SHIAのレビューコレクション
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地獄みてぇな話「あの世に地獄があるかどうかなんて戯言を真に受けるな、私たちのいるここが地獄だ。」 どこからかそんな声が聞こえてきそうな、本当に「地獄はココニアル」話でした。 このねじくれ曲がった人間の性、何を交配させて煮詰めて産み落としたらこうなるの?と言いたくなるような、人間の心の歪んだ機微がこれでもかーこれでもかーまだ足りんかーほれ追加ー!!と怒涛の押し寄せで全ての幕が下りる、このテの話が大好物パクパク系の人種にとっては大変素敵な一時を過ごさせてくれる作品です。 注意書きのとおり苦手な方や精神的にちょっとキてる時期など万人にオススメできる作品ではないですが、ヤンデレー!!メンヘラー!!サイコー!!な人にとっては是非プレイしてほしい、デカダンスな逸品でした! 話がすべて繋がっているのも「なるほどー!」と思いました。 プレイ順はどの順番でもいいかと思うのですが、上二人を左から右、下二人を左から右へプレイしたので話がすぐに繋がってスッと入ってきました。 4人を一通り見た後の展開も楽しい作品でした。 ありがとうございました!
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winding road約3分で読める短編で、選択肢を選んだあとで選択後の結果(ED)に至った部分を「こんな感じのことがあったのだろうなー」と想像したゲームでした。 @ネタバレ開始 主人公に何があったのかは分かりませんが、日常に何が起きていたかはEDを見て一瞬で理解したので、グッドエンドのほうは主人公がDVを行わないための更生プログラムや支援プログラムなどに参加してセルフコントロールの道を模索したと思われるという意味で「険しい道」だったのかなーと思いました。 楽な道は今まで通り自分の脳みその反射で妻を殴り、ついには殺害にまで至ってしまった、あるいは妻が自殺してしまった……というDVが行きつくところまでいきついてしまったパターンでしたので、主人公からすると確かに楽……なのかな?と思いましたが、最後に植物人間になっていたのは妻の殺害後ないし自殺後に後追いか何かでもしようと思ったのでしょうか~という部分が謎で、色々と想像の余地があって面白かったです。 @ネタバレ終了 くまの人形やお姉さんに何かしらのメッセージがあったのかな…と思いつつ、現実にはこのゲームの内容のようなことは減ってほしいなーと思いました。 最初の選択肢の意味不明さが良い意味で面白かったです。ありがとうございました。
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This one,(I mean).約3分で読めるショートストーリーの見せ方が秀逸な作品でした。 グラフィックが極限までシンプルなのに、その場その場で何を表しているのかが分かるようにできていて、物語の内容とともに変化する感情の機微に触れることができました。 タイトルの意味も初めは「なんだろう?」と思っていましたが、最後まで読むと納得でした。 極めてコンパクトかつシンプルなのに「よくまとまっていていい作品だな」と思いました。ありがとうございました。
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雫夕陽のもたらすエモさに頼らずとももう物語全体がエモい、とても胸きゅんなお話でした。私もこんなふうに撫でられてみたいし、こんなふうにこんなセリフを言われてみたーい!!と思いました。 ぼっちな私が黒歴史のような学校生活の中でも先輩との確かな絆を感じられる距離感が、会話や先輩の仕草などから滲み出ていて「こういう話、好き……!!」となりました。 先輩の最後の顔は反則すぎて困ってしまう~~(なんで) わずか数分の話の中で心にくるものがあり、エンドクレジットの二人の様子には微笑ましささえ感じました。 出逢いがあれば別れもある……その中での恋もきらめく青春、いいですね! 素敵な作品をありがとうございました!
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わたしのなつやすみそういえば、1999年にはそういう予言があったらしいなーというのを思い出しました。 詳しい内容は覚えていませんが、結果の部分は覚えていたので「なるほど、夏休みの宿題ではないけれど、それが夏休みにすることかー」と選択肢はどちらにしようか天国と地獄でしたので、しっかりセーブもしておきました。 @ネタバレ開始 夏休みに出会った少年が人類の命運を分けることになるとはーと思いましたが、絶対にないとは言い切れないのが世界の面白さでもあるので、現実世界では物語のようなことが起きないことを願うばかりです。 人類だけが滅びるなら、確かに蝉は鳴いているかも!と思いました。 そして「わたし」とは果たして何者なのかと思いました。 観測者のような立ち位置と、神のように万物に対して行使できる力を持つ「わたし」とは……謎が謎を呼んで読了後も気になりました。 @ネタバレ終了 もし続編などがあるのなら「わたし」について知りたいなと思う、不思議な作品でした。ありがとうございました。
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エソラノコトすべてのシーンで「エソラノコト」だけが持つ透明感が心を撫でる、やさしくも切ない短編でした。 読み終わった後は、夏のあの快活な暑さと活気の終わりに見る晩夏の気持ち、「ああ、夏が終わるんだなぁ…」とほんの少し後を引く気持ちに近いものを感じました。ノスタルジーが一番近いかもしれませんが、それにのみ絞るとせっかくの感情が限定されてしまうので、一番近いで。感情に明確な名前を与えたくないくらい、感じるものがありました。 @ネタバレ開始 立ち絵をそのまま真ん中に表示するゲームには絶対にできない、画面に見る主人公とエソラさんの立ち位置が生者と死者の絶対に超えることのできない距離をそのまま表しているようでもあり、物語が進むにつれてその距離がもどかしいほど切なかったです。 触れたいのに触れられない距離にいるエソラさんの、その絶妙な按配が「ああ、そうか……この夏の先にはエソラさんは……」と胸に迫りました。 でも、眼鏡は確かにそこにあるんですね…。 @ネタバレ終了 夏のみが持つ美しい空のイラストも大好きです。天使の梯子は現実の事象としても大好きなので、特に大好きです。 最後になりましたが、撮影した後でエソラさんにお耳を付けたりするのがとてもかわいかったです…! エソラさんに会えたこと、このゲームに出会えたこと、物語で感じたこと、すべてを忘れたくない…!そんな素敵な作品でした。
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シラユキ探偵とクロネコ助手 アイドルオーディション殺人事件とてもかわいらしい絵やUIからは想像ができないしっかりとしたマダミスで、最後まで楽しくプレイさせていただきました。 ロゴがかわいくて、もうこの時点で期待度MAXでしたが、実際にプレイしてみたら続編の期待度測定不能に!! 一番初めにとってもかわいい始まりのメッセージが来るので、これからウフフキャッキャッなカフェでのドタバタ恋愛ストーリーでも始まりそうな予感なのに、始まったのは本格的なミステリー!! このギャップもたまりませんでした。 約30分の短編ですが、しっかりとミステリ……グイグイと引き込まれて、そしてラストが……!! @ネタバレ開始 キャラクターも一人一人とても魅力的で、なんとなくそうだろうと予測していたキャラが最終的に「完全にドМじゃねーか!!」なことになったりもして、色々な意味でキャラに対する複雑な気持ちにもなれました(涙) インビジブルでも思いましたが、水原さんの書かれるお姉さんキャラはとても魅力的で、大好きです。私も唐揚げほしい(共食いじゃないか) 寧子さん、瓦を4枚割れるのはすごい……!! あんなにかわいくて華奢なのに、瓦パリーン!!できるし、なんなら頭突きからの回し蹴りや踵落としのコンボまでできる強さも持っているなんて。怖い顔をしているときのゴリッゴリの追い込み度の容赦のなさが好きです。 しかも、立ち絵の猫目のかわいさは尋常じゃないです!! @ネタバレ終了 続編が今からとても楽しみです!! お客様と雇い主様は神様!!(にゃーん)
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【無料キャラガチャ】ダイエンガチャ某ソシャゲで盛大に諭吉が逝った後だったので、安心して一心不乱にガチャが引ける本作は正に超良心の塊、無限無償ガチャ…!! 控えめに言って無限ガチャ最高に無限に素敵!! ガチャガチャガチャ!!! 嬉しいぃぃぃ!! 回し続けるぞー!! ゆうれいさんのカッコイイ&カワイイキャラたちをお迎えしまくるぞー!! (これがガチャ沼に浸かり続ける廃人のメンタル) ティラノでガチャが引けるのもすごいですが、ラノベ制作ゲームでこれほどのシステムを実装できるなんて、ゆうれいさんの技量にも脱帽です! ゆうれいさんのゲームはいつも素晴らしいアイディアに満ちていますが、ガチャ沼の住民である自分には、このゲームは爆死沼後の癒しになりました(笑) 楽しいガチャを引かせてくださり、ありがとうございました!
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暗がりビオトープ舞台となるゲームセンターに行ったことがなかったので、今回よい機会だと思い、当時のゲーム機などを保存している施設へちょっと行ってみました。 とても大きな筐体の様々なレトロゲームをたくさん眺めて、実際にプレイできたので触れて、それから再度ゲームをプレイしたところ、雰囲気などがグッと自分の中に入ってきていて、アングラ臭が少しするゲームセンターという一つの筐体(筐体と言うには少し語弊があるかもしれませんが…)の当時の賑わいが肌で感じられるようでした。 TIPSには大いに助けられつつ、TIPS内も半ば異界語と化していたので、一つ一つの単語を調べるなど謎解きゲームのような楽しさもありました(たぶん詳しい人や世代の人からすると知っていて当然なのかもしれませんが……) 独特の雰囲気を持つグラフィックに読みやすくまとまった文章がマッチした、昭和の空気を感じられる素晴らしい作品でした。 登場人物では、主人公と深くかかわってくる桜庭さんとミホさんが好きでした。 物語の終わりが一番良いところで終わっているので、もう一齧りしたかったという按配の絶妙な余韻が好きです。 先日Twitterで公開された桜庭さんのイケメンすぎるイケメン度に度肝を抜かれながら、こんなイケメンがいるのならイケメンを見るためにゲームセンターに行ってしまうのもやむなし…!!と、再プレイ待ったなしでした(笑) シャドウ立ち絵だった桜庭さんが私の目にはフィルターを通してきちんとカラーなイケメンに…!! 世代がズレているので「ああ懐かしいなー」というのは残念ながらありませんでしたが、こういう時代があったんだなーと感じられる素敵な物語でした!
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ロベリアの/嘘タイトルの雰囲気からとても気になっていた作品です。 公開後にすぐプレイしたのですが、話の重みや展開に「よし、ちょっと落ち着こう」と一度寝かせていました。 @ネタバレ開始 魔女と呼ばれる女性と、魔女を狩りに来た青年の他者にはきっと理解できないであろう、もしかしたら当人たちも自問自答を繰り返すような関係でありながら、決して断ちえない感情や絆を感じました。 ラストはその後どうなったのか…色々と思いを馳せる余地があり、心の着地点に悩ましい作品でもありました。 大団円ハッピーエンドはないと分かっていても、やるせないものがあります。 @ネタバレ終了 独特の肌触りがある作品で、短い物語の中にも詰められた「人の持つ性」を垣間見られる素敵な作品です。