配給切符のレビューコレクション
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真夏の妖精あっづうい! 今年の夏はとても暑かったですが、こちらのお話でも暑さの夏を感じます。画面内では視覚的な情報が少なめでしたが、お話の描写からどんどん想像が膨らみました。己の拙い空想から引き出したとは思えないくらい、そのどれもが非日常的で幻想的な…そんな風景を脳裏に描かせてくれます。飛ぶアクアリウム、電子回遊魚、読めば読むほど惹きつけられるモチーフだらけです。 視覚情報といえば、登場人物の表情差分がひとつひとつ可愛い! それに場面に合ったBGMがどれも良くって、世界に没頭出来ました。 物語が終わってから読む教本もとてもよいものだ…マイ印鑑作りたくなりました。 作り込まれた世界観に飛び込んでみたい方におすすめの一作でした。
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Melty Amethyst短い時間でプレイ出来るので、とにかく今すぐ甘いもんを摂取したいぞという方におすすめの作品…! 分岐は一箇所のみでゲームとしてはあっさりした作りではありますが、乙女ゲームに必要不可欠な個性的キャラデザ・どきどき・盛り上がりがいずれも含まれていました! ほたるちゃんの個性的な外見にも理由があって、そして同僚花ちゃんもいいキャラクターで、それぞれ勝手にバックボーンを想像しても楽しくなっちゃうようなストーリーでした。主人公に感情移入するというよりは、もはや花ちゃん目線でそこら辺の壁に擬態して応援していた… 端々に出てくるエピソードがきちんと集約されていって、お話としてもとても読みやすいです。 主題歌やボイスも必聴…!
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無音の夏 Silent Summer長期休暇……旅行……こ、これはまごうことなき和風ホラーの入口だー! まさに「呼ばれている」といった感じで旅路に着きました。 全画面型のノベルゲームですが、非常に読みやすい画面構成と文章構成で、次へ次へと読み進んでいくことが出来ます。読みやすいとは言いつつもそこはホラー、真っ昼間なのにずっと不穏で進むにつれ雰囲気が増していき、一呼吸置いたりすることもしばしば笑 ノベルゲームホラーの利点は自分のペースで留まれるところですね。 「それ」に遭遇したときは、ウオオオオ走れエエエエとしか言いようがありませんでした。やはり武内さんのデザイン力はすごい。個人的にどちらのエンドも好きです。 余談ですが、少しお腹が空いているときにプレイしたので、最後のシーンでさらにお腹が空きました…たべたい…!
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えっ!俺以外みんな犯人!? ~半人館の殺人~サムネイルからは想像もできないようなすごい作品でしたねこれは…! 本当にこんな話が推理ドラマとかにあるんじゃないかと、そんな没入感でした。 ミステリーとのことで、登場人物の名前と肩書と…で序盤から頭を使うのでものすごく集中しながら読んでいたのですが、主人公の紹介が始まった途端に設定が面白い!といったん全部吹き飛びました(鳥頭) タイトルと概要欄とで、いったいここからどんなラストがくるんだ…!?と興味120%で読み進めました。 ルートから外れると直前の選択肢まで戻してくれるのがとても親切…。個人的にお話の側面が見えるのが面白かったので、いろんな選択肢で間違ってみました。しかし最後の選択肢は、本当に物語を推理する気持ちで選びました。読んでいる間でも登場人物を確認出来るのも親切! この人のこれは演技なのか? それとも素の反応? そんな疑問が次々浮かんでくる、素敵な本格ミステリー作品でした。満足度の高い一作だと思いますので、気になった方はぜひ…。 @ネタバレ開始 もう八木島さんの夢女子になっちゃうよこれはと思いながら読んでたんですが、ラストは本当にぞっとしました。将来起こるであろう事件がどのような内容になるのか、想像してみるのも楽しいですね…。 @ネタバレ終了
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月明かりと夜風のワルツ読みやすくてめちゃくちゃ可愛い! とても丁寧な作品でした。主役ふたりの柔らかい性格もあって、全体的にほのぼのした雰囲気ですが、どきどきしたりヒロインのリシュアちゃんが危ないシーンもあったりで…! 短編の読み物として非常に理想的です。 また立ち絵の多い差分や細かい動き、綺麗なスチルがお話を彩っています。キャラクターの機微が表情から伝わってきます…! 舞台が魔術を使う世界で、通常現代とは馴染みのない世界観なのですが、用語解説も完備されています。とはいえそこに目を通さなくても恐らく理解出来るくらいには“この世界にとっての魔術がどのようなものなのか”を作中で書き切っている印象です。恋愛だけでなくファンタジー要素が好きな方にもぜひ! @ネタバレ開始 キメどころで半べそなレナートくんがめちゃめちゃ可愛かったです。顔は凛々しいけど…!笑 感謝が止まらない気持ちわかるゥ… きっとこれから先も負い目とか感じて悩んじゃったりするんだろうなあと思いつつ、リシュアちゃんがすべてを成すときまで傍に居るんだろうなというのも想像に難くないですね。お幸せに…!!! @ネタバレ終了
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sigh全然ダブルデートの雰囲気じゃないぜ!!! 小心者の私は画面を手で隠しながらプレイするくらいに、怖い空間が存分に演出された一作でした…。 短いお話なのであまり内容には触れませんが、とてつもなく焦りながら画面をごそごそ触っていきます。 イヤホンをしてプレイすると縮み上がること請け合いです。 おまけまで見てみると、とても意外な展開にまたひとつ驚きました。概要欄にある「ご想像に委ねる度」の通り見えていない部分の想像は無限に出来ます、それはもう凄惨な想像になりますけれども… 記載されている通り短い時間でプレイ出来ますので、無性に恐怖を摂取したくなったときに非常にお勧めです。
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エフェメラは軌跡を描く作品を構成しているビジュアルが麗しいのも勿論、なんて説得力のある世界観なんだ…と簡潔でわかりやすい導入から圧倒されていました。 ジャンルに垣根なく展開されているのも深山さんの作品群の良さですが、今回のSFファンタジー分野もクオリティの高いものになっていますね…! そして、すごくきゅんとします。年の差はいいぞお。 以下は内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 この世界は地球がすでになく、似た星・ウトビアで暮らしている人類の感情がネビュラという宇宙ステーションで管理されています。 明かされてくる設定やミニゲームが終盤で展開の軸になっているのもすごいポイント…。 あんなに念を押されていた場所にガンガン入っていくチガヤちゃんの勇ましさよ。この冒険心と瞬発力が彼女の魅力ですね! 個人的には何らかの方法でナノチップを悪用してる奴らのストーリーも見てみたいです、理事長このやろう。 そして終わり方もタイミングも妄想が捗っていいなあと思いました。初めて会ったとき、シェイドさんはどんな気持ちでそばにいるって言ってくれたのだろう…! @ネタバレ終了
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変な意味怖こういうのがもっとやりたい! そんな感じで一気に読了しました。 雨宿りんさんの表現はいつも独創的で、想像のはるか上をいく作品だらけなので、今回もかなり期待してプレイしました…! まず起動してからの雰囲気がすごい…一体どの辺りが変になるんだ…!?という期待もありつつ、作中の操作も遊び心があって、ゲームとしても面白い一作でした。定期的にオワアッ!!となるのも癖になりそうだ… 解説も付けてくださっているので、こういうことかな?と考えながら進めるのも楽しみのひとつになります。 あとおまけがめっっっっちゃいい。おまけまで見るんだ。 あまり内容は書かない方がいいと思いますので、気になる方は是非プレイして頂ければと思います!
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Memory:VoidAIを題材にした物語は多くありますが、こちらはその中でも神秘的な雰囲気のある作品です。ヴォイドさんが語り掛けてくれて、「確かにそうか~」と思ったり、ちょっと訝しんでみたり…本当に対話しているかのような気分になります。 イラストもとても綺麗で、気がつくとジッとお顔を眺めている時間がありました…つい見とれてしまう…!(Live2Dも使用されていてとても丁寧です!) ED分岐に関しては一箇所ですが、それぞれ選択肢は多くありますので、ひとつずつ確認してみるのも良いかもしれません◎ どちらのEDもその後が気になる…!
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銀雪の呪福しっとりとした上質な読み物、という印象の物語でした。概要を読んだりオカルトのタグを拝見した限りでは、そういう類のお話なのかな? と思っていたら、意外にも集落へ訪れた主人公は熊退治の手練のようで…? 短いお話なので詳しい内容については割愛しますが、その中にもいくつも見どころがあり、「どこで分岐するんだろう…」と思い始めたくらいに衝撃の展開になりました。おかしい視界がぼやけるぞ… 読んで損はない物語だと思いますので、是非プレイしてみてください。