツネ耳つくも神に何故か付きっきりで看病される話タイトルと可愛らしい狐さん、そして冒頭で耳や尻尾をもふらせてもらえる…最初は、かわいいお狐さんとイチャイチャするゲームだと思ってました。 @ネタバレ開始 終局の1,2を終え、3,4を見たあと、なんと深い物語なのかと。 記憶を失った恋人を介護していると知った時には、風月はなんと寂しくて悲しい時間を過ごしていたのだろうと。 そう考えると、終局の1,2は酷く、酷く悲しいエンディングなんだと感じました。 ですが、終局4で「狐の嫁入り」の嬉し涙を見て、本当にグッとくるものがありました。 後日談では、花鳥の「想い」も聞けて泣きそうになりました。 @ネタバレ終了 素敵な物語をありがとうございました!
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ナニシテモイイコタイトルとメインイラストからは想像できなかった、とても、とても深い物語でした。 @ネタバレ開始 何はともあれ、イチコちゃんの母性が凄まじい! 最初から、何をしても許してくれる(勿論それは「人形」だからではあるけれど)その優しい言葉と声で母性を感じましたが、End1,2,そしてサブエピソードで「だからか…!」となりました。 イチコちゃんの声の影響なのか、物語にグッと入り込むことができ、プレイ後にはいい意味でどっと疲れた感覚がしました。 サブエピソードで、最後に首輪と指輪を受け取ったのが、バッチになっている演出もすごく素敵でした。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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フォーチュン・チャーリー!オムニバス形式で進む、6つの物語。 @ネタバレ開始 それはどれも救いがなくて、そもそも自分自身が一体何を本当に望んでいるのか解らない。 「本当の望みではない」と云うのは深いなぁと思えて、自分の本当の望みは欲望そのもので、その欲望を綺麗にラッピングしたものが「望み」として願っているのかなぁと感じました。 第七夜の物語の結末は、予想できないものでした。 「死なないために、過去の自分を正当化して生きる」。それを選択したチャーリーが愛しいです。 解説・裏話も読ませていただきました。 作者さんの「想い」がたくさん詰まっている感じがとても素敵でした! @ネタバレ終了 最後に、相変わらずの素敵なデザインセンスのサーカス団員さん達でした。 彼ら一人一人に個性があり(少ししか出てこないのに!と云うキャラもいて)、ちょっと黒めなサーカスではありますが、楽しそうだなと云う感じでした。 でもこのサーカスの団員にはなりたくない(笑)
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クリムゾンレッドの死神ハードボイルドな雰囲気がとにかく素敵でした。 ダイナーでのレオの幼い感じと、キャロルとの会話が可愛かったです。 そんなダイナーでの雰囲気とは裏腹に、ギャングとの抗争では激しい戦いが。 @ネタバレ開始 最初はレオを疑っていたキャロルが、段々と引き込まれていく様子や、レオが「生きる」ことを選択する様子が物語の中から自然に感じ取れて、ストーリー運びの素晴らしさに感嘆しました…! と、言いつつも、作中ではロキが一番好きでした。 主人公たちの言い分、感情もわかるし、ロキの言い分、感情もわかる。どちらにも肩入れしたい気持ちになりました。 最後、ロキがクスリに頼っちゃったところも、自分の弱さを認めつつ、それでも譲れないものがあるんだなって思いました。 後書きも拝見させていただき、その中に「ロキルートください」のお言葉があり、「それそれ!」と思いました(笑) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!