染居 衣奈のレビューコレクション
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贋作のゆりかご。短いお話なのにぐっさりとメッセージが刺さる作品でした。 淡々とした口調とクラシックBGMがよく合っていて、まるで美術館で芸術を語られているかのように錯覚してしまいます。 彼女の犯したことは明るみに出ず、これからもゆりかごから出ることはないのだろうなあなんて思いました。 素敵な作品をありがとうございました。
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too late but多くの方、とくに創作者の方が推薦されるお気持ちがよくわかりました。 自分が創作する意味は何だろうと考えさせられます。 @ネタバレ開始 個人的には自分の死後に興味はないですが、創作が伝わり続けてくれるのなら自分の生死に関係なく嬉しいだろうなと思います。主人公が地道に書き続けてきたことが報われて(死後であったとしても)良かったなと自分は思いました。 また埋もれていくものを「地層」と表現されているのが印象に残りました。どんどん上に積み重なって人知れず見えなくなってしまうけれど、ふとした拍子に露出して、到底体験し得ない遥か昔の時代を教えてくれるもの、それが地層で星の財産だと思っています。編集長によって発掘された主人公の小説の権利が病院へ寄付され、主人公の手を離れてたくさんの人の心へ届けられるのに重なりました。(作者が故人であるが故、きっと読み手によって解釈が分かれて議論になるであろうところとかも笑) あと全然関係ないですが「終活のこと考えよ……」って思いました笑 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました。
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彼岸の蟲小説を読んでいるようでいながらイラスト絵も綺麗にはまっている、そんな画面の構成が雰囲気に合っていて素敵でした。 ホラーは雰囲気とのことですが裏世界?のなのはさんの台詞など読んでいて結構怖かったです。 @ネタバレ開始 途中、駄目だとわかっていても降りてみたくなる田舎の線路……笑 最後にタイトル画面の沙華ちゃんが笑ってくれてプレイヤー側もにっこり!でした @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうごうございました。
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手紙の先には
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初恋の後悔先にプレイした未完の後悔がとても印象に残りましたのでこちらも絶対に!と思っておりましたが、他の方の感想から「これは腰を据えて読んだ方が良い」と判断してタイミングを図り……ようやく読めました。いや、こちらもすごい作品でした。 1人の少年が大人になるまでをこれ程リアルに書いているのに途中全くだれることなく、最初から最後まで一気読みしてしまいました。何か大きな事件が起こるわけでも、特別に嫌な人間(悪役)が登場するわけでもない。主人公の心の動き、成長を、ひたすら緻密に描いています。自分自身は主人公のように深く洞察せず脳天気に生きてきましたので、はっきり言って1人の人間についてここまで想像したことがありませんでした(全世界の思慮深い方に対して申し訳ない!)。何というか、新しい世界を覗いた気分です。また、人を好きになる、ということの難しさについて改めて考えさせられました。自分で創作をしているとつい気軽に(笑)恋愛要素を入れてしまうことがあるのですが、少し反省しました。 ある程度まで読むと感じますが、主人公の玉木君は本当に高校生活に恵まれましたね。もちろん一番は小学校で司に出会えたことでしょうけれども、ターニングポイントは高校生活を満足して終えられたことなのかな、と。斜に構えた高校1年生だった彼が、卒業式の日にわざわざお世話になった先生を探し回って挨拶するシーンは、こちらも彼の成長に胸がいっぱいになりました。思わず自分の高校時代、友達や先生のことを思い返し、自分のその頃は精神年齢5歳だったなとこちらも反省(笑) 大した感想を書けなくて申し訳ないばかりです……。主人公の心の動きに合わせて、読み手の心まで揺さぶられるような、素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
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てんがいちかく素晴らしい作品でした……。 もんだいがあるを先に遊ばせていただき、非常に面白かったのでこちらもDLしました。 起動してすぐ、コンパクトなウィンドウサイズやメモ帳風のメニュー画面、フォント、それに合わせったセーブ・ロードの表現など非常に細かいところまで行き届いたデザインだなという印象を受けました。 そしてお話が……すごかった……。乙女ゲームのタグがついていますが、パンチの効いたシナリオの乙女ゲームが好きな人にはバチクソ刺さるかと……。 @ネタバレ開始 はじめの病室ループから抜け出せずに「でもこの作者さんがこれで終わるはずない」と何度も始めるを選び続け……それがフラグだったんですね。諦めないでよかった……! 進んでからの、おまえは誰だ、に震えました。そこからは怒涛の展開でした。 主人公、かっこいいですね。彼がストーカーするのもわかる(わかってはいけない)ような。 毅然として彼の押し付けを撥ね退け、誰にも自分の業を奪わせない。辛い環境だったにも関わらず強すぎます。そして孤高すぎて痛ましい……と思うのも烏滸がましいですね。 実はタイトルのてんがいちかくの「ちかく」がどうしてもわからなくて……き、気になる。 @ネタバレ終了 作品の素晴らしさを伝える語彙力がなくて申し訳ないばかりです。 発想が天才すぎます……。作者さんのファンになりました。
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難儀な哲学者深夜になったのでプレイさせていただきました! ロボット達のお話ということで無感情・無機質なテキストを予想していましたが、なんともユーモラスかつテンポよく進んでいく楽しい会話でした。 そして隠しEND難しかった……! しかしどうしても見たい!の一心で何周もし……結局攻略に頼ってしまいました笑 このムキになって探しまわる感覚、「ゲームを遊んでいる」という感じで懐かしくも楽しかったです。 素敵な作品ありがとうございました。
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ショートケーキ短い作品なのに余韻が残り、思わず両END2周ずつ読んでしまいました。 はじめ、食べる➡食べないの順で見たのですが、食べないの後でもう一度食べるを読むとまた切ない……。 @ネタバレ開始 また行こう、とは言ってないんですね……。 @ネタバレ終了 素敵な作品ありがとうございました。
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〇〇って知ってる?発想が面白い! 選択肢でホラーを回避し、主人公を守ってあげるゲームです。 途中、結構選択肢が細かかったので本当に主人公を導いてあげている感じがしました。 @ネタバレ開始 なんとかして恋愛ゲームへ持っていこうとするの笑いました。 たしかにイケメンを登場させておけば恋愛イベントが起きる気がする……! 夜の学校へ行ってしまった時点でホラーは不可避と思いましたが、まさかの幼馴染み恋愛ものへ辿り着く大逆転に感動しました。 @ネタバレ終了 面白い作品ありがとうございました。
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とある温泉宿にて全END見ました! 昨今の世情では難しくなった旅気分を味わいつつ、若干のホラー要素もあって楽しめました。 @ネタバレ開始 トゥルーENDと直前のもうひとつの分岐のENDを見て、そういうことか!と。 あの温泉宿自体が不思議な魔女や眷属(?)達の集まる場所だったのですね。 主人公と猫のミキも晴れてその仲間入り……ということで今後さらに不思議な事件に遭遇する予感がしますね。 @ネタバレ終了 個人的には、同僚女性が嫌~なキャラでありつつも憎めなくてお気に入りです。 素敵な作品ありがとうございました。