フォレスのレビューコレクション

学園ものではあるものの、この作者さんらしい、物語でした。 それに尽きます。

何者にもなれず、また何者でもなかった。 そんな主人公がヒロインと出会い、変わっていく。 彼女のために選び、彼女のために選ばない。 間違っているし、正しくもある。 掴み取った未来よりも、選ばれなかったヒロインの泣き顔がどうにも印象に残りました。 そう思ってしまえたのも、それまでの不器用でありながらも芯の強い、二人のヒロインとの交流によるもの。 声優さんの演技によるもの。 純粋な二つの恋物語、ありがとうございました。

ハッピーエンドが褪せてしまうほどのアナザーエンドとその後でした。奇抜な設定と選択肢。短いながらも楽しませていただきました。…そういやアナザーの場合はどこでラブシルが治ったんだっけ？

ギャグが面白かったです！予想以上に。スマホのやり取りもあいまってテンポの良く読み進められました。不審人物を見つけられたら自分もあいさつしてみたくなりました。

孤独、閉塞感、後悔。 そんな中、見つけてくれたことに、一緒にいてくれたことに感謝を。 良くも悪くも、その人の人間性、性格が確立するのは小学生時代の記憶なのだと。 そしてそれから変わるのも、変わらないのもまた本人の選択なのだと。 最後の選択、どちらのエンドも感じ入るものがありました。

歪でありながらも強い絆の関係性。それはセナツとホタルだけでなくヒジリに対しても言えるのだろう。ヒジリという幽霊に出会えたから起こせた、真夏の奇跡の物語でした。

各エンド時のイラストがまた良かったですね。頼るべきは何でも知ってる親友キャラ！ですね。

どうしてもAのエンドに辿り着けず試行錯誤してました…。 偶然にもAエンドに繋がったけれど今度は4桁の数字を忘れてしまう始末…。 自分ってホント馬鹿だなぁ…。

エピローグである前日譚があれだけ熱いってどういうことですか！？もちろん本編の方も面白く、救いのないものに一筋の救いが見られるいい終わり方でした。 終わりにto be continued とあるので、続編を期待していいんですよね？期待しちゃいますよ！茜やりなもまだまだ底の知れないとこがあるし、他の狩人たちの能力やそれに至る起源等も知りたいところですね。

それぞれ問題がありながらも、他人のことばかり気にする。変人だとも思われても、根底にあるのはみなお人よしだということ。場面に合ったBGMやEDも作品をよく形作ってくれました。