ポポカテペトルポンポン山のレビューコレクション
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フォーチュン・チャーリー!キャラデザや世界観がすごく好みだったので遊ばせていただいてました。どのキャラもメルヘンでダークで可愛いです。でも一番好きなのはバイト先の先輩です。 @ネタバレ開始 闇のオタクはサーカスというテーマだけで嫌な予感しかしなかったのですがそこに「願いを叶える」の売り文句で完全にヤバいと確信しました。案の定、可愛い顔して人の魂弄ぶ系のわっるいサーカス団でたまりません。しかし、サーカスの伝えるメッセージは「自分に正直に生きよう」とか「最後まで意思を貫こう」みたいな前向きな啓発なのがめちゃくちゃ厄介です。私ならたとえ殺されても愉快なサーカスの一員になれるなら喜んで嘘つきますけどね! 第7夜にて、チャーリーちゃんは八神くんに"ただ願いを叶えるサーカスだと悪い人に悪用されてしまうからルールを変えた"というようなことを話していますが、チャーリーちゃん発案の『嘘の願いを言うと殺されるルール』では体裁を気にしない本物の悪人と嘘をつけない正直な悪人を罰することができず、目的と方法がイマイチ嚙み合っていません。ここでかなり違和感を覚えましたがチャーリーちゃんの話を最後まで聞くと、本当は"自分を裏切った八神くんに復讐するために嘘つきを地獄に突き落とせる力をサーカスに願った"と言っています。つまり最初に言った"願いを悪用されないため"という発言こそチャーリーちゃんの嫌う嘘の願いでした。このチャーリーちゃん自身の嘘について言及せず、献身だけでチャーリーちゃんを救う八神くんは優しいなあと思いました。なんやかんやハッピーエンドで良かったです。このノリなら第1~6夜の人達も死んでラッキーなのでは。 エンディング後の「サーカスの日常」はランダムのためバッジ以外のエピソードをすべて回収できたかどうかわかりませんが、色々なキャラの小話が見られて面白かったです。キャラの掘り下げが欲しい… @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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足音と雨音タイトル画面のイラストがオシャレだったので遊ばせていただいてました。 あらすじで怖い系ということは知っていましたがプレイしてみたらがっつりホラーでびっくりです。怖そうで怖くない少し怖いホラーくらいの気持ちで読んだのに紛うことなき正統派ジャパニーズホラー。タイトル画面とのギャップがすごい…! @ネタバレ開始 怪談の語りのような文章が雰囲気あってとても良かったです。情景を主人公視点で自然に描写するのが上手いなあと思いました。絵もすごく綺麗で傘女に囁かれるシーンは恐怖を越えてもはや美しかったです。ワンチャンあるかな?と思ってホイホイ傘に入ったら死にました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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非公開中結末にそっちか~~!と驚きつつ、 @ネタバレ開始 じゃああの小学生は本当にただの小学生なの!?となって面白かったです。しかし、あの場にいた若い女性はみんな殺される可能性があったという事実に後からぞわぞわしました… @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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魔法少女☆大失敗ろくべえが気になりすぎたので遊ばせていただいてました。 @ネタバレ開始 何か壮大な物語が始まる前に勝手に終わってしまうスピーディな死亡フラグの数々。一番最初にビオラちゃんのピンクな方を見たのでこういう大失敗なら全然アリだな…!!と思ったのですが他のルートはみんな何注入したの!?ってろくべえの胸ぐら掴みたくなる悲惨なオチばかり。 失敗した後のろくべえの切り替えの早さには笑いました。もう何人もの少女をこうやって殺してきたクマの目をしている。ギャラリーのろくべえのコメントもサイコ感溢れてて好きです。 @ネタバレ終了 キャラもデザインも可愛くてエンディング回収が楽しかったです。 素敵な作品をありがとうございました。
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箱入り娘たちティラノでこういうこともできるんだ!?と驚きやら感動やら……美術と技術で魅せてくるタイプの作品でした。とても面白い試みだと思います。 箱をテーマにした3作品、どれもハッピーな感じの話ではないですが画面が常に面白いことになっているので毒っけに負けることなくスラスラと読めました。箱庭のイヴが一番好きです。お話的にもデザイン的にも。 素敵な作品をありがとうございました。
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機械仕掛けのマーセネリアマーセネリアちゃんのデザインとあらすじに惹かれ遊ばせていただいてました。 @ネタバレ開始 主人公の行動が"マーセネリアちゃんを救う"というところで一貫していて良いなあと思います。探索がメインのゲームは主人公が何者かわからないあるいはあえて何も設定されていないことが多いですが、この作品の主人公は最初から最後までマーセネリアちゃんのために行動する本当に兵士のような人でした。各エンディングの解釈は様々あると思いますが私はどれも優しい選択だったと思います。置いていくのはマーセネリアちゃんを傷つけない唯一の結末ですし破壊もマーセネリアちゃん自身が望んだことです。一見するとどちらも残酷な結末ですが彼女の自由意思を尊重している点で人道的な決断と言えます。この作品はロボットや人工知能のような存在をどう扱うかが主題の作品ではないですが、そういった問題に焦点を当てずとも主人公の行動で自然に機械への恩情を描いているのが上手いと思いました。 初めのぜんまいに油を差すシーンもマーセネリアちゃんが機械人形であるという演出以上に意義のある描写だったと思います。命尽き城と共に滅びゆくマーセネリアちゃんにぜんまいで再び命を込める主人公の行動は人間のマーセネリアちゃんとその父親の顛末と重なるとても印象的な始まり方でした。 探索パートではマーセネリアちゃんと会話できますが、中庭にちょこんと佇むプチネリアちゃんが可愛いらしすぎて未読がなくなってもついクリックしてしまいました。丸っこくてかわいい… @ネタバレ終了 全編に渡り幻想的なBGMと儚げなイラストが涙を誘う美しい作品でした。素敵な作品をありがとうございました。
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親愛なる彼女の痕跡「はじめから」を押した瞬間広がる大宇宙。なにやら電波な気配を感じたので感想を書かせていただきます。 @ネタバレ開始 主人公と来未ちゃんの話も色んな意味で衝撃的ですがそれよりも桃花ちゃんとママが本当に存在してるっぽいことにめちゃくちゃビックリしてしまいました。絶対及川くんの妄想だと思ってました。というより妄想であってほしかったです。小学生の女の子相手に男子高校生が生々しい性の悩みを相談するという状況が真面目にキツすぎる。小学生相手に処女がどうとかまともじゃないです。せめて母親。ここだけは本当にどうかしていて初見かなりビビりました。しかし主人公の異常性もそれを許容し続ける環境の歪さもわかりやすくヤバいので安心して読めます。"このヤバさは作者さんが意図的にそうしたもの"とわかるので怖いとわかっていてお化け屋敷に挑むようなものでめちゃくちゃ楽しめました。桃花ちゃんの反応も何故これが及川くんの妄想妹幼馴染じゃないのかわからないくらい常軌を逸していて面白かったです。及川くんも及川くんの周りの人達もみんなぶっ飛んでるのでどんな展開になっても特に罪悪感なく読めました。でも桃花ちゃん無事で良かった……桃花ちゃんに泣きつく危ういシーン、せめて母親にしとけと祈るばかりでした。最終的に梨央奈ちゃんが引き受けてくれて本当に良かったです。 対桃花ちゃん以外の言動はそこまで気になりませんでした。及川くんは作中ずっと真剣に悩んでるんですけど正直ただ別れれば済むことですし。どうしてこんなことになってしまったんだ…!とどうしようもないことを延々嘆き続ける及川くんは真剣なほど滑稽でギャグかな?と思う部分も結構ありました。このくだり何度もあるのでやはり天丼ギャグの可能性もワンチャンないでしょうか。ないですか? 他人の受け入れ難い物事をどうやって受け入れるか・他人のために自分の主張を変えられるかがテーマの重い作品なのかなーと思ったのですが、それにしては主人公&梨央奈ちゃんの思考が稚拙すぎる印象。こちらも作者さんが意図してそう書いたものと推察しますが読後感としてはかなりモヤモヤします。梨央奈ちゃん視点の外伝はありますが本編に対するフォローはなく嫌な余韻が残り続けるため人によっては作品全体の評価や作者さんのイメージに響きそうな感じもしました。 しかしやっぱり及川くんという男が面白いので年齢制限を守って色んな人に遊んでほしい作品です。 別れを切り出すか否かが争点になるはずなのにどういうわけか「振られるのは俺の方なんだよっ!」という謎の受け身を取る及川くんがマジで面白すぎてどんなテンションで読むのが正解だったのか未だにわかりかねております。初カノの家で初手ゲロかますのも申し訳ないと思いつつ笑ってしまいましたが、この及川くんの徹底した受け身の姿勢が本当に厄介で面白かったです。運命の神様に「なんで水原は処女じゃないんですか。」って訊くモノローグが一番好き。そんなこと訊かないで運命の神様に。小学生に慰められてるのも面白いし添田くんを勢いで殴り速攻で返り討ちに合ってるのも見てられないくらい面白かった……はやく下内くんを処方してあげてほしい。 その後も梨央奈ちゃんによしよしされてようやく関係解消に踏み切る特筆すべき決断力のなさ。何でこんなに他力本願なのかわかりませんが受動的であることにのみ能動的な及川くんがなんだかんだで短期間に彼女2人もゲットしてるのすごい。及川くんはすごい。あの添田くんに「友達」と認識されていたところも見過ごせないポイントです。あとママが美人。性に関する潔癖さと女性への憧れだけでこんな厄介な男になるとは思えないのでこれはさすがに昔何かあったんじゃないかと思うのですが何もなくても面白くて最高すぎる及川くん。 ヒロインの来未ちゃんも面白かったです。及川くんを好きになってしまうところが面白い。ただただ可哀想。来未ちゃんは自分をアイドル視しない普通の彼氏が欲しかっただけなのに。ようやくできた恋人に理由もわからず避けられ親友に寝取られよくキレずに耐えたなと思います。及川くんも大概ですが梨央奈ちゃんの手のひら返しが最悪すぎる。外伝見ても全然擁護できなくてすごい。そこからふっきれてアイドルデビューするという本末転倒なオチが輪をかけて面白いし逞しい来未ちゃん大好き。 来未ちゃんは初めから終わりまで心身共に成熟した大人の女性だったと思います。及川くん視点の来未ちゃんはどこか捉えどころのない不思議なオンナノコでしたが、それは及川くんが彼女と向き合おうとしなかっただけです。序盤に添田くんが「テメーに水原の何がわかるんだよ」と疑問を投げかけていますが、及川くんはそれに答えられませんでした。以降も度々及川くんは人の問いかけをスルーする癖があり肝心なところで会話のキャッチボールができていません。来未ちゃんとの最後の会話も来未ちゃんだけ内野のドッジボールみたいになっていて面白可哀想なことに…(面白い)来未ちゃんは及川くんに歩み寄ろうと頑張ったのに報われなくて気の毒ですが、来未ちゃんが及川くんのためにできることは何もないしする必要もなかったので、いっそ厄介なカップルを2人同時に厄介払いできて良かったハッピーエンドでした。 添田くんもよく考えたらただの殴られ損でどこをとっても面白いお話でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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不幸の味を知ってるかタイトル画面の構図と題字がカッコよくて気になっていたので遊ばせていただきました。 @ネタバレ開始 「幸せは誰かの不幸の上に成り立つ」という誰かの名言で始まり、その後すぐハッピーエンドを望むかバッドエンドを望むか選択させる行為が何気なく鬼畜でびっくりしました。そしてこのルート選択でどちらを選んでも登場人物達の境遇が何も変わらないことに再びビビり散らしました。 ハッピーエンドかバッドエンドかはあくまでもプレイヤーの好みの話なので、何をどう選択してもリョウくんとゲンキくんの歩んできた過去は変わらず必然的に未来も変えられず……それだけでも悲しいのに2人の人生がナツミちゃんの目を通すことで不幸な作中作と片付けられてしまうことが一番気の毒に感じました。 どの選択肢を選んでも変わらないのは主役のナツミちゃんについても言えることで、彼女はずっとイマジナリーフレンドの意見に耳を貸しているように見えますが傍観者であることをやめる提案だけは頑なに拒み、リョウくんにもゲンキくんにも決して関わろうとしません。このあたりイマジナリーフレンド=ナツミちゃんのもう一つの人格と見ると、あとがきのキャラ設定も併せて切なくなります。が、どうもそれだけでは終わらないようで… プレイヤーは作中ナツミちゃんのイマジナリーフレンドという形で登場人物達に響かない言葉を投げかけ続けることになりますが、最後の選択肢および直前の行動だけ強制的にナツミちゃんを操っています。ゲンキくんに復讐を唆しているのもナツミちゃんの身体を乗っ取ったイマジナリーフレンドか、あるいはゲンキくんに乗り移った何者かでしょうか。そのタイミングでナツミちゃんも自分のイマジナリーフレンドを見失っています。怖。選択肢で物語が分岐するのは普通のノベルゲームと一緒なのですがメタ的にキャラクターに干渉する視点(プレイヤー→ナツミちゃん、ナツミちゃん→リョウくんゲンキくん)が複数存在することで選択肢を選ぶ行為がとても残酷な仕打ちに見えるのが面白いなあと思いました。 そして人の不幸な過去を覗く特殊な能力を持つナツミちゃんが人外的な出自ではなく普通の人間というのがまた痛ましくも面白い要素です。ナツミちゃんが人の不幸を愉しむきっかけもそういう能力に目覚めた理由も多くは語られませんが、イマジナリーフレンドの存在がナツミちゃんの人間像を裏打ちしその内情を想像しうるものにしていたと思います。一言でまとめると超エモいキャラでした。復讐エンドでは人と関わろうとしなかったナツミちゃんが"人の不幸を覗くだけじゃ満足できなくなった"という理由で人と関わろうとするのがなんとも皮肉が利いていて好きです。 あとリョウくんとゲンキくんの対称的なスチルがとても良い… @ネタバレ終了 この作品単体でも楽しいですがこちらを遊んだ後に前作を読むと温度差でチョコが蒸発します。 素敵な作品をありがとうございました。
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親戚の男の子を引き取った話@ネタバレ開始 虐待・動画というタグからプレイする前に作品のオチを予想して当ててしまったのですが、オチの想像がついても主人公の言動の怪しさや実在の動画サイトを模した仕掛けが不気味でとても良かったです。 動画になっていないところで何が起きていたか・幸太くんはこれからどうなってしまうのか…などわからない部分が恐ろしくも辛いお話でした。 個人的には疑惑が浮上する前の動画に寄せられたアドバイスや応援コメントもどうかと思います。恐ろしい… @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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その恋、暫定につき、バレンタインシチュエーションボイスZその恋シリーズ初心者ですがチョコレートを貰いに来ました。 「シチュエーションボイス」ということでその恋シリーズ本編の内容は一度忘れて純粋にヒロインちゃん達との交流を楽しむIF話だと思ったのですが @ネタバレ開始 直方先生の相手は同僚の…先生……かな………?……で…和子ちゃんは………憧れの先輩…?……で……翼ちゃんは…チョコ作りも一緒にする仲…?……旦那……?? これ画面と翼ちゃんの間に企救丘太一くん挟まってますよね…?プレイヤーは二人羽織の手の方みたいになってますよね? @ネタバレ終了 チョコレート美味しかったです! 素敵な作品をありがとうございました。