桑原京作のレビューコレクション
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康太のイキツケメイドカフェを中心に繰り広げられるギャグテイストのヒューマンドラマで、野球に神主に中学受験にと何かと勤勉な主人公が陽葵さんに母性を見出して親し気にしているのが微笑ましかったです。 @ネタバレ開始 初っ端からメタフィクションの要素がでてきたのには驚きましたが、個人的には主人公の父親が和かなタッチのいらすとなのが面白かったです。そんな父親が最終的にはメイドカフェに興味を持つというギャップもまた、コメディに拍車をかけていて素敵なENDのように思いました!そしてなにより、主人公の泣き方がパンクなのも印象的でした。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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ティラノフェス2022オープニング
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ダンジョン作ったから遊びに来てね【PC限定】3DアクションRPGの経験が無い自分でも、ゲームの特色を味わいながら試行錯誤しつつも楽しく脱出させていただきました。しかし、自分の度重なる不手際によりショウとオットーを何度も首輪の餌食にさせてしまったのは本当に申し訳なく思っています。2人の仲がいいだけに余計心苦しかったです。個人的には、ダンジョンという舞台にこめられた魅力の一つでもある謎解き要素が新鮮で、脳を酷使した末に正解した時の達成感は脱出時と同列に語りたい程の昂りでした。選択肢にカーソルをのせるとミニマップに進路が表示される親切な設計の助けもあり、初心者でも探索をスムーズに行えます。ゴリ押しと博打でアクションゲームをプレイする自分のようなプレイヤーでも脱出させていただけるのは、最大の魅力だと感じました。 @ネタバレ開始 上記のプレイスタイルのため、序盤は直進とバトルを繰り返し、敵設定の詳細もわからないまま敗北を前提にしたゲリラ戦法で鍵を強奪しようとしていました。それにより合計10回ほどはデッドエンドを迎えたと記憶しています。親切なヒントの助けを受けて2人の合流を最優先にしようとするも、スイッチの番号を覚えるのを忘れて扉が開けられず、ダンジョン内を10周ほどしてデッドエンドを迎えるなど”初心者”では済まないプレイをしていました。しかし、最終的には鍵の対象でない敵を目前にした場合には”戻る”と”進む”を交互に押してステップを踏んで敵を躱す戦術を編み出すにまで至り、2人の合流と鍵の入手を果たした際には喜びのあまり出口をめがけて直進をした結果、敵に突っ込んでしまったのも含めて非常に楽しかったです。そのかいあってか経過時間226での脱出が出来ました。 個人的に、クール系の男性に意中の人物がいる展開が好きなのでオットーとロザリィさんの関係性がかなり気になります。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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夏、君ニ出逢えた奇跡甲斐甲斐しい主人公が入り江にいた少女を介抱したのをきっかけにしてストーリーが展開されていくのですが、BGMと波の音が合わさり穏やかな雰囲気で物語が進むので、早々から作品に没入して楽しむことができました。 出会った当初は意思疎通がぎこちなかった二人が、少女の名前を決めたあたりから親密になっていくにつれて柔和なものへと変化する様が微笑ましかったです。 @ネタバレ開始 異種族間の恋愛は悲恋であればあるほど、その必然的だった別れの切なさや当事者の築いた関係性への儚さが倍増すると勝手に思っているのですが、それでも希望を感じさせるBADENDが用意されていたことがなによりも嬉しかったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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リリスの泪種族の壁を越えた友情をストーリーを美麗なイラストとあわせて堪能できる作品でした!優しい文体で絵本のように物語が進んでいくため、ファンタジー作品でしか味わえない物語展開の儚さがより引き立っているように感じます。また、オルゴールの音色が作品の雰囲気とあっていて、双子の天使とリリスの迎えた結末が決して絶望的なものでないことを強く思わせてくれました。素敵な作品をありがとうございました!
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ヤドカリ登場人物らの穏やかな日常のシーンから始まり、シリアスなシーンへと移ったので「平穏な学園生活が終わっちまった」と思った矢先に、ヒロイン同士の熱い戦いが繰り広げられたりと序盤から心を揺さぶられる展開のオンパレードでした。 ラブコメとシリアスの塩梅が絶妙だったのと、簡潔で読みやすい文章というのもあって、一気に最後までプレイする事が出来ました。 タイトルになっている『ヤドカリ』のと登場人物らの設定や言動を照らし合わせ、考察しながら読み進めていくのが非常に面白かったです。素敵なゲームをありがとうございました。
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エキカクイーンズアイランドまず、念のためR15設定をされていたノベルゲームという部分に心を惹かれました。 物語の導入は常人でも理解可能な範疇に留めてくださっているのですが、徐々に奇天烈で痛快な要素を大いに含んだ前衛的な世界観の全貌が明らかになっていきます。壺を着た男が倒れているシーンがあれば、ストーンバランシングと人生は似ていると哲学的に訴えるシーンがあったりと表現のふり幅が非常に大きく、ひたすらに揺さぶられます。タグには、『ホラー』『コメディ』『青春』『バイオレンス』とありますが、次のシーンでどの要素が来るかの想像がまったくつけられないため、心構えなどするだけ無駄です。感性で殴られた分を感性で受け止めていくような、怒涛の展開を楽しむゲームなのだと思いました。その影響か、途中から「友人たちを助けて一緒に帰りたい」という動機で動いている真っすぐな主人公に違和感を抱く異常思考に陥りました。 @ネタバレ開始 道中いろいろありましたが、最終的には『立入禁止区域には立入禁止にされるだけの理由があるので立ち入りだけはなんとしてでも控えるべきだ』『なにかあれば、まずは友人を助けよう』と思わせてくださる常識的で王道路線のシナリオに感服しました。 ストーンフェアリーVSライの戦いや、特効薬を自分以外の友人に渡すところなど、随所で妙に胸が熱くなりました。プルトイライダーから感じる絶妙な愛らしさの正体は造形美にあるように思いました。 @ネタバレ終了 非常に楽しくプレイさせていただきました。本当にありがとうございました。
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彼と彼女の怖い話不気味なタイトル画面から始まりアニメーションによる演出で物語が進行していったため、とんでもない技術力で恐ろしいホラーを見る羽目になるのではと終始おびえていました。綺麗な人物絵と温かいタッチの背景、軽妙な会話が続けば続くほど恐怖が増していき、殆どパソコンを横から覗いてのプレイとなってしまいましたが、自分のようにホラーが苦手な奴でも楽しめる作品で助かりました。そういった意味でも本当にありがとうございました。
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UNCLEAR哲学的な独白から始まり導入から、随所に見られる文学的な文章が魅力的でした。軽妙な音楽と共に、少女が文学を擬人化した存在である事を明かす場面でまず笑いました。 一世を風靡した擬人化モノだと思ったのですが、エンディングを回収するごとに、タグの“ディストピア”と“ホラー”の要素が強くなっていくのが印象的でした。全体的に聴き馴染みのあるシュールな音楽が使用されており、そこが個人的に面白かったです。ありがとうございました。
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なつのかわにうかぶ前作に触れていない状態で今作をプレイさせていただいたのですが、綺麗なスチルやムービー、フルボイスなど豪華な要素がてんこ盛りで最後まで楽しめました。キャラクター同士の恋愛模様と切ないシナリオのコントラストが鮮やかで、独立した作品としても楽しめる素敵な作品です。